パールヴァティーの覚醒は、過去にないほど激しく、部屋の窓ガラスが魔力の高圧で微かに軋むほどだった。彼女の黄金の瞳は、羅刹の体に、そして八雲の体に残る羅刹の汚らわしい精の痕跡に、焼けるような憎悪を向けていた。
「黒崎羅刹……貴様、盟約を破ったわね。パイの意識が微かにでも残る場所で、私の『无(ウー)』を貪るなど……死罪よ!」
パールヴァティーは、ベッドから飛び降り、純粋な魔力の塊を羅刹に向けて放った。
羅刹は、冷静にそれを避け、八雲のベッドに優雅に着地した。
「殺意を隠さないのね、パールヴァティー。でも、無駄よ。貴女が私を殺せば、あの証拠は魔界中に公開され、貴女は盟約違反の罪人となる。そして、この『无(ウー)』の命も危うくなるわ」
羅刹は、八雲の頬に触れ、支配的な仕草で彼の唇を舐めた。その瞬間、八雲の体は再び熱を帯び、羅刹の魔力に呼応しようとする。
「彼はもう、あなたの恐怖と私の快楽の間にいる。あなたの強引な支配だけでは、この尽きない精の奔流を制御できないわ。見てご覧なさい、彼の体は、今も私を求めて熱く滾っている」
「黙りなさい!」
パールヴァティーは、嫉妬と屈辱で叫んだ。
「貴様は、この无(ウー)の宿命を弄んでいるだけだ! 彼を満たすのは、私との愛の誓い。貴様の背徳的な快楽ではない!」
「愛? 可愛い言葉ね。あなたの愛とは、彼を精の生産奴隷として支配することでしょう? 私の快楽は、彼を道具から愛人へと変えた。彼は今、自分の意志で私を貪りたいと願っている」
羅刹は、八雲の腹に手を這わせ、優しく、しかし確信を持って囁いた。
「ねえ、我的至宝。この支配者よりも、私の快楽が欲しいでしょう? あなたの無限の精を、私に捧げたいでしょう?」
八雲は、羅刹の誘惑と、パールヴァティーの絶対的な怒りの板挟みになり、声が出せない。彼の体は、羅刹の接触に激しく反応していたが、彼の心には、パイを裏切ったことへの深い罪悪感が渦巻いていた。
「……ッ、違う……俺は……」
パールヴァティーは、八雲のその曖昧な反応に、さらに怒りを燃やした。
「藤井八雲! 貴様のその不純な熱、すべて私が吸い尽くして浄化してやる!」
パールヴァティーは、八雲を力強く抱き寄せた。彼女の魔力は、羅刹の魔力の残滓を一掃し、八雲の体に強烈な支配の刻印を押し付けようとする。
しかし、羅刹はパールヴァティーの優位を認めない。
「あなたに、彼を独占する資格はないわ!」
羅刹は、自身の魔力を解放し、部屋中に濃密な淫靡な香りを撒き散らした。その香りは、パールヴァティーの純粋な支配欲を刺激し、彼女の魔力を性的な飢餓へと変質させる。
「さあ、パールヴァティー! 貴女もこの場で彼の精を貪るしか、私に勝つ術はないわ! どちらが彼の精をより深く、より甘美に味わえるか、ここで決着をつけましょう!」
羅刹は、八雲の体を掴み、パールヴァティーの目の前で、自分の体と八雲の体を密着させた。
「さあ、来なさい! 私の無尽の精のすべてを、私を愛する者に捧げさせてやるわ!」
羅刹の激しい挑発に、パールヴァティーの理性は完全に吹き飛んだ。八雲の体は、二人の三只眼の精を巡る頂上決戦という、究極の修羅場の舞台となった。