中々アダルティンな話になれなくて、大変申し訳御座いません。
あともう少ししたなら、この物語でも官能的なラブシーンを出そうと思っておりますので、どうかもうしばらくお待ち下さいませ。
リュカとビアンカの子育て日記
「ティミーとポピー、レックスにタバサ。それにテンとソラも、もうすぐ御飯よ!!?」
晴れ渡る青空の下で、凜としたソプラノボイスが響き渡る。
今や愛する夫との間に6人もの子供をもうけていた“彼女”はここの所、早くも“7人目”を授かりたい目的もあって、伴侶との子作りに励んでいた。
まあもっとも、本音を言えば“そう言う呈”を装って堂々と最愛の恋人兼自身の花婿である青年国王との甘くて激しい“愛の営み”を連日連夜繰り広げていた“彼女”はふと後ろから近付いて来る気配を察知して振り返る。
「・・・・・っ!!?やっぱり、リュカッ。あなたっっっ❤❤❤❤❤」
「あはは・・・、もう見付かっちゃったか。流石はビアンカだねっ!!!」
するとそこには背丈が180cm以上はあろうかと言う良く絞り込まれている筋肉質の浅黒い肉体を誇っている東洋系の男性が立っていた、歳の頃は26、7歳と言った所か、奥に静かに光を湛える黒曜石の眼に肩甲骨辺りまで伸びたボサボサの、黒い髪の毛を後ろで束ね、何処か幼さの残る左右対称な、しかし中々に精悍な面持ちをした顔をこちらに向けて暖かな笑みを浮かべている。
対する“彼女”はー。
身長は160cm前後で乳白色のスレンダーな肢体をしておりその瞳は青空色、腰辺りにまで伸びているストレートロングのハニーブロンドを風に棚引かせつつも恐ろしい程にまで美しいシンメトリーな
「あ~あ。せっかく後ろから抱き着いて驚かせようと思ったのに・・・」
「あははっ、残念でした。あなたの気配なら何処に隠れていても良く解るもの、お姉ちゃんにはお見通しなんだからねっ!!?」
そう言って再び二人で仲睦まじく笑い合う彼女達こそここ“グランバニア王国”の第15代国王“リュケイロム・エル・ケル・グランバニア”とその妻にして王妃の“ビアンカ・エル・シ・グランバニア”その人達であったのだ。
彼等は互いに幼馴染の関係であり、小さな頃は一緒によく遊んだ間柄だった、サンタローズやアルカパで繰り広げられた“隠れんぼ”に“鬼ごっこ”、“おままごと”に“二人しての他愛もない散歩”など、思い出したら枚挙に暇がないが、そんな邂逅を繰り返す内に二人は少しずつ絆を強め、特に2歳年上だったビアンカは少しずつ、この幼馴染みの少年への思慕と洞察とを深めていった。
そうだ、最初の内こそ気が付かなかったがビアンカは子供の時分からリュカの事を少なからず心憎く思っており、そしてそれ故に良く彼を自分の用事や遊びに同道させようとハッパを掛けて来ていたのである。
女の子と言うのは基本的に自分に正直な生き物であり、だから内心で嫌っていたり興味が無かったりする相手を、特に異性を間近に置いてあれやこれや話し掛けたり、わざわざコミュニケーションを取ったりはしないモノなのだ。
だけどビアンカは違った、最初こそリュカの父パパスに強い敬意と憧れを抱いてはいたモノの、それとても彼女の心を動かす事は出来なかったし、また長じてからは自分に好意を持ってくれている村人の思いを知りつつも、それでもやはり彼女はリュカへの気持ちを貫き、それ以外の存在に応える事はしなかったのである。
