日本の冬特有の湿った寒気が、雨戸の隙間から忍び込む。だが、悪の組織・極東支部のアジトである六畳間は、それとは対照的な、むせ返るような湿度と熱気に支配されていた。古びた裸電球のフィラメントがジジジと音を立て、その頼りないオレンジ色の光が、畳の上に立つ一人の少女を照らし出している。
「さあ、脱げ。……そのジャージの下に隠した『本性』を晒すんだ」
黒野改蔵の命令は、絶対的な響きを持って少女の鼓膜を震わせた。朝倉イノリは、震える指先で学校指定のジャージのファスナーを掴んでいた。
ジジッ……ジジジッ……。
ゆっくりと、あまりにもゆっくりとファスナーが下ろされる。その隙間から、鮮烈なローズピンクの光沢が漏れ出した。彼女は意を決して、ジャージを肩から滑り落とす。
シュルリ……。
衣擦れの音と共に、無骨なジャージが畳の上に崩れ落ちた。その瞬間、六畳間の空気が変わった。露わになったのは、彼女が忌避し、しかし大会のために着用を義務付けられた、最新鋭のハイレグ・レオタード姿だ。
照明を反射して濡れたように光る、メタリックなライクラ素材。それは第二の皮膚のように、イノリの鍛え上げられた肢体に吸い付き、筋肉の隆起から肋骨の浮き沈みまで、身体のラインを無慈悲にトレースしている。極限まで切り詰められた布面積は、彼女の肢体を隠すというよりは、そのエロティックな輪郭を強調するためのフレームの役割しか果たしていない。
「うぅ……っ。恥ずかしい……。こんな格好、やっぱり……おかしいです……」
イノリは耳まで真っ赤に染め、俯いて太ももを擦り合わせた。必死に脚を閉じて股間を隠そうとするが、腰骨の位置まで鋭角にカットされたハイレグのラインからは、柔らかなお尻の肉や、太ももの付け根の白肌が、隠しきれずに溢れ出している。動くたびに、強烈な伸縮性を持った布が、彼女の秘所に食い込んでいくのが見て取れた。
「素晴らしい……。テレビの画素越しに見るより、実物は遥かに破壊力があるな。その光沢、その質感……まさに芸術品だ」
改蔵はこたつから身を乗り出し、獲物を品定めするように、あるいは美術品を鑑定するように、イノリの周囲をゆっくりと回り始めた。彼の視線は、容赦なく彼女の股間に、お尻に、そして胸元に突き刺さる。
「こ、コーチ……? あまりジロジロ見ないでください……。穴が開いちゃいそうです……」
「馬鹿野郎。見られるのが仕事だろうが。新体操ってのは、審判と観客に己の美しさをアピールする競技だろ?」
改蔵は無造作に手を伸ばし、イノリの腰に手を置いた。ビクッ、と彼女の身体が跳ねる。改蔵の熱い掌が、レオタードの冷たい感触越しに伝わり、その指先が、布のフチと素肌の境界線をいやらしくなぞる。
「いいか、イノリ。お前が恥ずかしいのは、自分が一方的に『見られている』と思っているからだ。客や審査員の視線に怯え、値踏みされる商品だと思っているから縮こまるんだ」
「でも……実際に見られているんです……。みんな、私の股の形とか、お尻の食い込みばっかり……。いやらしい目で見られて……」
「なら、逆転させろ」
改蔵は彼女の顎を掴み、強引に視線を合わせさせた。その瞳には、獲物を支配し、同時に導こうとする雄の強烈な光が宿っていた。
「見られるんじゃない。『見せてやる』んだ。お前のその圧倒的な美しさと、淫らな身体を、愚民どもに見せつけて支配してやるんだよ。『私の股を見ないと損をするぞ』『私の美しさにひれ伏せ』とな。羞恥心を武器にしろ。それが女王のメンタルだ」
「見せつけて……支配する……?」
イノリの瞳が揺れる。そんな発想はなかった。彼女はずっと、視線の暴力に耐える被害者だと思っていたからだ。
「そうだ。手始めに俺に見せてみろ。お前の最高難易度の技……『I字バランス』をな」
改蔵の命令は、有無を言わせぬ圧力を持っていた。イノリはゴクリと唾を飲み込み、覚悟を決めて息を吸い込んだ。ゆっくりと、右足に重心を乗せ、左足を上げる。新体操のエースたる彼女の柔軟性は、人間業ではない。左足は重力など存在しないかのようにスゥッと上がり、顔の横を通り過ぎ、天を突くように垂直に伸びた。右足一本で立ち、左足が180度以上開いて、完璧な「I」の字を描く。
