狂ったような猛暑がようやく鳴りを潜め、アジトの庭に植えられた柿の木が鮮やかな朱色に染まり始めた頃。 古びた木造平屋の隙間風にも、少しずつ秋の冷涼な気配が混じり始めていた。 だが、この六畳間には、季節の移ろいなど関係ないと言わんばかりの熱気と、そして何より食欲を刺激する暴力的なまでの芳香が充満していた。 食欲の秋。 それは、世界征服を企む悪の組織の末端にして心臓部、このアジトにも平等に、そして残酷なまでに魅力的に訪れていた。
「……んぐ、んぐ。……んむっ。……おいしい」
ちゃぶ台の前で、小森クルミは一心不乱に食事を貪っていた。 彼女の身長は137センチ。 小学校高学年と言われても違和感のない小さな身体に、ブカブカのグレーのパーカーを羽織っている。 その姿は、厳しい冬が来る前に、必死に栄養を蓄えようとする小動物そのものだった。 彼女の華奢な手には、自分の顔ほどもある大きさの茶碗が握られている。
「たくさん食べてくださいね。今日はクルミちゃんのために、秋の味覚フルコースにしてみましたから」
五十嵐イスズが、聖母のような、あるいは甘やかすのが大好きな祖母のような笑顔で、次々と皿を並べていく。 彼女の格好は、肌寒くなってきたというのに相変わらず改蔵のTシャツ一枚だけ。 ただし、今日はその上に薄手の萌黄色のカーディガンを羽織っている。 だが、前ボタンは留められておらず、料理を配るために前屈みになるたびに、豊かな胸の谷間と、ノーブラ特有の柔らかな揺れが惜しげもなく披露されていた。
「今日の献立は、木の実とキノコたっぷりの炊き込みご飯、栗の渋皮煮、サンマの塩焼き、そして具沢山の豚汁です」
「……ん。イスズのご飯、神。サーバーの冷却室より快適」
クルミは頬をパンパンに膨らませながら、咀嚼もそこそこに次々と胃袋へ流し込んでいく。 今まで、薄暗いマンションの一室で、ウィダーインゼリーとポテトチップスのみで生命維持をしていた「偏食ハッカー」にとって、出汁の効いた日本食は衝撃的な体験だった。 舌の上の味蕾が歓喜の声を上げ、空っぽだった胃袋が温かい幸福感で満たされていく。 彼女のハッカーとしての警戒心や、拉致されたという危機感は、湯気の立つ炊き込みご飯の前で完全に霧散していた。
「すげえ食いっぷりだな。身体のどこに入ってんだ? まるで掃除機だぞ」
黒野改蔵は、脂の乗ったサンマをつつきながら、感心したように言った。 彼はワンカップ酒を片手に、膝の上にはいつものようにサキュバス怪人のメイを乗せている。 メイはサンマの骨を器用に舐めしゃぶりながら、じっとクルミを見つめていた。 その目は、仲間を見る目ではなく、興味深い生き物を観察する目だ。
「……リスみたい」
メイがボソリと呟く。 確かに、両頬いっぱいにご飯を詰め込み、モグモグと口を動かす様は、冬眠前のリスかハムスターのようだ。
「改蔵様。データ照合しました」
天井の梁からぶら下がった小悪魔マナが、焼き芋を皮ごと齧りながらタブレットを操作する。 彼女の指先が高速で動き、クルミの行動データを解析していく。
「クルミちゃんの行動パターン、完全に齧歯類ですね。情報の収集癖と、食料の貯蔵癖。それに、気に入った場所に引きこもる習性……。これは有望な『素体』ですよ」
マナがニヤリと笑う。 クルミは箸を止めず、口の端にご飯粒をつけたまま、ジト目でマナを睨んだ。
「……分析すんな。プライバシーの侵害。訴えるよ」
「あら、このアジトにプライバシーなんてありませんよ? ここにあるのは『共有財産』と『裸の付き合い』だけです」
マナはクルミの隣にふわりと降り立つと、そのボサボサの頭を撫で回した。
「よしよし。いっぱい食べて大きくなりなさい。お姉ちゃんが可愛がってあげますからね」
「……子供扱いすんな。私の方がIQ高いし。お前より年上かもしれないし」
クルミは不満げに言ったが、マナの手を振り払おうとはしなかった。 満腹感と、暖かい部屋の空気、そして(少し鬱陶しいが)構ってくれる家族のような存在。 孤独なサーバー室にはなかった「体温」のある生活が、彼女の心を無防備にさせていた。