小さな頃からお転婆で快活で、その上しかも機転も利いて大抵の事は何でもこなせる彼女はしかし、その実誰よりも純朴で不器用であり、特に愛する人には例え自分を犠牲にしてでも尽くす程の一途さと凄絶さを秘めていたのだが、そんな愛妻王妃はだから、自分の恋心が実ってリュカと結ばれてからと言うモノ、最早誰にも遠慮する事無く夫に寄り添い、気持ちを伝え、彼と
その過程でいつしか“恋”は“愛”となり、より超絶的な熱烈さとなって彼女を突き動かすに至っていたのであるモノの、ただしそれはなにもビアンカからリュカに対してのモノだけではなくて、リュカからビアンカへの意念もまた同様だった、リュカにとってビアンカは特別な女性だったし、またビアンカにとってもリュカは唯一無二の存在だったのであり、二人は何があっても決してお互いを離さず離れず、幾度にも渡って押し寄せて来ていた試練と障害とを乗り越え、突破して来たのであった、そんな夫に対してー。
ビアンカは未だに恋をしていた、情熱にその身を焦がしては心を密かにトキめかせていたのであるが、それと言うのもビアンカにとってリュカは一番最初に“自分に愛を教えてくれた
普段は大人しくて温厚な彼はしかし、いざの際には非常に力強くて勇敢であり、臆する事無く自分から敵や困難にぶち当たって行けるだけの強さを兼ね備えていた、そしてそれは何も“戦闘”に対してのみ発揮された訳では無くて、エッチの時にも遺憾なく活用されては愛妻王妃の事をヒイヒイと言わせ続けて来たのである。
世界最強剣士の一人として名を馳せていた“パパス”から精悍な肉体と無二の勇気を、そしてエルヘブンの誇る聖巫女“マーサ”から深い慈しみと高い霊力を受け継いだ彼は、長年に渡る奴隷生活や苦難の旅を乗り越えて来た事により類い稀なる根性と気迫、絶倫さを手に入れており、しかも回復呪文のエキスパートでもあったリュカは相手の急所や弱い部分を的確に見抜く能力にも秀でていたから、それらを駆使して愛し合う時は人が変わったかの様にビアンカの事を責め立てていたのであった。
そうだ、一見すると人畜無害で優男な彼はその実、“無自覚女たらし”の“天然ドS”で自らの愛慕と恋情の赴くままに愛妻王妃を抱いて抱いて抱きまくり、犯して犯して犯しまくって来たのである。
だけど。
そんなリュカの事がビアンカはますます大好きになっていった、特に普段は気の強いお転婆だけど、愛する人の前でだけは純粋で
「ねえビアンカ・・・」
「なぁに?リュカ・・・」
「愛してるよ、誰よりも何よりも。自分よりも君のことが、遙かに愛しいよ・・・」
「・・・・・っっっ❤❤❤❤❤」
そんなリュカはビアンカの自分に対する思いの丈を知ってか知らずか、穏やかな微笑みを浮かべつつもそっと彼女を抱き寄せた。
「・・・私も、よ」
ビアンカは自身も花婿に身を寄せながら、ウットリしつつもそう応えた、不思議なモノである、もし他の誰かにこんな事をされたり言われたりしたら、表面上は笑顔で軽く
だけど。
(リュカ、愛しい人。私に愛を教えてくれた人、“人を好きになる”とはどう言う事なのかを気付かせてくれた人。もう絶対に逃がさない、もう絶対に私だけのモノ・・・っっっ❤❤❤❤❤)
リュカにこうされるとビアンカは、自分でもどうにもならない位にまで心地好くて気持ち良くて、“ずっと抱かれていたい”、“溶け合っていたい”と芯から望んでしまうモノの、一方で。
「ビアンカ、不思議なんだ。君と居ると僕は優しい気持ちになれる・・・」
「・・・・・っっっ❤❤❤❤❤バ、バカッ。もうリュカッたら!!!」
リュカもまた愛妻王妃と共に居る時だけは、心が潤いを取り戻して自身が本当の意味での人間に戻れている気がするのだが、元々。
