古びた木造アジトの朝は今日も今日とて女たちの体温と甘い匂いで飽和していた。 六畳間の万年床。 そこはもはや寝床というよりは酒池肉林の『巣』だった。
「ん……」
右腕には五十嵐イスズ(いがらし いすず)。 左腕には小悪魔マナ。 足元にはサキュバス怪人メイ。 ここまではいつもの風景だ。 だが今日はさらに二つの熱源が追加されていた。
「……すぅ……すぅ……」
改蔵の腹の上。 そこに重なり合うようにして眠る二人の姉妹。 渡辺ノドカ(わたなべ のどか)と渡辺ホノカ(わたなべ ほのか)だ。 昨夜の『姉妹丼儀式』の余韻冷めやらぬまま彼女たちは全裸で改蔵にしがみついていた。 姉の豊満な胸がクッションとなりその上に妹の未成熟ながら張り詰めた肢体が乗っている。 まさに肉のミルフィーユだ。
「……起きろ。重てえぞ」
改蔵が身体を揺する。 するとホノカがビクリと
「んっ……! あ、神主様! おはよう!」
ホノカは飛び起きると同時に改蔵の顔を覗き込んだ。 その瞳には昨日までの姉への劣等感や焦燥感はない。 あるのは『オス』を知った雌の充足感と新たな自信だった。
「どう? 私の身体。お姉ちゃんより軽くていいでしょ?」
ホノカは自分の胸を寄せて改蔵の鼻先に押し付けた。 子牛怪人として覚醒した彼女のバストは人間だった時よりもさらに一回り成長し張り詰めたゴム鞠のような弾力を誇っていた。
「あらあらホノカちゃん。抜け駆けはだめよぉ」
下敷きになっていたノドカもゆっくりと目を覚ました。 彼女は怒るでもなく慈愛に満ちた表情で妹の頭を撫でる。 その動作一つ一つに牛怪人特有のゆったりとした『豊穣』のオーラが漂う。
「お姉ちゃん! 抜け駆けじゃないもん! 神主様へのご挨拶だもん!」
「ふふ。元気でいいわねぇ。でも朝のご挨拶なら……」
ノドカは身を起こすと改蔵の顔を挟み込むようにして自分の胸を押し付けた。 圧倒的な質量。 窒息必至の柔らかさ。
「んむっ!」
改蔵の顔が二人の
「こ、こらっ! 新入りさんたち! ずるいです!」
マナが飛び起きて抗議する。
「朝の改蔵様はみんなのものです! 独占禁止法違反です!」
「あらマナちゃん。みんなで仲良くしましょ?」
「そうですよう。神主様も喜んでますからぁ」
ノドカとホノカは悪びれる様子もなく改蔵に擦り寄る。 この姉妹マイペースすぎる。 アジトのハーレム密度は限界突破していた。
***
騒がしい
『おはよう諸君。……なんだか部屋が狭くなっていないかね?』
「おうサイトウさん。人口密度が上がってな。暖房いらずだぜ」
改蔵が爪楊枝をくわえながら答える。 その膝の上にはホノカが座り背中にはノドカが張り付いている。
『……まあいい。君たちのプライベートには干渉しない。仕事の話だ』
サイトウは咳払いを一つした。
『先日ミスティ君が暴れてくれたおかげで都心の警戒レベルは最高潮だ。だが逆に手薄になっているエリアがある』
地図データが表示される。 それは隣町のショッピングモールだった。 週末で家族連れが賑わう平和な場所だ。
『ここにジャスティンジャーのパトロール隊が出向いているという情報がある。小規模な部隊だ。ここを叩いて奴らの戦力を分散させたい』
「なるほど。雑魚狩りか」
『言葉が悪いがそうなる。だが油断は禁物だ。今回の作戦には連携が求められる。単独行動で暴走するタイプ(ミスティやナナ)ではなく確実に任務を遂行できる怪人はいないか?』
「連携ねえ」
改蔵は膝の上のホノカと背中のノドカを見た。
「適任がいるぜ。なあ?」
「えっ!? 私たち!?」
ホノカが目を輝かせた。
「やりたい! やりたい! 神主様のために戦いたい!」
「あらぁ。ホノカちゃんがやるなら私もご一緒しますぅ」
ノドカがおっとりと微笑む。
「
「はいっ! お姉ちゃん行こう!」
「ええ。行きましょうねぇ」