その瞬間、レオタードの股布に強烈なテンションがかかった。
「あっ……!」
イノリが小さく声を漏らす。脚を極限まで上下に開いたことで、股間の布がピンと張り詰め、秘所に深々と食い込む。恥丘のふっくらとした形、そして割れ目のラインまでもが、薄い布越しに浮き彫りになる。布が悲鳴を上げるほど引き伸ばされ、ローズピンクの逆三角形が、改蔵の目の前に無防備に晒された。
「どうだ? 股に食い込む感覚は。風が当たってスースーするだろ? それとも、布が擦れて熱いか?」
「は、はい……。布が……食い込んで……痛いくらいです……。中身まで、形がくっきり……見えちゃいそうで……」
「いい眺めだ。その無防備な秘所こそが、お前の最大の武器だ」
改蔵はステテコを脱ぎ捨て、屹立する剛直を露わにした。そして、I字バランスのまま硬直しているイノリの正面に立った。少女の鼻先には、男の欲望の象徴が突きつけられる。
「このまま『特訓』を始める。……お前の柔軟性、ベッドの上でも活かしてもらうぞ」
「こ、この体勢で……ですか!? 無理です、バランスが……!」
「当たり前だ。新体操選手なら、演技しながら受け入れるくらい造作もないはずだ。……それに、道具を使えば安定する」
改蔵は、近くにあった新体操用のリボンを手に取り、イノリに渡した。
「ほらよ。このリボンで、上げている左足首と、自分の首を固定しろ。体勢が崩れないようにな」
それは、自らを拘束し、股を開き続けるための強制ギプス。自分の手で、自分を縛る。その背徳的な命令。
「じ、自分で……縛るんですか……?」
「早くしろ。それとも、このまま股間の布を切り裂かれたいか?」
イノリは震える手でリボンを受け取り、自分の高く上げた左足首に結び、それを首の後ろへと回して固く結んだ。これで、彼女は自力では脚を下ろせなくなった。重力に従って脚を下ろそうとすれば、自分の首が絞まる。完全に開脚したまま固定された、生きたオブジェの完成だ。
「美しいぜ、イノリ。その姿、まるで現代アートだ」
改蔵はイノリの股間に手を伸ばし、食い込んだ布に指をかけた。指先が、布と秘肉の間に強引に割り込む。
「んっ……!?」
改蔵は布を横にずらした。ピンと張った布が弾け、ピンク色の隙間から、愛液で湿った秘裂が顔を覗かせる。そこはすでに、期待と恐怖で濡れそぼっていた。
「準備万端じゃねえか。興奮してんのか? こんな恥ずかしい格好で」
「ち、違いますっ! これは……運動したから汗で……!」
「嘘をつくな。身体は正直だぜ。ヒクヒクして誘ってやがる」
改蔵はイノリの腰を掴み、片足立ちで逃げ場のない彼女の最深部へ、一気に突き入れた。
ズプッ……ヌプンッ!
「ひグッ……!? ああっ……!」
イノリが顎を上げ、声にならない悲鳴を上げる。I字バランスという極限の体勢での挿入。脚を大きく開いたことで膣道が真っ直ぐに伸び、普段よりも深く、鋭く、子宮の入り口までダイレクトに届く感覚。
「くぅ……! すげえ締め付けだ! インナーマッスルが躍動してやがる! さすがトップアスリートだ、一般人とは締まりが違う!」
改蔵は腰を打ち付け始めた。パンッ! パンッ! パンッ! 激しいピストン運動に合わせて、イノリの柔軟な身体が鞭のようにしなる。片足立ちの彼女が倒れないよう、改蔵が強く抱きとめる形になるが、それが余計に結合部を密着させ、互いの鼓動を伝える。
「ああっ、ああっ! 深いっ! 突き刺さるぅっ! こんな体勢で……お腹の中、かき回されて……おかしくなっちゃう!」
「鏡を見ろイノリ! お前のその姿を!」
改蔵が彼女の顔を、部屋にある姿見に向けさせた。そこには、扇情的なレオタード姿で片足を垂直に上げ、自らリボンで拘束し、男に貪られている自分の姿が映っていた。股間の布がずらされ、結合部が丸見えになっている。男のモノが出入りするたびに、秘所が濡れ、レオタードが汚れていく。汗に濡れた肌、乱れた髪、そして快楽に蕩けた、見たこともない自分の表情。
「いやぁ……! はしたない……! こんな淫乱な女……私じゃない……!」
