※この作品はR-18です。

dark chain   作:SVX

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龍麻x葵xマリアです。
darkとあるようにこのシリーズの龍麻はちょっと悪いやつです。


dark chain I

 奇妙な物音に、マリアは足を止めた。

自分が発する音を極力消し、聞き間違いでないか確かめる。

 不規則に、しかし途切れることなく続く物音。

それは、学び舎にあるまじき物音──女性の嬌声だった。

 そのような不埒な行いを教師として見過ごせるはずもなく、マリアは声の方へと向かう。

もしやとは思ったが、声はなんと自分の教室から聞こえてきていた。

他所のクラスの生徒が忍びこんでいる可能性もなくはない。

しかし、普通に考えれば中にいるのは教え子の誰かだ。

 怒りに形の良い唇を噛んだマリアは、自分の受け持つ教室に忍びより、そっと中を窺った。

 そこにあった光景に、思わずマリアは小さく息を呑んだ。

 裸の女が、学生服の男の上に跨っている。

足を一杯に開き、卑猥に腰を振りたてている姿は、どう誤解のしようもないものだった。

 二人は、交わっている。

まだ教師として真神に来て日が浅いマリアは、そこまで学校に愛着を持っている訳ではなかった。

しょせんはかりそめの生業であり、目的が果たせれば明日にも消えてしまって構わない。

生徒達は慕ってくれているが、彼らも所詮は人間であり、

過度の肩入れをする理由など人間への憎しみを糧とするマリアにはどこにもないのだ。

 しかし今彼女に涌き起こった、自分の聖域を汚されたという思いは驚くほど強く、

マリアは動かぬ証拠を掴むため、あるまじき行為に耽っている二人の正体を確かめようと、

よりはっきり彼らが見える場所へと身を移した。

 気づかれないぎりぎりの位置まで近づいても、男の方は逆光で顔が見えない。

女も背をこちらに向けており、顔は判別できなかったが、その美しい黒髪に、マリアは息を呑んだ。

 日本人特有の、濡れ羽色という表現があるらしい髪の中でも、特に彼女のそれは際立っていて、

初めて見た時、マリアはらしからぬ羨望を覚えさえしたものだ。

 彼女はこの学園の生徒会長であり、クラスの委員長でもあり、

何かと不馴れな自分を色々とサポートしてくれてもいる。

同僚から彼女は聖女マドンナとも呼ばれていると聞いた時、さもありなんと大いに頷いたものだった。

 その、名を美里葵という彼女は、今、顔立ちだけでなくスタイルも美しいことを惜しげもなく晒していた。

椅子に座っている男にしがみつき、上下だけでなく、前後や回転さえも交えて腰を動かし、

淫らな欲をだらしなく貪っていた。

「ああ、あんっ、はぁ、はぁ……っ、いい……いい、の……」

 陶酔しきった声からは、普段の知性と理性に溢れた彼女の面影は微塵も感じられない。

そして喘ぎに混じって聞こえる粘りけのある音は、

聞いているだけで欲情を覚えてしまうほど卑猥なものだった。

 無論マリアは音ごときで我を失ったりはしないが、出ていくタイミングも掴めず、

二人のセックスを間抜けに覗いているしかない。

 それにしても、気になるのは男の方だ──マリアが改めて疑問を抱いた時、室内の声が一際高まった。

「はっ、あっ、あっ、ぁ……緋勇くん、私……も、イク……っっ、いやぁ、はぁぁ……んっ」

 細い叫びと共に、葵の裸身がしなる。

ほとんどそり返りそうになっていた背中は、男の手によって抱きとめられ、

その限界点で遠目に判るほど痙攣していた。

 いかにも快さそうに身を震わせた葵は、絶頂を迎えた特有の甘ったるさで男にしなだれかかり、束の間の静寂が訪れる。

