※この作品はR-18です。

dark chain   作:SVX

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龍麻xマリアx葵x絵莉です。


dark chain V

 部屋の中に立ちこめる匂いは、既に匂いとすら呼べないものだったかもしれない。

 甘く、鼻の奥にいつまでも残るような香り、

 男の身体から発せられる良いとは言えない汗臭、

 そして女達の肌から醸し出される牝の性臭。

 常人なら数秒と耐えられずに部屋から逃げだすか、

あるいは気を失ってしまうだろうという濃密な、魔香とも言うべき臭気の空間が、

大きなベッドを中心として形作られていた。

「はぁ……ぁ……ッ……」

 そしてその部屋の中には、四人の男女がいて、はばかることもなく嬌声を唄っている。

音程も大きさも異なるそれらの声は、時に重なり、時に離れ、絶えず響き、戯れていた。

 四人が乗ってもまだ余裕のある巨大なベッドの中央には、唯一男がいる。

そしてその両脇と、下半身に、三人の女性が。

年齢も、タイプも異なる美女をかしづかせ、思いのままに肢体をまさぐる男の姿は、

男性なら一度は夢見るものであろう。

 すっかり心酔した様子で肌を舐め、キスをせがむ両脇の女性に望むものを与えながら、

この部屋の唯一の男である龍麻は、右手で葵の乳房を、左手でマリアの尻を揉みしだいていた。

「緋勇……くん……」

「フフッ……龍麻……」

 同級生と担任の教師は、鼻にかかった甘え声を出しながら、

いずれ劣らぬプロポーションの身体をこすりつけてくる。

 葵の成熟寸前の身体、マリアの完熟した身体、

その双方をも、龍麻は惜しげもなく玩ぶことが出来る立場だった。

現に二人の胎には既に精が注ぎこまれており、

そして二人はそれだけではまだ飽き足らず続きをねだっているのだ。

若く、また龍氣によって、いわゆる絶倫的な龍麻も、

彼女達に屹立をねじ込む意欲はまだ十二分にあったが、今、

彼の屹立は勃起こそしているものの、もう一人の女性の玩具と化していた。

「ぅ……」

 雁首の裏側を快い刺激が疾る。

舌の先でそこだけを舐められるとどうしても腰が浮いてしまう龍麻の習性を見逃さず、

舌は幾度も同じ場所を責めたててきた。

「絵莉……さ……っ」

 昂ぶっていく射精感に、少しペースが早過ぎると思った龍麻が止めさせようとするが、

絵莉は全く聞き入れることなく口淫を続ける。

血管の浮き出る肉棒にねっとりと舌を這わせたかと思うと、

一転、硬く尖らせた舌先で龍麻の弱い部分を集中的に刺激してくる。

葵やマリアのフェラチオもたまらない快美感をもたらすものであったが、

絵莉のそれは、深い沼に引きずりこまれるような、そら恐ろしささえある快感を与えるものだった。

「う……ぁ」

 温かな感覚が亀頭を包みこむ。

龍麻は自分の性欲に経験に裏打ちされた、

彼女達三人を相手にしてもそれぞれを満足させてやれるという自信を持っていたが、

この、絵莉という新しく加わった妙齢の女性は、

龍麻が初めての男であった葵や、美貌の割に経験の少なかったマリアと異なり、

始めから旺盛な淫欲を龍麻にぶつけてきて、ともすれば龍麻は追い詰められてしまうのだった。

