※この作品はR-18です。

妖精(あやかし)の花嫁 - 封印された血脈を継ぐ精の力   作:坂本太郎

3 / 7
  第三章:清浄なる怒り — 最高位の神女の決断

一、 ⛩️ 高天原(たかまがはら)の動揺

場所は、神々の居城にも匹敵する霊験あらたかな『高天原神社』。清浄な霊力が満ちるこの聖域で、最高位の神女である天照 桔梗(あまてらす ききょう)は、異変の報を受けていました。

彼女は神々の御心を代弁し、葦原中津国の霊的な秩序を数百年にわたり守ってきた、絶対的な支配者でした。

しかし、玉依が「淫魔の血」を持つ朔也に堕とされ、その霊力が穢れた「快感の熱」へと変換された事実は、高天原全体に激しい動揺をもたらしていました。

「玉依の霊力の波形が、闇と快楽の汚濁によって完全に塗り替えられた…?そして、霧隠れの女頭領である静流の妖力までもが、同一の熱に支配されているだと?」

桔梗の表情は氷のように冷たく、その静かな怒りは周囲の空間を凍りつかせるほどの霊圧を放っていました。彼女の清浄なる霊気は、淫(みだれ)の火という煩悩(ぼんのう)の濁りを、最も強く忌み嫌っていました。

 

二、   記憶の解析:忌まわしき淫魔の血

桔梗(ききょう)は、霊視の業を用いて、朔也(さくや)の血脈に深く刻まれし、古代の淫魔が持つ因縁(いんねん)を解き明かしました。

【血脈の写し(けつみゃくのうつし):遥か数世紀の昔、神々が力を束ねて封じた、荒ぶる淫(みだれ)の精を宿す一族の滅びの様。その魔力は、贄(にえ)となる霊力・妖力を全て、抗えぬ快楽へと変じて我が物とする力であった。】

「やはり…忌まわしき御影の血。封印が何らかの刺激で破られた。このままでは、彼はこの国の全ての霊力と妖力を快感で征服し、新たな『淫魔の王』となる…秩序は崩壊し、情欲の混沌に満ちてしまう!」

桔梗の脳内で、朔也の「精の魔力」と、過去の情欲による秩序崩壊の心の傷が激しく衝突しました。彼女は自らの存在意義が根底から脅かされることを悟りました。

(この者の熱は…清浄な霊力を破壊する毒。しかし、その破壊的な力は、確かに…全てを塗り替えるほどの強さを持っている…!)

 

三、  ️ 追討の開始:清浄なる鉄槌

桔梗は静かに立ち上がりました。彼女の純白の装束と完璧な美貌は、一切の迷いを許さない、絶対的な神性を体現していました。

「神使たちに命じる。御影朔也は『秩序への最大脅威』と認定する。即座に全霊力を結集し、彼の肉体を完全に浄化せよ」

彼女の発した言葉は、神社の結界を超え、高天原の全域に響き渡りました。

「ただし…『淫魔の血』は並大抵の力では浄化できない。彼の肉体が放つ、穢れた熱に触れることは禁ずる。全方位から霊力を集中させ、肉体に触れることなく封殺するのだ」

桔梗は、自らの霊力の結晶である『清浄の宝剣』を手に取りました。

「…そしてこの私、天照 桔梗が、直接、追討の指揮を執る。淫魔の血の汚濁は、この国に二度と蔓延させてはならない」

桔梗の冷徹な決断により、秩序の頂点である神々の力が総動員されました。清浄な霊力と、精の魔力を源とする情欲の力との最終戦争の火蓋が、今、切って落とされたのでした。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。