※この作品はR-18です。

ヤッて改造! 〜悪の組織の黒幕です〜   作:ろくさん

30 / 110
幕間:だめな子ほど可愛いもので

 

 その日、悪の組織のアジトの居間では、奇妙で、そして哀れで、どうしようもなく扇情的な光景が繰り広げられていた。

 

「……マスター。ごはん」

 

 姪浜メイ(めいのはま めい)は、畳に胡座をかいて座る黒野改蔵(くろの かいぞう)の足にまとわりついていた。

 彼女は人間だった頃の記憶や尊厳のほとんどを、改蔵による度重なる『儀式(セックス)』によって書き換えられてしまっていた。

 気弱で断れない性格は、絶対的な服従と依存へ。

 内気な態度は、ただひたすらに快楽を乞う雌の態度へ。

 その結果、彼女は『サキュバス怪人』という種族に生まれ変わったものの、戦闘能力は皆無。

 ただ改蔵の魔力を受け入れ、愛されることだけに特化した『不良債権』となってしまったのだ。

 

「……マスター。ほしい。なかに、ほしい」

 

 メイは改蔵の太ももに頬をすり寄せながら、無意識に腰を前後に揺すっていた。

 ヘコ、ヘコ。

 ヘコ、ヘコ。

 それはまるで発情した小動物が、主人の足にマウンティングしているかのような動きだった。

 彼女が身につけているのは、改蔵の古びたスウェットの上着だけ。

 下は履いていない。

 腰を振るたびに、スウェットの裾から白く柔らかいお尻がチラチラと覗き、ハートの形をした細い尻尾がピコピコと揺れている。

 

「おいメイ。邪魔だ。テレビが見えねえ」

 

 改蔵は煎餅をかじりながら、メイの頭を適当に撫でた。

 邪険にしているようで、その手つきはペットを愛でるように優しい。

 

「だって、マスター。きょう、まだ、もらってない」

 

 メイは潤んだ瞳で見上げた。

 その瞳孔はとろりと開ききっている。

 彼女にとって改蔵の精気は食事であり、酸素であり、生きる意味そのものだった。

 数時間摂取しないだけで、彼女は禁断症状に震える中毒者となる。

 

「朝やっただろ。マナとイスズと一緒に」

 

「たりない。あれは、みんなのごはん。わたしだけの、ほしい」

 

 メイは改蔵のスウェットのズボンに顔を埋め、匂いを吸い込んだ。

 くんくん。

 雄の匂い。

 魔力の匂い。

 

「あぁ……。マスターのにおい……。たべたい……」

 

 彼女の股間は、すでに期待だけでじわりと湿り気を帯びていた。

 床に直に触れている秘所が、ムズ痒く疼いている。

 

「はぁ……。お前は本当に燃費が悪いな」

 

 改蔵は呆れたように溜息をついた。

 だが、その表情は満更でもない。

 役に立たない。

 頭も悪い。

 性欲しかない。

 だが、この全肯定と全依存は、男の庇護欲とサディズムをこれ以上なく刺激するのだ。

 

「あらあら。メイちゃん、またおねだりですか?」

 

 台所から、エプロン姿(中身はTシャツ一枚)の五十嵐イスズが顔を出した。

 手にはお玉を持っている。

 

「神主様。お昼ごはんにしようと思ったんですけど、マヨネーズが切れちゃってて」

 

「あん? マヨネーズか。買い置きねえのか」

 

「はい。昨日マナちゃんが夜食に全部使っちゃったみたいで」

 

 イスズが困ったように笑う。

 改蔵は少し考え、そして足元の『ペット』を見下ろした。

 

「よし。メイ」

 

「……? なあに? マスター。してくれるの?」

 

 メイが期待に尻尾を振る。

 

「『おつかい』だ」

 

「……おつかい?」

 

 メイが首を傾げた。

 その単語の意味を理解するのに数秒かかった。

 

「コンビニに行って、マヨネーズを買ってこい」

 

「え……」

 

 メイの動きが止まった。

 彼女の小さな世界は、このアジトと改蔵の半径数メートルで完結している。

 外の世界は怖い。

 知らない人がいっぱいいる。

 誰もマスターみたいに優しくない(と彼女は思っている)。

 

「やだ。こわい。いかない」

 

 メイは改蔵の足にしがみつき、ぷるぷると首を横に振った。

 

「私が行きましょうか?」

 

 イスズが提案するが、改蔵はそれを手で制した。

 

