もとの話を読んでいないとよくわからないと思いますが、なんとなくでも楽しめる・・・かもしれません。
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いきなり先生が一人でしてます。
二人がする描写は本編に置いておきたいのでさらっとになって尻切れトンボです。
かっこいい先生ではなく、情けなくて可愛い先生がいます。
マシュマロを始めました。
感想(内容に関する質問も嬉しいです)などいただけたらとても元気になります……良かったらお願いします。
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夜が更け、間もなく朝が来ようという時間に、スネイプは机にもたれかかり気絶するように短い眠りについた。
こんなことを繰り返していたら身がもたないだろうことは分かっている。
だが彼にはどうしようもなかった。
これが自分の選んだ道だと、ただ耐えるしかなかった。
シオリと出会い、生きるということを身体が少しずつ思い出していたのだと、彼女を失ってから気付かされた。
眠ることもしかり、人としての根本的な欲求が戻ってきていたのだと。
そしてそれは時に耐えがたい苦痛を連れてくるのだと。
シオリが去ってから眠れない日々が続き、彼は毎晩毎晩手持ちぶさたに部屋の中をさ迷うことに疲れて果てていた。
仕事も読書もできることが尽きてしまったある日、彼はふと、いつぶりか分からないが自身を慰めることを思い付いた。
長い夜に、ほんの一瞬でも苦しみを忘れることができるのなら何でもよかった。
朦朧とした頭で椅子にかけたまま下着をずらし、自身に触れた。
不思議なもので、始めてしまえば手は勝手にいいように動いてすぐに口から荒い息が出始めた。
「っ、・・・はっ、っ・・・」
何も考えなくていい、ただ単調な動きを繰り返してせり上がってくる快感に身を任せるだけの時間。
安らかとは言えないが、苦痛もない一時に救われる。
しかし、あと少しで達しようというところで、自分の口から自然とこぼれた名前に彼はぞくりと震えた。
「シオリ・・・っ、」
そして、その名が耳に入った瞬間、元から硬く疼いていた自身が更に熱く怒張し、想像していよりもずっと強い刺激が上ってきて脳まで一気に突き抜けた。
背筋をびりびりと震わせながら吐き出したそれは机の上にまで飛び散り、色濃くどろりとして、自分の醜い欲そのもののようだった。
最悪な気分だった。
しかし、理性が彼を罰するより前に、彼の身体は立ち上がりソファの方へと近づいていく。
止めろという声も聞こえた気がするが、暗い部屋の冷たい床に跪き、目の前に座る愛しい少女の顔を思い浮かべてしまう彼はあまりにも無力だった。
またすぐに反り立ったものを握る手がさっきよりも激しくなる。
経験したことのない快感と重い罪悪感が混ざった拷問のような行為に、彼の顔が苦痛に歪む。
「シオリ、シオリ・・・っ、」
それから彼はさらに二回達するまでその名を呼び続けた。
自分の荒い息に重なって、夢に見た熱く苦しげな吐息が聞こえてくる。
知らないはずの白く華奢な肩や腹、何度も嗅いだ甘い香り、そして自分を見つめる黒い瞳・・・
どれだけ自己嫌悪が湧こうとも、今そこに、ありありと見えている彼女を前に手を止めることはできなかった。
「っ、くっ・・・・・・!はぁっ、はぁっ・・・」
最後は出るものもほとんどなかったが、それでも光が弾け飛ぶような絶頂に腰をがくがくと震わせ、目が回るままに前に倒れ込んだ。
静かな部屋に自分の息切れの音だけが響いている。
誰もいないソファの上は酷く冷たかった。
一時の快楽の後に待っていたのはより深い絶望だった。
それから彼は夜が来る度に耐えた。
今度は迫り来る悪夢だけでなく醜い欲求までが彼を追い詰め、眠れない夜はますます辛く長くなった。
身体が疼くのを恐れてシオリを一目見ることすらできなかった。
そうやって彼女を避ければ避けるほど想いは強くなっていった。
そうして何日か経ち、一月経ち、気付けば季節が移り、一年の終わりが近づいていた。
その頃にはスネイプは眠ることはできなくとも、欲に悩まされることはなくなっていた。