彼は手練れの雄々しい戦士であり、また回復術や浄化術の使い手でもあったがそれ故の業だろう、これまでの冒険や探検の日々の中で無数の凶悪なモンスターや魔物、または彼等に組する下卑た人間達を相手にし、その殆どを撃退したり、あるいは成敗して血の海に沈めて来た。
それは“自分の身を守るため”ではあったし、またあるいは“自分にとって大切な人を守るため”の、そして時には“罪無き人々を守るため”のやむを得ない処置であった、しかし。
やはりそんな事を繰り返していれば心は殺伐として来る訳で、殊に元来が穏健で牧歌的な性分のリュカには自分が底無しの魔道に堕ちて行くかのような、そんな怖さと
だけど。
ビアンカと居る時だけは、彼は不思議と落ち着けたし、自分でも驚く位に澄んで優しい気持ちになれた、ビアンカと共にある時だけは、彼は血生臭さを一切忘れて一人の真人間としての道を歩む事が出来ていたのだ。
「ねえあなた・・・?」
「んん?なにさ、ビアンカ・・・」
「私ね?早くあなたの赤ちゃん、産んであげたいな・・・っっっ❤❤❤❤❤」
そんなこんなでしっとりとした心持ちになっていた青年国王に対して、愛妻王妃が甘ったるい口調で声を掛けて来る。
「あなたとたくさん愛し合いたいの。それでね?私、あなたの赤ちゃんいっぱいいっぱい産んであげるの・・・っっっ❤❤❤❤❤」
顔を赤らめながら花嫁が、花婿の耳元で囁くようにしてそう語り掛けるが、ビアンカはリュカの事を、一人の父親としても尊敬していた、世の男性と言うのは普通は中々に“父親”と言う存在にはなれない生き物だと、彼女は色々な人生の先達から聞かされて来たのである。
ところが。
「ねえリュカ、教えて欲しいんだけど・・・。子供達を可愛がってくれるのは、本当に嬉しい事なんだけど。でもどうしてあなたはそんなに子供が可愛いの?」
「・・・そんなの、決まってるじゃんか。自分の一番大好きな人が、自分の一番大切な女の子が、一生懸命に産んでくれたモノだからだよ?」
第2子となるレックスとタバサが産まれて暫くたった頃、ビアンカは思い切ってリュカに訪ねて見たモノの、その際に返って来た応えがそれだったのである。
「まあでも?理屈じゃ無いだろ、そう言うのって。それに子供達は皆一生懸命に生まれて来てくれたんだし、それって凄く尊いじゃないか・・・!!!」
「・・・・・っっっ!!!!!リュカッ❤❤❤」
「それにこの子達は僕と君の愛の結晶だもの、愛しくない訳が無いよ!!!」
まだ乳飲み子だった二人をあやしながらも、慈しみの表情を浮かべてそう言い放った夫を見て、ビアンカは心底“この人と出会えて良かった”と思い、かつ安堵した、彼は単に夫としてだけではなくて、ちゃんと父親としての自覚を持ち合わせてくれていたのだ。
それが彼女には嬉しくて堪らないモノであり心を底から揺さ振った。
「・・・ねえリュカ」
「んん?なんだい、ビアンカ・・・」
「私ね?あなたに会えて良かった・・・!!!」
ちょっぴり涙ぐみながら、満面の笑みを浮かべてそう告げてくる愛妻王妃に、青年国王は“あはは”と明るく笑いながら応える。
「なんだよそれ、それを言うのは僕の方だよ。これからもよろしくね?ビアンカ・・・」
「ウェ、グス・・・ッ!!!うんっ、はいっ。あなたぁっっっ❤❤❤❤❤」
力強くそう頷いたビアンカは、リュカの元へと駆け寄っては思い切り抱き着いて、その唇に唇を重ね合わせた。
[newpage]
「もうっ、こら待ちなさい。テン、ソラ!!!」
