※この作品はR-18です。

俺専用。快楽命令にとろける美少女と美女の甘堕ちカタログ   作:Mr.クロード

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【中編】姉ちゃんはモテまくり

 

 金曜の夕方。編集部のフロアには、週末を前にした開放的な空気が漂っている。

 あかりは、デスクで来週の企画書を整理していた。赤茶色の髪を耳にかけながら、パソコンの画面を見つめる。赤いリムの眼鏡越しに映る文字を追いながら、今週のスケジュールを確認する。

 

「紅葉さん」

 

 背後から声がかかって、あかりは振り返った。

 

「Kさん」

 

 そこに立っていたのは、営業部のエース・K。28歳、整った顔立ちと洗練されたスーツ姿で、社内でも特に女性社員からの人気が高い男性だ。今月も営業成績トップで、社長賞を受賞したばかりだと聞いている。

 

「お疲れ様です。今、ちょっといいですか?」

 

 Kが、爽やかな笑顔で尋ねる。あかりは頷いて、彼の話を待った。

 

「実は、今度の土曜日なんですけど……良いレストランを予約したんです。よかったら、紅葉さんと一緒にディナーしたくて。いかがですか?」

 

 その誘いに、あかりの心臓が一瞬跳ねた。デート、だ。明確に、そういう意図が込められている誘い方。

 

(綺麗な人……会社で一番人気だって聞いてる)

 

 Kは、誰もが認める二枚目だ。仕事もできて、優しくて、女性への気遣いも完璧。こんな人に誘われたら、普通なら喜んで受けるはずだった。

 

 でも──

 

 頭に浮かぶのは、蒼太の顔。蒼太の手。蒼太の声。

 昨夜も、タカヒロが寝静まった深夜に、窓から忍び込んできた蒼太に抱かれた。壁一枚隣の部屋で弟が眠っているのに、声を堪えながら何度もイかされた。朝起きた時、身体中に残る蒼太の痕跡を感じて、顔が赤くなった。

 

(ごめんなさい……無理)

 

「あの……ごめんなさい。その日は、予定があって」

 

 あかりは、できるだけ柔らかく断った。神谷さんは少し残念そうに笑ったが、すぐに表情を戻す。

 

「そっか。残念です。また機会があれば、ぜひ」

「はい……すみません」

 

 神谷さんが去った後、あかりは深く息を吐いた。

 

(なんで……断っちゃったんだろう)

 

 自問する。蒼太は、恋人じゃない。好きかどうかも、まだ分からない。ただ、身体の関係があるだけ。

 でも──

 身体が、蒼太以外を受け付けない。蒼太以外の男性に触れられるなんて、想像するだけで拒否反応が出る。

 

(蒼太……)

 

 携帯を取り出して、LINEを開く。蒼太とのトーク画面。今朝送られてきたメッセージが目に入る。

 

『今日も可愛かったよ、姉ちゃん』

 

 たったそれだけの言葉なのに、胸が温かくなる。返信を打とうとして、やめた。仕事中に、こんなことを考えている自分が恥ずかしい。

 でも、止められない。

 あかりの脳裏に、この三ヶ月の記憶が次々と蘇ってくる。

 

 ◆◆◆

 

 二週間前の昼休み。編集部の資料室。

 

「姉ちゃん、ここ……誰も来ないよね」

 

 蒼太が、あかりの手を引いて資料室の奥に連れ込んだ。普段は誰も来ない、古い雑誌のバックナンバーが積まれたスペース。

 

「え……でも、昼休みだし……っ」

 

 抵抗しようとする言葉は、弱々しく消えていく。なぜなら、蒼太を会社に入れたのは、あかり自身だから。朝、出社した時から蒼太のことを考えていた。触れられたい、求められたい、という欲望が、ずっと身体の奥で疼いていた。

 

「大丈夫。姉ちゃん、我慢できる?」

 

 蒼太の問いかけに、あかりは首を横に振った。できない。もう、我慢できない。三ヶ月前、初めて蒼太に抱かれてから、あかりの身体は蒼太なしでは満足できなくなってしまった。

 壁に押し付けられて、スカートを捲られる。外では、同僚たちが昼食から戻ってくる気配がする。廊下を歩く足音、笑い声、誰かが資料室のドアを開ける音。バレたら、全てが終わる。会社にいられなくなる。

 

「声、出しちゃダメだよ」

 