その証拠に、学期最後の授業でシオリが調合手順を間違えて怪我をしかけた時、咄嗟に彼女の手に触れてしまったが、その懐かしい温かさと柔らかさに胸が痛んだだけで、スネイプの頭の中は穏やかなものだった。
彼はそのことに心から安堵した。
しかし、それがよくなかった。
シオリを想い苦しむ、ただそれだけでいい。
そう思っていたのは間違いだった。
あまりに長い孤独に晒されてきた身体と心が、一度覚えてしまった狂おしいほどの快楽を忘れられるわけがなかった。
その日、スネイプは心配するのに任せて無理な罰則を言い渡し、地下室にシオリを呼び出した。
あくまで、彼女の身を案じてのことだった。
倒れこそしていないものの、禁じられた森に入った日から明らかに顔色が悪くなっていくシオリを見ているだけの日々はとても歯がゆかった。
自分から離れた手前、彼女に手をさしのべることはためらわれ、授業中や大広間、廊下でその姿を追うことしかできなかった。
だが、ふいに降ってきた・・・いや、思いがけず自分の手がつかんでしまったチャンスを逃すのはあまりに惜しかった。
あくまで彼女のためだ。
決して邪な気持ちはない。
この気が狂いそうなほどの孤独な毎日の繰り返しに、彼女の温もりを求めてるわけではない。
そのはずだった。
なのにスネイプは今、部屋を去ろうとしたシオリを止める術を思い付かないまま力任せに捕らえ、あろうことか壁に押し付け覆い被さっている。
シオリが壁を背に、痛みに顔を歪め、自分を見上げている。
これではまるで、夢の中で彼女を押さえつけていたあの影と同じだ。
白いシーツの上、無理矢理与えられた快楽に小さな身体よがり苦しんでいた光景が嫌でも思い出される。
スネイプはおぞましい記憶を振り払うように頭を振った。
しかしその時、シオリの甘い香りがふわりと鼻をかすめた。
シオリを失って以来、ずっと、ずっと、胸の奥深くで優しく寄り添い、時には息が出来ないほどに自分を苦しませたあの香り・・・
それと同時に心臓の鼓動が一気に早くなり、シオリをつかむ手に汗がにじんだ。
滑らかな白い肌と、自分を見つめる黒い瞳。
あれほどに求めていたものが今、目の前に、手の中にある。
気付いてしまうと、もうだめだった。
下半身が強く疼き、シオリを捕らえている手に自然と力が入った。
「・・・っ、」
シオリが苦しげに息を漏らした。
きっと痛みのせいなのだろうが、この悩ましい香りと混ざってしまったそれは、スネイプが必死に奥底に眠らせていた激しい劣情を起こしてしまった。
ごくり、と喉が鳴り、暗い瞳に熱が灯る。
「セブルス・・・?」
スネイプはゆっくりと大きな背を屈め、シオリに迫った。
ビクッ
唇がシオリの頭に触れた。
口づけを落とすようにゆっくりと触れたそれに、シオリの身体が竦んだ。
しかしスネイプはそのままシオリのこめかみに鼻を寄せ、髪に顔を埋めるようにして甘い香りを直接吸い込んだ。
それだけで彼の背筋はぞくぞくと震え上がった。
そうなってしまえば、彼はもう欲の言いなりだった。
「っ、はぁ、・・・」
何度もシオリの匂いを吸い込みながら、柔らかい耳たぶに口づけ、軟骨のあたりをそっと食んだ。
クリスマスの夜に指で触れた時とはまた違う愛おしさに、おうとつをなぞるようにゆっくりと舌を這わせる。
シオリは突然の強すぎる刺激と、頭に直接響くぴちゃぴちゃという音に肩を大きく震わせた。
「ひっ・・・や、ぁっ、ぁっ、」
その震えすら愛しくて、スネイプはシオリの首、鎖骨とゆっくり下りながら、その美しいラインを味わうように何度も口づけて、夢に見た細い肩を求めて深紅のネクタイに手をかけた。
「あっんん、やっ、やめて・・・!」
シオリがなんとか絞り出した声はスネイプに届いた。
手の動きがぴたりと止まった。
スネイプが顔を上げ、二人は見つめあった。
シオリは、ひどく悲しげな瞳に目を奪われた。
「セブルス・・・・・・?」
あまりに悲しそうで、今にも泣き出してしまいそうで、シオリは彼の頬に手を伸ばしたかったが押さえつけられているせいで叶わなかった。
どうしたらいいのかと、ただその目を見つめることしかできずにいると、スネイプが俯き、顔が見えなくなった。
聞き慣れた低く心地の良い声が、わずかに震えている。
「・・・シオリ、すまない。」
「えっ・・・?」
「もう、駄目だ。」
それだけ言って、シオリの視界からスネイプの顔が消えた。
