俺専用。快楽命令にとろける美少女と美女の甘堕ちカタログ 作:Mr.クロード
【あらすじ】
親友タカヒロの姉・あかり(23)は、美人でスタイル抜群。でもブラコンすぎてキスもまだ、俺のことも「弟の友達」としか見ていない。
【挿絵表示】
雨の夜、偶然二人きりになったチャンス。「姉ちゃんって呼んでいい?」その一言から、彼女の警戒は崩れ始めた。
ノーブラのニット姿、無防備な部屋着、初めてのキス――。子供扱いしていた俺に、彼女の身体は正直に反応する。
「こんなはずじゃ…」動揺しながらも、隠れた肉欲に目覚めていく姉ちゃん。壁の向こうはタカヒロの部屋。この背徳が、俺たちを狂わせる。
【キャラクター紹介】
蒼太(そうた)
19歳、大学1年生。あかりの弟、タカヒロの同級生。
童顔で人懐っこい笑顔のため、あかりからは「子供」扱いされているが、内心では初対面の時から彼女を狙っていた。年齢に似合わず計算高く、「姉ちゃん」という呼び方で彼女の警戒を解き、無防備な隙を突いて関係を深めていく。性的な知識と技術は豊富で、初心なあかりを圧倒する。
紅葉あかり(もみじ・あかり)
【挿絵表示】
23歳、雑誌編集者(社会人1年目)。身長165cm。
赤毛のミディアムヘア、赤いリムの眼鏡がトレードマーク。入社早々「美人過ぎる新人」として話題になった逸材。スリムな長身だが、胸とヒップは豊満で、ふわふわとした肌質が特徴。活動的なパンツスタイルを好むが、体型のせいで意図せず色気が滲む。
自他共に認めるブラコンで、弟タカヒロを溺愛。そのせいで恋愛経験が乏しく、23歳でキス未経験。天然で明るい性格だが、妄想癖があるのが玉にキズ。
弟の友人である蒼太を「もう一人の弟」のように思い、完全に油断している。家では部屋着でノーブラ、寝起きのだらしない姿も平気で見せるなど無防備の極み。しかしその身体は、隠れた肉欲を秘めていた――。
「姉ちゃん」と呼ばれると、理由も分からず身体の芯が疼く。蒼太に触れられて初めて、自分の身体が持つ性欲に気づき、動揺しながらも快感に溺れていく。
【前編】姉ちゃんは無防備
春の雨が降り始めたのは、夕方からだった。
駅の改札を出ると、傘を差した人の波。俺は壁際に身を寄せて、ある人物を待っていた。
(来るはずだ)
親友のタカヒロから聞いている。彼女、毎週金曜は定時上がりで、19時過ぎには駅に着くって。
──来た。
改札から出てきたのは、『
白いブラウス。ネイビーのタイトスカート。会社帰りの疲れた表情。でも、それがまたいい。雨に少し濡れた髪が頬に張りついて、無防備に色っぽい。
そして何より──胸。
ブラウスのボタンが、今にも弾けそうなほど張り詰めている。歩くたびに揺れる。視線が吸い寄せられる。
(タカヒロの野郎、こんな姉ちゃんがいて、よくまあテニスのことばっかり考えてられるな)
俺は傘を持っていないフリをして、雨宿りしながら待っていた。タカヒロは今日、深夜バイトだって聞いている。
つまり──邪魔者がいない。チャンスだ。
「あ、
俺に気づいて、あかりさんが駆け寄ってくる。
「あかりさん。こんばんは」
(やっと会えた)
「傘、持ってないの?」
「あ、はい……忘れちゃって」
(嘘だけどね)
「もう、しょうがないわね。一緒に帰りましょ」
あかりさんが傘を差し出してくれる。
(来た)
「そんな、悪いですよ」
「いいからいいから。近いんでしょ? お姉ちゃんの言うとおりにしなさい」
◆
相合傘で民家の間を歩く。
あかりさんの肩が、俺の腕に触れる。柔らかい。
雨に濡れたブラウスが、肌に張りついている。下着のライン──白いブラが、透けて見える。
(やばい)
あかりさんは気づいていないんだ。俺がもう19歳で、欲望の塊だってこと。「子供」だと思ってるから、こんな無防備でいられる。
──それを今日、終わらせるんだ。
「蒼ちゃん、濡れちゃうわよ。もっとこっち来て」
あかりさんが俺を傘の中に引き寄せる。
胸が、腕に当たった。
(柔らかい)
薄いブラウス越しだから、感触がダイレクトだ。あかりさんの体温。女の柔らかさ。
「ごめんね、狭くて」
(謝らないでくれ。むしろ、もっと)
俺の股間が反応し始める。こんなの、気づかれたら終わりだ。でも、止められない。
「ねえ、蒼ちゃん。今日、タカヒロは?」
「バイトだって聞きました。深夜までって」
「そうなの。じゃあ一人で夕飯かぁ」
あかりさんが少し寂しそうに呟く。
(チャンスだ)
「あの……もしよければ、俺が」
「え?」
「一緒に夕飯、食べてってもいいですか?」
あかりさんの目が、少し驚いたように見開かれる。
