抜きゲーみたいな島に住んでるフラニーチェリイ(Хранитель)はどうすりゃいいですか? 作:栄光ある孤立なぼっちさん
曇り空のとある日、住宅街の一角の民家に偽装されたヤクザの拠点では戦闘が起きていた。
「死ねぇー!」
何もなくなった男はそう叫びがら襲いかかってきた。
パシュッ...ドン
「オールクリア...か...」
そう呟いて視線を上げるととある少女がいた。
「君...大丈夫かい?こいつらに襲われそうになってたみたいだけど」
「いえ、ところであなた様はいったい何なのでしょうか」
「そぉだね...」
(ヤバい...情報部の存在は一般には公開してないし、同じSHOにも人員構成は秘密にしていたんだ...どうしよう)
「成程...あなた様も正体は言えないのですね」
「君も同類かい?」
「はい」
「なら...! 」
そう言いかけた時、外から声が聞こえてきた。
「おい報告があったヤクザ共の拠点ってここら辺だよな」
「なんか発砲音も聞こえたらしいよ」
(取り敢えず逃げるしかないか...)
「君、取り敢えず一旦ここを離れよう」
「はい」
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山の中にある神社、そこに2人は退避した。
「慧殿、どうかしましたか?」
上の空だった僕にその少女は不思議そうな表情をする。
「いや、文乃と出会ったときを思いだしてね...それにしても助かったよ文乃」
そう着物の少女に話しかける
「いえ、サプレッサーの音がしたので...」
「そうか、この島でサプレッサーを使うのは僕くらいか」
想定外の答えについ思考が漏れてしまう。
「ところで慧殿、お怪我はありませんか」
目の前の少女は見れば分かる筈だろうにそう聞いてくる。
「問題ないよ、弾には一回も当たってないからね」
「それで何があったのですか、慧殿の所属はSHOの筈ですが...」
「友達のためにちょっと出張っただけだよ」
そう言うと文乃はとても驚いた様な表情をする。
「慧殿に友達がいたとは...」
「ひどいな...まぁ僕だって一応普通の学生だしね」
(確かにこの前までほぼボッチだったけど...)
「そうは見えませんが」
そう断言され心の何か砕けるような気がして話題を変えようとしてしまう。
「えっとぉ...ライフルの弾薬とか装備は大丈夫?足りないのあったらいつも通り倉庫から持ってくるけど...」
「なら弾薬の補充をちょっと...」
「新しいスコープとか要らない?光の反射がより抑えられるよ」
少しばかり早口で話しを進めてしまう。
「いえ...今のが気にいっているので」
「分かった、あと必要そうな物があったらいってね,,.じゃあまた」
そう会話を終えると疲れた足を動かし、夜明けの道を下っていった。
「慧殿はやはり...」
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夜の生徒会室、そこにSSbig3が集まって話し合っていた。
「それで郁子、昨日は何をしていた!お前が行けば多少は状況が好転していたかもしれないんだぞ」
そう茶髪の少女は声を張り上げた。
「礼ちゃんそんな怒んないでよ、昨日のあそこのエリアの担当は二番隊だったんだから私が無線機切ってたせいで現場に間に合わなかったとしても責任は無いじゃん」
そのくせ毛を弄りながら青髪の少女は言い訳を並べていく。
「まぁ2人とも...それよりm」そう緑髪の少女は言いかけたが...
「桐香様それよりもってなんですか!」
「まぁ礼ちゃんもそれくらいにして、それで桐香ちゃんは何か気付いたの?」
「えぇ...報告を見るからにこの敵はSHOの特殊戦闘部を超える程の装備と強さを保持している可能性が高いということです」
平然と放たれたその言葉に2人は一瞬思考が停止した。
「それってイクちゃんよりも強いってこと?」
「随分と厄介極まりない相手だな...」
「しかしながら状況的にヤクザ連中ではないことは明白、それにライオット弾を使用しているとなると...」
「桐香様何か分かりましたか?」
「少し面白い噂を思い出しましてね」
少しばかり考えるような素振りを見せた後、その少女は微笑みを浮かべそう答えた。
「噂って?」
「SHOには秘密の特殊部隊がいて密かに動いているというものです」
「桐香ちゃん...確かそれって」
「フラニーチェリィ...確かそう呼ばれていたはずです。情報部直属の特殊部隊でかなりの実力との噂です...確証は無いですが状況を見る限りそれくらいしか無いように思えます」
「あぁその噂聞いたことがあるそ、確かSHOには非公開だが情報部が存在していて裏風俗やそれに繋がるヤクザとか、あと対本土の工作もしてるって噂のやつだろ。」
「そうそう、ちょっと前に報告があった裏風俗の拠点に行ったらもぬけの殻になってて、室内には何か争った痕跡はあったんだけど...たぶん先回りしてやられたんだと思う。」
「えぇ、情報部もフラニーチェリィも実在しているか分かりませんが警戒した方が宜しいかと...それに仁浦様からのご命令もありますし」
「琴寄文乃の件ですか」
「もしかしたらそれも絡んでいるかもしれませんね...」
「ねぇ桐香ちゃんどうするの、私達じゃどうしようもできそうに無いけど」
「おい郁子.!...確かにどうすれば...」
「2人ともちょっと聞いてください、一つ助けになりそうな人がいるので」
「桐香様それって...」
「えぇ」
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放課後、僕は生徒会室にを向かっていた。
(うわぁ、報告書出し忘れてたんだった...トーカちゃんただでさえ忙しいのに...この前SSと派手にやっちゃったし、ちょっと気まずいな...)