カケスとツグミの鳴き声がこだまする、豊かな深緑の森の中で一人のうら若き女性の声が響くがそれを受けても少年と少女は少しも怯む事は無かった。
「あははっ。お母さん、遅いよ~っ!!!」
「私達だけでもこんな森の一つ位は踏破出来るんだも~んっ!!!」
“テン”と“ソラ”と名付けられた少年と少女は母親のそれと同じように鮮やかなハチミツ色の髪の毛と、碧空の眼を持っていて、生まれてからも恐ろしい程にまで活発だった。
二人とも好奇心が旺盛と言うか負けん気が強くて、だけどとっても根性のある暖かな心根の持ち主であったのだ。
「もうっ。言うことを聞かないとお父さんに叱ってもらいますからね!!?」
「・・・・・っ。ちぇ、何だよ。それ!!!」
「お母さん、いつも最後にはお父さんの名前を出すの・・・」
するとそれを聞いた二人は渋々、本当に渋々母親の元へとやって来るが、それを憤懣やるかたないと言った表情で見つめていた“彼女”は腰に手を当てて暫くの間、少年と少女の事を厳しい視線で射貫いていた。
“彼女”は絶世の美女だった、そんな彼女から放たれる怒りの眼差しは、中々に怖いものがあったのである。
「・・・・・」
「・・・・・」
(あちゃ~っ!!!お母さん、怒っちゃってる・・・)
(ちょっとふざけすぎたのかな?でもこんなのはいつもの事だと思うけれども・・・)
流石にちょっと悪びれつつも項垂れるような仕草を見せる子供達に対して母親は“はぁ~・・・っ!!!”と大きな溜息をつくと気を取り直して元の明るくて優しい面持ちとなり、二人に告げた。
「さあ、もう帰りましょう?今日は夏至の日とは言えども暗くなると物騒だからね・・・」
「「はぁーい、母さん・・・!!!」」
テンとソラは母親に誘われながら彼等の本拠地である“グランバニア城”へと帰還して行った。
「ああっ。お、王妃様!!!」
「ビアンカ様、よくぞ御無事で・・・っ。王子様も姫様も!!!」
その
「・・・ビ、ビアンカ様。先頭は危のう御座います!!!」
「何かあった場合は、真っ先に狙われる立ち位置ですから・・・!!!」
「あははは・・・っ。大丈夫よ!!?」
すると“王妃”や“ビアンカ”と呼ばれた金髪碧眼の女性は皆を安心させる為もあり、敢えて笑顔で兵士に応じた。
「大魔王は倒れた今、モンスター達も人を襲うことはかなり少なくなっているし・・・。なにより“竜の神様”の御威光が、この世界を覆っているのを感じるもの。危険はないわ?」
“それより早く帰りましょう?”、“お城じゃ皆が待っているからね・・・”とそう続けると、ビアンカは再び先陣を切って歩き出すが、彼女こそはここ、“グランバニア王国”の第15代国王である“リュカ”の愛妻にして王妃であり、この国の内部に於いては彼と同じ立ち位置と権限とを有していたのだ。
「ビアンカ!!!」
「あ・・・っ!!!」
そんな国王は王妃にゾッコンであり、王妃もまた幼い頃からずっと一途に彼の事を、彼の事だけを思い続け、慕い続けて来た幼馴染兼恋人同士であったのである。
「良かった、帰りが遅いから心配したんだ。今、探しに行こうかと思ってた・・・!!!」
「あはは・・・っ。もうリュカったら心配し過ぎよ?ちょっと森の奥の方まであの子達が入り込んじゃって、探すのに手間取っちゃったの・・・!!!」
「・・・・・っ。テン、ソラ!!!」
“お母さんに迷惑を掛けちゃ、ダメじゃ無いか!!!”、“外の世界で油断をするなと、いつも言ってるだろう!!?”とやや厳しい口調と険しい顔付きとで普段は温厚な父親が叱ると流石の二人も下を向いて黙り込んでしまった。
