※この作品はR-18です。

爆乳特盛りドスケベ師匠に生え立てほやほやふたなりちんぽを甘々搾精されて足腰立たなくなる小動物系冒険者のお話   作:紺真淡希

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 当作品は、skebにてご依頼頂きました。
 この度はご依頼、誠にありがとうございました。

 今作は作中で少々いやらしい話題を出すのみの、エロ無し短編となります。
 一応R-18としておきますが、オカズではなくオヤツです。


塩漬け肉と乾燥キノコの野営汁~黒パンにとろけたチーズを添えて、蜂蜜汁付き。デザートはチンポ~

 

 わたし、ソラウが冒険者になって一週間。

 少し高いランクから冒険者をはじめようってずっと訓練していたけど、その認定試験で後遺症が残る大失敗をしちゃったわたしは普通に、一番下のランクから冒険者をはじめることにした。

 

 でも、それまでの訓練がちゃんと身についていたからあっという間にランクも上がり、一番下からひとつ上、Fランクの冒険者に昇格して……。

 

「先輩っ、天幕(テント)の用意はできましたっ」

「お疲れさまです……ソラウも、随分と手慣れてきましたね」

「えへへ、ありがとうございますっ」

 

 そして、冒険者になる前からずっと面倒を見てくれていた師匠――先輩と、ふたりで活動をしている。

 

 今はすっかり日の落ちた森の中で野営中。

 私が天幕を立てている間に、先輩は火起こしも終えて鍋の用意をしてるとこ。

 

 久しぶりの野営だけど、これまでの野営……訓練とはいえ安全とは言えない場所、迷宮の中とかを想定したものと比べたら、夜の森は……油断したら絶対ダメだけど、簡単だし、天幕も手早く用意できちゃった。

 

 

 わたしでもそう思うくらいだから、先輩に関してはそれ以上だ。

 

 

 先輩の冒険者ランクはBランク。

 ……だけど、特Bって言われる特別なランク。

 

 Aランクでたくさんの功績を残した人が、ランクをひとつ落とす代わりに貴族からの依頼でも自由に断れる権利を貰った、AランクよりもすごいBランクだ。

 

 

 そのおかげで先輩はずっと、わたしの訓練に専念してくれていたし。

 そしてこれからも、冒険者として自由に、のびのびとやっていける。

 

 それこそ、ランクの低い冒険者と一緒に組むのだって望むがまま。

 最高位の冒険者、その恩恵を最大限に活用して先輩はわたしとパーティも組んでくれて、冒険者になってからもずっと一緒にはいるけど……もう、師匠と弟子じゃない。

 

 

「でも、やっぱり先輩に比べたらまだまだだなぁ……わたしも、もっと手早く支度できるようにならなくちゃっ」

 

 

 だから、師匠って呼ぶのはもうおしまい。

 先輩の呼び方はずっと先輩で通している。

 

 先輩に言われたからじゃなくって、本当の意味で先輩、と……。

 

 ……まあ、たまに。

 先輩がどうしてもっておねだりする時とか、あとはわたしがその、そういう気分の時……とか……名前で呼んだりするようにもなったけど。

 

 

 でも、基本は先輩。

 

 

「野営準備に限れば、ソラウはもう十分に一人前と言えますよ。念入りに仕込んだ甲斐がありました」

「ほ、ホントっ?」

「ええ。弓はもちろんですが、こうした雑務も飲み込みがよく……だからこそ、私もあなたと組んでみようと決めたのです。情があるのはもちろんですが、腕前も評価したからこそ組んだつもりです」

「わぁ……っ、そ、そんなに褒められると照れちゃうなあ」

 

 先輩はいつも優しいけど、評価はけっこう厳しめだ。

 そのことは訓練の時からずっと知ってるし、こうして褒めてもらえると、今までずっと、先輩が教えてくれたことが身についてるって実感できて素直に嬉しい。

 

 ……だからこそ、ちょっとだけ。

 

「……あとは……やっぱり、迷宮にも潜れたらよかったけど……」

 

 教えてもらったことを全部活かせないのは、悔しいかも。

 

 夜の森は暗いけど、暗いだけ。

 安価な結界石ひとつで獣も魔物も寄せ付けず安全に過ごせるから、迷宮と比べたらずっと楽。

 

 そんな迷宮にだって潜れるようにと、これまでずっと訓練をしていたけど、迷宮での試験に失敗してからわたしは……迷宮が、少し怖くなっちゃって。

 

「……なにも、教えを全て活かす必要はありません、迷宮に潜るかどうかなど些事(さじ)ですよ。私もあまり……迷宮は得意ではないですし、ソラウの選択を尊重します」

 

 先輩の勧め――先輩も迷宮探索は少し苦手らしい――もあって、これからは迷宮に潜らない冒険者として頑張っていこうと決めている。

 

 

 冒険者って、実態や活動は色々と幅広くて、迷宮に一切潜らない人だってそれなりに、たくさん。

 

 魔物討伐とか、あとは街と街を巡って荷運びしたり、それに商人の護衛も。

 わたしはそういう、迷宮探索以外の全部を担う冒険者として頑張ろうって思っている。

 