 今も絵莉は、日本人男性の平均を大きく上回るペニスを、一度に咥えこんだりはせず、

まずもっとも敏感な部分だけを口中に収める。

それでも口は大きく開けねばならず、端正な顔立ちが醜く崩れてしまっていたが、

彼女は自分の顔がふしだらに歪んでいることなど意に介さず、

愛しい男──より正確に言うなら、愛しいペニスに恍惚を与える悦びに浸っていた。

 唇で輪を作り、肉茎をなぞりあげる。

「んっ……ふ」

 口の中で大きさを増す猛りに、嬉しそうに喉を鳴らした絵莉は、

先端に刻まれた溝に唾液を落とした。

生ぬるい液体が流れ落ちる前に、舌で敏感な部分を包みこむ。

決して急がず、むしろ焦らすように。

肉を舐め、軟らかな器官どうしをねっとりと触れ合わせると、

よほど気持ち良いのか、龍麻の腰が浮き上がった。

「む、ぅ……ッ」

 喉の奥に入ってくる屹立を、絵莉はたしなめるように一度口から出す。

快感を遠ざけられて不満げに震える逞しい逸物を、右手で抑えつけ、やわやわとしごきたてた。

 手の内で爆ぜそうなほど脈打ち、熱くなっていく男根。

今日だけで二度射精しているのに、まだ衰える気配もないそれに、

絵莉は情感を込めてくちづけ、再び呑みこんだ。

それまでよりも深くへ含んだ肉柱の裏側に、べっとりと舌を張りつけて擦るように舐める。

血管を潮のように流れる熱を追いかけ、顔ごと動かして刺激を与えると、

大きくびくりと龍麻の腰が跳ねた。

「はふぅ……ッ、んッ」

 龍麻の射精が近いことを知った絵莉は、ペニスを含んだまま顔を綻ばせる。

その笑顔のまま、最後の門を開かせるべく激しく責めたてた。

頬がへこむほど龍麻を吸い上げ、溜めた唾を彼の最も弱い部分に塗りたくる。

「っ……!」

 弱い所を刺激され、先端から勢い良く精液が噴き出した。

絵莉はそれを避けるどころか、自分から浴びにさえ行った。

おびただしい量の精液は、彼女の知性を感じさせる目許や形良く膨らんだ唇をたちまち白く濁していく。

そして絵莉は、あろうことか自分の顔を汚した屹立に顔を近づけ、

自身も汚れているそれに頬を擦りつけた。

他人が見れば気が狂ったとしか思えない行為であったが、

彼女は紛れもなく自らの意思でそうしているのであり、この行為こそが彼女の求めていたものだった。

「ん……」

 粘度の高い液体は滑らかな彼女の肌でさえ滑り落ちず、こびりつこうとしている。

それを絵莉は掬いとったが、拭き取るためにではなかった。

「あ……凄いわ……この臭い……」

 子供のように掌についたものを舐める。

だが彼女が舐めているのは砂糖などではなく牡の体液であり、

浮かべている表情は性に蕩けきった牝のものだ。

 絵莉は手についたものとペニスについている白濁を交互に舐め、

むせかえる臭いを肺の奥まで吸いこんだ。

だが顔に付着した精液は多く、なかなか掬いきれるものではない。

すると彼女の横から別人の手が伸び、日本人のものでは到底ありえない白い指に白濁を掬った。

赤いマニキュアを白く汚し、絵莉の友人は掬った粘液を口に含む。

「ちょっと汚れすぎよ」

 そう言いながら顔を近づけたマリアは、友人を舌で直接舐め始めた。

「やだ、くすぐったいわよ」