「いや、いい。こいつにも少しは『社会復帰』のリハビリをさせねえとな。いつまでも足元で腰振ってるだけじゃ芸がねえ」

 

 改蔵はメイの顎を掴み、上を向かせた。

 

「いいかメイ。これは『命令』だ」

 

「……っ!」

 

「命令」という言葉に、メイの身体がビクリと反応する。

 彼女の因子である『服従』の本能が、拒否を許さない。

 

「でも……でも……」

 

「ちゃんと買ってこれたら、『ご褒美』をやるぞ」

 

「……ごほうび?」

 

 メイの(人間耳だが)がピクリと動いた。

 

「ああ。お前が欲しがってる『濃いやつ』をな。たっぷりと、お前の腹の中に注ぎ込んでやる」

 

「……!」

 

 メイの瞳が、カッと見開かれた。

 ご褒美。

 濃いやつ。

 たっぷり。

 その甘美な響きが、彼女の恐怖を凌駕した。

 

「……いく」

 

 メイは立ち上がった。

 足は震えているが、その目には決意の(欲情)が宿っていた。

 

「いきます。マスターのため。ごほうびのため。メイ、がんばる」

 

「よし。いい子だ」

 

 改蔵は財布から千円札を一枚抜き出し、メイの手に握らせた。

 

「お釣りはやる。好きなもん買っていいぞ」

 

「わかった。いってくる」

 

 メイはスウェットの上着の裾をギュッと握りしめ、アジトの玄関へと向かった。

 その背中は、戦場に向かう兵士のように悲壮で、そしてどうしようもなく小さかった。

 

「……神主様。大丈夫でしょうか」

 

 イスズが心配そうに見送る。

 

「大丈夫だろ。コンビニはここから歩いて五分だ。迷う要素もねえ」

 

 改蔵は再び煎餅をかじった。

 だが、その目は少しだけ玄関の方を気にしていた。

 

 ***

 

 外の世界は、メイにとって刺激が強すぎた。

 真昼の太陽。

 アスファルトの照り返し。

 どこかの家の犬の鳴き声。

 全てが彼女を萎縮させる。

 

「……うぅ。まぶしい。あつい」

 

 メイは日陰を選んで歩いた。

 格好は、改蔵のスウェット(上)に、イスズが貸してくれたショートパンツ。

 足元はサンダル。

 近所のコンビニに行くには十分だが、彼女の醸し出す『捨てられた子犬』のようなオーラが、すれ違う人々の視線を集めてしまう。

 

(見ないで。見ないで)

 

 彼女はうつむき、千円札を命綱のように握りしめて歩いた。

 頭の中にあるのは、ただ一つ。

『マヨネーズ』。

 そしてその先にある『ご褒美』。

 

(マヨネーズ、かえば、マスターが、してくれる)

(いっぱい、だしてくれる)

(あたま、なでてくれる)

 

 その想像だけで、彼女の足取りは少しだけ軽くなった。

 いや、股間が熱くなって、足がもつれそうになった。

 

 コンビニに到着した。

 自動ドアが開くウィーンという音さえ、彼女には威嚇音に聞こえた。

 店内に入る。

 冷房の冷たい空気が肌を撫でる。

 明るすぎる照明。

 たくさんの商品。

 

「……マヨネーズ、マヨネーズ」

 

 メイは商品棚をさまよった。

 どこにあるかわからない。

 店員に聞くなんて、怖くてできない。

 彼女は店内を三周して、ようやく調味料コーナーを見つけた。

 

「あった」

 

 赤いキャップのボトル。

 彼女はそれを、聖杯でも扱うかのように両手で恭しく手に取った。

 これで任務完了だ。

 あとはレジに行くだけ。

 だが、そこで彼女の目にあるものが飛び込んできた。

 

 レジ横のホットスナックコーナー。

 そこで回っている、フランクフルト。

 太く、茶色く、テラテラと脂光りする棒状の物体。

 

「……あ」

 

 メイの足が止まった。

 彼女の脳内で、その形状が『何か』と結びついてしまった。

 

(……マスターの)

 

 似ている。

 色も、形も、大きさも。

 メイはガラスケースに張り付いた。

 涎が出そうだった。

 お腹が空いたわけではない。

 別の場所が空いたのだ。

 

(……ほしい)

(あれ、くわえたい)

 

 彼女の思考回路はショート寸前だった。

 マヨネーズを買うという任務と、目の前の『疑似餌』への執着。

「お釣りで好きなものを買っていい」という改蔵の言葉が蘇る。

 

「……これも、かう」

 