 

 それを踏まえて、今後必要になる技術。

 長い移動も視野に入れた野営だとか諸々、それらの再確認も兼ねて今回は長めの荷運び任務を先輩が――わたしのランクだと三日以上遠出する依頼は受けられないから――受けて、今日から一週間は毎日野営。

 

 そして学んだことの再確認は明後日、体力や物資の減ってきた頃にやろうと決めて、今日と明日はその準備。普段と同じように野営をして、諸々の支度は分担することになっている。

 

 

「さてと、私も負けていられませんね。すぐ食事の支度をしますので、少しだけお待ちくださいな」

 

 

 だから、今日のご飯は先輩お手製の野営飯。

 これが本当に美味しくて、先輩に習っていた頃も、そして今してるみたいな本番の野営も、わたしはけっこう気に入っている。

 

 

 先輩はものすごく野営上手で、天幕の設営だってわたしよりもずっと手早く、手際よく仕上げちゃうけど……それより何より食事がすごい。

 

 冒険者の野営は基本的に初日が一番豪華で、足の早い食べ物とか、出発前にそのつもりで買ったものを消費して、その後はだんだん保存食ばかりになるのだけど、先輩の場合はちょっと違う。

 

 他の人みたいに、初日だけちょっと豪華みたいなことはしない。

 普通の冒険者が初日用って買い込む分の余裕を、全部保存食に割り振っちゃう。

 

 先輩は特別豪華な日を用意しない代わりに、毎日、毎食、ちょっとずつ美味しいご飯を混ぜることで、野営の時でも食事が楽しみにできるよう意識していると言っていた。

 

 これがまた、真似しようとしてもすっごく難しい。

 荷物を基本とは違う独特の配分にしているし、買い物だって決まったものを買うんじゃなくて売っている物次第で食べるものを調整したり、美味しい味になる計算? みたいなのも必要で、見よう見真似だと難しいなって、少しずつ覚えている最中だ。

 

 あと、先輩の野営は――これは先輩が上位の冒険者で、お金に余裕があるからだけど――細かいところでちょっと高い道具を使って、少しずつ味を底上げしてる。

 

 

 今だってお鍋に水を張ってるけど、普通の冒険者とはちょっと違う。

 

 

 ほとんどの人は水場で水を汲むか、もしくは魔石で水を張った後すぐ火にかけるけど、先輩は水場だと不純物を取り除こうって工夫するし、今みたいに魔石を使う場合も普通の魔石じゃなくて食事用に特化した少し高めの魔石を使って、味と仕上がりを何より優先。街でする料理よりもずっと丁寧(ていねい)に支度をする。

 

 

 他のことは、並の冒険者よりも質素に、簡潔に。

 びっくりするくらい基本に忠実、お手本みたいな支度をするのだけど、ご飯周りに関してだけは人によっては怒られるかもしれないくらい手間暇かけて、とにかく美味しいご飯を作ることに全力だ。

 

「…………」

 

 わたしは焚き火を挟んで、先輩の向かいに座りながら先輩の動作をじっくりと。

 明後日の本番と、あと明日もわたしの担当だからそれらに活かせるよう、再確認も兼ねて眺め見る。

 

 まずは、水を張ったお鍋に一口台に整えた塩漬け肉を入れてから火にかける。

 

 塩漬け肉は、冒険者にとってなくてはならない必需品。

 たまにそのまんま(かじ)る人もいるらしいけど、基本的には今先輩がしているみたいに、お湯でふやかして汁物として食べるのが一般的。

 

 お鍋に入れたらそれだけで塩と肉の味が染み込んで、なんにでも使える土台になる。

 

 ……さすがに、土台だけで食べたらあんまり美味しくないんだけど、この塩漬け肉の汁を創意工夫でどれだけ美味しくするかが冒険者の腕……野営の腕の物差しといっても過言じゃないくらい、基本中の基本。

 

 

 作るだけなら、わたしでも作れる一番簡単なご飯だし、街中でならけっこう美味しく作れるようになってきたし、作るのがその一食だけでいいのなら、ちょこっとだけ自信もある。

 

 けど、実際の野営で……その前後、他の食事にしわ寄せがいかないよう美味しく作るのは練習中で、こっちは色んなことに気を配らないと『食べられるだけのご飯』で終わっちゃう。

 

 

 色んなこと……例えば、行軍の途中に採取した野草も一緒に茹でるとか。

 手持ちの食材とその後の食事を考えながら、道中で手に入る食材での工夫なんかはもう少し勉強しないと難しい。

 

 臭い消しとか、あとはお肉を柔らかくするためだとか。

 そのための野草はわたしでも見分けがつくし、まだ基本の範囲内。

 

 そういう基本をしっかりこなしつつ、細かいところで普通とは違う具材を使って一味も二味も違う料理にするのが先輩……を含めた、旅慣れた冒険者たちが当たり前にする野営のコツだ。

 

 

「あ……」

 

 