 愛撫と変わらぬ淫靡な舐め方で、絵莉の左の頬を綺麗にしたマリアは、

喉を鳴らして塊を嚥下する。

胃に落ちていく生命は、極上のウィスキーよりも気道を灼いた。

腹に辿り着いた精液を皮膚の上からさすり、その存在を確かめる。

腹と胎──己の中心に溜まった男の体液に妖艶に微笑んだマリアは、

物欲しそうな顔で自分を見ている葵に気付き、優しく手招きした。

「美里サン、アナタもいらっしゃい」

 従順に顔を寄せる教え子に、マリアはもう一度絵莉の頬から精液を掬い、口移しで与える。

精液が舌に乗せられた瞬間こそ、葵は華奢な肩を強張らせたが、

すぐにマリアの技巧にほだされ、快楽に身を委ねていった。

「あ……んふぅ……」

 射精の余韻に浸りながら、こちらを見ている龍麻を意識して、

マリアは葵の舌を外に誘い出し、唇を触れさせず、舌だけを絡めてやる。

既に龍麻と、そしてマリアの虜になっている葵は、

細い眉根をわずかに寄せただけでマリアに応え、

舌を差し出し、マリアの長い舌が舌腹から裏側から、

全てをねぶっていくのに委ねていた。

「そう……いい子よ」

 従順な、そして淫らな教え子の、腰まで届く黒髪を、

触れるか触れないかの繊細な手付きで撫でてやったマリアは、

もう一方の腕を腰に回し、軽く抱き寄せる。

「あ……っ」

 ほとんど球形をしながら、少しも形を崩していないマリアの豊かな乳房と、

それには劣るものの、こちらも大きく膨らみ、

形の美しさでは上回っているかもしれない葵のそれとがお互いを押し合った。

あれだけ大きな塊でありながら、四つの乳房は抵抗もなくひとつに溶け合う。

それぞれの頂にある淡い突起は一旦は埋もれたが、彼女達が動くと雪割草のように姿を覗かせた。

「あっ、は……せん、せい……」

 薄い桃色をした、鋭敏な感覚が詰まった尖りを、葵がマリアの同じものに押しつける。

マリアは彼女の望むように乳房を合わせてやりながらも、淫猥なキスを止めはしない。

葵の舌を包み、口の中に戻してやると、彼女の口腔内で舌を虐めた。

恍惚の吐息が満ちる洞は中をまさぐる異物を拒むどころか歓喜に震え、自ら迎え入れる。

「あ……ぅ……」

 喉にまで入ってくるようなマリアの長い舌は、葵が弱い上顎を重点的に責めた。

一杯に開かせた口腔を蹂躙する粘質の意思で、

羞恥と快楽の狭間で漂う葵を誘うように隅々までねぶる。

「はっ……ぁはっ……」

 葵は担任に呼気を浴びせるのを遠慮しているのか、

喉の奥で生まれる喘ぎが苦しそうなものに変わってきていた。

 それと知りつつも、マリアは彼女を解放しない。

紅潮していく葵の顔を細目で愉しみながら、泡立った舌を歯列になすりつける。

「や、ぁ……へんへ、い……」

 葵が懇願するように出した声は、口を閉じさせてもらえないために、彼女にしては間が抜けていた。

それを自覚したのか、彼女は身体を強張らせる。

開かされたままの口から涎が、涙の如く伝った。

混じりあった乳房でそれを受けとめたマリアは、

満足な酸素を得られずに意識を朦朧とさせはじめた教え子の舌を、ひときわ強く吸い上げた。

「は、ぁ……っ」

 力の抜けた鼻息と共に、舌を歓喜に震わせ、葵は軽い頂に昇り詰めた。

 