 今こそ教室に入る時だ。

理性はそう命令していたが、葵が発した男の名前に、マリアの全身は麻痺してしまっていた。

 緋勇、龍麻──彼女が真神にやって来た、理由。

人でありながら人ならざる、マリアが欲する『力』を持つ少年。

彼がこのような行為をしていることに、マリアが抱いたのは怒りだった。

もちろん彼も一介の人間であり、高校生であるから、性欲に踊らされていても不思議ではない。

 事実彼は紛れもない人気者であり、クラス内だけでなく、

学校中の女子生徒から毎日何かしら声をかけられている。

別に人間が種の繁殖と建前をつけた、堕落した肉の交わりに励もうと知ったことではない。

 しかし、滅びゆく運命の一族を救いうるかもしれない鍵となる男が、

このようなただれた淫楽に耽っているなどと、許せるはずもなかった。

それがかなり身勝手な感情であると自覚しつつ、マリアは本気で彼に対して忿怒ふんぬしていた。

 一瞬こそ動きを止めてしまったものの、すぐに内側から噴出する膨大な情念に後押しされ、

再び踏み込もうと息を整え、扉に手をかける。

「どうしました? マリア先生」

 まさにその瞬間に扉の向こうから行われた龍麻の挨拶は、あまりにも自然だった。

つい教師の顔で「何かしら?」と答えてしまいそうな、ごく普通の挨拶。

 しかし龍麻は裸の葵を抱いたままであり、自分に向かって上げられた手は、

そのまま少女の胸へと伸びた。

気配を殺し、彼からは全く見えない位置から見ていたのに、何故気づかれたのか。

 機先を制された悔しさとぶざまさに白い顔を鮮やかな赤に変え、

マリアは龍麻の前に出ていった。

「マ……マリア……先生……」

 葵の驚ききっている声も、マリアには白々しく感じられる。

学校内で服も着ずにあのような、廊下にさえ響き渡る淫声をさえずっておいて、

見つからないとでも思っていたのだろうか。

 マリアが隠そうともしない侮蔑の眼光を浴びせると、

葵はとにかく服を着ようとするが、龍麻に制され、裸のまま立たされていた。

 女性としての発育をほとんど終えている身体は、汗と淫猥な体液でうっすらと輝いている。

ほとんど隠せていない乳房と、たった今まで男を感じていた下半身を両手で懸命に覆う姿は、

あまり認めたくはないが、中世の絵画のような美しさだった。

 一方龍麻は、学生服こそ着たままであるが、葵を辱めていた男根を隠そうともしておらず、

ふてぶてしく座る姿はまさしく淫魔インキュバスを思わせるものだ。

鼻をつくいかがわしい匂いを発する白濁に塗れた醜怪な異物を、

視線からどかすのに何故かてこずりながら、マリアは教え子を難詰した。

「アナタ達……ここは学校よ、何を考えているのッ」

 非のほとんどない優等生である葵は、教師の叱責に身も世もないほど俯いたが、

席に座ったままの龍麻は、恐れ入るどころか横に立たせた葵の尻を撫で回している。

「こいつは自分の席でするのが好きなんですよ。な、葵」

 揶揄する龍麻に葵の顔が、全身の血が集まったかのように赤くなる。

クラスで最も信頼している生徒である彼女がいいように辱められていることに、

マリアは激しい義憤を覚えた。

 その義憤を嘲るように、龍麻が続ける。

「葵は俺が転校してきた日にもう気に入っていたみたいでね、俺のこと。

だから落とすのは簡単でしたよ」

「やっ、緋勇……くん……」

 龍麻はまるでマリアなど眼中に無いかのように葵への愛撫を続け、

まだ拭いてもいない、生々しい行為の跡が残る股間を指先でいじる。

葵は切なそうに身悶えしながらも、決して龍麻を止めることはなく、