「テン、ソラ。君達はまだ小さい身なんだ、もし何かあったなら僕達は悔やんでも悔やみきれ無くなるんだ。“親の愛”と言うモノをもう少し解って欲しい!!!」
まだ
彼は本質的に暖かくて優しく、それでいて非常なまでの逞しさと猛々しさとを兼ね備えていて、いざの際にはそれらを遺憾なく発揮して妻を守って救い、かつ子供達を導き続けてきたのである。
“疾風の迷走者”、“風の導き手のリュカ”、それが彼に付けられた異名であったが一方のビアンカも何があっても決して彼の側を離れずにおり、それどころか何か試練や障害がある度にその胸の中にある“真なる愛の煌めき”を存分に光り輝かせてはそれらを押し退けて跳ね返し、常にリュカと共に在り続けては彼への熱くて揺るぎない思いを、己の中にある“確かなる気持ち”を貫き通していったのだ。
ただし。
相思相愛で深く愛し合っていた彼等であったが常に仲が良かった訳では無くて、やはりたまには喧嘩をしたり衝突する事もあった、殊にビアンカは例え自分の惚れた相手だとしてもリュカが間違っている、と思えばキチンとそれは指摘する事の出来る度量と気概のある女性であり、尚且つ幼馴染の強みで小さな頃から様々な物事を、互いに色々と言い合う関係であった事も手伝って、時折リュカをヤキモキさせる事があったのだ。
そしてそれは“子育て”に於いては特に遺憾なく発揮される事となったが今現在、彼等の間には長男長女のティミーとポピー、次男次女のレックスとタバサ、そして三男三女であるテンとソラがいたのであるモノのこの内、レックスとタバサが生まれてから暫くの間は間違いなく、ビアンカの主な愛情的関心は夫から双子へと移ってしまっていた。
これは子供を産んだ感動と我が子に出会えた歓喜とに端を発する事象であったが、そんな彼女にとっては何事に於いても最優先はまず子供達であり、夫の事はどうしても二の次、三の次になってしまって、しかもリュカもビアンカも長男長女であるティミーとポピーの事を我が手で育てられなかった悔恨の念から“どうしても自分達の手で子供達を育てる”と言う思いに固執してしまっていたのだ。
「ああ、いけない。おしめを替えないと・・・!!!」
「大丈夫だよ?僕がやるから・・・」
勿論、どうにもならない場合は周囲の手を借りる事もあったがそれでも子供達の面倒を見ていたのは主にリュカとビアンカの二人だったのであり、彼等は互いに協力し合いながら育児に邁進していったのである。
ただし。
ビアンカはともかくリュカの場合はどうしても公務があったから、その合間合間を縫うような形でしか子育てに参加する事が出来ず、また如何に優しくて暖かな男だとしてもやはり、母親の持つ我が子への愛情に勝るモノ等はなくて、リュカではどうしても、上手くあやしきれない場面が出て来てしまう。
「もうっ、何をやっているのよっっっ!!!!!」
「ご、ごめん・・・」
そうした場合は、結局はビアンカが世話をやかなければならずに結果として増え続ける精神的、肉体的な負担からついつい夫にキツく当たってしまう事が増えていった。
殊に彼女はリュカが執務している最中等はほぼほぼ一人で育児を
「ねえビアンカ。あの、その・・・。後は僕がやっておくから少し休んだら?昼間も全然、休めて無いんだろ?」
「うん、有り難う・・・。でも私がいないとこの子達は泣き止まないし、あなたじゃ上手くあやせないでしょ?」
「・・・・・」