 葵をキスだけで絶頂に押しやったマリアが、恋人のようにしがみつく彼女を寝かせてやると、

呆れ、かつ淫蕩な笑みで絵莉がこちらを見ているのに気づいた。

「あなた……その気もあったの?」

「知ったのは最近だけれどね」

 マリアが同性の味を知ったのは、教え子の存在に拠るところが大きかった。

淫らでありながら清楚さを失わない彼女は、マリアから見ても欲望をそそる対象であり、

熟れた情欲をぶつけるには格好の獲物だったのだ。

ぐったりと横たわりながらも手だけは離そうとしない葵に、

苦笑いしつつ髪を整えてやっているマリアを見て、絵莉は頷く。

「確かに、葵ちゃんは可愛いけれど」

「でしょう? それにこの子、上手いのよ」

 臆面もなく言い放ったマリアは、信頼とそれ以上のものを湛えて見上げている教え子に覆い被さった。

「せん……せい……」

 期待に満ちた囁きに応えるべく、マリアはくちづけを与え、

まだくすぶっている肢体に愛撫を施す。

葵はさながら恋人同士のように腕を巻きつけ、足を絡め、

年上の女性との爛れた交わりに耽りはじめた。

 絵莉は休む間もなく身体を重ね、嬌声を弾けさせる二人を、いささか呆れたように見やった。

その拍子にこの場に唯一いる男の、先ほど搾ったばかりの屹立が、もう勃起しているのが目に入る。

目の前で教師と同級生の禁断の交わりを見れば当然なのかもしれないが、

数えるだけで今日三度目、しかも昨日も同じ数をこなしているのだ。

「凄いわね……文字通りの絶倫って、初めて見るわ」

 率直な感想を口にしながら、絵莉はさりげなく年下の少年の上に跨った。

下腹を叩く怒張の熱は、彼女を酔わせずにはいられない。

疼く子宮を満足させるべく、絵莉は龍麻を待たず、自分から屹立を掴み、胎に導き入れた。

「あッ、くぅ……ッ」

 わざと荒っぽく腰を沈めてみる。

肉を掻き分ける杭は硬く、身体の中心まで貫かれたような感覚が神経を満たした。

結合部に触れ、体内に収まっているものの太さを確かめると、それだけで恍惚に身体が震えてしまう。

更に腰を下げ、膣の奥まで亀頭に抉らせてみるが、龍麻は薄い笑みを湛えたままだ。

余裕の表情を崩さない年下の男を快感に打ち震えさせたくなって、

絵莉は鍛えられた腹に手を置き、腰を使い始めた。

「う……っ、ぁ……」

 しかし呑みこんだ肉茎の太さは予想以上で、いくらも動かないうちに強烈な快感が襲いかかってくる。

軽く息を吐き、動きを止めた絵莉に、龍麻が挑発するように笑った。

「フェラチオは上手いですけど、こっちはまだまだみたいですね」

「言ったわね」

 負けん気の強さが顔を出し、絵莉は再び腰を振りはじめた。

まずはゆっくりと上下させてみる。

肉壁がこそぎとられる快感は長く続き、そして途切れることがなかった。

目一杯腰を浮かせても抜けることのない長大な屹立に、

抑えきれない悦楽を浮かべ、絵莉はまた腰を落とす。

「あ……ッ、く……」

 熱が満ちる。

久しくなかった深い性の悦びに酔いしれ、それを与えてくれる男を絵莉は、

普段の彼女には微塵もない、他人にすがり、ねだる眼差しで見つめた。

「……」

 龍麻は何も答えないが、力感に満ちた輝きの双眸を見るだけで絵莉は下腹がひくつくのを感じる。

職業柄何人もの眼を見てきた彼女だが、女を酔わせる眼を持つ男というのは多くはない。

その中でも龍麻は、最上級の瞳を持っていた。

この瞳を見ていると、何もかもを投げ出し、

己の裡にある淫らな欲望を全て解き放って傅きたいと願ってしまうのだ。

嬉々として彼に肢体を捧げていた葵とマリアを見て、最初絵莉は龍麻が薬のようなものを使ったか、

あるいは彼女達の弱みを握ったのではないかと思っていた。

 だが龍麻は、己の肉体のみで彼女達を虜にし、そして自分という新たな獲物を加えたのだ。