マリアは自分がひどく馬鹿にされたように思い、必要以上に声を荒げた。

「止めなさいッ! アナタ達の処分は校長先生と相談して改めて伝えます。

相当に厳しい処分が下されるでしょうが、覚悟しておきなさい」

 本当に校長に報告するか、まだマリアは決めた訳ではない。

何しろ自分のクラスの不祥事であり、管理能力を問われかねないのだ。

しかしこの時は間違いなく本気で言ったのであり、

自分が恥をかくこととなってもこの男を反省させねば気が済まなかった。

 叩きつけるような声と表情に、葵は赤から青へ、惨めに顔色を変えている。

しかし龍麻は、それでもなお葵を辱める手を止めようとしなかった。

「別に退学になったって俺は構いませんけど……

マリア先生だって脛に傷ひとつないって訳じゃないんじゃないですか」

 龍麻の、錆びた刃のような言葉がマリアを抉る。

思いもよらない反撃に、彼女はうかつにも言葉を詰まらせてしまった。

「何を……言っているの」

「先生、人間じゃないでしょう? その陰氣、隠したつもりでも俺には判ります」

 生徒達につき続けている唯一の嘘を見破られて、マリアは動揺を隠しきれず、

わずかにその厚い唇を震わせてしまった。

 失策に気づいて急いで瞳から色を消すが、龍麻は勝ち誇った笑いを浮かべ、

葵を腿の上に座らせると、腰を抱いた手を陰部へと潜らせる。

未だ火照りの残る部分を触られて、声を出さないよう必死に耐えている彼女は哀れですらあった。

愛撫によって再び熱を帯び始める葵の身体から可能な限り身を離して、

マリアは教師の口調ではなく、冷徹な大人のそれで言った。

「例えワタシがアナタの言う通り人間でないとして、そんな話を他人が信じると思っているの」

 それ自体が小説のような事実に、大人で、しかも教師である自分と高校生に過ぎない彼との差。

いくら彼が真実を述べたとしても、社会が信じるはずがなかった。

そこで思考がストップしたのは、

彼女が自分で思っているよりもずっと人間社会に馴染んでしまっていたからかもしれない。

そんなマリアに龍麻が持ち出したのは、闇の世界の住人にしか通用しない脅迫だった。

「さあ? でも信じたがってる奴らはいますよね。

悪魔狩り、なんて称して悦に入っている奴らとか。

俺に言わせりゃそんな奴らよりマリア先生の方がよっぽど大事なんですけど」

 自身が悪魔であるかのような脅迫を言ってのけた龍麻は立ちあがり、マリアの腰を抱いた。

 淫猥な熱気が、心を焦がす。

龍麻が告げた、妖魔を狩ることを正義と信じて疑わない連中のことを、もちろんマリアは知っている。

 地球上で慎ましく暮らしていた同胞を、無惨に狩りたて、虐殺していった連中。

彼らに対する憎しみが、マリアを日本に連れてきたと言っても良いくらいであるが、

まだ彼らに自分がここに居ることを知られてはならなかった。

──目の前の『力』を手に入れるまでは。

 龍麻の手が、尻へと落ちる。

彼の『力』が、具体的にどう役立つのか、マリアはまだ知らない。

ただ文献で読んだ、この世界を征するほどの『力』という手がかりだけを信じて、

マリアは聖杯探索の旅に赴いたのだ。

 そして今、その聖杯に脅されている──これほど滑稽な事態も、そうあるものではなかった。

 スカートを捲くりあげた手は、下着をなぞる。

憎むべき人間として彼の愚行を止めるか、誇り高き妖魔として彼に従うか。

 下着のラインに沿って一度腰の方へと遠ざかった指は、

そこで指先を下着の中にくぐらせ、再び戻ってくる。

尻たぶの弾力を愉しむように撫で擦りながら、刻まれた秘溝へと。

あと少し。もう少し。

「──ッ!!」

 唇が奪われる。