二人は手を取り合った。 その瞬間二人の身体から白い魔力のオーラが立ち昇り混じり合った。 共鳴。 姉妹の絆が魔力を増幅させている。
「マナ。転送だ」
「はいっ! 姉妹怪人出撃です!」
黒い煙が二人を包み込む。 二人は互いの手を離さぬまま戦場へと旅立った。
***
休日のショッピングモール。 平和な昼下がりの広場に突如として亀裂が走った。 空間が歪みそこから二体の異形が現れる。
「モォォォォォ!」
低い唸り声と共に現れたのは巨体を持つ『牛怪人』ノドカ。 白黒のぶち模様。 頭には太い角。 そして何よりも歩くたびに揺れる巨大な乳房が周囲の視線を釘付けにする。
「いくよお姉ちゃん! 蹴散らしちゃえ!」
その肩に飛び乗ったのは小柄な『子牛怪人』ホノカ。 鋭い角と引き締まった手足。 姉とは対照的な俊敏な動きで周囲を威嚇する。
「怪人だ! 逃げろ!」
「キャアアアア!」
買い物客たちが悲鳴を上げて逃げ惑う。 その混乱の中パトロール中のジャスティンブルーとイエローが駆けつけた。
「待て! 悪の組織!」
「ここで暴れさせるわけにはいかないわ!」
「来たわねヒーロー! 昨日神主様に教わったこと試してやるんだから!」
ホノカが姉の肩から高く跳躍した。 その脚力は凄まじい。 弾丸のようにブルーに向かって突っ込む。
「ドロップキック!」
「ぐっ! 速い!」
ブルーが腕でガードするがその衝撃に後退らされる。 見た目は子供だがそのパワーは怪力そのものだ。
「イエロー! 援護を!」
ブルーが叫ぶ。 イエローが銃を構える。 だがその射線上に巨大な壁が立ちはだかった。
「だめよぉ。ホノカちゃんをいじめちゃ」
ノドカだ。 彼女はその巨体でイエローの前に立ちはだかった。 威圧感。 だがそこから放たれるのは殺気ではなく濃厚な『ミルクの香り』だった。
「な、なにこの甘い匂い……?」
イエローの意識が朦朧とする。 ノドカの能力『母性の抱擁』。 その香りを吸い込んだ者の闘争本能を著しく低下させる精神干渉攻撃だ。
「ふふ。いい子いい子。眠くなぁれ」
ノドカがイエローを抱きしめる。 豊満な胸に顔を埋められイエローの抵抗が弱まっていく。
「しまっ……! イエロー!」
ブルーが助けに行こうとするがその背後からホノカが強襲する。
「よそ見してる暇ないよ! 角ドリル!」
ホノカが頭から突っ込む。 鋭い角がブルーのスーツを切り裂いた。
「ぐああっ!」
「やった! お姉ちゃん見ててくれた!?」
「ええ。すごいのねぇホノカちゃん」
姉妹の連携は完璧だった。 姉が盾となりデバフを撒き妹が矛となり敵を穿つ。 お互いを信頼しきった動きに隙はなかった。
***
「ハッハァ! いいぞ! 最高のコンビネーションだ!」
アジトの六畳間。 改蔵はモニターに映る姉妹の活躍に快哉を叫んでいた。 だが彼自身もまた激しい『連携』の真っ最中だった。
「神主様! 私たちも負けません!」
「改蔵様! 挟みます! 挟みますよ!」
改蔵は壁に背を預け足を投げ出して座っていた。 その右足にはイスズが。 左足にはマナが。 それぞれ跨り改蔵の太ももに自らの秘所を擦り付けている。 太ももコキだ。 二人の濡れた蜜が改蔵の足に塗りたくられヌルヌルと滑る。
「くっ……! どっちもいい締め付けだ!」
「神主様の足、筋肉質で素敵です……!」
イスズがうっとりとした表情で太ももを抱きしめる。
「私の方がテクニックは上です! 魔力循環マッサージです!」
マナが負けじと腰を振る。 そして中央。 改蔵の股間にはサキュバス怪人メイが陣取っていた。
「……マスター。わたしも、がんばる」
メイは改蔵の剛直を口に含みながらその小さな手で根本を愛撫していた。 舌使いと手技のコンビネーション。 彼女もまた『連携』を駆使していた。
「オラオラ! モニター見ろ! あの姉妹の息の合い方を見習え!」