「でも」
「タカヒロにも会いたかったんですけど、帰るの遅いなら。姉ちゃん一人じゃ寂しいでしょうし」
「姉ちゃん……って」
姉ちゃんの頬が、ほんのり赤くなった。
(反応した)
「あ、ごめんなさい。タカヒロがいつも『姉ちゃん』って呼ぶから、つい」
「別に……いいけど」
姉ちゃんは視線を逸らす。耳まで赤い。
「じゃあ……うちに来る? 簡単なものしか作れないけど」
(よし)
「ありがとうございます」
俺は内心でガッツポーズをした。
◆◆◆
「ただいま……じゃなくて、お邪魔します」
「どうぞどうぞ」
グリーンハイツ桜台、503号室。タカヒロと姉ちゃんが住むマンション。2LDKの、綺麗に片付いた部屋だ。
姉ちゃんが靴を脱ぐ。その時、スカートの裾が少し捲れて、太ももが見えた。白い肌。ストッキング越しでも分かる、滑らかさ。
(集中しろ……今日がチャンスなんだ)
リビングに通される。姉ちゃんがスマホを見て、小さく呟く。
「あら……タカヒロ、やっぱり遅くなるって」
(よし)
「そうなんですか」
「連絡が遅い、もう。いつまでも子供なんだから」
「とも限らないですけどね」
「そう? 朝も夜もテニスに夢中でさ、お洗濯が大変なんだけどな」
俺は平静を装う。でも、心臓は跳ねてる。今夜、この家には俺と姉ちゃんしかいない。
「蒼ちゃん、ちょっと待ってて。着替えてくるから」
「はい」
姉ちゃんが自分の部屋に消える。
俺は深呼吸する。落ち着け。焦るな。
そして──姉ちゃんが戻ってきた。
息が、止まった。
濃紺の春用ニット。大きめのサイズなのに、胸の膨らみで生地が張っている。ウエストは細く、そこからヒップにかけてのラインが──。
ベージュのパンツ。お尻の形が、はっきり分かる。丸くて、柔らかそうで。
そして、気づいた。
(……ブラ、してない)
ニット越しに、乳首の位置が分かる。小さく、尖って。
姉ちゃんは気づいていない。俺を「子供」だと思ってるから。だから、こんな格好で平気でいられる。
(甘いよ、姉ちゃん)
「お待たせ」
姉ちゃんがタオルで髪を拭く。両手を上げた瞬間、ニットが持ち上がって──ウエストの白い肌が一瞬見えた。
そして、腕を動かすたびに、胸が揺れる。ノーブラだから、動きがダイレクト。
「蒼ちゃん、どうしたの? ぼーっとして」
「あ、いえ……なんでも」
(見とれてただけです)
「じゃあ、夕飯作るわね。何が食べたい?」
「あかりさ……いや、姉ちゃんの作るもの、なんでも好きです」
姉ちゃんの頬が、また少し赤くなった。
◆◆◆
対面式キッチンで料理する姉ちゃん。俺はダイニングテーブルから、その背中を見つめる。
ニットの下のパンツ。お尻のライン。腰を屈めるたび、生地が食い込んで──
(やばい、やばい、やばい)
姉ちゃんが振り返る。
「蒼ちゃん、お腹空いた?」
「はい、すごく」
(色んな意味で)
冷蔵庫を開ける姿。少し前かがみになって、お尻が突き出される。パンツの生地が、ヒップの丸みを強調する。
(こんなの、反則だろ)
俺の股間は、もう限界に近い。タカヒロの姉ちゃん。本来なら、絶対に手を出しちゃいけない相手。
でも──
(今夜、絶対に落とす)
◆◆◆
食後、リビングのソファ。
最初は少し離れて座っていたが、徐々に距離を詰める。
「あかりさん」
「ん?」
彼女がテレビから視線を外して、俺を見る。
近い。この距離なら、シャンプーの香りがする。
「姉ちゃん」
その言葉を口にした瞬間、姉ちゃんの肩がビクッと震えた。
(反応した)
「な、何?」
「姉ちゃんって、恋人いないんですか?」
「え……どうして急に」
姉ちゃんは視線を逸らす。耳まで赤い。
「綺麗なのに、もったいないなって」
「も、もう」
俺の手が、ソファの背もたれに掛かる。姉ちゃんの肩の、すぐ後ろ。
「蒼ちゃん」
「姉ちゃん、俺のこと……子供だと思ってる?」
沈黙。姉ちゃんは答えられない。
(図星だな。……見てろよ)
「19歳って、もう大人ですよ」
顔を近づける。姉ちゃんの呼吸が、浅くなった。
(……いける)
「ちょ、ちょっと」
「姉ちゃん、キス……したことある?」
「な、ないけど……それが何……っ」
俺は、唇を奪った。
「んっ……!」
姉ちゃんの目が、驚きで見開かれる。でも、逃げない。身体が、硬直している。
(初めてなんだ)
優しく、ゆっくりと。焦らない。今夜は時間がある。
柔らかい唇。温かい。姉ちゃんの初めてのキス。
十秒ほどで、唇を離す。
「ぁ」
姉ちゃんは呆然としていた。唇が濡れて、少し開いている。
「蒼……ちゃ」
「姉ちゃん、これでも俺のこと、子供だと思う?」