「いや、これがお前だ! 見ろ、このエロい格好を! 興奮するだろ? 誰かに見せつけたくてたまらないんだろ?」
「ち、違う……! 恥ずかしい……! でも……熱いっ! 奥が、キュンキュンするぅ!」
否定しながらも、イノリの膣壁は改蔵のモノを強く吸い上げていた。羞恥心が快楽のスパイスとなり、脳内麻薬となって彼女の感度を極限まで高めていく。見られている。犯されている。こんな恥ずかしい格好で。その事実が、彼女の中に眠っていた「露出狂」としての本能を呼び覚ます。
「すごいですぅ! まるで芸術作品のようなSEXです! 採点不能の高得点ですよぉ!」
天井からマナが拍手喝采を送る。
「体の柔らかさが羨ましいですねぇ。あんな角度、私には無理です。今度ストレッチ教えてもらおうかしら?」
イスズがお茶を飲みながら、のんきに感心している。
ギャラリーの視線。鏡の中の自分。そして体内を暴れ回る剛直。全ての刺激がイノリの脳髄を焼き尽くし、理性のタガを外していく。
「ああっ、もうダメッ! コーチっ、すごいの来るっ! 見てっ! 私のあられもない姿、もっと見てぇぇッ! 私のI字バランス、最高でしょぉぉっ!?」
「おう、最高だぜ! そのままイけ! 俺の魔力も全部ねじ込んでやる!」
改蔵はイノリの美しい太ももを掴み、最後のラストスパートをかけた。子宮口をノックし、こじ開けるように激しく突く。
「イくっ! イっちゃう! I字バランスでイくぅぅぅッ! 中に出してぇぇぇ!」
ズドォォォォォン!
「うらぁッ! 特訓完了だァッ!」
ドピュッ! ドピュルルルッ!
改蔵の剛直から、白濁した濃厚な魔力が勢いよく噴き出した。イノリの鍛え上げられた子宮に、熱い種がたっぷりと注ぎ込まれる。
「んあぁぁぁぁぁっ! 熱いのがぁぁっ! お腹いっぱい入ってくるぅぅぅ! 汚されちゃうぅぅぅ!」
イノリは白目を剥き、立ったまま全身を痙攣させた。結合部から溢れ出た白濁液が、太ももを伝い、ローズピンクのレオタードを汚していく。その瞬間、彼女の身体に巻き付いていたリボンが、注入された魔力に反応して妖しく発光し始めた。
シュルシュルシュル……!
リボンがまるで生き物のように蠢き、彼女のレオタードと融合していく。ローズピンクの生地がさらに光沢を増し、手足にはリボン状の触手が絡みつく。背中からは、数本の長いリボンが触手のように伸び、空中で優雅に舞った。頭のポニーテールを結んでいたリボンも巨大化し、まるで触覚のように揺れている。
「はぁ……はぁ……。すごい……。力が……溢れてくる……」
事後の余韻の中で、イノリはゆっくりと脚を下ろした。その表情からは、先ほどまでの怯えや羞恥心は綺麗さっぱり消え失せていた。代わりに浮かんでいるのは、自信に満ち溢れた、妖艶で傲慢な笑み。頬は紅潮し、瞳は爛々と輝いている。
「コーチ……いえ、マスター。私、分かりました」
彼女は改蔵の胸に手をつき、熱っぽい瞳で見つめた。怪人としての本能が、彼女の人格を塗り替えていた。恥ずかしがり屋の少女は死に、露出を悦びとする怪人が生まれたのだ。
「恥ずかしいことなんて、何もないんですね。……私のこの美しい身体、もっと世界中に見せつけてあげなきゃ『損』ですよね? 隠すなんて、罪ですわ」
彼女が背中のリボンを自在に操り、改蔵の身体を優しく、しかし拘束するように撫でる。『新体操怪人・リボンイノリ』の誕生だ。
「へっ、いい顔になりやがって。飲み込みが早くて助かるぜ」
改蔵は満足げに笑い、彼女の汗ばんだ頭を撫でた。
「さあ、デビュー戦だ。スタジアムの観客全員を、お前の虜にしてこい」
「はい、マスター♡ 最高の演舞を披露してきます。……観客全員、私のリボンで縛り上げて、瞬きも許さずに、一番いい特等席で私の股間を鑑賞させてあげますわ」
イノリは優雅にターンを決め、ポーズを取った。その股間には、改蔵の体液がベットリと付着していたが、彼女はそれを拭おうともせず、むしろ勲章のように見せつけていた。彼女は窓を開け、夜の街へと飛び出した。その背中には、もはや一片の迷いもなかった。ただ、自らの美しさとエロスを誇示したいという、強烈な自己顕示欲だけが輝いていた。