するり、とネクタイのほどける音がした後、ぶつっと何かが弾け飛ぶ音がした。
地下室の冷たい空気にさらされて、シオリの肩がまたぶるりと震えた。
「あっ、いや・・・!」
そう言って顔を歪めながら、シオリは目の前にあるスネイプの机を見ていた。
かつて自分がここで過ごしていた時と同じように書類の山に埋もれている彼の机。
さっきまで握られていた羽ペンの先が砕けて、誰かのレポートに黒い染みを作っている。
なんてことのない見たことのある光景の中、
両手をつかまれ押さえ込まれて、彼の匂いに包まれて、引き裂かれた服を手繰り寄せることもできず、肩を優しく愛撫する彼の舌に身体を震わせる。
なぜこんなことになったのか。
シオリは頭がおかしくなりそうだった。
「んっ、セ、ブルス・・・やめ、てっ」
身体が熱い。
服を脱がされるほど、彼の冷たい手が肌に触れるほど、なぜかじんじんと熱がこもっていく。
白いシャツは前が全て開いてしまって腕にひっかかっているだけになった。
執拗に続く愛撫の刺激に頭を支配されながらも、このままではいけないと、どうするべきか必死に考える。
なんの飾り気もない黒のキャミソールはシオリを守ることはできず、露になった白い肌にスネイプは好きなだけ吸い付いた。
点々と赤い跡が増えていく度にシオリは切なく身をよじったが、彼の力にも徐々に強くなる痺れるような感覚にも抗うことはできなかった。
「ねえ、なんでっ、やだ、やだよ・・・ぁっ、あぁっ」
絶え間なく与えられる刺激のせいで途切れ途切れになりながら、何度もスネイプにすがった。
だが彼は何も言わず、その口はちゅっちゅっと小さな音をたてたり、時には歯をたて、舐め上げて、自分の身体を味わい続けた。
それでも、嫌だと言う度に彼の手がさらに強く自分を押さえつけることに、どんな言葉ももう彼を止められないのだとシオリは悟った。
「なんっで、セブルスっ、どう、して・・・!」
どうしてなのか考えても分からない。
二人は一度心を通わせて、そして離れた。
スネイプがそれを望んだからシオリもそれを受け入れ、彼が苦しまないようにした。
何度も自分を救ってくれたスネイプのためにできることが、彼の言う通りに彼を一人にすること、というのは情けなかったが他の方法は思い付けなかった。
(もしかして・・・セブルスも他に思い付けなかっただけで、本当は・・・)
そうだとしたら、離れていたこの数ヶ月、本当に苦しんでいたのは彼の方だ。
一方的に傷つけられたと思っていたが、彼が傷を付け犠牲にしたのはむしろ・・・彼自身なのかもしれない。
今も自分をつかんで離そうとしない彼の手を、シオリはなぜか怖いと思わなかった。
むしろ、必死に自分を繋ぎ止めようとしているようで、胸が痛みすらした。
初めての刺激に戸惑って気付かなかったが、そっと胸元に触れる彼の唇はとても優しく、いつも言葉足らずな彼の心の内を語りかけているようにすら思える。
いつの間にか自分の身体が少しずつ力を抜いて、スネイプに身を預けだしているのにシオリは気付いた。
首筋にかかる湿った吐息に胸が高鳴り、シオリは思わず彼の頬に顔を寄せた。
「ねえっ、セ、ブルス・・・私のこと、好き・・・?」
びくびくと身体を震わせながら口をついて出た言葉に、スネイプの動きが止まった。
顔は見えない。
沈黙が続く。
けれど、それで十分だった。
シオリは荒い息をこらえながらスネイプの耳元で囁いた。
「私、セブルスの手が・・・好き。冷たいのに、優しくて大きくて、安心するの・・・」
ずっとシオリを壁に押さえつけていた手が、力を抜き、指をほどき、ゆっくりと離れていく。
「私、セブルスと一緒にいたい・・・だから、セブルス、私の側にいて。」
そう言って微笑むシオリの頬は赤く、目には涙が浮かんでいた。
それを信じられないという顔で見つめ立ち尽くしているスネイプに、シオリは乱れた服のまま両手を広げ、少し恥ずかしそうに彼をその懐に誘った。
「シオリ・・・」
スネイプの手が恐る恐る、細い身体に伸びる。
小刻みに震えながら、さっきまで散々触れていた身体をそっと抱き寄せ、自分を見上げる大きな黒い瞳を見つめた。
「今まで・・・一人で生きることを恐れはしなかった。だが、お前と出会ってから・・・お前がいないと、この部屋は息が詰まって、ひどく、苦しい・・・」