答えられない。姉ちゃんの頬は真っ赤だ。
「姉ちゃんが、ずっと好きだったんだ。ホントだよ」
「あ、あぁ……うぅ」
「部屋……見せてくれない?」
その言葉の真意、姉ちゃんは理解しているようだ。
「だ、ダメだよ」
「どうして?」
「だって……タカヒロの」
「友達。分かってます」
俺は立ち上がる。そして、姉ちゃんの手を引いた。
「でも、姉ちゃんは……俺の、好きな人だから」
姉ちゃんの目が、潤んだ。
◇◇◇
(なに……この空気)
蒼太の顔が、近い。さっきまで「蒼ちゃん」だった、弟の友人。19歳で、数年前なら未成年とされていた年齢だ。
子供だと思っていた。でも、今。こんなに近くで見る蒼太は──
(子供じゃ……ない)
鋭い目。大人の男の目。私を、女として見ている。
「ちょ、ちょっと……タカヒロが」
「タカヒロは、深夜まで帰ってこない」
蒼太の手が、私の手に触れた。大きい。温かい。
(ダメ……これ、ダメだよ)
頭では分かってる。でも、身体が動かない。
◆
気づいたら、廊下を歩いていた。
足が、勝手に動いている。蒼太の手に引かれるまま、自分の部屋のドアの前まで来てしまった。
(開けたら……もう、後戻りできない)
頭では分かっている。でも、手が震えながらドアノブに伸びる。
カチャリ。
鍵を開ける音が、静かな廊下に響いた。
「……入って」
自分の声が、遠くに聞こえる。本当に私が言ったのか分からない。でも、ドアは開いた。蒼太が、私の部屋に入っていく。
胸の奥で、何かが壊れる音がした。
◆
蒼太が部屋に入る。そして、デスクの上の写真立てを見つけた。
タカヒロと私のツーショット。去年の誕生日に撮った、大切な写真。
「これ……タカヒロと姉ちゃん」
「う、うん」
蒼太がその写真を手に取る。そして──裏返しにした。
「姉ちゃん、タカヒロのこと……大好きでしょ」
「……それは、弟だから」
「ホントかな」
「……」
「でも、もうどっちでもいい。今から俺は……親友の大切な姉ちゃんを、奪う」
(タカヒロ……ごめん)
罪悪感が、胸を締めつける。でも同時に──その罪悪感が、妙に甘い。
「ダメだよ」
「本当に?」
蒼太の手が、私の頬に触れた。唇が、近づく。
(初めて……なのに)
キス。柔らかい。温かい。
私の初めてのキス。それが、弟の友人。
(私……何してるの)
でも、離れられない。むしろ、もっと……。
「ん……っ」
蒼太の舌が、入ってくる。
(こんなの……知らない)
身体が、熱い。頭の中が、真っ白になる。
◆
蒼太の手が、ニットの上から胸に触れた。
「や……っ」
「姉ちゃん、ブラしてないでしょ」
「……っ!」
気づかれてた。恥ずかしい。
「柔らかい……こんなに素敵な体なのに、隠そうともしないで」
「だ、だって……蒼ちゃんは」
「子供だと思ってた?」
蒼太の手が、優しく揉む。ニット越しなのに、感触がダイレクトに伝わる。
「ん……ぁ……っ」
声が漏れる。こんな声、初めて出しちゃう。
「姉ちゃん、無防備すぎるよ。タカヒロのことばっかり考えてるから、こんなに無防備なんだ」
「ち、違……っ」
「違わないよ。俺のこと、男だと思ってなかったから、ノーブラでニット着て、平気でいられたんでしょ」
その通りだった。反論できない。
「姉ちゃんが悪いんだよ。こんなに綺麗な体で、俺を困らせないでよ」
「ご、ごめん……なさ……っ」
なんで謝ってるんだろう。でも、言葉が止まらない。
指先が、尖った部分を弾く。
「ひゃっ……!」
「乳首、こんなに硬くなって。感じてるんだ」
「違……っ、これは……っ」
「嘘つかないで。姉ちゃんの身体、正直すぎるんだから……脱がせていい?」
答えられない。でも、抵抗もできない。
ニットが、ゆっくり持ち上げられる。冷たい空気が、肌に触れる。
「……っ」
全部、見られてる。
「綺麗……こんなに綺麗な胸、隠してたんだ」
「見ないで……っ」
手で隠そうとするが、蒼太が手を掴んだ。
「隠さないで。姉ちゃんの全部、見たいから」
「やっ……恥ずかし……っ」
「すごく興奮してる。姉ちゃんのせいだよ」
「わ、私のせいじゃ……っ」
「姉ちゃんのせいだよ。こんなに綺麗で、エロい身体してるから」
(エロいって……そんな)
でも、否定できない。蒼太の視線が、私の胸を舐めるように見ている。
「タカヒロも可哀想だよ。こんなにエロい姉ちゃんがいたら、彼女も作れない」
「そ、そんなこと……っ」
でも、心の奥で思い当たる。タカヒロ、確かに彼女の話、しない。背も高いし、顔も悪くないし、細マッチョだし、あとあと──。
(やっぱり、私のせい……?)