指先の感触に夢中になって、全く無防備になっていたのが敗北の証だった。

入ってきた舌にたちまち口内を蹂躙されながら、マリアは龍麻を突き放そうとはしなかった。

否、この淫欲が支配する空間に足を踏み入れた時から、

もうマリアはこうなることを予感していたのかもしれなかった。

 尻を掴む龍麻の手が、身体を引き寄せる。

下腹に触れる生殖器は、スカートの上からでさえその熱を伝え、牝を求めている。

布地など今にも突き破って自分を犯しそうなその器官に、

マリアは抱き寄せられるふりをして自ら腰を押しつけていた。

「ふッ、んんッ──」

 荒々しくも巧みなキスに、マリアは口内を彼に委ねる。

力強く舌を絡め取られて掻き回されると、息苦しさにむせびながらも、

気がつけば彼の舌のざらざらとした部分がねぶるのを待ち構えてしまうのだ。

 髪を掴み、陵辱するように舌をねじ込んでくる龍麻に、マリアの身体は徐々に意思を失っていく。

それでも、彼の身体を掴まなかったのは、彼女の最後の意地だった。

「う……んうぅっ」

 尻の谷間から更に下へと、龍麻の指が落ちていく。

彼に捧げた秘唇は、既に湿り気を帯びていた。

龍麻によってそれを気づかされたマリアは、羞恥に理性を回復させ、激しく暴れる。

しかし龍麻の両腕は閂のように身体を閉ざして離さず、遂に抵抗を諦めざるを得なくなってしまった。

 唇が解放され、悔しげに龍麻を睨みつけるマリアだが、龍麻は澄ました顔で微笑むだけだった。

「大丈夫ですよ。マリア先生を売ったりはしません。

例え先生を狙う奴らが来たって、俺が護ってあげますよ」

 この異常な状況にあって、龍麻の言葉は奇妙なほどの安らぎをマリアにもたらす。

 耳元で囁いた龍麻と真っ向から瞳をぶつけたマリアは、

数瞬の空白の後、その長い睫毛をわずかに震わせ、瞼を閉じた。

薄く笑った龍麻は、出来の良い犬を褒めるように彼女の頭を撫で、

深紅に塗られた唇に、うってかわった甘い口づけを与える。

 まだ二十歳にも満たない少年は、恐るべき手練手管で心の隙に忍び込み、

年上の女性を陥落させることに成功してしまったのだった。

 屈したとは言ってもやはり恥ずかしいのだろう、マリアは目を閉じたままだ。

処女のように硬くなっている彼女は年齢を感じさせない可愛らしさがあったが、

そのままでは面白くないので、龍麻はこの場にいるもう一人も饗宴に参加させることにした。

「葵」

 龍麻が短く命じただけで、葵は意思もたぬ者のように彼に従う。

「美里さんッ、止めなさい、アナタはもういいのッ」

 龍麻の思惑通り、葵に対してはまだ理性が勝っているのだろう、我に返ったマリアは

スカートに手をかける教え子を両手で制止する。

しかしそれは龍麻を自由にさせてしまうことでもあり、彼女がどちらを止めるか迷っている間に、

龍麻は葵と協力してスカートも衣服も脱がせてしまった。

教室で下着姿になるなどという、教師としての自分を冒涜される行為に、

マリアは目もくらむような恥辱を抱いているらしく、

白雪のような肌は見るも鮮やかに赤らんでいる。

それは龍麻ならずとも、欲望を刺激されて止まない姿だった。

「やっぱり先生くらいになると、下着も結構いいの着けてるんですね」

 若い、直線的な欲望を隠そうともせず、龍麻は彼女の胸にある大きな丘に手を伸ばす。

淡い紫の下着に包まれた乳房は、同年代の中では紛れもなく最上級である葵のそれよりも

なお大きく、弾けんばかりのものだった。

 下から持ち上げるように手を添えた龍麻は、ふくらみに沿って掌を滑らせる。

ほのかな熱と、軽くなぞっただけで形を変えるほど柔らかな、