 例えば……お肉と一緒に、キノコを入れるのも先輩流。

 わたしはずっと、キノコって食べるものがない時しかたなく、その辺に生えているから入れるものって思ってたけど……先輩は美味しいからって理由でしっかりと選んで、その日の具材に合わせたものを入れている。

 

 

 ……でも、こればっかりは……ちょっとなあ。

 

 

「先輩……いつも思うけど、キノコを入れるのは……」

「あら、美味しいでしょう?」

「それはそうなんだけど……なんだか、貧乏っちぃ」

「ふふ……そうですね。ソラウが思っているとおり、キノコは種類の差はあれど基本どこにでも生えるもの、そのせいでお金のない冒険者が食べることが多いです」

 

 わたしも嫌いじゃないし、キノコを食べたことのない冒険者はいないってくらい、みんなが一度は食べるもの。

 

 だけど、貧乏でもないのに。

 しかもその辺で集めたものをお手本として入れるならわかるけど、先輩の場合はそうじゃなくって、わざわざ予め用意してまで入れるから珍しくて……そして、どうしても違和感が拭えない。

 

「ですが、そうして食されるということは、突き詰めたら立派な食材。そこに着目し、より洗練した食事とする術を会得すれば、お金をかけず美味しいものを食べられる……そうした見方もできませんか?」

 

 ……うーん、言っていることはわかるんだけど、

 事前に用意するのは余計なお金がかかるし、逆にその場で集めるのは……キノコには毒があるものも多いから、わたしだとちょっと危ないし。

 

 こればっかりは参考にするのも、同意するのもちょっと難しいって思っちゃう。

 

「……まあ、受け売りですけどね。ソラウ、キノコを入れるのはもともと私の発案ではないのですよ?」

「えっ、そうなの?」

 

 ちょっと意外だ。

 先輩がお鍋をする時は入れない時のほうが少ないくらい入れてるから、先輩の好物なんだと思ってた。

 

「ええ。昔組んでいた斥候(せっこう)の……あなたもご存知でしょう? 彼女が言うにはキノコの種類、毒の有無を見分けることは斥候の技術に通ずるものがある、キノコを食べずに斥候は名乗れない、と……そのせいで私、駆け出しの頃は毎食のようキノコばかりを食してまして」

 

 思い出すのは、子供の頃住んでいた村にいたお姉さん。

 元冒険者で斥候をしていた人で、わたしもちょっとだけ教わって……そして、わたしには斥候の素質がなさそうだけど弓師向きかもって先輩を紹介してくれた、もうひとりの恩人。

 

「彼女が言うには、キノコ鍋は即ち斥候飯、と……いえ、斥候だけでなく治癒魔術に長けたものも嗜むと聞きましたし、斥候飯だと断じるには(いささ)か広く知られたものと感じますけど、まあ、これも彼女の受け売りですね」

 

 先輩も思い出してるみたいで、懐かしむよう微笑みながら手元のキノコを刻んでお鍋に入れて……味そのものはわたしも好きだし、いざ入っちゃうと気にならない。

 

 それよりも、ずっと先輩の好みだと思っていたキノコの切欠がお姉さんだったってことのほうが気になるし。

 

「実際、彼女の作る鍋は文字通り一味違いましたし、どれだけ真似ようと試みても、キノコを入れぬ限りどうしても追いつくことができずに……それならと私が目利きを覚えたら、しばらくはねちねち文句を言われたものです」

 

 そういうトコありますよね、あの子。

 なんて、苦笑しながら呟く先輩にちょっと同意しちゃう。

 

 元々、わたしに斥候の技術を少しだけ教えてくれた人。

 明るくて朗らかで、みんなにお姉さんって呼ばれてた人は、いい意味で適当というか……大雑把な人だった。

 

 

 そして、焼きもち妬き。

 自分が得意なことを先輩に真似されちゃって、悔しかったんだろうなあ。

 

 

「思えば、今のあなたと同じくらいの年頃でしたね。当時のあの子はいつも、野営でも存在感を示すことで斥候の価値があがる、と常々口にして……ソラウも、短い時間とはいえあの子から斥候の術を学んだでしょう? その際にキノコの話をされたことは?」

「えぇと……キノコは判別も難しいし、まだ早いって言われてた……」

「なるほど。確かに判別を誤れば自分だけでなく、食事を囲む全員に響きます、当然の判断とも言えますね」

 

 先輩は納得したよう頷いた後……どこか渇いた苦笑いを浮かべ、遠くを見つめるような眼差しを明後日の方向へと向けた。

 

「……私からすればどの口が、といいますか、よくぞ教えられるまで育ったものだといいますか、それはもうとっても複雑ですが」

「え、えぇっと……?」

「そうですね、いい機会ですし少し昔語りをしましょうか。あの子はキノコの選別が甘い内からキノコ鍋を事ある毎に用意して……三割くらいは毒キノコでした」

「三割っ!? 多くない!?」

「私もそう思います。ですが教えや注意もどこ吹く風と、駆け出しの頃から平気でキノコ汁を作りましたし、ハズレを引いてもめげない、といいますか……まあ、組んだ面々に治癒師(ヒーラー)がいた故の甘えもあると見てますが」

 

 たしか、魔物の毒と比べるとキノコの毒ってどんな症状でも根っこが軽くて、治癒師なら駆け出しでも治療できる……だったかな?