 メイは決断した。

 彼女はマヨネーズを抱え、レジへと向かった。

 レジには強面の男性店員がいた。

 怖い。

 でも、ご褒美のために。

 

「……これと、あれ。ください」

 

 メイは震える指でフランクフルトを指差した。

 声が小さすぎて、店員が「はい?」と聞き返す。

 

「ひっ! ……あ、あの、これと、あの、おおきいぼう……ください……」

 

 涙目で訴える。

 店員は怪訝な顔をしながらも、商品を袋に入れ、会計をしてくれた。

 メイは千円札を出し、お釣りとレシートを適当にポケットに突っ込み、逃げるように店を出た。

 

 帰り道。

 メイの足取りは速かった。

 早く帰りたい。

 早くマスターに会いたい。

 袋の中のフランクフルトの熱が、太ももに伝わってくる。

 それが改蔵の体温のように感じられ、彼女の焦燥感を煽る。

 

(かえったら、すぐ)

(すぐ、してもらう)

(もう、がまんできない)

 

 彼女は小走りで路地を抜けた。

 途中、石につまづいて転びそうになったが、マヨネーズだけは死守した。

 膝を擦りむいたが、痛みよりも性欲が勝っていた。

 

 ***

 

「ただいま! マスター! ただいま!」

 

 バン! と引き戸が開く。

 メイがアジトに転がり込んできた。

 肩で息をし、汗だくで、髪は乱れている。

 だが、その手にはしっかりとコンビニの袋が握られていた。

 

「お、帰ってきたか」

 

 改蔵が漫画から顔を上げた。

 イスズと、別室で作業をしていたマナも顔を出す。

 

「メイちゃん! おかえりなさい! 一人で偉かったですね!」

 

「無事でしたか? 心配しましたよ」

 

 メイは皆の言葉など耳に入っていなかった。

 彼女は一直線に改蔵の元へ這い寄り、袋を差し出した。

 

「マスター! マヨネーズ! かった! 買ってきた!」

 

「おう。よくやったな。偉いぞ」

 

 改蔵が袋を受け取り、中身を確認する。

 マヨネーズと、フランクフルトが入っていた。

 

「ん? フランクフルトか。お前、腹減ってたのか?」

 

「ちがう」

 

 メイは首を横に振った。

 そして、潤んだ瞳で改蔵を見上げ、自分のスウェットの裾をまくり上げた。

 下着をつけていない秘所は、愛液でぐっしょりと濡れ、太ももまで滴り落ちていた。

 

「にてたから……。マスターのと、にてたから……。みてたら、がまん、できなくなっちゃった……」

 

「……」

 

 改蔵は絶句した。

 イスズが「あらあら」と口元を押さえ、マナが「なんてあさましい……」と顔を覆う。

 この駄犬は、コンビニでフランクフルトを見て発情して帰ってきたのだ。

 

「マスター。ごほうび。やくそく」

 

 メイは改蔵の膝に手を置き、腰をヘコヘコと擦り付け始めた。

 もう限界だった。

 ご褒美をもらわないと、死んでしまう。

 

「……はぁ。しょうがねえ奴だな」

 

 改蔵は苦笑いした。

 呆れた。

 だが、可愛い。

 ただのおつかいでここまで発情して帰ってくる女など、世界中探してもこいつくらいだろう。

 その一途すぎる欲望と、ダメすぎる生態が、改蔵の嗜虐心を心地よく刺激する。

 

「よくやった。褒めてやるよ」

 

 改蔵はメイの頭を鷲掴みにした。

 

「えらいぞメイ。ちゃんと『お仕事』できたな」

 

「んぅ……! マスター……!」

 

「約束通り、たっぷりくれてやる。お前の大好きな『濃いやつ』をな」

 

 改蔵はメイを引き寄せ、そのまま布団の上に押し倒した。

 

「わぁ……っ! いただき、ますっ!」

 

 メイは歓喜の声を上げ、自ら脚を広げた。

 そこには恥じらいも躊躇もない。

 あるのは、主人の愛液を待ちわびる『器』としての歓びだけだ。

 

「神主様……。マヨネーズ、使うのは後にしてあげてくださいね?」

 

 イスズが苦笑しながら、台所へと戻っていく。

 マナは「私もデータ取らせていただきます!」とスマホを構える。

 

「いくぞメイ。おつかいのご褒美だ」

 