勿論、彼女は夫が一生懸命に子育てに参加してくれているのは知っていたし、事ある毎に自分を気遣ってくれている事も解っていた、それはとても嬉しくて有り難かったがしかし、やはり“この子達には自分が必要なんだ”、“私じゃなきゃダメなんだ”と思うと夫に対するそれよりもむしろ子供達に悪くて素直に“休みたい”と言う事が出来なくなってしまっていった。
そんな愛妻に対してリュカは出来得る限りのサポートを行って、なんとかビアンカの負担を和らげようと試みた、それだけではない、いつも何くれとなく“頑張ってくれて有り難う”、“無理をさせちゃってごめんね?”等と
そう言った彼の真心は、ちゃんとビアンカにも伝わっていた、彼女も流石に悪いと思った、いつもいつも、と言う程ではないにしても夫の事を悪し様に言ってしまうのは心が痛んだ。
だけど。
「もうっ。私がやるから良いってばっっっ!!!!!」
「ご、ごめん・・・」
愛情の中心が子供に移ってしまっていた当時の彼女にとって、リュカの行動はどうにも生温いと言うか、いっそ
だがしかし。
一方でリュカはこうなる事を初めから覚悟していた、彼は子育ての難しさや産後の妻の心境の変化に付いて、友人のヘンリーや叔父のオジロン、その他経験者の人々から嫌と言う程聞かされていたし、それに何より。
散々ビアンカに対して甘い言葉を吐いていながら彼は知っていたのである、この世に於いては多分“絶対は絶対に無い”のだと言う事を、そして“永遠に続く永遠”等と言うモノもおよそ存在し得ないのだ、と言う事を。
(・・・例えば。もしこれが宇宙のより深淵にあるとされている“あの世”だったり、はたまた“神々の世界”であれば、“真なる永遠”や“絶対的な愛情”も存在するかも知れないけれど)
“この世に於いては無理難題だな”等と彼は考えていた、しかし一方でリュカは“自分達は確かに真なる愛に触れたのだ”とも感じていた、結婚した直後のアルカパの夜や、テルパドールでの砂漠での一幕。
大神殿からビアンカを救出してグランバニアへと連れ戻した時に加えて、“もう一度子供を作りたい”と言う建前で、何度となく肌を重ね合わせた、蕩けるような日々の追憶。
そのいずれもの場面でリュカはビアンカをキツく抱き締めては己の猛烈さを遺憾なく発揮して煮え滾る思いの丈を彼女の奥深くへと、数え切れない程にまで撃ち放っていったがその途上で、愛妻王妃は何度となく激しい快楽の頂きへと昇り詰め、汗に塗れた体を揺らしては青年国王の事を受け止め続けた。
否、それどころか自分から腰を使って膣奥を締め付け、彼を貪るようにもしたのであったがその瞬間は夫婦はとても満たされて確かに永遠を感じる事が出来たのだ。
それは単なる肉体的な愉悦を覚えたからではない、お互いのお互いに対する凄絶な迄の愛しさと共に、体と心に加えて魂すらも同調させては重なり合わせていた為に引き起こされて来た現象であった。
(あの一瞬は、僕らは確かに“本質的なる絶対愛”に触れる事が出来ていたんだ。この世に於いてはその一瞬一瞬こそが永遠となる。“確かにあった出来事”として宇宙にずっとずっと記憶されて行くのだから・・・)
そんな事を考えるリュカはしかし、間違っても自分を悲劇のヒーローで終わらせるような生易しい人間では無かった、勿論、生まれてきてくれた我が子達は可愛かったが彼にとって一番大事だったのは、一番の生き甲斐だったのはやはりビアンカだったのであり、どうやって彼女の心を取り戻そうかと
(今ならばまだ、ビアンカの心の奥底では僕への思いが生きている筈だ。僕は嫌われた訳では無いんだ、勝算は充分にある・・・!!!)