たまらない質感を以って応える柔肉は、たちまち龍麻を虜にした。

カップの上から揉みしだき、跳ね返して来る弾力を愉しむ。

上質なシルクの布地は指に快く、何度も捏ね、弄んでいたが、

やがてそれにも飽きると、強引に下着をずらし、豊満な膨らみを露出させてしまった。

こぼれ出た白い乳房が重々しげに震える。

それは手荒な扱いを受けて抗議しているようにも、

下着の束縛から解き放たれて喜んでいるようにも見えるものだった。

 上半身を裸にされ、マリアはなんとか手で覆い、隠そうとする。

龍麻はそれを無理に引き剥がそうとせず、隠しきれない他の部分から責めたて始めた。

彼女の身体を離し、両手で胸を隠し、肩幅に足を開いたマリアをじっくりと鑑賞する。

さすがに感じているからではないだろうが、陽を受けて輝く金色の頭髪を乱れさせ、

唇をわずかに開いた、昂ぶった表情でこちらを見る彼女は、

それだけで欲情をそそられずにはいられない。

しかも、その開かされた足の間には全裸の美少女が跪いており、

桃色の舌先をチロチロと覗かせながらマリアを愛撫しているのだ。

マリアも龍麻の手は振り払えても、葵を足蹴にすることはさすがにできないらしく、

小さく身体をよじるのが精一杯のようだ。

それがまた彼女の、成熟しきった女の曲線を余す所なく見せつけることとなり、

愛撫によって少しずつではあるが着実に高まっている、

匂い立つような官能を龍麻に向けて発散するのだった。

 真神学園内において、生徒の一番人気は間違い無く葵であるが、

教師も含めるとマリアと葵が甲乙付け難くなる。

その二人が肢体を晒し、淫靡に絡めていることに、龍麻は我知らず唇を舐めた。

 見ているだけでは我慢できなくなり、マリアの腕に触れる。

太っているのとは全く異なる、絶妙な加減の肉付きは、触れるだけで快感を覚えるものだ。

肩から肘先へと指腹をなぞらせ、そこから胸を隠す彼女の手先へと渡らせる。

力ずくで剥がされるのだと思ったのか、マリアは指先に力を込めたが、

龍麻はむしろ重ねるように指の間をなぞった。

「……っ」

 微弱な愛撫に虚を突かれ、マリアの心が緩む。

それを彼女の薄く開いた唇から漏れた、悩ましい声で知った龍麻は、

もう一方の手を彼女の背中に回した。

「ぁ……ッ」

 浮き出ている背骨に沿って、掃くように手を滑らせる。

背中から腰へと下ろした手を、反応を見ながら往復させる。

「や……め……」

 両手は胸を抑えているために、哀願するしかマリアにはできない。

しかしそれを龍麻が聞きいれることは決してなく、

首筋から胸元へと、弱いキスを交えて生白い肌を舌で味わっていくのだった。

 図らずも寄せあげられ、それでなくても深く刻まれている谷間が、更にその深さを増している。

柔らかな圧力によって閉ざされているそこを、龍麻は舌をこじ入れて縦に割っていった。

「……ん……っ」

 乳房の肉を吸いたてる龍麻に、マリアは自分から胸を差し出したような錯覚に陥ってしまう。

それはマリアの心を更に緩め、龍麻の指先が少しずつ手を絡めていくのにも、

彼女はいつしか抵抗しなくなっていた。

龍麻の指が、マリアの手と胸の間に滑りこむ。

男の硬質の感触は不快なものではなく、指の付け根をくすぐる感触は快いものだった。

 だからマリアは、左手を彼に明け渡してしまう。

遂に左手と、それが隠していた右胸を得た龍麻は、早速その広大な丘稜の検分を始めた。

「っ、は……ぁ」

 騎士が女性に忠誠を尽くすような、恭しいキス。

それを乳房の上半分に隙間無く浴びせられ、マリアは陶然となってしまう。

思考が熱を帯び、このまま流されても良いのではないか、と思いかけ、