 

 それは『だから気にせず食べてしまえ』と『その程度のことで治癒師の腕を煩わせるな』と、両方の意味を持つ教えで、治癒師とそれ以外で受け取り方が違うとか、そういう話だ。

 

「そのうえ、あの子は私とふたりきりで行動する際も平気でキノコを入れたので、何度か痛い目も見まして……おかげで、私も。あの頃はまだ駆け出し、ただの弓師でしたのに必死で、治癒魔術を会得しましたし……思えば、あの日々があったからこそ今の私がある、と。認めたくありませんが、認めざるを得ませんね」

 

 先輩は弓師だけど、弓だけでなく色んな事ができて、魔術だって使える。

 

 弓師なのに解毒とか治療とか……あと、防疫も。

 本職の治癒師並かそれ以上に回復魔術も扱えて、すごいなあと思ってたけど……先輩の原点、そこなんだ……。

 

「えぇ……お、お鍋のために、そこまで?」

「それはもう。下手をすれば命に関わりますし……いえ、まあ……食べなければよいだけのことですが……」

 

 先輩は言い淀んだ後で、はにかむように苦笑を浮かべると、わたしと、あとお鍋からも少し恥ずかしそうに目を逸らした。

 

 

「その……美味しかったもので、つい」

「…………」

 

 

 ……先輩も、そういうところあるよね。

 目先の欲に囚われがちというか……三大欲求に弱いなあ、というか……。

 

 

「でも、先輩が駆け出しの頃かぁ……」

 

 

 あんまり想像がつかない。

 

 わたしが知ってる先輩は出会った時から最上位の冒険者で、第一印象は……どうしてもおっぱいに目が行っちゃったけど、雰囲気はすごく落ち着いていて、大人のお姉さんって感じで……。

 

 

 ……今は、まあうん。

 子供っぽいところもあるなあって知ってはいるけど、だからって駆け出しの頃、先輩がわたしと同い年くらいの頃となると……ううん……どんな感じだったかピンとこないや。

 

 

「ふふ、私だってあなたとおんなじ……いえ、あの頃の私と比べたら、あなたのほうが丁寧だと思うほど、それなりにやんちゃをしておりました。ソラウは、あなた自身が思うよりもずっと立派に育ってますよ」

「そ、そう、かな? 自分だとあんまり実感がないかも……先輩にも迷惑かけてばかりだし……」

「私も似たようなもの……いえ、もっとですね。何せ美味しいからと斥候でもないのにキノコの判別と、いざという時の治療法を会得するような駆け出しですよ? あなたが思っているよりずっと、たくさんの失敗をしております」

 

 先輩はお鍋の中身を木べらでかき混ぜながら小さく笑う。

 わたしは少ししんなりとしたキノコがお鍋の中で踊る様と、昔語りをする先輩を交互に眺めながら、失敗する先輩を想像しようとして……やっぱり、上手く想像ができなかった。

 

「どんな冒険者も、駆け出しの頃は何かしら周囲に迷惑を振りまくものです。実際、私も散々毒キノコを喰らったその分、いえ、それ以上に彼女には相当に苦労をかけました」

 

 そんな風に思いながら眺めていると、穏やかに微笑んでいた先輩が、少しだけ寂しそうに目を伏せる。

 

「……私としては、全てを通じて踏まえれば差し引きなし、お互いさまだと思うのですが」

「あ……お、お姉さんは、先輩に合わせる顔がないって……」

「そのようですね。今でも私に負い目を感じているらしく……もう気にしていないと、いつも言っておりますのに」

 

 顔だってちょくちょく合わせてますし、と苦笑しながら呟いて。

 先輩は空、日も暮れて濃紺に染まった空を細めた目で眺めながら溜息をこぼした。

 

 先輩も、あとお姉さんも時折、お互いの話をしながらこんな目をする。

 

 ふたりはすごく仲良さそうに見えるし、先輩だってお姉さんと会ったら話し方が素の……可愛いほうの話し方になるくらいだから本当に仲がいいんだと思うけど、それでもだ。

 

「……ソラウ。彼女にも、そして当然私にも駆け出しの頃はありました。たくさんの失敗を重ね、お互いに……周囲にだって、それはもう数えきれぬほど迷惑をかけ、同じ数だけ助け合い。そうして、一人前の冒険者となったのです」

 

 先輩もお姉さんも、詳しいことは話してくれない。

 わたしも、なんだか聞いちゃいけない気がして自分からは聞かないようにしてるけど、でも……こうやって真面目な顔になっちゃうくらいの、すごい失敗があったんだろうなあって雰囲気で伝わる。

 

「まあ、彼女の気持ちはわかります。負い目というのは許されたとて消えぬもの。ある程度は致し方無いといえますが……でもソラウ、その逆。過去を理由に相手を恨むことは、他者のせいにしてはいけません。それがどれだけ致命的な過ちでも、最後の最後、責任はすべて自分自身にあるのが冒険者。それは、ソラウも忘れないように」