そんな彼が最終的な手段として選んだのが“セックス”であった、それを通して夫婦で愛し合う事の素晴らしさと蕩けるような官能とを今一度ビアンカに思い出させると同時に自身の彼女に対する思いの丈を、体を通して直に体感してもらおうと試みたのである。
“自分達がこれまで積み重ねて来た時間は、築き上げて来た思い出やエピソードの数々は必ずや自分達を導いてくれる”、“子供達に負けない位の熱い思いをビアンカは必ずや心の奥底に秘めてくれている筈だ”と、彼は考えたのであった。
「ねえビアンカ・・・」
「・・・なによリュカ、どうしたの?」
「今晩、抱かせてくれないか・・・?」
「え・・・っ!!?」
ある日の事。
唐突に掛けられた夫からの言葉にビアンカは一瞬、たじろぐが彼女は意外に思っていた、夫婦の間に子供が入った事で正直、リュカの事を“夫”よりも“父親”として見てしまっていたし、リュカも多分、そうだろうと思っていたのである。
況してや自分はリュカに対して何度か苛つきや怒りを露わにしてしまっているから、もう昔みたいに情熱的に迫ってくれる事は無いかも知れない、自分は女として見られていないかも知れない、等と考え倦ねていたのだ。
勿論、彼女だってリュカが何くれとなく自分を気遣い、
そうだ、リュカが直感した通りビアンカは確かにまだリュカの事を心の底では愛し続けていたのであり、その情熱の炎が燻り続けていたのである。
それは取りも直さず、それだけ濃厚かつ確かなる愛しさを、二人が重ねて来たと言う証に他ならなかった、子供が産まれようが何が起ころうが決して断ち切れない絆が、揺るぎない縁が夫婦を結び付けていたのである。
しかし。
「ごめんなさい、今日はその・・・。ちょっと疲れていて・・・」
「どうしてもそう言う気分になれないの・・・」
間違いなく喜びを覚えたビアンカではあったが体調面での問題と心理状態の周期的不安定さから来る行き違いの為に中々にタイミングが合わずに何度か断らざるを得ない場面が出て来てしまう。
ところが。
リュカはそれでも決して諦めなかった、粘り強く、かつ辛抱強く彼女にアプローチを繰り返して行き、そしてレックスとタバサが生まれてから半年近くが経った、ある日。
遂に彼の努力が実を結ぶ日かやって来た。
「ビアンカ、今日は良いだろ?ずっと我慢してたんだ。だから・・・」
「ええっ!!?う、う~ん。まあ良いけど、それじゃあ子供達を寝かし付けたらね・・・?」
度重なる夫からの誘いを断り切れずに愛妻王妃は戸惑いながらも夫に抱かれる事にした、リュカはまだうら若き青年であり、尚且つ逞しい男でもあったからそう言った事もビアンカの胸を高鳴らせる一因となっていたのだ。
(リュカは私を、女として見てくれていたんだ・・・!!!)
その事が何より嬉しかった、自分が大事にされていた事は知っていた、リュカはビアンカから何を言われても絶対に怒らなかったし、彼女に当たり返す事もしなかった。
それどころかいつも優しく微笑んでくれて、静かに声を掛けてくれていたのだ。
だから。
悪し様な態度をとって
そんな彼女を見て1回だけ、リュカが悲しそうに微笑んだのを見た、“ああ、傷付けてしまっているんだな・・・”と感じて心が痛くなったがそんな日々を送っていた彼女はだから、リュカが自分をこんなにも必死になって誘ってくれるとは思わなかった、“まだ自分は女として見てもらえているんだ”、“ちゃんと愛してもらえてたんだ・・・!!!”と感じて気持ちが昂ぶり、何より女としての喜びを覚えてその日はきっと自分の中では忘れられない1日になるだろうな、とも思った。
「もう・・・っ。そんなにしたかったなら、その・・・。素直に言えば良いじゃないの・・・!!!」
「ゴメンね?ビアンカ。だけど君も疲れているっぽかったから、なんとか折りを見て話そうと思ってさ・・・!!!」
彼に対するトキメキと、嬉しさの裏返しである照れ隠しの為に頬を赤らめながらもビアンカはなんとかそう言うと急いでお風呂に入ってシャワーを浴びるが、いそいそと出て来た彼女をリュカはそれから暫くの間は片時も離さなかった。