慌ててその危険な考えを打ち払う始末だ。

しかし龍麻はどこで学んだのか、女性の身体を操る術をそら恐ろしいほど心得ており、

熱はいよいよ高まるばかりだった。

 もはや龍麻を拒絶することはできないと感じたマリアは、

せめて刺激をひとつでも減らそうと股下の葵に向かって呼びかける。

「お願い美里さん、目を覚まして」

 その叫びに動きを止めたのは、葵ではなく龍麻の方だった。

愉快そうにマリアの瞳を覗きこみ、殊更声に出して笑ってみせる。

「先生、こいつは別に俺に弱みを握られてるとか、変な力で言いなりにされてるとかじゃないですよ。

葵はね、こういうのが本当に好きなんですよ」

「そん……な……」

 絶句するマリアに、葵はその言葉が嘘でないことを示すかのように下着の上から舌を這わせた。

尻に顔を押しつけ、鼻先を谷間に埋めながら、下着の湿っている部分を何度も往復させる。

弱い刺激ではあるものの、それが教室で教え子によって行われているという背徳感が、ひどくマリアを酔わせた。

「駄目……駄目よ、あッ……ン……」

 身体の何ヶ所かに同時に加えられる灯に翻弄され、バランスを失ってしまう。

短い逡巡の後に彼女が支えにしたのは、男の身体だった。

胸を覆っていた腕を龍麻に伸ばし、咄嗟に掴む。

それを待っていたかのような絶妙のタイミングで、腰に添えられていた龍麻の腕が力強さを増した。

「あ……ッ」

 彼の胸に飛び込む形となったマリアは、苦しさを覚えるほどの鼓動の高まりに苛まれた。

臍に当たる長大な屹立は、そこから立ち上る熱気を隠そうともしないで牡の鼓動を下腹に伝えている。

それは彼が、あるいは自分が身動きするたびに肌を叩き、くっきりとした形をマリアに教え、

彼女は盗み見た、葵が貫かれていた光景を思い出して身を震わせた。

葵の舌によって押し上げられた下着が、くちゅりと音を立てる。

それは紛れもなく、期待によってこぼれた自分の愛蜜だった。

 龍麻の手が腰から尻へ進む。

今度はすぐに下着の内側へと潜りこんだ掌は、双臀をたぷたぷと揉み、

指をその間にある溝へと落とした。

そのまま葵が顔を埋めている秘唇まで辿り、下着越しに彼女に舐めさせる。

「はっ、ぁ……ぅ、ん……」

 ねっとりとした愛撫を行う指と舌に蕩かされ、

マリアはすっかり龍麻にしがみつかねば立っていられなくなってしまっていた。

しかし、巨木のように揺るぎ無く自分を支える彼の身体の、なんと心地よいことか。

むしろ自分から官能に染まった身体を擦りつけていったマリアは、

だから二人の手によって下着が下ろされても、感じたのは更なる解放感と、期待だけであった。

 すっかり濡れていた秘唇から、淫靡な糸が何本も引く。

それはたちまち龍麻の手を濡らし、葵の顔を汚した。

同じ場所を二人に同時に責められ、昂ぶりが一気に増す。

龍麻と葵の求めるままに足を開き、愛撫に身を捧げていたマリアは、

龍麻が一向に動こうとしないことに、遂に痺れを切らした。

「お、お願、い……」

「欲しいんですか?」

 揶揄に刃向かう余裕も無く、マリアは屹立を誇示する龍麻の頭に腕をぎゅっと回し、幾度も頷いた。

教卓に手をつかされ、尻を抱えられる。

求めはしたものの、立ったままの後背位という人と獣の狭間のような倒錯的なスタイルに、

まだ理性が完全に消え去った訳ではないマリアは激しく抵抗した。

「こッ、こんな格好嫌ッ、お願い……嫌ァッ」

 しかし哀願も空しく、体内に異物が侵入してくる。

太く、長大なペニスは腹を食い破られるような衝撃をマリアに与えた。

中で更に膨張するような気配さえみせるそれに、瞬く間に思考は飛び、大きく息をつくことしか出来ない。