そう思っていると生徒会室の前まで来てしまっていた。
コンコンコン、ガチャ
「失礼します、SS補佐役主席の三浦です」
「あらぁ慧、ちゃんと来てくれたんですね」
いつも通りのその不敵な笑みを浮かべながその少女は僕を招き入れた。
「まぁ、一ヶ月も書類提出を送らせた上で呼び出しにも応じないのは流石にと思ってね」
申し訳なさそうな表情と心からの本音でそう言葉を返す。
「それで書類の方は?」
「これですよ」
「ふむ...いつも通り細かいところまでありがとうございますね、期限を守ってもらえないことえ除けば完璧なんですが」
京都出身にしては割とストレートな嫌味だなと感じながらも一つ疑問が浮かぶ。
「アハハァ、それでトーカちゃんこれは何なのかな」
感情を見せないトーカちゃん相手に僕はそう切り込み。
「これとは?」
「生徒会室に一人だなんて何考えてんのかな...ってね」
「久しぶりに慧と濃厚sexを楽しみたいと思いまして」
「...違うよね」
噓か本音かは分からないグレーゾーンだったが、僕は黒であると決めつけ話しをつづける。
「はぁ...慧は乙女に対して酷すぎじゃないですか」
「乙女ねぇ...桐香が乙女かぁ」
割と本気でありそうなその少女の態度に自分もついそっちの感覚になりそうになるが、気にしていないかのような態度で応じる。
「えぇとても可愛い乙女です」
「それで話しは何?」
「うふふ、慧は普段はSHOの本部、たしか監査部の所属でしたね」
(やっぱりそっちか...)
「それが?」
「私ちょっと前に用があってSHOの本部に行ったんです。その時に人事のデータをちょっとした経緯で貰ったんですよ、そしたら面白いことに何処にも慧の名前が無いですよね。でも、SHOの人は本部であなたを良く見かけると言ってました...これはどういうことでしょうかね」
「トーカちゃんそれはきっと完成前の人事データだよ」
ばれると分かっていても認めるよりはマシだと思い、そう答える。
「それならいいのですが...そういえば一昨日、山の方で二番隊が正体不明の相手に壊滅、殲滅手前の被害を受けたそうです。何かご存知ではないですか」
(そっちもか...)
「知らないよ、そんなことがあったんだね」
「そうですか」
「あぁごめん、そえそろ時間が無くなりそうだから戻るね」
分かりやすいような態度とは分かっていても話しを続ける危険性の高さを恐れ、この場を離れようとする。
「それは残念です。久しぶりにそのテクニックを味わると思ったんですが」
「そうだトーカちゃん、SSの立場忘れないでね」
咄嗟にできる限り最大限に大きなくぎを刺す。
「それは脅しですか」
「そんなことはないよ、じゃあまたね」
「そうですか、今日はこの辺にしておきましょう。次の報告書は期限通りお願いしますよ」
そういつも通りの微笑みを浮かべる桐香ちゃん横目に部屋を出ていく。
「あなたの全てをようやく知れそうで嬉しいです」
誰も居なくなった生徒会室で緑髪の少女はそう呟いた。
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(はぁ~...面倒くさくなってきた...しばらくSSから離れたいな...)
さっきまでの会話を思い出しながらこれから起きることの面倒くささを想像してしまうと悩みが尽きないくなってしまっていた。
(しばらく予備の方に居とこう...)
そう思うとSS寮ではなく別に用意していたマンションの方へと歩く向きを変えていった。
(にしても現況は厳しい...島の制度を変える為にあいつらに協力したはいいけどSSの皆の事を考えると根本的な破壊をする気には慣れないな...)