 蒼太が耳元で囁く。でも、それは無理な注文だった。蒼太の指が、あかりの急所を正確に責め始める。この三ヶ月で、蒼太はあかりの身体の全てを知り尽くしている。どこを触れば声が出るか、どう動かせば我慢できなくなるか、全部分かっている。

 

「ん……っ! んん……っ!」

 

 声を堪えようと必死に唇を噛む。でも、快感が強すぎて、喉の奥から漏れ出してしまう。昼間なのに。会社なのに。こんな場所で、蒼太に触られている。

 

「姉ちゃん、もうこんなに濡れてる」

 

 蒼太の囁きに、恥ずかしさが込み上げる。でも、否定できない。朝からずっと、蒼太のことを考えていたから。今日も触られたい、抱かれたい、と思っていたから。

 

「だ、だって……っ、蒼太が……あんなLINE送るから……っ」

 

 言い訳する。でも、蒼太は優しく笑った。

 

「朝の写真? 姉ちゃんの寝顔、可愛かったから撮っただけだよ」

 

 そう、今朝。目覚めたら、隣に蒼太がいた。夜に忍び込んできて、あかりを半ば気絶のような眠りに追い込んで、そのまま泊まったらしい。

 タカヒロに気づかれたらどうするのかと焦ったが、蒼太は「大丈夫、朝早いから」と言って、寝起きのあかりにキスをした。

 その写真が、仕事中にずっと頭から離れなかった。

 

「ん……っ、あぁ……っ、もう……っ」

 

 蒼太の指が、中を擦る。気持ちいい。でも、声を出せない。外に人がいる。バレたら、終わり。

 でも、止められない。蒼太の指が、あかりの一番敏感な場所を見つけて、執拗に責め続ける。

 

「イっちゃう……っ、ダメ……っ、こんなとこで……っ」

 

 必死に堪える。でも、限界が近い。

 

「いいよ。イっていいよ、姉ちゃん」

 

 蒼太の許可の言葉が降りた瞬間、あかりの身体は反応した。全身が震えて、声が喉の奥から溢れそうになる。蒼太が、慌ててあかりの唇をキスで塞いだ。

 

「んんっ……! んん……っ!」

 

 キス越しに漏れる声を、蒼太が受け止めてくれる。身体が痙攣して、快感の波に飲み込まれる。

 昼休みの資料室で。会社で。同僚たちがすぐ外にいるのに。

 あかりは、絶頂を迎えてしまった。

 

 ◆◆◆

 

 一ヶ月前の深夜。あかりの部屋。

 タカヒロが寝静まった夜中の二時、窓をコンコンと叩く音がした。カーテンを開けると、そこには蒼太がいた。

 

「蒼太……っ、バレたら……」

 

 窓を開けて中に入れながら、あかりは不安そうに囁く。でも、蒼太が部屋に入ってきた瞬間、不安よりも喜びが勝った。

 

「バレないように、静かにしないとね」

 

 蒼太が悪戯っぽく笑う。あかりは、その笑顔を見て、胸が熱くなるのを感じた。

 ベッドの上。タカヒロの部屋は、壁一枚隣。音が聞こえるかもしれない。バレたら、全てが終わる。

 

「姉ちゃん、今日の下着……赤だったね」

 

 蒼太が、パジャマの上から胸を撫でながら囁く。あかりは、驚いて目を見開いた。

 

「え……なんで分かるの……っ?」

「考えてたから。ずっと」

 

 恥ずかしい。でも、嬉しい。蒼太の心に自分がいる。蒼太に選ばれている。それだけで、身体が熱くなる。

 

「姉ちゃん、もう準備できてる」

 

 蒼太の手が、あかりの秘所に触れる。確かに、もう濡れている。

 

「だ、だって……蒼太が来るって分かってたから……っ」

 

 正直に答えてしまう。蒼太を待ってた。蒼太が欲しかった。寝る前に、シャワーを浴びて、身体を綺麗にして、蒼太のために準備した。

 

「いい子だね」

 

 褒められると、嬉しい。もっと褒めてほしい。身体が、蒼太を求めて動く。

 

「蒼太……お願い……して……っ」

 

 自分から、懇願してしまう。三ヶ月前は考えられなかった。でも今は、蒼太に抱かれることが、何より幸せだった。

 

「声、出さないようにね」

 

 服を脱ぐと、蒼太は後背位でゆっくりと繋がってくる。

 あかりは、枕に顔を埋めて声を堪えた。でも、蒼太が動き始めると、堪えきれなくなる。

 