 改蔵が腰を沈める。 ズプッ、ヌゥゥゥ……。 重く、湿った音がして、改蔵の剛直がメイの秘所へと侵入していく。 コンビニからの帰り道、ずっと期待で濡らし続けていたメイの蜜壺は、抵抗なく、しかし吸い付くような圧力を伴って、主人の楔を根元まで飲み込んだ。

 

「あ……っ! ああっ! マスター! おかえりなさい! 私の中に、おかえりなさい!」

 

 メイの身体が大きく跳ね、そしてビクビクと痙攣しながらきつく締め付ける。 彼女の細い手足が改蔵の胴体に絡みつき、逃がさないと言わんばかりに密着する。 尻尾の先のハートマークが、喜びで激しく揺れていた。

 

「ただいま。……まったく、締まりがいいな。待ちくたびれて干からびてたんじゃねえのか?」

 

「ううん……じゅぷ、じゅる……。ずっと、待ってた……。マスターのこと考えて、ずっと、濡らして、待ってたの……」

 

 メイは恍惚とした表情で、改蔵の胸板に頬ずりした。 外の世界は怖かった。 店員も怖かった。 でも、今は違う。 改蔵と繋がっているこの瞬間だけが、彼女にとっての『安全地帯』であり『至福』だった。

 

「よし。偉いぞ。ちゃんと一人で行けたな」

 

 改蔵が腰を動かし始める。 ご褒美だ。 いつものような一方的な搾取ではなく、彼女を慈しみ、満たすためのピストン。 グリ、グリと、メイの敏感な内壁を抉るように、そして愛撫するように。

 

「んぁっ! ほめられた……! マスターに、ほめられたぁ……!」

 

 メイの脳髄が痺れる。 頭を撫でられる快感と、内側を突き上げられる快感が同時に襲ってくる。 彼女にとって、これ以上の喜びはこの世に存在しない。

 

「マヨネーズも買えた。フランクフルトも(余計だが)買えた。立派な『おつかい』だったぞ」

 

「はいぃ……っ! がんばりました……! だから、いっぱい……いっぱい『濃いの』ください……!」

 

「おう。約束だもんな」

 

 改蔵の腰の動きが激しさを増す。 パン、パン、パン、と肉がぶつかる音が、静かな昼下がりのアジトに響き渡る。 メイの身体は小さく軽い。 改蔵が突くたびに、その身体が畳の上で揺さぶられ、白い乳房がプルプルと震える。

 

「あ、あ、あああっ! すごい! ごほうび! マスターの、硬い! 熱い!」

 

 メイは白目を剥きかけながら、それでも必死に腰を振り、改蔵を迎え入れた。 サキュバスの本能が、改蔵の魔力を貪欲に吸い上げようと、膣内の(ひだ)を蠢かせる。 だがそれ以上に、彼女の『心』が満たされていた。 役に立たない自分。 何もできない自分。 それでも、マスターはこうして愛してくれる。 ご褒美をくれる。

 

「(……しあわせ)」 「(わたし、ここにいていいんだ)」 「(マスターの『オナホ』で、いいんだ)」

 

 その歪んだ、しかし純粋な幸福感が、彼女の感度を限界まで高めていく。

 

「メイ。いくぞ。たっぷりと飲め」

 

「あ! きます! マスターのが、きますぅ!」

 

 改蔵はメイの腰をガッチリと掴み、最奥へと渾身の一撃を叩き込んだ。

 

「オラアアアアッ!」

 

「ん、イグッ! イグウウウウウウウッ!」

 

 ドピュッ! ドピュルルルッ! 改蔵の魔力が、白濁した熱流となってメイの子宮に解き放たれる。 それは彼女が夢にまで見た、極上の『ご褒美』。 コンビニで買ったフランクフルトなど比ではない、本物の熱量。

 

「あ、あ、あぁぁぁぁ……! 熱いっ! お腹、熱いよぉ……!」

 

 メイの身体が弓なりに反り、激しく痙攣する。 彼女の胎内が、注がれた魔力を一滴も漏らすまいと収縮し、改蔵を搾り上げる。 背中の小さな翼がパタパタと羽ばたき、尻尾がピンと立つ。

 

 アジトの昼下がり。 だめな子のための、特別で濃厚なご褒美タイムが終わった。 彼女は役には立たない。 戦力にもならない。 だが、だらしなく舌を出して気絶しているその愛らしい顔を見れば、誰も彼女を追い出そうとは思わないだろう。

 

「……ごちそうさま、でした……」

 

 薄れゆく意識の中で、メイは幸せそうに呟いた。 このアジトにとって、彼女はなくてはならない『愛すべき駄犬』なのだった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。