自分と龍麻の結合部が奏でる粘り気のある水音を聞きながら、絵莉は彼の瞳から目を離せなかった。

黒く、深淵に誘うような奥行きを湛えた瞳は、

それが自分以外に向けられることを許容できなくなるほど絵莉を引き寄せる。

彼の眼光を得る為なら、どんな痴態を晒しても構わないと思わせるほどに。

「ぁあ……ッん……」

 足を開き、膣の奥まで龍麻を咥える。

裂かれた肉壁が歓喜にざわめきながら、

柔と剛──あるいは陰と陽を象徴する肉茎にまとわりついていった。

下腹に軽く力を込め、肉茎を締め上げる。

「ッは、あ……っ」

 だらしない官能の呻きを抑えられず、抑えようともせず、絵莉は

上下だけでなく、前後にも、果てには円を描くようにして怒張に媚肉を抉らせた。

そうして感じる場所を探っているうち、絵莉は手を後ろにつき、

軽く腰を突き出した時がもっとも気持ちが良いとわかってきた。

それは龍麻に結合部を晒す格好になるが、快楽をのみ追い求めている今の絵莉は、

むしろ積極的に淫らに繋がった部分を見せつける。

「は……あ、ン……」

 雁首に上壁を擦らせると、意識が飛ぶほどの快感が流れた。

それを続ければ、壊れてしまう──わかっていながらも、腰を止めることはできない。

自らが作り出す粘液の水音を、もっと激しくさせたいと振りたててしまう。

頭の中を支配する欲望にのみ従い、絵莉は身体を淫靡にくねらせていた。

そこに、突然外部から新たな刺激が加わる。

「ひゃっ!」

 尻に感じる異物感に、絵莉はあられもない悲鳴をあげてしまった。

いつのまに側に来たのか、マリアと睦んでいたはずの葵が背後から尻に触れてきていた。

「あ、葵ちゃん……? んっ」

 快感のさなかに試したことはない孔をいきなり触られ、絵莉は戸惑う。

龍麻と繋がったまま後ろを振り向こうとすると、白く冷たい手に妨げられた。

赤く濡れた唇と、漂う濃密な女の香り。

目覚めた、という彼女と違い、同性に興味などなかったはずなのに、

湿った柔らかな感触と、間近で見る蒼氷色の瞳は恐ろしいほど絵莉を興奮させた。

塞ぎ、唇を割ろうとする舌をあっさりと受け入れ、贄を差し出す。

「ん……ぅ……」

 目の前で行われていた淫靡な行為を思いだし、絵莉はその動きをまねた。

葵がされたようにマリアに口腔を蹂躙させると、

程なくもたらされた快感に、絵莉は目がくらみそうだった。

下腹部に迎えている快感と同時では理性が保たない。

そう感じた絵莉は、友人の舌を強引に引き剥がした。

しかしマリアは、嫉妬する気さえ失せる美しく膨らんだ唇をこれみよがしに舐めると、

力づくで再び唇を奪ってきた。

「やッ、マリア、やめ……っ」

「フフッ」

 口腔を蹂躙する艶めかしい舌に、絵莉は子供の頃、軽く溺れた記憶が甦る。

必死にもがいても入ってくる水。

一生懸命吐き出しているのに、口の中一杯に広がる生ぬるい苦しさ。

マリアの舌は、それと似た感覚を絵莉にもたらしていた。

しかし幼少の記憶と異なるのは、まとわりつく快感。

彼女の舌が這い回った後に残る、根源的な心地良さに、絵莉は溺れ、沈んでいった。

「んぅ……ン……」

 沈んでいくのを助けるように、マリアの舌が差し伸べられる。

だが彼女の舌は絵莉を助けることはなく、快楽の水底へ没していく為の案内人に過ぎない。

それと知りつつ、絵莉はマリアにしがみつく。

同性という抵抗も、理性を投げ出すという嫌悪も、

満ちてしまった快感の前にはもはや意味を持たなかったのだ。

「あ……ぁっ」

 これまでに交わしたどのキスよりも酔いしれるマリアの、技巧に満ちたキス。

下腹を埋めつくす、龍麻の逞しい男根。

そして、その二つだけでも耐え難い悦びだというのに、背後から最後の孔を愛撫する葵は、

絵莉にかつてない、意識が白むほどの恍惚をもたらした。

 知識として、そこでも快感を得ることができるというのは知っていた。