しかしその息さえも、全てを吐き出す前に途中で遮られてしまった。

「まッ、待って……ひッ」

 膣壁がこそぎ取られる。

耳の後ろを灼かれるような快感に、身体がわなないてしまう。

想像以上の太さに、マリアは女として途方もない悦びを感じていた。

恐らくそれは、屹立が葵の身体から引きぬかれた瞬間から抱いていた期待。

剥き出しの獣性を持つ龍麻への、無意識の服従。

 抽送を始める龍麻に、マリアは悶える。

それは彼女がさっき嫌悪した、葵が奏でていた淫声よりもあさましく、美しい声だった。

 媚肉を味わうようにゆっくりと腰を動かしながら、龍麻は葵を見る。

物欲しげに見ていた葵はすぐに近づいてきて、その肢体を捧げた。

彼女と唾液が滴る口づけを交わしつつ、彼女の陰部にも龍麻は手を伸ばす。

「んふ……っ、う、ん……」

 マリアと同じか、あるいはそれ以上に濡れている淫口に指を突き入れ、

激しく掻き回してやると、葵は鼻にかかった声で続きをねだってきた。

欲情を隠そうともせず、悩ましげに腰を擦りつけてくる。

それは彼女に憧れる者が見たら、狂気にも似た嫉妬を抱くに違いなかったが、

龍麻は、今回は葵に我慢させなければならなかった。

 舌を吸いあげ、懸命なキスでなんとか自分に関心を持たせようとする葵に愛しさを感じながらも、

それを止めさせる。

瞳を潤ませる葵に微笑んで髪を梳いてやると、不承不承ながらも葵は身体を離した。

それでも中々離そうとしない視線を、龍麻はマリアの足元に誘導する。

葵は何も言わなかったが、再び担任教師の股下に潜り、

淫猥に開かれている秘唇と、それを開いている屹立に唇を寄せた。

「あ、やッ、み、美里さん……や……んッ」

 またも二人に責められ、マリアの快感は増すばかりだ。

指と舌でさえどうしようもなく感じてしまったのに、

今は指に代わる熱杭に体内を貫かれているのだ。

 美しい曲線を描く尻を振り、マリアは愉悦を貪る。

長い足をぴんと伸ばし、身体を直角に折って悶えるマリアの背中を撫で回していた龍麻は、

密着させた腰を更に突きだして彼女の奥を探った。

 送りこまれる愉悦を、肩を撓めて享受していたマリアは、

身体の深奥に強い快感を受け、戸惑いを隠せない。

振り向いて龍麻を見ようとすると、また強い、脳が灼けるような快感が走った。

「ッ!! な、なに……今の……」

「たまらないでしょう? ボルチオ性感っていうらしいんですけどね、子宮口を刺激するんです。

クリトリスとかとはまた違った気持ち良さがあるでしょう」

「かッ、はぁッ……違う、駄目よ、こんな……あぁっ」

 龍麻の声もほとんど耳に届いていなかった。

それほど、マリアが初めて知った快感は強烈なものだったのだ。

龍麻はこの、女の奥の奥にある性感帯の責め方を知りぬいているらしく、

間断無く激しい快感を与えてくる。

 マリアは腹の底から息を吐き、ほとばしる愉悦に何もかもを忘れていた。

しかし、口の端に涎さえ垂らして陶酔していると、龍麻の動きが止まる。

「なん……で……」

 口に出してから、自分が致命的な一言を言ってしまったことに気づいたマリアだったが、

もう手遅れだった。

「どうしました?」

「べッ、別に……うんッ」

 懸命に自分を繋ぎとめようとする最中に突かれると、どうしようもなく心が歓喜に染まってしまう。

彼を咎める気持ちが粉々にされ、下腹を満たす熱い塊にめちゃくちゃにされたいと願ってしまうのだ。

 しかし龍麻は、肉がぶつかる音が鼓膜を撃つほど激しかった抽送を止め、

さざ波のようなゆるやかな腰使いに変えてしまう。

ゆっくりと淫肉を擦るペニスも確かに快感をもたらしたが、