「うん。」
「お前を守りたいと思うのに、情けない・・・お前がいなければ、生きていけない身体になってしまった・・・」
「うん。」
「我輩は・・・お前を守ることしかできん。日の当たる道にお前を導くことは・・・できない・・・」
深く暗い自らの行く先を変えることはできない。
過去を乗り越えることができるかも分からない。
そんな自分が、ただ彼女を抱いていいのか。
「いいの、分かってる。そんなセブルスだから、側にいたいの。」
シオリを手放すことを決めた日よりも、どんな孤独な夜よりも、きつく胸を締め付ける耐えがたいほどの痛みに、スネイプはシオリを抱き締めた。
黒いローブに隠れてシオリの姿が見えなくなるほど、全身で強く抱き締めた。
息苦しい胸に、自分のものではない小さな体温が重なる。
痛くて、温かい。
今までも、そしてこれからも、こうして歩いていくのだろうと二人は静かに互いを感じ合った。
「く、苦しいかも・・・」
くぐもった声にはっとしてスネイプが手を離すと、シオリはふうと息をついた。
服をはだけさせたまま、今自分がつけたばかりの跡にまみれてあどけなく笑うシオリは、艶かしく、愛らしく、スネイプを昂らせた。
今度は無理矢理にではなく、愛しい彼女の心まで、全てを抱きたいと身体が叫んでいる。
「もう一度・・・触れてもいいか。」
「・・・うん。」
シオリが静かにうなずくと、スネイプは小さな身体を勢いよく抱き上げた。
「えっ、やっ、」
シオリはベッドではなく、いつも腰掛けていたソファに下ろされた。
スネイプが床に跪き、シオリの白い足に手をかけた。
「シオリ・・・、ずっとお前が欲しかった。」
「・・・私も、セブルスに触って欲しかった。」
「っ、加減はできんぞ。」
「ふふっ・・・乱暴なのはいつものことでしょ。」
その言葉にスネイプが口の端を上げた。
柔らかく、そして妖艶な笑みに、シオリはスネイプの男の性を見てぞくりとした。
分かっているようで分かっていなかった彼の強い欲に気付いたシオリがやっぱり手加減してほしいと言う前に、スネイプはシオリを抱きすくめ口づけた。
「っ、・・・ふっ、」
彼の薄い唇が、自分の唇に重なっている。
それだけのことなのに、シオリは全身が熱く蕩けていくのを感じた。
ちゅっという小さな音が、段々と吐息混じりの嫌らしい水音へと変わっていく。
唇を割って入り込んできた大きな舌が、口の中を撫で回し、舌をからめ捕る。
柔らかくて硬い初めての感触にシオリは戸惑いながらも、スネイプの胸に両手でしがみつき、必死に息を継ぎなから応えた。
「んっ、ふっ・・・んん、」
ぬるぬると互いの口の中を行ったり来たりするだけで、どうしてこんなに心が震えるのだろう。
彼の口の中がこんなに温かいなんて知らなかった。
もっと、もっと彼のことを知りたい。
そんな想いに気付いたかのように、スネイプの手がシオリの服の中に滑り込んだ。
冷たい手が脇腹をそっとさすると、シオリがびくっと跳ねた。
キスをしているのに、スネイプが笑ったような気がしてシオリは恥ずかしくなった。
きっと、これから彼に触れられる場所全て、飛び上がってしまうほど気持ち良くて苦しいに違いない。
シオリは段々と息が苦しくなってきて、スネイプの胸を叩いた。
「っは、セブルス、キス長い・・・息が苦しいよ、」
「加減はできないと言っただろう。夜は長い・・・息も出来ないほど抱き潰してやる。」
「ま、待って、私やっぱり・・・」
再び口を塞がれてシオリは黙らされてしまった。
スネイプがシオリの足を割って間に身体を滑り込ませると、二人の身体はぴったりとくっついた。
スネイプがのし掛かるように身体を重ねて、シオリは狭いソファの上で潰されそうになりながら、小さな身体で彼の重く切実な愛を受け止めた。
「んぅ、はっ・・・んっ、」
激しい口づけに、初めて身体を触られる恐れと快感。
シオリはスネイプに与えられる刺激全てに鳴き、喘ぎ、さらに彼を求めた。
「シオリ、シオリ・・・、」
「セブルスっ、んんっ、ぁっ、」
スネイプは何度もシオリの名前を呼んだ。
何度もシオリを想ったこの場所で、彼女が自分にしがみつき応えるその様が、彼の孤独な日々を塗り替えていく。
暗い部屋の中に、二人の荒い息づかいとソファの軋む音だけが響き、長い長い夜が更けていった。