しかしジャーナリストとして必須の条件である、強い好奇心を持つ絵莉もさすがに試す気にはなれずにいたのだが、

それが今、年下の少女の手によって禁断の快楽に目覚めさせられようとしていた。

そして程なく絵莉は、マリアが、葵は上手いと言っていたのを実感させられることとなった。

 ためらいなく不浄の孔に触れる繊手は、性急に責めてきたりはせず、

孔の周りをやわやわとくすぐり、奇妙な、むず痒い感触を植えつけてくる。

身動きもままならず愛撫を受け入れてしまうと、

快感が孔そのものを拡げられてしまったかのように蔓延していった。

「ん……んっ……」

 葵は指腹だけで刺激を与えているが、少しずつ孔に沈んできている。

初めての場所なのに、確実に馴染まされているという事実に、

本能的な恐怖感に苛まれた絵莉は葵の手を掴もうとするが、マリアの舌と龍麻の屹立に阻まれてしまう。

嫌悪と快感に全身を嬲られた絵莉が混乱しているうちに、指先はするりと入りこんでしまった。

「……!! っ、むぅ……ッ!」

 それは葵の側から見れば、中指のほんの先端が埋まっただけにすぎない。

しかし、その数ミリが絵莉の内面にもたらした衝撃は巨大だった。

 膣とはまるで違う、身体の内側を嬲られる感覚。

汚いという意識の前に、来てしまう快感。

反応を試すように戻っていく指が、たまらなくもどかしかった。

ほとんど無意識に入り口の辺りをさ迷う指を求めて尻を振る。

その、まさに絶妙な瞬間に、葵の指は角度を変え、孔に対して垂直に立っていた。

「…………っ!」

 望んでいた以上の快感に、限界を超える。

指先は爪が隠れる程度入っただけだったが、絵莉はあっけなく達していた。

一度大きく縮み、弛緩する感覚が意識を浚っていく。

だが、いつもなら気怠さと共に失せていく意識が、今はまだ体内に残る異物が繋ぎとめていた。

「絵莉さん……イキましたね?」

 揶揄する龍麻にも応じる余裕はなく、絵莉は焦点を失いかけた瞳を向けるだけが精一杯だ。

もうこれ以上、どんな快感も受けつけたらいけない──警告を発する身体に従おうとするが、

まとわりつく者達はまだ彼女を解放しようとはしなかった。

「ひ……ッ、だめ、駄目ッ……お願い、もう許してっ」

 これまで微動だにしなかった龍麻が、下から屹立を突きこんでくる。

脳を揺さぶられ、絵莉は涙すら流して許しを請うたが、

屹立は胎の奥にある、最も深い快感をもたらす部分を執拗に責めることを止めない。

「んく……ッ、はぁッ、ひっ、うあッ……」

 閉じる暇も与えられない口からは、理性と対極にある叫びと涎が、

壊れたレコーダーのように垂れ流される。

腰を掴まれ、奥の奥を叩かれると、瞼の裏が痛みを感じるほど白んだ。

「あっ……んッ、あッ、っくッ」

 一方上半身は、蛇のように腕を巻きつけたマリアに、

じわじわと首筋をねぶられ、同時に乳房を弄ばれていた。

マリアは爆ぜそうに膨らんだ乳首を爪先であやし、指腹で押さえて爪を立てる。

ひとつひとつの快感は小さくても、途切れることなく送りこまれる波は、

強く激しいけれども終わりを予感できるものと違って、いつ終わるともしれない恐怖があった。

 浅瀬にいたつもりが、気づいたら首まで浸かっていた──

ましてや居るのが最初から全身浸かる深さの場所で、そこから果てなく沈んでいくとしたら。

 だがマリアの愛撫は、そんな恐怖すら忘れさせるほど細やかで、

細胞に染みこんでくるような心地良さを与えてくれる。

龍麻とマリア、二人がもたらす共振めいた恍惚に、絵莉はなすすべなく浚われていた。

そこに訪れる、もうひとつの波。

「んはぁッ……あ、あッ……!」

 そして、後ろの孔を掻きまわす葵の指は、最も激しい感覚を絵莉の全身に疾らせていた。

浅く突きたてられた指は、繊細な粘膜を傷つけまいと優しく動く。