蒼太が、混乱する私をベッドに押し倒す。
「パンツも……脱がせていい?」
「……っ」
頷いてしまった。
ゆっくりと、下ろされる。全部、見られる。
「姉ちゃん……綺麗」
「見ないで……っ!」
「でも、見ちゃう。だって、姉ちゃんが綺麗すぎるから」
蒼太の手が、太ももに触れる。
「ひ……っ」
「肌、ふわふわで柔らかい。触ってると、止まらなくなる」
「や……蒼太……っ」
もう「蒼ちゃん」じゃない。名前で呼んでる。
「姉ちゃん、ここ……すごく濡れてる」
「言わないで……っ!」
恥ずかしい。でも、本当だ。
「嫌がってるのに、身体は正直だね」
「だ、だって……っ」
「だって、何?」
「……っ」
言えない。興奮してるなんて、言えない。
「姉ちゃん、感じてるんだ。俺のこと、子供だと思ってたのに」
「ご、ごめん……なさ……っ」
「謝らなくていいよ。姉ちゃんが感じてくれて、嬉しい」
優しい声。それが、余計に罪悪感を刺激する。
視界の端に、裏返された写真立て。タカヒロの写真。
(ごめん……見ないで)
蒼太の指が、敏感な場所に触れる。
「ぁ……っ!」
「ここ、すごく敏感。可愛い」
「や……っ、そんなとこ……っ」
「姉ちゃん、タカヒロのこと考えてる?」
「え……っ」
「今、タカヒロの写真の前で、俺に触られてんだよ」
「やっ……言わないで……っ!」
罪悪感が、胸を締めつける。でも──その罪悪感が、快感を倍増させる。
「姉ちゃんのエロい顔、タカヒロに見せられないね」
「ぁ……っ、やっ……もう……っ」
隣の部屋は、タカヒロの部屋。壁、薄い。
(もしタカヒロがいたら)
想像しただけで、背筋がゾクゾクする。
「ひ……ぁっ……はぁっ……!」
呼吸が、完全に乱れた。声を出すつもりじゃないのに。勝手に、喉から漏れてしまう。
「姉ちゃん、すごい声出してる」
「ち、違……っ、これは……はぁっ……!」
言い訳もできない。息が、苦しい。快感で、脳が溶けそう。
「あ……ぁぁ……っ」
頭が、真っ白。もう、何も考えられない。
「姉ちゃん、イキそう?」
「わ、分かんな……っ、こんなの初めて……っ」
「マジ……? 姉ちゃんの初めて、全部俺のもんか」
「ぁ……っ、蒼太……っ!」
「いいよ、そのままイけっ……!」
身体が、限界を迎える。
「イ……っ、イク……っ、イっちゃ……っ!」
時間が、引き延ばされる。快感の波が、何度も押し寄せる。
「ああぁぁっ……!!」
頭が、真っ白になった。全身が、痙攣する。
タカヒロの写真の前で。弟の友人に。私は、壊れた。
◆◆◆
「はぁ……っ、はぁ……っ」
絶頂の後。荒い呼吸だけが、部屋に響く。
「あ……ぁ」
まだ、小さく声が漏れる。身体が、余韻に震えてる。
蒼太の腕の中で、私は、何も考えられない。
「ん……ぁ」
小さく、甘い声が漏れる。余韻が、まだ身体に残ってる。
「姉ちゃん、可愛い声」
「や……っ、恥ずかしい」
でも、嫌じゃない。蒼太に抱かれて。こんな声を出して。全部、気持ちいい。身体は脱力しているが、心は満たされている。さっき、初めて感じた快感。まだ身体の奥に、その痺れが残っている。
「蒼太」
「ん?」
「……気持ちよかった」
囁いてしまった。恥ずかしい。でも、本当だから。
蒼太が、優しく髪を撫でてくれる。
(この感じ……なんだろう)
タカヒロに頭を撫でられる時とは、違う。でも、まだよく分からない。
好き、なのかな。それとも──
「姉ちゃん」
蒼太の声のトーンが、少し変わった。
「まだ……続き、してもいい?」
その言葉の意味を、理解するのに数秒かかった。
(続き……?)
まだ、何かあるの?
蒼太が、ポケットから小さな箱を取り出す。
0.02mmって、箱に書いてある。
コンドームだ。
(ひ、避妊具……っ!)
