唯一無二の親友だった幼馴染が実は女で何かもうぐちゃぐちゃだ 作:山崎世界
バイト先も何とか見つけて、今日は早速、初日の出勤だったのだが色々と説明があって長引いてしまった。
辺りはすっかり暗くなり、寮の門限も過ぎている。
「どうするかな……おっと」
警備員に見つからないように隠れる。
そりゃ結論としては事情を話して中に入る、しかないわけだが初日からこれでは思いやられる。
そんな時、スマホに着信があった。しのぶだ。俺は電話を取る。
『ゆーと、今どこ……て外、だろうけど』
「ああ、うん。今帰ってきたとこ」
『そっか……なるほどね。じゃあ、壁伝いに西側の方まで来て」
よく分からないが、とりあえず指示通りにやってくる。このあたりは整理されていない雑木林が広がっていた。
コンコン、と壁を叩く音がして近づいてみて草むらを避けてみると、人ひとり分くらいが通れるくらいの大きな穴が開いてるのが分かった。
「おかえり」
そこで待っていたのはしのぶだ。ジャージに短パンのラフな姿。そういうのも持っていたのか。
しのぶは、人気のない真っ暗な夜道をスマホのライトで照らしながら案内してくれる。
「よくこんなルート知ってたな」
「あはは、いやうん。前に話したじゃない? お爺さまがここの学園の卒業生だった……てさ。それで、聞いた」
割とヤンチャだったんだなしのぶの爺さん。
探検みたいでワクワクする。ましてやこいつと一緒なら。
「……」
と思うものの、こいつはそんなこと望んでいないんだろうな、と気持ちが冷めていくのも感じる。
それはしのぶが悪いわけじゃなくて、でもやっぱりどこか寂しいというかすれ違ってる。
部屋に着いて、腰を下ろすと腹の虫が鳴った。食堂は、閉まってるんだよな。
「まあそうなると思ってね。一応、準備しておいたよ」
そう言って、しのぶはラップに包んだ皿を持ってきた。中身は……おにぎりと卵焼きだった。
「寮の食堂を借りて簡単なものだけどね」
「いや……うん、美味いよ」
おにぎりの具はなくふりかけの優しい味で、卵焼きはだしの味の効いた甘めで味わったことのない味だが中々味わい深い、素朴な味。
料理上手というだけではなく、習慣として根付いているというか。そういうことが感じられる。おふくろの味、というか。いいお嫁さんになるというか。
「まあ、今日は帰りが遅いなってなってから準備したものだから不十分だけど本気を出せばもっと色々できるんだからね。その辺りは少し悔しいかな。お弁当でも作ってあげようか……なんてね」
冗談めかして言う。
俺が、仮に弁当を作ってもらって一緒に食べようってなっても色々と困る。また屋上で二人、にしてもそろいの弁当箱とか持って教室を出たりしたらあまりにも不自然だろう。
何より……そこまでしてもらって、俺がそれを受け入れられそうにない。だから、しのぶもそこまで女を出さないようにしているのだ。
それくらいは分かった。長い付き合いなのだから。しのぶは本当にいい女で、そしていいやつなのだ。
「ついでに肩でも揉んであげようか。今日もご苦労様……なんて、まるで新婚さんみたいだね」
そう言われれば。二人の生活の為に働いて、帰ってきて。出迎えられて。今時そういうのも幻想なんだろうが。
「……」
ふと、しのぶが手を止めて、肩から手を伸ばしてきた。
「ごめんね。しばらくこうさせて」
「何があったよ」
その手は震えていて、躊躇いながらも手を握る。
「……イヤになったのかなって、思った。だから、逃げて。どこかに行って、って。そうなのかなって……怖かった」
「……バカ」
そりゃ、怖いよ。俺も。だが、
「それは無いよ。逃げ出したりしない。今度こそ俺は俺の居場所を見つけたい。作りたい。そして、その場所はお前の傍だと思うから」
いまだ答えは出ないが、それだけは間違いない。そして不安にさせたのは俺だ。
「んふ……」
そのままキスをしてくる。そして、部屋着を脱いで、さらしをほどいてゆっくりその膨らみを解放していく。
「ゆーとは疲れてるよね。だから、寝たままでいいよ」
ベッドに誘導して、労わるように秘部を擦り合わせ、太ももに挟まれて心地いいくらいの快感が走る。
「ぁ、その……さ。別に身体を使ったりしなくていいんだぞ。本当に。お前が女でも男でも、俺はずっと傍にいたいから。だから、こういうのは、関係ないんだ。繋ぎ止めるとか、で。無理とか、しなくていいんだ」
少しずつ伝えたいことを伝える。
俺は、しのぶが男でも女でも別にいいんだ。ただ一緒に笑い合って傍にいたいって思う。
それはあるいは愛と呼んだりするのかもしれない。女だと知らなくても、どこか本能で身体が求めて、気づかないうちに、俺もしのぶに恋をしていて、それで生じた感情なのかもしれない。
「それは違うよゆーと……欲しいのは、わたしの方。わたしが、ゆーとのぬくもりが欲しいだけ。そうだね。ゆーとと比べれば、その感情は浅ましいかもしれないけど、でも欲しい。寂しいから、それを埋めてほしい」
目が合う。しのぶが俺の手を取って、絡める。
「ダメかな……」
「ダメなわけない」
それでしのぶが安心できるなら、それでいい。
「ねえ、ゆーと。ゆーとは、要らないって言うけど。でも、欲しがってくれるんだよね? わたしの身体」
「……それは、まあ何だ」
据え膳食わぬはというのはあるけど。というか好みか好みでないかと言われればそりゃすごい好みだ。
卵が先か鶏が先かという話かもしれないが。
「なら、いいよ……ん、ふぁ……」
ずぶずぶ、と肉棒が膣内に入っていく。
「はぁ……はぁ……ん」
肉棒はビクビクとそびえ立って確かに興奮してるというのはあるのだが、それ以上に安心する。
退屈というわけでなく、しのぶに包み込まれているようで安心して、それで眠気が出てくる。
「ぁ……もう、そろそろ、出そう」
「ん、いいよ。出して。わたしの膣内に」
ビュクビュクっと搾り取られる。
それで、最後の熱も抜けて段々と瞼が降りてくる。
「……ねえ、今日は、一緒に寝てもいいかな?」
肉棒を抜いて、半裸のまましのぶは俺の顔を覗き込んでくる。
「ああ、いいに決まってる」
「……うん」
最後にしのぶが隣で俺の腕を取って満足げにほほ笑むのを確認して、俺は意識を手放すのだった。