「……はい」

 

 その失敗については、やっぱり話題にしないまま。

 そうやって締めくくる先輩は、すごく、大事な……いいことを話している気は、するんだけど。

 

「まあ、キノコに関してはそんな大袈裟なことでもありません。自生してる範囲でしたら外れを引いても解毒してしまえばそれまで、私も慣れておりますし、あまり神経質になる必要もないですよ?」

 

 ……それはそれとして、でも、うん。

 やっぱりキノコは、ちょっとなあ。

 

 自己責任だというのならなおさら、回避したい食材だって思っちゃう。

 

 こういうところも、冒険者としての経験と自信かもってちょっと思った。

 見ただけで安全かどうかが分かるくらい目利きを鍛えたら、わたしがしてるみたいに怖がったり、ためらったりする必要だってないもんね。

 

「ソラウも、キノコ採りに挑みたくなったらいつでもどうぞ、多少なら私も手伝えます」

「うぅん……わ、わたしはいいかなぁ……」

 

 でも、美味しいのは本当なんだよね。

 先輩は買ったものを入れてるし、わたしが入れるにしても自分で採るより、買ったものにしようかなあ。

 

 

 そんな話をしている間に、キノコも汁に馴染んで美味しそうな艶を帯びていた。

 

 キノコに関しては食感や味もだけど、汁に味を与えるのが主。

 だから最初に入れて、いい感じに仕上がったら他の具材を入れていくことで、美味しくなった汁を吸わせたり、まとわせたり、そうすることで味を底上げする……だったかな?

 

 最初に入れるだけで美味しくなるって言われた時は疑わしく思ったけども、試しに、キノコなしの汁と比べてみたら全然違って驚いたのを覚えている。

 

「…………」

「……えぇと、先輩?」

 

 そのことを思い返していると、先輩がわたしを見ていることに気がついた。

 

「……そういえば、ソラウはあの子のことをお姉さん、と呼ぶのですね?」

「へ? う、うん……子供の時からよくしてもらったから、昔はほんとにお姉ちゃんがいたらこんな感じかなあって思ってた、し……」

 

 

 不意の質問にそのまま答えるわたしを、先輩が、じぃっと……何かを期待するような眼差しで、見てる。

 

 

 ……あー……そういえば、前からちょくちょく言ってたような。

 

 …………。

 ……。

 

「えぇ、と……せ、先輩は先輩っ!!」

 

 今さら、先輩をお姉ちゃんって呼ぶのは絶対無理だ。

 弟子として習ってた時間も長かったし、いきなり呼び方変えるの、恥ずかしいし。

 

 

 あと……ほんとのお姉ちゃんだったら、絶対にしないことだってしちゃってるし。

 

 

「残念。いえ、まあ……師匠と呼ばなくなっただけ、よしとしますか」

 

 苦笑を浮かべながらも、先輩は料理から意識を逸らさずに。

 今は、お肉を煮込んだ時に出る灰汁(あく)をすくって、そのまま捨てちゃう作業をはじめていた。

 

 先輩は、こういうところも丁寧だ。

 最初はお肉から出たものを捨てちゃうなんて勿体ないって思ったけど、実際に捨てたお汁を食べてみたらおんなじ料理なのに風味が違って、それからわたしも、最近は捨てちゃうようになっている。

 

 綺麗なお汁ができるだけ混ざらないよう灰汁(あく)の部分だけを捨てるの、結構難しくて……これも、もっと練習しないといけないことのひとつだけど。

 

 

 ……そうだ、見てばかりもいられない。

 

 

 先輩は手際が良すぎて、気を抜くと見ているだけになっちゃうのが困りもの。

 それに先輩は野営の用意そのものが好きみたいで、全部自分でやっちゃおうとする節もあるし。

 

「わ、わたしも手伝うっ」

「ありがとうございます。でしたら、ソラウはチーズのほうをお願いしますね」

「あぅ……わ、わかりました」

 

 チーズの処理は……それこそ、子供がするお手伝いと同じくらいの簡単な作業。

 

 やることはとっても簡単。

 一食分のチーズを、小分けに……今日の場合は四等分にして。

 

 そして、食事用の綺麗な串に刺す。

 

 

 ……おしまい。

 

 

 あとは、食事がはじまる直前に焚き火へ(かざ)すだけ。

 それだけで美味しいから、わたしも好きなんだけど……これだけだとさすがに、手伝った気にはなれないなあ。

 

 

 そうこうしている間に、先輩は仕上げの行程に移っていた。

 灰汁(あく)をすくったりして整えた汁に、汁素材――汁物に適したお野菜に氷と風の魔術を使って小さく、そして長持ちするようにしたもの――を加えたら、あとは汁を吸って元に戻るのを待てば、それだけでも簡単なご飯になる。

 

 

 この汁素材も、お腹は膨れるけどあんまり美味しくないと思っていたけど、先輩が選んだ素材だと普通に美味しい具材になって、こんなとこでも違いがでるんだ、とびっくりした。

