唯一無二の親友だった幼馴染が実は女で何かもうぐちゃぐちゃだ 作:山崎世界
とりあえずしのぶの体を拭いて、部屋に備え付きだった浴衣を着せて布団の上に寝かせた。
うちわもあったのでまだ少し熱のこもっているようだったしのぶの身体を扇ぐ。運ばれてきた食事も手を付けずに、俺達は二人きりだった。
ぼーっとしながら、色々考える。疲れを癒したいと思った旅だったがむしろ疲れさせたかな、とか。これからしのぶに伝えようとすることが、果たして受け入れられるかな、とか。
「……ん」
辺りもすっかり暗くなってきたあたりで、しのぶは目が覚めたようだ。
「大丈夫か? ほら、水でも飲んどこう」
コップに冷水を入れて差し出し、しのぶもそれを嚥下する。
「あー……ごめんね」
「気にすんな。俺とお前の仲だろ」
むしろ世話ばかりかけてるような関係だし。
「……」
しのぶは口を開きかけて、止めた。
「なっ、ゆーと……?」
しのぶの身体を無理矢理起こして、抱きしめる。
「ゆ、ゆー、と……?」
『ぼくはね、ゆーとのこと友達だと思ったことなんて、一度もなかったよ』
お前のことを何一つわかってやれてなかった俺だけどさ。
『ゆーとってさ。自分にとっての帰る場所が欲しい、とか言うけど本当はそんなことないんじゃないかな』
押し殺したのは、不満と不安だ。それくらいは分かるよ。
「こうして一緒に旅行とかに出てみたのはさ。本当に大事なものって何なんだろうなってそれを確認したかったからだ」
帰ってきたい場所とか、思えば形にばかりこだわっていたような気がする。
「まあ、でもさ。別にもういいんだそういうのは」
「もういいって……」
しのぶは胡乱気な目で見る。まあそりゃあそうだ。
しのぶは、関係に我慢できなくても、それでも一緒にいたいからって男の振りして嘘を吐いてた。だから、今度は俺が嘘を吐いてるんじゃないかってそりゃ不安だ。
だから俺はそれを解消してやらなきゃならない。
とはいえ……まあ、何だ……。
「どんなとこに行ったって、お前がいなきゃ楽しくない。安らげない。だから、お前がいるところが、俺の探してた場所なんじゃないかって……そんな風に、お前と一緒に違う場所に行ってみて、思った、といいますか……」
それを確認するための、小旅行だった。
「……へぇ」
しのぶは俺の胸に指を這わせながら、上目遣いで得意げに見つめる。
調子づいているように見えるが……やっぱりちょっとまだ泣きそうだった。
「お前の欲しいって本当に思ってる感情は俺にはまだやっぱり難しいよ。でもさ、それでも俺にとってお前はやっぱり大事だってことは変わらないから、離れない」
「……ゆーと……」
「うん。それだけは伝えたかった。たとえお互いに欲しいものが食い違ってても、ぶつかり合っても、それでも進んでいける、俺を支えてくれる。そんなものが、本当に欲しかったものなんだ」
そしてしのぶにとっての俺も、そんな存在でありたい……てのは、わがままなのかもしれない。
好きだからこそ、そんな生ぬるい関係をぶち壊すことを決意した。そんな彼女の覚悟に相応しくないのかもしれない。愛想を尽かされてもしょうがない。
「……いいの? わたしは、諦めないよ?」
「うん。俺も諦めない」
どちらの想いの形が俺たちに相応しいのかまだ分からない。
でも、どう転んでもきっと二人は受け入れて、そうして、笑い合える。
そう誓いあうように、俺達は口づけを交わして、布団の上に身体を転がした。
※※※
「ん、む……ちゅぷ」
「はぁ、ぬむ、れろ」
しのぶの身体が覆いかぶさり、互い違いに秘所を慰め合う。
シックスナイン、で俺たちは競い合うように奉仕し合っていた。
「んむ、や、おしり、揉んじゃだめだって……」
張りのある尻肉を揉みしだくと、果汁を絞るみたいに愛液がとろける。感じてるくせに、と言うように唇でしのぶの秘所を覆って、じゅ、じゅっと下品なくらいに音を立てて愛液を吸い込む。
「や、だって……ゆーと、なんかおしりの写真ばかり欲しがるし、そんなにいいのかなって、悩んだりして……形整えるためにちょっと自分で揉んだりしてみて……」
なるほど……。
俺の性癖はそこそここいつに歪められていた自覚があったがそれは割とお互い様だったらしい。
「んむー……かぷ」
「んひっ!?」
少し肉棒を甘噛みされた。ちょっと変な声が出たがそれは痛み、と言うよりも痛いくらいの快楽と言うべきか。