そう考えていると少し前に仲良くなったばかりの皆を思い出す。
(確か反交尾勢力っていう名前にしたっけな...あっ!)
そこで一つ重大な疑問を思い出した。
(あのじじい一体何者だ...あの声の主とは会ったことがある筈だけど思い出せない、それに最近はアノ計画もあって仁浦の方も怪しくなってきている...対処しなきゃいけない事が多すぎて嫌になりそうだ...だけど...)
そう考えていると過去を思い出してしまっていた。
(僕はもう父さんにも母さんにも姉ちゃんも居ないんだ...これくらいしか無いなだ...)
誰もいない夜道を慧は一人泣きながら歩いていた。
(まずは仁浦の方からかな...)
そう思いスマホを手に取り、作業をはじめていた。
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青藍島を囲うハート型の岸、そこにあるリゾートホテルのビーチはその日のみ貸切となっていた。
「仁浦さん、休日にすいません」
そう言いながら僕は貸切ビーチの真ん中で一人佇む人物に声を掛けた。
「あぁ御浦殿、これくらいは何てこと無いですよ」
アロハシャツを着たそのラフな男、それこそ県知事にして青藍島の真の支配者である仁浦俊明本人であった。一見するとそこまでの人物に見えないが遠くに控えるSHOの警護員達の存在が男の重要性を示していた。
「それで何用でしょうか?」
「アノ計画の件についてです」
そう笑みを浮かべながら答えると仁浦も笑みを返す。さながら悪役同士の会話だ。
「財界に関してはドスケベ新法に概ね賛成するということです。政界に関しては仁浦さんとあまり縁が無い方々に声をかけて起きました。」
そう聞くと仁浦は興味深そうな表情をする。
「ほぉ、流石は元華族の御浦財閥当主様ですな。財界だけでなく政界の方にまで縁がるとは...それで、反応はどうでしょうか」
「与野党の重鎮の半分くらいには声を掛けましたが、7割くらいはノリノリというところでしょう。」
(気持ち悪いくらいにね)
「そこまでとは意外ですな」
仁浦も拍子抜けだとでも言いたそうだった。
「あちらの方々は新たな利権に飛びついているだけです。それに少子化に有効だと真面目な議員もいましたが、一番は性欲でしょうね」
「正直すぎませんかね」
仁浦は呆れてような顔をする。
「性欲は人の三大欲求の一つです。いくら議員といえども人ですからそれを開放できるとなる喜んで飛びつくでしょう」
「所詮はその程度ですか」
そう見下すように言い放つ。
「あともう一つ、面白い事になってきました」
僕はまた笑みを浮かべながらそう言う。
「御浦殿...それは一体...」
「USDですよ」
「あの夢物語がですか」
仁浦は意表を突かれたかのような態度を見せる。
「えぇ、中東、アフリカ、ヨーロッパ、南米、東南アジアと色んな国が興味を持っているようです。それにアメリカからは次期大統領最有力候補からも熱烈なご意見を頂きましたよ、『是非仁浦殿とお会いして議論したい』とのことですよ」
僕はそう平然と言い放つ。
「それ程なのですか」
「えぇ、仁浦さん...いえ仁浦様が世界に影響を与える存在になる日も案外近いかもしれません」
「買い被りすぎですよ、御浦殿こそ流石は元CIAもしくは影のスルターンと、確か今はドスケベのフラニーチェリィと呼ばれるだけありますよ」
それを聞くと僅かに過去を思い出し表情を崩しそうになったが、なんとか紙一重で耐えながら会話を続ける。
「今は普通の三浦慧です」
「失礼しました」
「いいんですよ、ただあまり外に漏らさないようにお願いしますね。あと一つお願いがありまして」
僕は少し近寄り、小声で話しだす。
「何でしょうか」
「私を暫く本土へ派遣して欲しいのです」
「数日程度の出張ではなく」
「はい、数週間程ですね」
「それは何か?」
「新法成立の更なる工作の為と...あと一つ気になることがありましてね...」
「気になることとは」
「プライベートなので秘密です」
「そうでしたか、ではSHOとSSあとは学園の方には私の方から話しを通しておきます」
「助かります、私は明日から早速行かせてもらいます」
「分かりました、御浦殿の成功を祈っておりますよ」
「いえ、では」
そう別れを告げると海岸線を一人歩き出した。
誰もいなくなったところで一人呟く
「今だけの夢さ...仁浦」
(父と母と姉の敵め)
次は過去メインの回にしたいと思います。