 

 先輩が言うには、これに関しては料理というより買い物のコツ。

 

 簡単な方法だと、そもそも少し高めのものを選ぶとか。

 難しいのなら、術者の評判で選ぶとか。

 

 もっと難しいのだと見た目だけ、素材の目利きを育んだら美味しいものが食べられるって、これも先輩に学んだこと。

 

 

 わたしはまだ、値段でしか判別できないけど……これも、いつか見ただけで美味しいかどうか分かるようになりたいなあ。

 

 

「そうですね……しばらく野営が続きますし、(ひか)えめにしておきますか」

 

 

 もうお鍋も完成目前で、あとは汁素材が水気を吸ってお野菜に戻る間に、香辛料を少しだけ。

 

 今日は香りづけの粉だから、比較的あっさりしたお鍋になると思う。

 他にも牛のお乳を混ぜたやつとかだと濃厚でトロっとしたお鍋になるし、あとは、前に食べた辛いやつも美味しかったなあ。

 

「……え、えぇと、パンもやっちゃいますね」

 

 お鍋を仕上げている先輩を眺めながら、わたしはチーズの支度もしたし、そのついでに黒パンも用意する。

 

 ……これも、串に刺すだけだし。

 

 

 今日のご飯は、野営汁と黒パンに、チーズを少し。

 鍋にはふやけたお肉と、キノコと、お鍋の汁を吸って膨らんだ野菜と。

 

 見えてきた完成系に、少しワクワクしちゃう。

 

 他の人がするみたいに、特別豪華ではないけれど。

 野営で食べるご飯の中では、少なくとも保存食とは思えないくらいに美味しくなる組み合わせだって、冒険者になる前からずっと知ってる慣れ親しんだ味だから。

 

 

 ちょっと疲れた身体に染みる塩気と、ふやけたお野菜とキノコの食感。

 それとお肉の歯ごたえに、とろっとしたチーズとパンで満足感もバッチリ。

 

 今日はあっさり目のお汁だけど、だからこそパンに吸わせたら固い黒パンでも食べやすく、そして美味しくなるだろうし。

 

 

 わたしは食べる前から、食べた時のことばっかり考えながら用意した串を焚き火に翳す。

 

 

 パンが温まって、チーズがとろける頃にはお鍋も完成して……待ちに待った、晩ご飯だ。

 

 

◇◆◇

 

 

 先輩は、お茶の代わりに蜂蜜(はちみつ)を常備している。

 

「ふぅ……」

 

 本来の用途じゃなくって、こうやって……食事のあと、お湯に溶かしてゆっくり飲んで一服するために使うのがほとんど。たまに料理の下拵えや味付けにも使うけど、というか、色んな事に使えるから蜂蜜はお茶よりも都合がいいって言っていた。

 

 本来、蜂蜜は魔術師のひとたちが喉を労るために持ち歩くもの。

 先輩は魔術も使うけどあくまで補助だし、詠唱の長い、喉が痛むような魔術は今日だって使ってなかったし。

 

 わたしも魔術は、詠唱が要らない簡単なものしか知らないから、わたしたちには不要なはずの蜂蜜だけど、先輩は絶対に欠かさない。

 

 これも、ちょっと贅沢だと思うけど、先輩が言うには食事だけでなくその後の一服だとか、甘味だとか夜にご褒美を用意するのが野営の、そして冒険者のコツらしい。

 

「……ソラウ、今日一日過ごしてみてどうでした?」

「あ、はいっ! 普通に……ええと、前みたいに気にせず過ごせました! これ、すごいですねっ」

 

 

 ――この前、迷宮の罠にかかってわたしの身体は変わっちゃった。

 

 

 その……大事な場所が、男の子みたいになっちゃったというか……お、おちんちんが、生えちゃったわけで……。

 

 そのせいで、最近は普通にしているだけでも頭の中とおちんちんがイライラして、ムラムラして……何にも集中できないし、動き辛いし、すんごく困っていたんだけど、この間、ようやく王都の治療院で診てもらえた。

 

 診断の結果、治すにはお金も時間もかかりそうだと今はひとまず対症療法(たいしょうりょうほう)

 普段は生えているのが気にならないように、おちんちんから伝わる感覚とかを認識できないよう誤魔化す術をかけている。

 

 そのおかげで、今は罠にかかる前に戻ったみたい。

 感覚がなくなるだけで頭の中も冷静になるのはビックリしたけど、とにかく効果は抜群だ。

 

 

 今回の依頼だって、野営技術の確認はもののついで。

 長く街から離れることで術の効果とその結果、身体の調子を確かめるのが主目的。

 

 

 だから、わたしも気にしないよう努めるんじゃなくて、その逆に。

 それを意識しながら過ごしてみたけど、今日一日は生えてることを忘れちゃうくらい何も気にせず動けたし、特に不便もしなかった。

 

 身体が少し疲れやすくなってるのは……これからの課題だと思うけど。

 感覚がどうあれ、生えちゃったモノそのものは残っているからどうしても血の流れが大きく変化して、体力も落ちちゃったし、消耗も激しくなってるみたい。

 

