※この作品はR-18です。

性魔伝説パールヴァティー   作:坂本太郎

57 / 126
スピンオフ⑧:氷の女王の誕生—鏡氷華と「無の无(うー)」の契約

これは、支配者パールヴァティーや背徳者羅刹とは異なり、「冷酷な知性」と「絶対的な支配」を信条とする三只眼、鏡氷華の過去の物語である。彼女は、「精の量や熱」ではなく、「精の絶対的な順応性」を持つ特殊な「无(うー)」を求めていた。

 

そして、彼女が出会ったのが、感情の起伏が極端に少なく、その精が冷たく澄み切っている少年、神崎零であった。

 

壱の邂逅:冷たい精への執着

氷華は、とある研究施設で、感情の欠落と引き換えに特異な精の安定性を持つ少年、神崎零を見出した。零の精は、情熱や欲望ではなく、氷華の魔力の色に即座に染まる「無の色」をしていた。

 

氷華は、完璧な支配のためには、この「無の无(うー)」こそが必要だと確信した。

 

氷華は、零を自分の氷の魔力で満たされた秘密の部屋へと連れ込んだ。部屋の中は、零の体温さえも奪い去るほどに冷たかった。

 

「零。貴様の精は、何色にも染まらない。それは、私の冷たい支配の魔力を最も効率よく受け入れるということ。さあ、感情のないまま、私に全てを捧げなさい」

 

零の瞳には、一切の動揺が見られなかった。彼は、感情を失った静かな声で、絶対的な服従を表明した。

 

「氷華様。私は、感情がありません。故に、私の精はあなた様のものです。ご自由に、お使いください」

 

弐の支配:氷の結合と精の順応

氷華は、冷酷な笑みを浮かべた。彼女は、妖艶なドレスを身に纏い、零の精の源に氷の魔力を流し込んだ。

 

ザァッ……という音を立てて、零の体温がさらに下がる。しかし、彼の精の生成回路は、氷華の支配によって強制的に起動させられた。

 

ドプッ! ヒヤリとした感触と共に!

 

氷華は、零と深く結合した。彼女の愛の行為は、熱や激情ではなく、支配者の冷たい命令そのものだった。

 

「ッ……! 冷たい……ッ!」

 

零の口から漏れたのは、快感ではなく肉体的な寒さによる微かな声だった。しかし、彼の精の奔流は、羅刹の炎やパールヴァティーの黄金とは違う、「氷華の魔力に完全に染まった、澄み切った精」となって溢れ出した。

 

「はぁ……ッ! ああああッ! 氷華様の……冷たさが……僕の精に……ッ!」

 

羅刹やパールヴァティーが快楽を燃料にするのに対し、氷華は冷酷な支配を燃料にした。彼女は、零の純粋な精を、冷たい魔力でコーティングし、自分の意のままに操れる武器へと変えていった。

 

ジョボォ……ヒュルルルルルルルル……!

 

零の冷たい精の奔流は、音を立てずに、しかし圧倒的な量で氷華へと注ぎ込まれた。氷華は、その「無の精」が、自分の支配の魔力を完璧に補強することに最高の満足感を覚えた。

 

参の契約:永遠の冷たい忠誠

精の抽出を終えた氷華は、満足げに零を見下ろした。零の体は極度の冷気と精の消耗で、既に雪のように真っ白になっていた。

 

「零。貴様の精は、完璧よ。貴様の感情のない献身こそが、私を最強の支配者にする」

 

氷華は、零の冷たい肌に氷の接吻を与えた。

 

「貴様は私の影、私の道具。そして、私に絶対的な精を捧げる无(うー)。この冷たい契約が、永遠に続くことを、誓いなさい」

 

零は、既に自我を失ったような虚ろな瞳で、氷華を見つめた。

 

「はい、氷華様。私は、あなた様のものです。私の全ては、あなたの支配のためにあります」

 

こうして、鏡氷華は、感情を持たない「無の无(うー)」である神崎零を手にし、感情的な愛や背徳的な快楽を否定する、冷酷で知的な支配者として、三只眼の世界での地位を確立したのだった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。