改蔵がメイの頭を掴みながら叫ぶ。 モニターの中ではホノカがブルーを吹き飛ばしノドカがイエローを完全に
「すごい……! お互いの死角を完全にカバーし合ってます!」
マナが喘ぎながら解説する。
「姉妹愛のなせる技ですね……! 私たちも心を一つにしましょう!」
イスズが改蔵の足に頬ずりする。
「んむっ! ちゅぷッ! ……マスター、いっしょに、いく?」
メイが上目遣いで尋ねる。 改蔵の興奮は頂点に達しようとしていた。 画面の向こうの姉妹の絆。 そして目の前の女たちの奉仕。 その全てが改蔵の『王』としての征服欲を満たしていく。
***
「もう終わり? つまんないの!」
ホノカが倒れ伏したブルーを見下ろして鼻を鳴らした。 ブルーとイエローは完全に戦闘不能だ。 ショッピングモールは静まり返っている。
「帰りましょうかホノカちゃん。神主様が待ってるわ」
ノドカが優しく声をかける。
「うん! 早く帰って褒めてもらお……」
ホノカが笑顔で振り返ろうとしたその時だった。
「そこまでだ!」
空から赤い閃光が降ってきた。 ジャスティンレッドだ。 彼は遅れて到着したのだ。
「仲間をよくも! 許さん!」
レッドが着地と同時に必殺のジャスティンソードを振りかぶる。
「わっ!?」
ホノカが反応するが遅い。 剣閃が迫る。
「危ないホノカちゃん!」
ドンッ! ノドカが妹を突き飛ばした。 その直後。 ザシュッ! レッドの剣がノドカの巨体を切り裂いた。
「きゃあああああっ!」
「お姉ちゃん!?」
ノドカが崩れ落ちる。 白い肌から赤い
「よくも……お姉ちゃんを!」
ホノカが激昂する。 彼女は理性を失いレッドに特攻した。
「死ねええええ!」
「単調だ!」
レッドは冷静だった。 感情に任せたホノカの突進を紙一重でかわすとカウンターの蹴りを叩き込んだ。
「がはっ……!」
ホノカが吹き飛び姉の横に転がる。
「終わりだ悪の怪人たちよ! ジャスティン・バスター!」
レッドが銃を構える。 チャージされるエネルギー。
「あ……お姉ちゃん……」
「ホノカちゃん……ごめんねぇ……」
二人は折り重なるように抱き合った。 姉妹の最期の抱擁。
「ファイヤアアアア!」
極太のビームが二人を飲み込んだ。
「あ、あああああああっ!」
「きゃあああああああっ!」
断末魔。 そして大爆発。
「ああっ! ノドカさんが! ホノカさんが!」
アジトでマナが絶叫した。
「くそっ! いいとこだったのによ!」
改蔵が舌打ちした。 だが彼の中の『エネルギー』も限界だった。 モニターの爆発と同期するように彼の欲望も暴発する。
「いくぞ! お前ら!」
「はいっ!」「きゃあんっ!」「んむーっ!」
改蔵は三人の女たちに白濁した魔力をぶちまけた。 アジトが快楽の余韻に包まれる。
モニターの中では煙が晴れていく。 そこには二人の裸の女性が倒れていた。 変身が解けたノドカとホノカだ。 二人は気を失い互いに抱き合ったまま動かない。
「……確保。救急班を呼べ」
レッドが無線で連絡を入れる。 すぐに救助隊が駆けつけ二人を担架に乗せた。 二人の姉妹はヒーローたちに保護され連れ去られていく。
「……ふぅ」
改蔵は賢者タイムの頭でそれを見届けた。
「ま、あいつらの『願い』は叶えてやったしな」
姉妹仲良く。 同じ痛みと同じ快楽を共有して。 それはある意味ハッピーエンドだったのかもしれない。
「神主様……。あの子たち、大丈夫でしょうか」
イスズが心配そうに呟く。
「大丈夫だろ。あいつらタフだしな。それより……」
改蔵はイスズの胸を揉んだ。
「こっちはまだ終わってねえぞ。延長戦だ」
「ひゃうっ! ま、まだするんですか!?」
「当たり前だ。あいつらの分まで可愛がってやるよ」
「もー! 神主様のエッチ!」
アジトの狂乱はまだ終わらない。 姉妹は去ったがハーレムの夜は更けていくのだった。