唯一無二の親友だった幼馴染が実は女で何かもうぐちゃぐちゃだ 作:山崎世界
バレンタイン。男子校であるうちでは下駄箱とか机にチョコレートが入っているなどという甘酸っぱいイベントなどはない。いやあったら怖い。義理チョコを配ってくれる女子などもいない、きわめていつも通りの平日というのがバレンタイン当日の光景である。
ともすればバレンタインという日があったことなど忘れ去っていそうではあるが、俺は朝からそわそわしてしまっていた。
俺の親友であるしのぶ。実は女の子。ずっと俺のことを男として想ってくれていたらしく、しかし俺としてはいまだ戸惑うことしか出来てない。
しのぶが本命のバレンタインチョコを贈ってきてちゃんと感謝を伝えられるかと不安と同時に、けれどやはり嬉しいし楽しみだ。
「……しのぶ?」
しかし気が付けば放課後、しのぶの姿はなかった。
※※※
俺はどこか懐寂しく寮に帰る。
「ただいま」
しのぶはすっかり遅い時間に帰ってきた。
「ちょっと実家に帰っててね」
「ふーん……そうか」
いかん。何か、柄にもなくそわそわしてる。
「あ」
「どうした?」
「そういえば今日見たかった映画が地上波初放送だったっけ。チャンネル換えていい?」
「あ、ああ……」
しのぶは何事も無いように鼻唄まじりに着替える。
(……今日が何の日か忘れてるんだろうか)
俺たちが恋人かと言えばまあそれは違うけれどもさ。俺がこういうことを思ったりするのも本当は何様だという話ではあるが。
「……ゆーと、こっちむいて」
二人してテレビの方を向いていると、ふと声を掛けられて顔を向けたら、完全に油断していた。
そのままキスをされて、口の中に舌と一緒に何かが入ってきて、脳が蕩けそうなほどに甘みが口いっぱいに広がる。
「……はぁ、ん……色々考えたんだけどね。やっぱり口の中でとろけるチョコレートが一番美味しいかなって」
しのぶはチョコレートを一粒手に取って口に含み、口を開けたままチョコが舌の上で溶けていく様を見せる。
「もういっこ」
今度は俺の方から口づけをして、しのぶのチョコを受け取る。
「ん、ちゅ、れろ……ちゅぷ……」
少し酒が入っているのか。暖房が効きすぎているのか。頭がくらくらする。
「うん……いいよ、来て」
雑に脱がしている動きに合わせて身をよじる。
しのぶの秘部はすでに濡れていて、準備はもう要らないようだ。
「ん、ふ……ゆーと……」
俺は一個、チョコを口に含んで、そのままキスをする。
俺としのぶの間で、唾液交じりにチョコの味が支配する。
腰を動かすが、一際密着しているので動きは鈍い。まるで二人で溶けていくように感覚がなくなっていく。
「はぁ、ん……ゆーとぉ、そろそろ、イきそう……」
甘えるような声に、ぞくぞくと腰が痺れて、しのぶの足が俺の腰に絡まる。
「ん、んんん!!!!」
どくどくと精液を吐き出す。
そのままキスをして、もうチョコは残っていない。
「ゆーと……好きだよ」
「ああ」
「初めての本命チョコなんだからね。ありがたく思ってね」
なんて、冗談めかして言う。
ああ全く。敵わないなと俺はしばらくしのぶに覆いかぶさったまま、二月十四日を終えるのだった。
というわけでこれで終わりです
ここまで読んでいただきありがとうございました
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