心臓が、激しく跳ねた。
「や……それは」
「嫌?」
嫌じゃない。それが問題だった。
さっき、あんなに気持ちよかったのに。まだ足りない。もっと欲しい。
蒼太に、もっと触れられたい。もっと、一つになりたい。
(私……どうしちゃったんだろう)
自分の欲望に、動揺する。でも、止められない。
「……タカヒロが」
「タカヒロは、まだ帰ってこない」
蒼太の指が、私の唇に触れる。
「姉ちゃん、本当は……どうしたい?」
答えられない。でも、視線が、コンドームに吸い寄せられる。
その反応が、答えだった。
「……お願い」
小さく、囁いた。
「何をお願いしたいの?」
蒼太が、意地悪く聞き返す。
「……っ」
恥ずかしい。でも、言わないと。
「蒼太……その……して」
言葉にできない。でも、蒼太は理解してくれた。
「いい子だね、姉ちゃん」
包装を破る音。私の心臓も、壊れそうなほど跳ねている。
(本当に……いいのかな)
タカヒロの友人と。年下の、もう一人の弟みたいな存在と。
でも──身体が、止まらない。
「姉ちゃん、怖い?」
「……うん」
正直に答えた。怖い。でも、それ以上に──
「でも……どうなるか、知りたい」
自分の言葉に驚く。こんなこと、言う私じゃなかったのに。今まで十人以上の男の人から告白されたけど、全部断ってきた。いつもタカヒロの顔がちらついて、普通の男女関係に興味が持てなかったのに。
なのに、蒼太には──。
「分かった。優しくするから」
蒼太が服を全部脱いで、私の上に覆いかぶさる。
体温が、近い。
(ごめん……タカヒロ)
謝りながら、私は弟の友人を受け入れようとしている。
「力、抜いて」
蒼太の囁き。でも、緊張で身体が強張る。
「大丈夫。俺がいるから」
その言葉に、少し力が抜けた。
そして──
「っ……!」
身体に、何かが入ってくる。
異物感。圧迫感。身体の中が、押し広げられる感覚。
「痛い……?」
「ん……っ、ちょっと……だけ」
嘘じゃない。痛い。でも──
(なに……これ)
痛いのに、不思議と嫌じゃない。むしろ、もっと欲しい。もっと深く。
こんな感覚、生まれて初めて。
「もう少しだけ」
蒼太が、ゆっくりと腰を進める。
「ぁ……あぁ……っ」
痛みと、それとは違う感覚。身体の奥が、満たされていく。
「姉ちゃん……すごく、締めつけてる」
「だ、だって……初めてだもん……っ」
「分かってる。姉ちゃんの初めて、全部もらうって言ったから」
その言葉に、胸がざわつく。
(全部、あげちゃうんだ……私)
タカヒロの友人に。年下の男の子に。
でも──
「……全部、入った」
蒼太の声。
(全部)
繋がってる。蒼太と、完全に。
この感覚──たまらない。身体の奥まで、男の人で満たされている。空っぽだった場所が、今は熱くて硬いもので埋められている。
「姉ちゃん、大丈夫?」
「う、うん……慣れてきた……かも」
本当だった。最初の痛みが、じわじわと別の感覚に変わってきている。
「動いていい?」
「……ゆっくりなら」
蒼太が、腰を引く。
「ぁ……っ」
抜けていく感覚。寂しい。
そして、また──
「んっ……!」
満たされる。
この繰り返し。抜ける寂しさと、満たされる喜び。
「はぁ……っ、はぁ……っ」
呼吸が荒くなる。
最初は痛みだったのに。今は──
「ん……ぁ……っ」
気持ちいい。
(こんなの……知らなかった)
身体の奥から、何かが湧き上がってくる。熱い。甘い。止められない。
私は初めて気づいた。23歳って、セックスをとても楽しめる年齢なんだ。
「姉ちゃん、感じてる?」
「わ、分かんない……っ、でも……何か……っ」
自分の身体なのに、分からない。初めてすぎて。
蒼太のリズムが、少し速くなる。
「ひゃっ……! そんな……速く……っ!」
でも、身体は拒否していない。むしろ──
(もっと)
もっと欲しい。もっと深く。もっと激しく。
「ん……ぁっ……あぁっ……!」
声が、勝手に出る。甘い声。淫らな声。
(こんな声……私が出してるの……?)
信じられない。でも、止められない。
身体が、蒼太を求めてる。何度も何度も、奥を突かれるたびに、身体の芯が震える。
「姉ちゃん、すごくエロい顔してる」
「や……っ、見ないで……っ」
恥ずかしい。でも、視線を逸らせない。
蒼太の目が、私を見つめている。欲望に満ちた目。
そして気づく。
(私も……同じ目をしてる)
蒼太の目に映る私を見て、分かる。今の私、すごくエロい顔してる。
蒼太を欲しがってる顔。
(私の身体……こんなに)
23年間、知らなかった。自分の身体が、こんなにも成熟して、こんなにも欲望に満ちていたなんて。
「はぁっ……あぁっ……蒼太……っ!」
名前を呼んでしまう。もう、我慢できない。
身体が、快感に溺れていく。蒼太のリズムに合わせて、腰が勝手に動く。自分から、求めている。
「姉ちゃん、腰……動かしてる」
「ち、違……っ、体が、勝手に……っ」
「それ余計エロいって……!」
否定したい。でも、本当だ。