 

 話を聞いて想像したのよりもずっと、たくさんの血を……おちんちんに持って行かれてるだなあって改めて実感しちゃうほど、疲れやすい身体になってたなあ。

 

 

 でも、治療をはじめる前よりははるかにマシ。

 おちんちんが生えてからはずっと……普通の生活、できてなかったし。

 

 王都に着いてからも、治療院にかかれるまでの間は特に、こう……。

 毎日毎日、それこそ王都で過ごしている間ずっとって言ってもいいくらい、いやらしいことばかり……。

 

 

 ……いや、うん。

 わたしの身体もだけど、正直、先輩もちょっと……だいぶ悪いと思うけど。

 

 がまんしないとって思ってるわたしをあの手この手で、その、誘惑ばかりして、先輩の言う精神の鍛錬が本当だったら、完全に失格というか……でも絶対、あんなの鍛錬じゃなかったというか……。

 

 と、とにかくっ。

 あ、あんな時間を過ごしちゃって……例えおちんちんがなくなっても、すぐいやらしいことばかり考えちゃうかもって心配してたけど、感覚がなくなっただけで全然へっちゃら。

 

 これなら、少しは普通の冒険者として過ごせるかも……。

 

 

「それはよかった……ところで、ソラウ? 感覚を誤魔化せるということは、いつでも、元に戻せるということですよ?」

「へ……ぇ゛あッ!? ん゛にゃあぁあぁあぁあッ!?♡♡♡♡」

 

 

 ……って。

 思っていたことが、一瞬で全部裏返っちゃう。

 

 

「にゃっ……な゛んでぇ……っ」

 

 感覚がなくなっているだけで、おちんちんはずっとそこに在ったんだって再認識。

 むしろこれまで以上に頭の奥底まで響くようなムラムラがお腹から響いて、服の下でびくびく跳ねてるって自分でも分かっちゃうくらい、おちんちんがすんごく暴れている。

 

 よく見たら、にんまりと微笑む先輩の、その口元に添えられた手。

 細くて綺麗な指でキラキラしてるの、あれ確か、治療師さんの指輪……。

 

「気付きましたか? ええ、これはあなたの治療に用いている術式です。今回は対象を男性器に絞っていることもあり、私でもかけ直すことができそうだなと……いい機会ですし、覚えてしまいました♡」

「しょ、んな……そ、それ、すごく難しい術だって、言って……」

「そうですね。あ、勿論(もちろん)、歴とした資格を得ておりますよ?」

「う、うそぉ……っ! あっ、も、もしかして先輩、最近勉強してたの……」

「……ええ♡ そういうことです♡」

 

 うう、てっきりおちんちんの対処法を調べてくれているとばかり……。

 い、いや、これも立派な対処法かもしれないけど。

 

「扱うことそのものは初めてですが、術式そのものには少々(えん)がありまして♡ そのせいか難度に関しても、まあ、思ったほどは……仕組みさえ理解すれば、存外簡単とも感じますね」

 

 か、感覚に作用する魔術って、本職の魔術師でも数年は鍛錬しないと会得できないすんごい術式って話なのに、そんな、いやらしい目的で覚えていいものかなぁ。

 

「ですので、ソラウ? これからは治療院にいかなくとも、私さえいれば術をかけなおすことができますよ。当然、解除もし放題……♡」

 

 うぅ、先輩が完全に新しいオモチャを見つけたみたいな顔してる……。

 先輩くらい凄い冒険者でも、新しい魔術って、やっぱり試したくなるんだなあ。

 

 

「それと、今日食したキノコは野営の際に扱うのは推奨されぬ種。味は良く、毒もありませんが……強壮効果が高すぎるといいますか、端的(たんてき)に言えば発情します♡」

「しぇっ、先輩ィっ!?」

 

 

 てっきり、ずっと感覚を消してたからその影響と思ったけど、ご飯のせいで発情してるってことぉ!?

 

「ここのところお預けでしたからね♡ ……あれから毎日のよう、一日中楽しむのが日課となってましたのに♡♡」

「にゃっ!? だ、だって、お、おちんちん治すのに、様子みなきゃって……」

「わかっております。でも、治療のためとはいえ、ずぅっと得ていた快楽をお預けされては私も、飢えて飢えて……♡ もう、抑えが効きません♡♡」

 

 

 あ、これ新しい術を試したいとかじゃないや。

 ただ、先輩がいやらしいことしたいだけ。

 

 先輩の目、完全に……欲しがってるときの、先輩だし。

 

 

「うぅうぅ~~っ、せっかく忘れてたのにぃ……お、思い出しちゃうでしょっ!」

「あら、それはむしろ私の台詞ですよ? せっかく、先達(せんだち)としてちゃんとした大人たらんと心がけておりましたのに。ソラウのおかげで、隙あらばそういうことを考えてしまうように……元に、戻されてしまいましたので♡」

 

 ……こうなってから、知ったことだけど。

 先輩は、ほんとに……思っていたよりずっと、いやらしかった。

 

