新たな統括者
やがて光球の輝きが収まり、八雲の肉体に溶け込むように吸収された。彼が立ち上がった時には、以前よりも遥かに洗練された気配を漂わせていた。周囲の淫魔たちが畏怖の念を込めた視線で彼を見上げる。
「これが……魔界の支配者か」八雲は手の平を開閉させて確かめる。「思ったほど重くないな」
リリアーナが震える声で尋ねる。「主君……ご気分はいかがですか?」
「悪くないさ。むしろ……」八雲は傍らの羅刹を見つめて微笑んだ。「今はとても晴れやかな気持ちだよ」
羅刹も穏やかな表情で頷く。「ありがとう……八雲くん」
その時――パールヴァティーが雷竜に乗り空高く舞い上がった。「では正式に宣言しよう!今日この日より魔界統括者は我らが主君・八雲である!」雷鳴のような大声が城内全域に響き渡る。
「異論のある者は今すぐ名乗り出よ!」
当然ながら返事はない。すべての淫魔たちが地に伏せ八雲に忠誠を誓う姿勢を取った。
羅刹の末路
戦いは終わった。しかし羅刹の罪は消えない。彼女自身もそれを理解していた。八雲は深く考え込んだ末、ひとつの判断を下す。
「羅刹……お前はこれから長い時間をかけて罪を償ってもらう」
「覚悟しています」羅刹が静かに頭を垂れる。
「まず一年間……俺の側で執事を務めろ」
「え?」羅刹が驚いた顔を上げる。「執事……ですか?」
「そうだ」八雲はニヤリと笑う。「お前の悪知恵と魔力があれば、魔界の行政もスムーズになるだろう。ただし……少しでも怪しい行動をしたら即刻牢獄行きだ」
「承知しました……我が主様」羅刹は恭しく跪き誓いのキスを捧げた。
統治への道
翌日から八雲の魔界統括者としての日々が始まった。朝一番に執務室で羅刹が淹れるコーヒーを飲みながら報告書に目を通す。意外にも羅刹は有能な秘書役となり、日々の業務を完璧にこなしていった。
一方淫魔たちは各地の治安維持に努めている。特にリリアーナは軍事部門を取り仕切り、パールヴァティーは外交担当。赤髪の双子は都市再建プロジェクト、アクエリアスと風使い姉妹はインフラ整備……と全員が重要な役職についた。
だが何よりも八雲にとって嬉しかったのは――夜になると交代でパールヴァティーや羅刹、淫魔たちが寝室にやってくることだ。彼女たちは各々の特技を活かし八雲を癒し悦ばせたのであった。
時に五人がかりで奉仕したり、逆に八雲が全員を制圧するなど夜ごとに趣向を変え淫靡な宴が繰り広げられている。
そんな中で八雲はある夜、寝室の窓辺から見える魔界の街明かりを眺めながら独り言ちる。
「俺……本当に魔王になっちゃったんだなぁ」
すると背後からそっと抱きつかれる感触。振り返ればパールヴァティーが妖艶な笑みを浮かべていた。
「良いではありませんか……我らが主様?あなた様のお陰で魔界はかつて無いほどの繁栄期を迎えたのですよ?」
そう言いながら彼女の手は既に八雲の股間へ伸びていく――その時扉がノックされ慌ててベッドカバーに潜り込んだ二人だった。
翌朝。寝不足気味の頭で執務室に向かうと羅刹が書類整理をしながら挨拶してきた。「お早う御座います、主君。昨日はまた随分と賑やかな夜をお過ごしになったようで」
「見てたのか!?」思わず叫ぶ八雲。
「えぇ勿論……あんな声を聞かされては眠れません」くすくす笑う羅刹を見て八雲は頭を抱えるのであった。
それでも今の生活は悪くなかった。魔界全体が少しずつ良い方向へ進んでいるし、何より――可愛い女の子達と毎晩エッチ出来るなんて最高じゃないか!
そう思い直した八雲は再び椅子に腰掛けて仕事を始めるのであった。外では新しい時代を祝福するかのように美しい夕焼け空が広がっていた……