身体が、蒼太を求めて動いている。もっと深く。もっと強くって、何度も。
「ぁっ……あぁっ……ダメ……っ、何か……来る……っ!」
さっきとは違う。もっと深いところから、何かが込み上げてくる。
全身が熱くて、息が苦しくて。でも、止まりたくない。
「姉ちゃん……イキそう?」
「わ、分かんない……っ、でも……もう……っ!」
限界が、近い。何かが、壊れそう。
◇◇◇
(やばい)
姉ちゃんが、俺の名前を呼んだ。
甘い声で。蕩けた声で。俺を求める声で。
(こんなの……我慢できるわけない)
組みしいて見下ろす姉ちゃんの顔。頬は紅潮し、目は潤んで。唇は半開きで、吐息が漏れている。
美しい。そして、淫らだ。
(この顔、俺しか知らない)
タカヒロも知らない。誰も知らない。
俺だけが、こんな姉ちゃんを見ている。
腰を動かすたび、姉ちゃんの胸が揺れる。柔らかくて、大きくて。先端が、ピンク色に尖って。
「姉ちゃん、綺麗だ、可愛すぎるっ」
思わず本音が漏れる。もっと余裕かましてやりたいのに、夢中になっていく。
「や……っ、そんなこと……っ」
恥じらう姉ちゃん。でも、身体は正直だ。
中が、ぎゅっと締まる。
「っ……! 姉ちゃん、すごい」
「だ、だって……蒼太が……っ」
俺が動くたび、姉ちゃんの身体が反応する。震えて。締めつけて。俺を求めて。
(最高だ、最高だ、最高だ)
姉ちゃんの肌は、汗で濡れて艶めいている。ニットの下に隠れていた身体。こんなに柔らかくて、こんなに熱くて。
俺の手が、姉ちゃんのウエストを掴む。細い。そこから広がるヒップの曲線。
「姉ちゃん、もっと声出して」
「や……っ、恥ずかし……っ」
「でも、気持ちいいんでしょ?」
姉ちゃんが、小さく頷いた。
(正直になったな)
最初は拒否してたのに。今は、素直に快感を認めている。
「ん……ぁっ……あぁっ……!」
姉ちゃんの善がる声が、部屋に響く。
ここのマンション、夫婦向けだから壁は厚いかな。分からん。でも、もう気にしていない。姉ちゃんも、俺も。快感が、全てを飲み込んでいる。
「姉ちゃん、イキそう?」
「わ、分かんない……っ、でも……もう……っ!」
姉ちゃんの中が、激しく締めつけてくる。
(俺も……限界)
「姉ちゃん……っ、俺、もう」
「蒼太……っ、私も……っ、何か……来る……っ!」
姉ちゃんの声が、悲鳴みたいに高くなる。
視界の端に、タカヒロとの写真。親友の姉ちゃんを、今、俺は──
(悪いなタカヒロ、俺が一番乗りだっ……!)
止められない。
「イっちゃう……っ! あぁぁっ……!!」
姉ちゃんが先に、壊れた。
全身が痙攣して。中が、ぎゅうぎゅうに締まって。背中が弓なりに反って、美しい身体のラインが浮かび上がる。
「っ……! 姉ちゃん……っ!」
俺も、限界を超えた。
視界が、白く染まる。快感が、全身を駆け抜ける。
(姉ちゃん……っ!)
繋がったまま、一緒に絶頂を迎える。
この瞬間──紅葉あかりが完全に俺のものになった。
◇◇◇
「はぁ……っ、はぁ……っ」
呼吸が、整わない。
身体が、動かない。全身の力が、完全に抜けてる。
蒼太が、ゆっくりと身体を離す。
「ぁ」
繋がりが、解ける。空虚感。
(寂しい)
さっきまで満たされていた場所が、今は空っぽ。
蒼太が、私の隣に横たわる。そして──
「姉ちゃん、大丈夫?」
「う、うん」
嘘。大丈夫じゃない。
身体が、まだ疼いている。満足したはずなのに。
「ここ……まだ熱いね」
蒼太の手が、私の下腹部に触れた。
「ひゃっ……!」
敏感すぎる。さっき、あんなに激しくされた場所。
「や……っ、もう……触らないで……っ」
「でも、姉ちゃん……まだ欲しそうだよ」
その通りだった。
身体が、まだ蒼太を求めてる。こんなにしてもらったのに。
(私の身体……どうなっちゃったの)
蒼太の指が、恥ずかしいとこの周辺をゆっくり動く。
「ん……ぁ……っ」
優しい。さっきとは違う、優しい触り方。
でも触れるか触れないかのタッチが、すごく……。
「姉ちゃん、ここ……すごく濡れてる」
「言わないで……っ、恥ずかし……っ」
でも、本当だ。蒼太の愛撫で、また身体が反応してる。
「綺麗だよ、姉ちゃん」
蒼太が、私の身体を見つめている。愛おしそうに。
(愛おしい……?)
そうなのかな。これは、欲望の目だったりしない?
蒼太は、私の身体が欲しいだけで……私も、蒼太の身体が欲しいだけで……。
(好きとか……そういうのじゃ……ない……よね?)
分からない。まだ、分からない。
でも──
「ん……っ、あぁ……っ」
気持ちいい。それだけは、確かだった。
蒼太の指が、中に入ってくる。
「ぁ……っ!」
さっき、蒼太の全部が入っていた場所。今は、指だけなのに。
「姉ちゃん、中……すごく熱い」
「だ、だって……さっき……蒼太が……っ」
言い訳する。でも、蒼太は優しく笑った。
「俺のせいでいいよ。姉ちゃんを、こんなにエッチにしたの、俺だから」
その言葉に、胸がざわつく。
(エッチに……された……?)