 わたしみたいに、発情しちゃうわけでもないのにそれこそ、わたしよりも発情してるみたいにすぐお誘い……おねだりをはじめちゃう、というか。

 

 それでわたしが屈して、いざはじめちゃうと後はもう……うん。

 演技の声でも、本気の声も、全部……お、おちんちんに響くし、わたしも、止められなくなっちゃうし。

 

 だから疲れ果てるまでずぅっと、まるで発情期の動物みたいな……うん、あれはもういやらしいことというより、獣の交尾そのもの。後で反省しちゃうくらい、そればっかり。

 

「ですがもちろん、無理にとは言いません。ソラウが気が乗らず嫌だというのなら、すぐに先ほどの状態へ戻せますよ? ですけど……」

 

 先輩は絶対、こうやって逃げ道も用意してくれている。

 でも、身体は収まりが効かないし……わたしだって、そりゃ文句は言いたくなるけれど、別に……嫌なわけじゃない。

 

「……その様子ですと、ソラウも、元に戻ってしまったのではないですか? どうです? 久しぶりのおちんぽは♡」

 

 

 嫌じゃない、けど……。

 

 

「……う゛うぅううぅうぅ~~……!」

 

 こうもオモチャにされて、やりたい放題されちゃうとわたしとしても、お返しとか、仕返しとか、そんな言葉ばっかり頭に浮かぶ。

 

 でも、そこまで含めて全部……先輩の狙い通りなんだろうなあって。

 

「ふふ♡ お顔が怖いですよぉ♡ その様子ですと……今日、はコッチのほうがいいかもしれませんね♡♡」

 

 今だって、わたしが『止められるわけないじゃんっ』って意思を込めて睨むと、先輩は色気を感じる微笑みを、にんまりと緩めて。

 

 弓で狙う時のくせなのか、いつもは少し細めているおめめだって、この時ばかりはぱっちり開いて……それだけで、ついさっきまで綺麗だったのに、今は可愛く見えるのだから先輩はすごいというか、ズルイというか。

 

 

「ね♡ ソラウ♡ 私が、優しく絞るのも……アタシ(・・・)に、優しくしないのも♡ どちらでも、ソラウがしたいように♡」

 

 

 そして、よりにもよってその顔で。

 おちんちんで、虐められるのが好きなほうの『先輩』で、わたしを見ている。

 

 ……やっぱりズルイ。

 

 わたしも、不意打ちでおちんちんをイライラさせられて……。

 今は優しくしてもらうより……思いっきり、したいというか……。

 

 

「……可愛いほうの先輩で、わたしがする……」

 

 

 一応は依頼中なのにあんまり悪い遊び方はしちゃダメって、お仕置き。

 そう、先輩を……こらしめなきゃっ!

 

 

「……ソラウのえっち♡♡」

「フシャーッ!!」

「ふふ♡ ソラウがたくさん走り込みして、足腰ばーっかりしっかり鍛錬♡ アタシを気持ちよくするために頑張ってたの♡ ずぅっと見てたからね♡♡ アタシも楽しみに……きゃぁんっ♡」

 

 先輩に飛びついて、押し倒して。

 おっぱいに顔を埋めて一呼吸してから、顔をあげる。

 

「……くす♡ ソラウのそういう、からかい甲斐のあるところ♡ アタシ、大好きになっちゃった♡ 今のソラウ、すっごくかぁわいい顔してるんだよぉ♡♡」

 

 いやらしい意味で、わたしをからかう時の先輩が浮かべる……多分きっと、素の微笑みが。

 

 いつもと近くて、全然違う。

 見てるとおちんちんが止まらなくなる、ねっとりと細めた眼差しで、わたしを見ていた。

 

 

「し、知らないっ! もう、もう……っ、遠慮しないんだからね!!」

「ふふ、怖ぁい……♡ いいよぉ♡ お腹もいっぱいだし、あともうふたつも♡ ぜぇんぶ満たしちゃお♡♡」

 

 

◇◆◇

 

 

 そうして結局、今日も……いやらしいことばっかり。

 先輩をたっくさん啼かせて、気付いたらわたしが鳴いちゃって。

 

 天幕(テント)の中までどろどろのぐちゃぐちゃになるくらい、夜通しずっと、そういうことばっかり、くたくたになるまで繰り返して、そのまま、予定よりも遅くまで熟睡して……。

 

 

 こんなことばっかりしてたら、おちんちん……治したくなくなっちゃうなあっていうのが、最近の悩み。

 

 

 ……だって、先輩は。

 真面目なとこも、すごいとこも、可愛いとこも……いやらしいとこも。

 

 元から知っていた先輩も、最近知った新しい側面も、全部好きだし。

 だけど、可愛いとこと、いやらしいとこは……おちんちんがないと見られない。

 そのことに、気付いちゃったから……。

 

 

 うう、どうしよう。

 はやくお金を稼げる冒険者になって、治療にかかるお金を貯めようって。

 

 

 そう思っていたのに……揺らいじゃうなあ。

 

 




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