「ん……っ、あ……っ、あぁ……っ」

 

 小さく、でも確実に声が漏れる。壁の向こうは、タカヒロの部屋。もし起きてしまったら。もし聞こえてしまったら。

 その恐怖が、快感をさらに強くする。

 

「姉ちゃん、感じてる?」

「うん……っ、すごく……っ、気持ち……いい……っ」

 

 素直に答える。蒼太のリズムに合わせて、あかりの腰も動き始める。自分から、求めている。

 

「もっと……っ、奥……っ」

 

 懇願する。恥ずかしいけれど、我慢できない。もっと、蒼太が欲しい。

 

「いい子だね、姉ちゃん」

 

 蒼太が、あかりの願いに応える。深く、激しく。あかりは、枕を噛んで声を堪えた。

 

「イっちゃう……っ、イっちゃう……っ」

 

 限界が近い。でも、声を出せない。タカヒロに聞こえたら、終わり。

 

「イっていいよ」

 

 蒼太の許可。その言葉で、あかりは解放された。

 

「んんっ……! んん……っ!」

 

 枕に顔を埋めて、声を殺して、絶頂を迎える。全身が震えて、意識が飛びそうになる。

 タカヒロの部屋の隣で。壁一枚隔てた場所で。弟の友人に抱かれて、あかりは何度も何度もイかされた。

 

 ◆◆◆

 

 三日前の夕方。マンションの階段。

 買い物から帰る途中、階段で蒼太とすれ違った。

 

「姉ちゃん、ちょっとこっち」

 

 蒼太が、階段の踊り場にあかりを引っ張り込む。

 

「え……ここ……っ?」

 

 驚くあかり。でも、蒼太は構わずに抱きしめてきた。

 

「我慢できない。姉ちゃんに会いたかった」

 

 その言葉に、あかりの胸が高鳴る。昼間から、蒼太に会いたいと思っていた。今すぐにでも、触れられたいと思っていた。

 

「蒼太……でも、誰か来たら……っ」

 

 抵抗する言葉は、弱々しい。本当は、あかりも同じ気持ちだから。

 

「来ないって。それに、姉ちゃん……もう我慢できないでしょ?」

 

 蒼太の手が、スカートの中に入ってくる。確かに、もう濡れている。蒼太に会えた瞬間から、身体が反応していた。

 

「ごめん……我慢、できない……っ」

 

 正直に答える。蒼太に触れられたい。蒼太に抱かれたい。その欲望が、もう抑えきれない。

 

「素直でいいね」

 

 蒼太が、階段の壁に押し付ける。冷たいコンクリートの感触が、背中に伝わる。

 

「や……っ、誰か来たら……っ」

 

 でも、止められない。蒼太の指が、もう中に入っている。気持ちいい。階段で、外で、誰が来るか分からない場所で。

 でも、それがまた興奮を煽る。

 

「ん……っ、あぁ……っ」

 

 声が漏れる。上の階から、誰かが降りてくる気配。でも、蒼太は止めない。あかりも、止めてほしくない。

 

「姉ちゃん、もうすぐイきそう?」

「うん……っ、もう……っ」

 

 限界が近い。誰かに見られるかもしれない。でも、止められない。

 

「イっていいよ」

 

 蒼太の許可。

 

「イく……っ、イっちゃ……っ」

 

 声を堪えて、あかりは絶頂を迎えた。足が震えて、立っていられない。蒼太が、崩れ落ちそうなあかりを支えてくれる。

 階段で。外で。こんな場所で。

 あかりは、蒼太にイかされてしまった。

 

 ◆◆◆

 

 現在。編集部のデスク。

 あかりは、回想から現実に戻った。

 

(三ヶ月……こんなことばかり……)

 

 気づけば、蒼太なしでは生きられない身体になっていた。会社でも、家でも、外でも。場所も時間も関係なく、蒼太に求められると、拒否できない。

 でも──

 

(本当に好きなのかな……私……)

 

 まだ、分からない。身体は正直。蒼太の声を聞くだけで疼く。蒼太に触れられるだけで濡れる。蒼太に抱かれると、世界で一番幸せだと思える。

 でも、それは好きってことなのか。それとも、ただ身体が蒼太に依存しているだけなのか。

 携帯が震えた。LINEの通知。蒼太からだ。

 

『今週末、海行かない?』

 