「ごちそうさま。……ふぅ、食った。もう入んない」
クルミは茶碗を置き、満足げにお腹をさすった。 ポッコリと幼児体型の腹が膨らんでいる。 糖質が脳に回り、強烈な睡魔が襲ってきた。 思考回路のクロック数が低下し、視界がぼやける。
「……眠い。スリープモード入る」
クルミはその場、畳の上にごろんと横になった。 無防備極まりない。 ここが「悪の組織のアジト」であり、目の前にいる男が、数多の女を毒牙にかけてきた「魔王」であることを、満腹感と眠気が忘れさせてしまっていたのだ。 まさに、飛んで火に入る夏の虫。 不用意に寝転がったその姿を、改蔵が見逃すはずがなかった。
「おいおい。食っちゃ寝とはいい身分だな、新入り」
改蔵の大きな手が、クルミのパーカーのフードを掴んだ。 猫のように首根っこを吊り上げられる。
「……んあ? 何? 離して。いま再起動中……」
クルミが手足をバタつかせる。 だが、改蔵の目は笑っていなかった。 それは、弱った獲物を前に舌なめずりをする、捕食者の目だった。
「飯を食ったら、代金を払うのが筋だろ? ネットの世界じゃ知らねえが、リアル(ここ)じゃ身体で払うのがルールだ」
「は……? 意味わかんない。私、お金持ってないし。電子マネーならあるけど……」
クルミはまだ状況を理解していなかった。 改蔵はニヤリと笑い、抵抗する力もないクルミを、自身の膝の上に強引に乗せた。
「金なんぞいらねえよ。俺が欲しいのは……その小さな身体だ」
改蔵の手が、パーカーの下にするりと入り込む。 ゴツゴツとした熱い掌が、直接肌に触れた瞬間、クルミの身体がビクリと跳ねた。 眠気が一瞬で吹き飛ぶ。
「ひゃっ!? つ、冷たい! ううん、熱い! やめて!」
「随分と華奢だな。骨と皮しかねえじゃねえか。……だが」
改蔵はクルミの下腹部を撫でた。 未発達で、薄い骨盤。 マナと同じ、いやそれ以上に幼い体躯。 男を知らない、無垢な肉体。
「こいつは期待できそうだ。マナ並みの『極狭』物件だぞ。開発のしがいがある」
改蔵の目がギラリと光る。 クルミはようやく、自分の置かれた状況の危険さを察知した。 この男は、自分を「食べる」つもりだ。 性的な意味で。
「む、無理! 私そういうの経験ないから! 3次元の男とか無理だから! バグる!」
クルミは必死に改蔵の腕を押しのけようとするが、岩のような筋肉はビクともしない。
「初体験か。そりゃあいい。たっぷりと俺色に染め上げてやるよ」
改蔵はクルミのパーカーを剥ぎ取った。 さらにキャミソールを強引に捲り上げる。 露わになったのは、あばら骨が浮き出るほど華奢な上半身と、膨らみかけの蕾のような胸だった。 白い肌が、恥じらいと恐怖で粟立っている。
「うわぁ、ぺったんこですねぇ。マナちゃんより無いんじゃないですか?」
イスズが無邪気な(そして残酷な)感想を漏らしながら、興味津々で顔を近づける。
「うるさい! 見るな! ログに残すな! ……んあぁっ!」
改蔵の大きな手が、クルミの貧相な胸を覆い尽くし、蕾のような突起を指先で弄んだ。 強烈な電流が走る。 未開発の神経が、強制的に快楽信号を送らされる。
「や、やめ……! 感覚バグる……! エラー吐くぅ!」
「喚くな。これからもっと凄えデータを叩き込んでやるんだぞ」
改蔵はクルミのズボンとショーツを一気に引き下ろした。 そこには、全く毛の生えていない、つるりとした秘所があった。 薄いピンク色の粘膜が、外気に触れてひくついている。 未開拓の聖域。
「……マナ。お前のライバル登場だぞ。こいつはキツそうだ」
改蔵は剛直を取り出し、クルミの秘所にあてがった。 サイズ差は歴然。 まるで巨木と蟻の穴だ。 どう見ても、物理的に適合しない。
「ちょ、待って! 物理演算おかしい! 入るわけない! 裂けるって! 死ぬって!」
クルミが涙目で抵抗する。 PCの画面越しならどんな攻撃も防げたファイアウォールも、リアルの物理攻撃には成す術がない。 圧倒的な質量が、彼女の入り口を割り開こうとしている。
「エラーなら俺がねじ伏せる! 強制インストールだ!」
改蔵は容赦なく腰を沈めた。
ズプンッ!