睾丸を揉まれながら喉奥まで飲み込まれ、舌も尿道から裏筋に沿ってつつーっと走る。
「んふふ、でも年季が足りないよね」
ぬらっと蠢くしのぶの舌。咀嚼されているかのように、器用に。そして熱心に奉仕され、呻く。
年季。そりゃあそうだ。つい最近まで異性と思っていなかった俺はしのぶをイメージして自慰をしたことなんてなかったし(近いことは……したけれど)。
それに流されてばかりだった俺では、しのぶとはそりゃ経験から得るものだって違ってくるだろう。
そうだ。まだ追いつけやしないのだ。この幼馴染には。けどまあ、負けたくはない。そんな男の子じみた負けん気が俺のやる気に火をつける。
「しのぶ……愛してる」
「……んむ!?」
しのぶがむせる。ちょっと変なところに歯が当たってその刺激のせいで思わず射精しそうになったが耐えて、反撃して秘裂に舌を入れる。
「ちょ、冗談でも、言っていいことと悪いことがあるんだけど……するならせめて録音させてほしい」
まあ心底怒らせていないようでよかった。まあ、あながち冗談でもないんだが。
「でも、言われたいだろ? さっきから、お前のおま〇こ、びくびく震えて、喜んでるぞ」
「……う~っ……」
声にならない叫びをあげ、真っ赤になって振り返った顔をそっぽ向いてむしゃぶりついてくる。
「んむ、まけないぞ、こっちも。あむ、ちゅ、じゅるるる」
「んちゅ、れろ、む、ん、ゆーとのくせに……ゆーとのくせに……!」
お互いに何も考えず、まるで子供みたいに白熱して、同時に果て、頭が真っ白になる。
「はぁ……はぁ……」
「ねえ、ゆーと……」
しのぶが先に気が付いて、布団の上にぽすん、と身体を横たえる。しゅる、と浴衣についていた帯を外して、すらりとしたへそが目に入る。
「今だけでいいから、さ。今だけ……恋人みたいにして?」
「……しのぶ」
火をつけたのは俺だ。少し青臭いのも気にせず、しのぶにキスをして、舌を絡ませる。
「しのぶ、好きだ。愛してる」
「んむ、ゆーと……しゅき、だいすき……」
背中に手を回して、爪を立てるように抱きしめてくる。そのまま、正常位でつながる。
「ん、ふぁあ!?」
その瞬間、お互いに果てる。
ドクドク、と精液を吐き出してもまだ固い。
終わらない。終わらせない。
「しのぶ、ずっと一緒だからな。離れないから」
一度手を取って、背中から離させる。そしてそのまま、指を絡ませるように手を繋ぐ。
「ゆーと……」
しのぶが手を伸ばして、唇を突き出す。
それに従って、俺はしのぶに覆いかぶさり、キスをする。
「信じてる。だから……受け止めてね?」
にこりと蠱惑的に、そして心からの笑顔を俺に向ける。そしてそのまま足でがっちり腰をホールドされて、奥まで誘われる。
そしてそのまま、膣奥に射精する。
「はぁ、んむ。ゆーと……ゆーと……」
そのまましばらく抱き合って、そしてまたこの後も身体を重ね合った。
※※※
まあ、うん。チェックアウトぎりぎりで慌ただしい中で旅館を出る。
「……くぅ」
帰りの電車内。しのぶは俺の肩に頭を乗せて寝てる。
まあ昨日は何かもうぐちゃぐちゃ……コホン。
演技かも? と頭を過った。だがまあ別にそれでもいい。元々こいつに頼りっぱなしじゃないかってくらいの青春だ。たまにはこういうことがあってもいいだろ。
「んー……」
そうして、俺達の街に帰ってくる。
俺が骨を埋める場所……になるのかは分からない。それは、うん。しのぶ次第だ。こいつがいればどこへ行ったって楽しいし落ち着ける。
少しだけ変わったように見える景色。俺たちの青春はまだまだこれからだ、なんてな。
「疲れたねー。それじゃあ、帰ろうか」
しのぶが踏み出した足を、手で繋いで止める。
「……ゆーと?」
しのぶが寮に帰るためには着替える必要があるのは分かるし、そうしようとしてるって言うのは分かる。着替えについていくわけにもいかないから、少しだけ離れる時間。まるでシンデレラみたいだな、なんてちょっと浮かぶ。
「もう少しだけこうしてよう」
まだ日も高い。帰るにはまだ少し早いだろう。
普通のカップルみたいに、あるいは友達みたいに、俺はしのぶの手を取って一歩前に進んだ。
これにて完結とさせていただいております
後日談的なおまけ話を明日また投稿させていただく予定です
ここまで読んでいただきありがとうございました