ポワン達“妖精族”から頂戴して来たマジックアイテムである“時の涙滴”を発動させた彼はその効力の続く限り彼女の事を抱いて抱いて抱き続け、ビアンカが気絶してしまった後もあらゆる体位で以てずっと犯し続けたのである。
「ごめんなさい、リュカ・・・」
「えっ?何が・・・」
「私、あなたの事を下に見てしまっていたの・・・」
青年国王が漸く満足してバスマットレスの上で横になり暫く休んでいると、その傍で寄り添うように寝かされていた愛妻王妃がいつの間にか目を覚ましており、なんとか気力と体力とを回復させたのだろう彼女が彼に語り掛けてきた。
「子供達が生まれて、あの子達を上手くあやす事が出来ずにいたあなたの事を、いつの間にか見下してしまっていたんだわ。自分がいないとあの子達はダメなんだと思って、得意になってしまっていたの。本当にごめんなさい、酷いことを、いっぱい言っちゃった・・・!!!」
「あはは・・・っ。ビアンカ、気にして無いよ・・・!!!」
しおらしい態度で自分の素直な気持ちを吐露して来る“天空の花嫁”に対してリュカはわざと明るく言い放った。
「知っていたんだ、僕は。前に言っただろ?先達連中から色々と聞かされたって・・・」
「・・・うん、ねえでも。本当に怒ってないの?」
「怒ってたら君の事をこんなに抱いたりしないよ?ビアンカ。それに君だって僕の事がまだ好きでいてくれたからこそ、ここまで抱かせてくれたんだろ?」
「それは・・・。うん、そうだけど・・・!!!」
「ビアンカ、おいでよ・・・」
「あ・・・」
そう告げるとリュカはビアンカの肩を優しく抱きつつ、その肢体を自らの肉体へと寄り添わせる。
「可愛い、ビアンカ。すっごく可愛くて、とってもキレイだ・・・っ!!!」
「・・・リュカ」
「ねえビアンカ、これからも嫌じゃなかったら。僕に抱かせてくれないか?」
「・・・・・っ!!!嫌、なんかじゃっ。でもあなたは」
「僕はね?ビアンカ、君の事が一番大好きなんだよ。子供達よりも誰よりも、君が一番大切なんだ。怒っている君も笑っている君も、君と過ごしている時間の全てがキラキラと眩しくて僕にとっては宝物なんだよ・・・?」
「・・・・・っ!!!」
「でも、できたら君にはずっと傍で笑っていて欲しいな?ビアンカ・・・」
その言葉を聞いた途端に、ビアンカはリュカに抱き着き“え~ん”、“え~ん”と大泣きしてしまっていた、それは申し訳なさと感謝と彼の暖かさとに心が打ち震えた故のモノだったのだ。
「ヒッグ、グス・・・ッ。う、うう・・・っ!!!」
「・・・落ち着いた?」
「グス、ウェ・・・ッ。う、うん・・・っ!!!」
花嫁が落ち着くまでリュカはずっと彼女を抱いたままあやし続け、慰め続けていた、そんな彼の優しさに感極まってビアンカはまた泣いた、泣いて泣いて、泣き濡れたのだが、それが漸く済んでからー。
ビアンカはリュカに告げた。
「私は今、やっと自分が誰を本当に愛するべきなのかが解ったわ?ううん、違うの。本当はね?ちゃんと最初から解っていたんだ。だって私は胸の奥底ではいつもいつもあなたの事を思い続けて、ずっとずっと感じ続けて!!!いつかまた、こうなれる事を待ち焦がれ続けていたんだから・・・っ❤❤❤❤❤」
「ビアンカ、それって・・・!!?」
「それだけじゃない。自分が真に寄り添うべき相手が誰なのか、と言う事も・・・。いま改めて、ハッキリと解ったの。理解出来たのっ!!!それでね、リュカ。あの、その・・・っ❤❤❤❤❤これからも、よろしくお願いします・・・っっっ//////////////」
「・・・ああ。よろしくね、ビアンカッ!!!」
中々照れ臭そうにしつつもしかし、本心から一生懸命に綴られる愛妻王妃の言葉に力強くそう応えながら。
リュカは内心で会心のガッツポーズを取るモノのその日以来、ビアンカは花婿への“確かなる気持ち”と共に夫婦で愛し合う事の素晴らしさとその快楽とを思い出し、改めて本来の自分自身を取り戻していったのである。
そしてそれ以降、ビアンカの夫に対する態度は豹変して行った、彼女はリュカの雄々しさや逞しさ、何よりその凄まじさをここに来て再び直に体感する事により彼の事を見直すと同時に大いに惚れ直していったのだ。
(セックスって偉大だなぁ・・・!!!)
“天空の花嫁”の自分への
当然、彼はこの後も更にビアンカと