「ぎゃあああああああっ! 痛いぃぃぃ! 裂けるぅぅぅ! 壊れるぅぅぅ!」
クルミが絶叫し、身体を海老反りにさせた。 激痛。 身体が二つに割れるような衝撃。 狭い。あまりにも狭い産道が、改蔵の巨根によって無理やりこじ開けられ、拡張されていく。 ミチミチと肉が悲鳴を上げる音が聞こえるようだ。
「くぅ……! 効くねえ! この締め付け、マナ以上かもしれん!」
改蔵が唸る。 クルミの膣内は、異物の侵入を拒むように強烈に収縮していた。 そのキツキツの締め付けが、改蔵の征服欲を極限まで刺激する。 まるで万力だ。 動くたびに、内壁が剛直に絡みつき、吸い付いてくる。
「はっ……はっ……! 抜いて……! 死ぬ……! 容量オーバー……! ブルーバック画面が見える……!」
「死なせねえよ。お前のその小さな身体に、俺の全てを叩き込んでやる!」
改蔵はピストンを開始した。 ズン、ズン、と重い衝撃が、クルミの小さな身体を揺さぶる。 彼女の脳内で、思考回路がショートしていく。 痛みが、次第に熱い痺れへと変わっていく。 改蔵の魔力が神経を書き換え、快楽回路を強制的に開通させる。 それはまさに、OSの書き換え(ハッキング)だった。
「あ、あ、あ、なにこれ……! 熱い……! 情報量多すぎ……! 処理落ちするぅ……!」
「マナちゃん、見てください。あんなに小さいのに、全部飲み込んでますよ。お腹がポコってなってます」
イスズがクルミの下腹部を指差す。 改蔵が突くたびに、薄いお腹の皮を通して、剛直の形が浮き出ているのだ。
「むぅ……。確かに良い締め付けですね。新人にしては生意気です」
マナが対抗心を燃やし、クルミの耳元で囁く。
「どうですか? ハッキングされる側の気分は。セキュリティホール、ガバガバにされちゃってますよ?」
「うっ、うるさい……! んあっ! そこ、だめぇ!
「いい声で鳴くじゃねえか。お前は貯め込むのが好きなんだろ? もっと食え! 俺の魔力を腹いっぱい溜め込め!」
改蔵はクルミの細い腰を掴み、最深部を容赦なく突いた。 子宮口がノックされ、悲鳴を上げる。 クルミの収集癖、貯蔵癖という本能が、改蔵の魔力を「餌」として認識し始めた。
「あ……欲しい……! もっと……! データ(魔力)ちょうだい……! 私のフォルダ、満タンにして……!」
彼女の瞳が、トロンと濁る。 痛みは快感へ、拒絶は懇願へと変わっていた。 無意識に腰を振り、改蔵を誘う。
「よし! 望み通りくれてやる! 受け取れ!」
ズドォォォォン!
改蔵が腰を密着させ、膨大な魔力を解き放った。 ドピュッ! ドピュルルルッ! クルミの小さなお腹が、物理的にぽっこりと膨らむほどの量が注ぎ込まれる。 胎内が熱い精気で満たされる。
「イグゥゥゥゥッ! いっぱい! お腹いっぱいぃぃぃ! オーバーフローぉぉぉぉ!」
クルミの身体が激しく痙攣した。 その瞬間、キャパシティを超えた魔力が、彼女の身体を変質させる。 《システム警告: 規格外のエネルギーを検知。身体構造の再構築を開始します》
ボンッ!
茶色の煙と共に、クルミのお尻の上あたりから、ふさふさとした巨大な茶色の尻尾が生え、頭にはピョコンと丸い獣耳が出現した。 お尻の肉付きが少しだけ良くなり、安産型とは程遠かった幼児体型に、小動物特有の愛くるしい曲線が生まれた。
「はぁ……はぁ……。なにこれ……尻尾……?」
クルミは意識が朦朧とする中で、自分の変化に気づいた。 フサフサの尻尾が、改蔵の太ももに勝手に巻き付いている。
「おめでとうございます! 『リス怪人』の誕生ですね!」
マナがパチパチと拍手する。 改蔵は満足げに、クルミの
「いい締め付けだったぞ、リス。頬袋がいっぱいになって良かったな」
「うぅ……。ひどい……。私、ただご飯食べたかっただけなのに……。こんなの、聞いてない……」
クルミは涙目で改蔵を睨んだが、その身体は魔力に満たされ、ぐったりと力が入らなかった。 そして何より、お腹の奥がポカポカと暖かく、今まで感じたことのない充足感に包まれていた。
***
事後。 日はとっぷりと暮れ、アジトには秋の虫の声が響いていた。
「……ふぅ。眠い」
クルミは、自分の身体の
「改蔵様。この子の部屋、どうします? 空き部屋はありませんけど」
マナが尋ねる。 クルミは重たい瞼を持ち上げ、部屋の隅にある一点を見つめた。
「……あそこ」
彼女が指差したのは、居間の隅にある押し入れだった。
「押し入れ? 布団が入ってますけど……」
「あそこがいい。狭くて、暗くて、落ち着く」
クルミはふらふらと立ち上がり、押し入れの襖を開けた。 まるで巣穴を見つけたリスのように。 上段の布団の上に潜り込み、マナが回収してきたノートPCとサーバー機材を、枕元に壁のように並べた。 ここなら安全だ。
「ここが私の『
「冬眠って……まだ九月だぞ」
改蔵が呆れる。
「いいの。お腹空いたら、また出てくる」
クルミは大きな尻尾を抱き枕にして、丸くなった。 不用意に近づき、食べられてしまった小動物。 だが、その