違う。私の中に、元々あったんだ。
この欲望が。この肉欲が。
蒼太が、引き出しただけ。
「はぁ……っ、ん……ぁ……っ」
指が、奥を擦る。
気持ちいい。さっきとは違う、優しい快感。じわじわと、全身に広がっていく。
「姉ちゃん、トロトロになってる」
「ん……ぁ」
もう、言葉にならない。
頭の中が、真っ白。身体が、蒼太の指に溶けていく。
「可愛いよ、姉ちゃん」
蒼太のもう片方の手が、胸を撫でる。
「ひゃっ……! 両方は……っ」
「両方、気持ちいいでしょ?」
否定できない。
胸と、下と、両方同時に愛撫されて。快感が、二倍になる。
「ふぁ……ぁ……っ」
力が、完全に抜ける。もう、何も考えられない。
ただ、気持ちいい。
蒼太の腕の中で。蒼太の指で。とろけていく。
「ん……っ、あ……ぁ……っ」
小さく、甘い声が漏れる。自分の声なのに、遠くに聞こえる。
(気持ちいい)
これが、セックス。これが、身体の快楽。
タカヒロの友人に教えられた。年下の、もう一人の弟みたいな存在に。
でも──
(もう……戻れない)
この快感を知ってしまったら。もう、元の私には戻れない。
「姉ちゃん……また、イった?」
「ん……ぅ」
小さく、頷く。
さっきより弱いんだけど、じんわりと、全身を包む快感。
幸せ。
「はぁ……ぁ」
深い吐息。身体の力が、完全に抜けた。
蒼太の腕の中で、私は溶けている。
「姉ちゃん」
「……なに」
もう、声を出すのも億劫だ。
「可愛い」
蒼太が、額にキスをしてくれる。
優しい。
(蒼太)
この感情が、何なのか。まだ、分からない。
好きなのか。それとも、身体が欲しいだけなのか。
でも──蒼太といると、幸せ。それだけは、確かだった。
「姉ちゃん」
「……ん」
蒼太の声に、意識が戻る。
「汗、かいちゃったね」
「……っ」
確かに。身体が、汗ばんでいる。
「一緒にシャワー……浴びよ?」
その提案に、目が覚めた。
「え……でも」
「でも?」
「一緒にって……そんなの」
一緒にお風呂。それは──
「もう、全部見たよ?」
蒼太の言葉に、言い返せない。
確かに。もう、全部見られた。触られた。繋がった。
「……っ」
「嫌?」
「……嫌じゃ、ない……けど」
小さく答える。
「じゃあ、決まり」
蒼太が立ち上がる。そして、手を差し伸べてくれた。
「姉ちゃん、立てる?」
「う、うん……多分」
手を取る。でも、足に力が入らない。
「わっ……!」
よろめいた私を、蒼太が抱き上げた。
「蒼太……!」
「お姫様抱っこ」
「恥ずかしい……っ」
でも、嫌じゃない。むしろ、嬉しい。
蒼太に抱かれて、浴室へ向かう。
◆
浴室のドアが閉まる。
狭い空間に、二人きり。鏡に映る、裸の二人。
(恥ずかしい)
蒼太が、シャワーを出す。お湯の音だけが響く。
「姉ちゃん、先に濡らすね」
「う、うん」
温かいお湯が、身体に当たる。
「ん」
気持ちいい。汗が、流れていく。
「姉ちゃん、綺麗」
蒼太が、濡れた私を見つめている。
「見ないで……っ」
「もう遅いよ」
確かに。今さら隠しても、意味がない。
「背中、流すね」
「……ありがとう」
蒼太の手が、私の背中に触れる。ボディソープの泡。優しく撫でる手。
「ん」
小さく、声が漏れる。
「気持ちいい?」
「……うん」
背中から、肩。腰へと、手が滑る。
「蒼太……そこは」
「ここも、洗わないと」
お尻を撫でる手。洗ってるはずなのに、妙に色っぽい。
「ひゃっ……!」
「姉ちゃん、お尻も敏感なんだ」
「そ、そんなこと……っ」
でも、本当だ。蒼太に触られると、全部が敏感になる。
「姉ちゃん、こっち向いて」
振り返ると、蒼太がすぐ近くにいた。
「今度は、前」
蒼太の手が、胸に触れる。
「や……っ」
「洗ってるだけだよ」
そう言いながら、手が乳首に触れる。
「んっ……!」
「姉ちゃん、ここ……すごく反応する」
「だ、だって……蒼太が……っ」
泡で滑る手。優しく、でも確実に、私を刺激する。
「はぁ……っ、蒼太……もう……っ」
「もう、何?」
「変に……なっちゃう……っ」
蒼太が、悪戯っぽく笑った。
「いいじゃん。もっと変になって」
お湯で泡を流す。
「姉ちゃん」
「……なに?」
「今日……すごかった」
その言葉に、胸が温かくなる。
「私も」
「また、会える?」
視線を逸らす。
(会いたい……けど)
蒼太は、まだタカヒロの友人。もう一人の弟みたいな存在。
それなのに、こんなことして。
でも──
「……会いたい」
小さく、でもはっきりと答えた。
好きかどうかは、分からない。でも、この身体の疼きは、本物だから。
「良かった」
蒼太が、私を抱きしめる。濡れた身体が、密着する。
(これで……いいのかな)
答えは、まだ出ない。
「そろそろ、出ようか」
「うん」
タオルで身体を拭く。蒼太が、優しく私の髪を拭いてくれる。
「ありがとう」
「どういたしまして」
鏡を見る。そこに映るのは──
蒼太に抱かれて、幸せそうな私。
(変わっちゃったな……私)
でも、後悔はしていない。
◆◆◆
「そろそろ、帰らないと」