それが絵莉には狂おしいじれったさとなって、ゆるゆると腰を動かさせた。

すると葵は心得た様子で指を埋めてくる。

ほとんど全身を犯している快感のただなかにありながら、絵莉にはその動きが手に取るように解った。

「……ッ、ぅ……」

 呼吸しただけで、尻の辺りを漂う異物感が背筋を駆けのぼる。

それは葵の指先が孔を広げるように動き、少しずつ中へと入ってくることで途方もない愉悦となった。

 全身の血管が興奮に脈打つ。

絵莉は、初めて経験する尻孔での快感を明らかに期待していた。

そんなところで感じてしまうという羞恥も、

異常な状況下の今ならさほど気にはならず、ただ快感にのみ没頭できる。

加えて龍麻とマリアが絶えず続けている愛撫が嫌悪や恐怖を薄れさせており、

絵莉は新たに覚えた快楽を、早くも享受し、貪ろうとしていたのだった。

「はぁッ……んむッ、う」

 息を吐き出し、尻の中で点る熱に震えていると、マリアに唇を掬われる。

それに積極的に応えつつ、絵莉は腰を動かして葵に尻を差し出した。

「んッ……、ふぅッ!」

 葵の指が抜けていく。

排泄の快感は、しかし長くは続かず、絵莉は腰を揺すってねだる。

求めに応え、すぐに再び入ってくる指先。

今度は中に留まらず、また排泄の快感を。

往復を始めた指に、絵莉は涙を流して悶えた。

「ふ、ぐぅっ……んふぅっ」

 マリアにしがみつき、上体を預けて堕淫を味わう。

下腹の二つの穴からも、同じものが。

異なる方向から身体の中心へと向かう快感を流しこまれて、絵莉はひとたまりもなかった。

「んッ……! ッはぁっ、あぁっッ……!!」

 身体が哭く。

穴を全て塞がれ、逃げ場を失った快感が濁流のように頭へと押し寄せた。

「んんっ……あ、ぁ……ッ、はぁ……っ」

 奔流はすべてを押し流し、絵莉を絶頂へと連れ去る。

ただ肌に感じる龍麻とマリア、それに葵に必死に掴まって、

絵莉は荒れ狂う愉悦の波に晒され続けていた。

 

 意識を取り戻した絵莉の五感が最初に得たのは、女の淫らな声だった。

何も見えず、一瞬うろたえた絵莉は、

自分が目を閉じていることを知り、恥ずかしく思いつつ目を開ける。

どれくらい続いたのかも判らない長いエクスタシーの末に、気を失ってしまっていたようだった。

 まだ起きあがる気になれない絵莉は、セックスで気絶するのはもちろん初めてで、

それほどまでに乱れてしまった原因に自然と思いを馳せる。

下腹の、特に後ろ側には、まだ奇妙な感覚が残っていた。

セックスなど好きではないと思っていた自分だったが、どうやらそれはとんだ思い違いだったようだ。

全身に薄くたゆたう快楽の残滓をそっと撫でた絵莉は、再び目を閉じて小さく笑った。

龍麻に出会わなければ決して知ることはなかったであろう感覚は、しかし不快なものではない。

この歳で初めて雌の悦びを知った絵莉は、苦笑してその事実を受け入れた。

そっと顔を傾け、飽きることなく戯れている三人を見る。

 今度はマリアを責めることにしたらしく、龍麻と葵は前後から彼らの教師を挟み、

それぞれに技巧を凝らして性の宴に興じていた。

 それを見ていた絵莉は、不意に自分が仲間はずれにされているような気がした。

彼らにしてみれば、そんなつもりはないのだろうが──そこまで考え、絵莉は苦笑した。

既に彼らを繋いでいる鎖の一端に、自分も繋がれていることに気づいたのだ。

断ちきることは、決してできない鎖に。

指先を動かし、逃げ去っていた五感が戻っているのを確かめた絵莉は身体を起こす。

 すると龍麻が目ざとく気づき、瞳で誘いかけてきた。

頷いた絵莉は、龍麻を端とし、どこまで続いていくかわからない連鎖の中に、

淫蕩な笑みを浮かべて飛びこんでいった。

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