マリアはもうそんなものでは満足出来なくなってしまっていた。

今日覚えたばかりの新たな快感を求め、尻を突き出して牡を求める。

「お願、い……もっと……激しく……」

「激しく、なんですか」

 この期に及んで焦らす龍麻に、マリアの理性のたがはあえ無く弾け飛んだ。

「突いて……ワタシの膣なかを、掻き回してッ」

奔騰した心を言葉に変えて吐き出すと、解き放たれたという快感がマリアを包んだ。

そして腹に収まっている肉塊は、それに劣らない淫悦を次々と送り込んでくるのだ。

深い満足と、飽くことのない欲望に翻弄され、マリアはただひたすらに喘いだ。

「あんッ、それ、それッ……いいの、もっと……あふッ」

 激しく子宮が揺らされる中、葵の舌が咥え込んだ接合部を刺激する。

外側からも悦びが与えられ、マリアは教卓を涎で濡らしてむせび泣いた。

「あ、はァッ……いやぁ、ひ、ンッ……」

 これまでセックスに嫌悪感に近いものを抱いていたマリアだったが、

それは単に真の悦びを味わっていなかっただけなのだ、ということを、身体の芯に刻み込まれる。

叩きつけるような抽送でさえ物足りないと感じ、遠ざかる一瞬でさえ惜しいと願う。

「だ、め……駄目ッ、ワタシ、駄目……もう……駄、目……」

 膝ががくがくと震えだす。

意識が白みはじめ、ただ体内に篭る熱だけがマリアの全てになっていった。

その空白に、龍麻の声が響き渡る。

「イきそうなんですか? なら、ちゃんと言ってくださいよ」

「イ、ク……イクの、ワタシ……いや、いやァッッ!!」

 卑猥極まりない叫びをあげ、髪を振り乱してマリアは達する。

膣肉がその年齢に相応しい、男を悦ばせるに充分な収縮を始めた。

 大きな、しかし一寸のたるみもない尻たぶを震わせ、マリアの絶頂が本格的なものになる。

それに抗うように龍麻はまだ抽送を続けていたが、

絡みつく媚肉が一際強くまとわりついた瞬間、一気に欲望をぶち撒けた。

「はぁぁァっ……!!」

 熱い樹液を体内に放たれたマリアは、頼りなく膝を震わせ、机にずるずるとしがみつく。

幾度かに分けて射精しながら少しずつ力を失っていく男根が、

これほど愛おしいと感じたことは無かった。

身じろぎもせず存分に余韻を味わいながら、マリアは教卓の冷たさにしばし身を委ねる。

満足した龍麻が己を引き抜くと、放たれた精液が、閉じる気配もない淫口から垂れた。

 

 学園を代表する美女二人に汚れた屹立の後始末をさせながら、龍麻は次の獲物を誰にするか考えていた。

候補はいくらでもおり、生徒会長と教師であるこの二人を使えば手段もいくらでもある。

しかしまずは、この二人を完全に自分の虜にせねばならない。

葵は既に心身共に支配しているという手応えを得ているが、マリアはどうだろうか。

今日は異常な状況にあてられて我を失っただけかもしれず、

自分から求めてくるようになるまで調教した方が良いかもしれない。

それに熟しきったマリアの身体は清純な葵のそれとはまた異なった味わいがあり、

まずはこれをじっくりと堪能するのも悪くない選択だった。

 屹立の両側から懸命に舌を這わせる二人を見下ろし、龍麻は嗤う。

やがて射精感が立ちのぼるのを感じ、それを抑えようともせずぶち撒けた。

葵とマリア、種類は異なれど類稀な美貌を持つ二人の顔が、衰えを知らない白濁にまみれていく。

顔中に精液を浴びた二人は、それを拭おうともせず脈動を続ける男根に舌を這わせていた。

 沈みかけた夕陽を受けた二人の顔には、牝の悦びが満面に浮かんでいた。

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