蒼太が服を着ながら言う。
時計を見る。23時35分。タカヒロからのLINE。
『もうすぐ帰る』
(やばい)
「う、うん」
二人で玄関へ。私は、部屋着のまま。
「じゃあ」
「……気をつけてね」
蒼太が靴を履く。ドアノブに手が掛かる。
そして──振り返った。
「姉ちゃん、もう一回だけ……キスしていい?」
私は頷いてしまった。
唇が重なる。リビングでの最初のキスより、深い。
「ん……っ」
蒼太の舌が、入ってくる。
十秒、二十秒。時間が分からなくなる。
やっと離れた時、呼吸が苦しかった。
「姉ちゃん、キス……下手だね」
「だ、だって……初めてだもん」
「じゃあ、教えてあげる」
蒼太の手が、私の腰を抱く。
「え……でも、タカヒロが」
「あと30分くらいは大丈夫。ね?」
拒否できなかった。
「まず、唇を少し開けて」
「こ、こう……?」
「そう。いい子」
また、キス。今度は、もっと深い。
「ん……ぁ……っ」
蒼太の舌が、私の舌に絡みつく。甘い。
「姉ちゃん、上手くなってきた」
「ん……っ」
褒められると、嬉しい。もっと上手くなりたい。
キスを重ねるたび、身体が熱くなる。さっき、ベッドで感じた熱。
「姉ちゃん、また感じてきてる?」
「ち、違……っ」
「嘘。顔、真っ赤だよ」
蒼太の手が、ニットの上から胸に触れる。
「やっ……玄関だよ……っ」
「だから興奮するんじゃない?」
その通りだった。玄関。いつタカヒロが帰ってきてもおかしくない。この緊張感が、妙に甘い。
「次は、姉ちゃんから舌、動かしてみて」
「え……でも」
「大丈夫。俺がリードするから」
キス。私から、恐る恐る舌を動かす。
「ん……っ」
蒼太の舌が、優しく受け止めてくれる。
「上手、姉ちゃん。すごくエロい」
「エロいって……っ」
でも、嬉しい。蒼太に褒められるのが、嬉しい。
気づいたら、私から積極的にキスしている。
「姉ちゃん、エロくなってきた」
「ぁ……っ、蒼太のせい……っ」
「俺のせいでいいよ。もっとエロくなって」
◆
何度目のキスか、分からない。
玄関で、立ったまま。蒼太に抱きしめられながら、キスを繰り返す。
時計を見る。24時05分。
(やばい……タカヒロ、もうすぐ)
「蒼太……そろそろ」
「あと少しだけ」
また、キス。今度は、長い。
蒼太の手が、お尻を撫でる。
「ひゃっ……っ」
「姉ちゃんのお尻、柔らかい」
「触らないで……っ」
「でも、姉ちゃん……もっと押しつけてきてるよ」
本当だ。私から、身体を密着させている。
「姉ちゃん、エッチになったね」
「な、なってない……っ」
「なってるよ。さっきより、すごく積極的」
その通りだった。蒼太のキスが、気持ちよすぎて。もっと欲しくなってる。
「じゃあ、本当に最後」
蒼太が、深いキスをする。舌が、奥まで入ってくる。
「ん……ぁ……っ」
三十秒ほどのキス。離れた時、私の唇は濡れて、糸を引いていた。
「姉ちゃん、キス上手くなった。次会う時、もっと教えてあげる」
「次」
「また会えるよね?」
頷いてしまった。
「じゃあ、おやすみ。姉ちゃん」
「……おやすみ」
ドアが閉まる。
一人になった玄関。唇が、熱い。身体が、疼いている。
時計を見る。24時08分。
鍵が回る音。
「ただいまー」
タカヒロの声。
◆
「おかえり」
私は、普通に振る舞う。でも、心臓はバクバク。
「姉ちゃん、まだ起きてたの?」
「う、うん……ちょっとね」
タカヒロが、玄関で靴を脱ぐ。さっきまで、蒼太がいた場所。さっきまで、キスしてた場所。
「疲れた。バイト、めっちゃ忙しかった」
「お疲れ様。お風呂入る?」
「うん。先入るね」
タカヒロがリビングを通り過ぎ、浴室のドアが閉まる音。
やっと、一人になった。
足に力が入らない。壁に手をついて、ゆっくりと自分の部屋に戻る。
ドアを閉めた瞬間、身体の力が抜けた。
ベッドに倒れ込む。シーツに、まだ蒼太の温もりが残っている。
「ぁ」
思わず、小さく声が漏れた。
身体の奥が、まだ疼いている。さっき、蒼太に触れられた場所。さっき、蒼太に壊された場所。
(なに……これ)
こんなの、知らなかった。
自分の身体が、こんなに……こんなに、欲しがるなんて。
太ももを擦り合わせる。でも、熱は収まらない。
デスクの写真立てが、裏返しのまま目に入った。
罪悪感が、胸を刺す。
震える手で、写真を表に戻す。タカヒロの笑顔。私の笑顔。
(ごめん……タカヒロ。お姉ちゃん、あんたと同い年の子と……最低だね)
でも、涙と一緒にあふれてくるのは、後悔じゃない。
また会いたい。蒼太に、また触れられたい。
自分の身体が、もう蒼太を忘れられないことを知ってしまった。
携帯が震える。
蒼太からのメッセージ。
『姉ちゃん、今日はありがとう。また会おうね』
指が、震える。
返信を打つ。
『……うん。また』
送信ボタンを押した瞬間、私は知った。
もう、後戻りはできない。
(続く)
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