 その誘いに、あかりの心臓が跳ねた。蒼太と、二人きりで。海で。一日中、一緒にいられる。

 返信を打つ指が、震える。

 

『行きたい』

 

 送信ボタンを押した瞬間、あかりは自分の気持ちに気づいた。

 蒼太と一緒にいたい。それだけは、確かだった。

 

 ◇◇◇

 

 同じ金曜の夕方。大学のカフェテリア。

 蒼太は、タカヒロと向かい合って座っていた。タカヒロが注文したコーヒーが、テーブルに運ばれてくる。

 

「なあ、蒼太」

 

 タカヒロが、深刻な顔で切り出した。似合わない顔すんなよテニス馬鹿め。

 

「ん?」

 

 俺は、できるだけ自然に応える。でも、心臓は激しく跳ねている。バレたのか。姉ちゃんとの関係が、バレてしまったのか。

 

「姉ちゃんのこと……最近、変じゃね?」

 

 その言葉に、俺の心臓がさらに跳ねた。

 

(バレた……?)

 

「変って……どういう?」

 

 平静を装う。でも、手のひらに汗が滲む。

 

「なんか……すごく綺麗になったっていうか」

 

 タカヒロの目が、真剣だった。俺は、その目を見て、少しだけ安心する。バレてはいない。少なくとも、まだ。

 

「前から綺麗だったけど、最近……なんか違うんだよ。色っぽいっていうか。肌もツヤツヤしてるし、スタイルも良くなった気がする」

 

 タカヒロの言葉に、俺は内心で頷いた。その通りだ。姉ちゃんは、三ヶ月でさらに綺麗になった。毎晩のように抱いて、愛撫して、求め続けた結果が、姉ちゃんの身体に現れている。

 

「……そう?」

「うん。会社でも、デートに誘われたりしてるみたいで」

 

 その言葉に、胸がざわついた。

 

(……っ!)

 

「で、でも断ってるんだろ?」

 

 つい、声が強くなる。タカヒロは、不思議そうに俺を見た。

 

「うん。全部断ってる。不思議なんだよな。姉ちゃん、恋愛に興味ないのかなって」

 

 タカヒロが、ため息をつく。その表情には、明らかな心配が浮かんでいる。

 

「俺、姉ちゃんに幸せになってほしいんだよ。ずっと俺の世話ばっかりで、彼氏もいなくて。このままじゃ、姉ちゃん……一生独身かもしれない」

 

「……そっか」

 

「姉ちゃん、優しいし、綺麗だし。いい人、見つけてほしいんだけどな」

 

 タカヒロの目が、優しい。その優しさに、違和感を覚えた。

 

(これは……)

 

 この瞬間、理解した。

 タカヒロは、姉ちゃんのことが──本気で、好きなんじゃないか。

 

「なあ、蒼太。お前から見て、姉ちゃんってどう思う?」

 

 タカヒロが、突然そんなことを聞いてくる。俺は慎重に答えを選んだ。

 

「綺麗だと思うよ。優しいし、頭もいいし」

「だろ? なのに、なんで彼氏できないんだろうな」

 

 タカヒロは、本気で悩んでいる様子だった。その姿を見て、胸に複雑な感情が渦巻く。

 

(ブラコンって言うけど……逆もあるのか?)

 

 タカヒロが、姉ちゃんを姉として以上に想ってる可能性。それが、姉ちゃんが俺のことを「好き」だと認めない理由なのか。

 三ヶ月。何度も、姉ちゃんを抱いた。色んな場所で。色んな時間に。姉ちゃんの身体は、完全に俺のものだ。俺の指の動かし方を覚え、俺の声に反応し、俺の許可なしではイけない身体にした。

 

 でも──俺は学生で、社会人の姉ちゃんにしてあげられることはセックスしかない。だからなのだろうか、「好き」って言ってくれないのは。「恋人」って認めてくれないのは。

 

 姉ちゃんはいつも、タカヒロのことを気にしてる。タカヒロにバレることを、何より恐れてる。それはタカヒロが、セックスしか与えない俺より、価値のある男だからなのか。

 

「蒼太、どうした? 難しい顔して」

 

 タカヒロの声に、蒼太は我に返った。

 

「ああ、いや……なんでもない」

 

 誤魔化す。でも、心の中では焦りが募っていた。

 

(くそ……焦るな……)

 

 姉ちゃんを、完全に俺のものにしたい。身体だけじゃなく、心も。タカヒロのことなんか気にせず、俺だけを見てほしい。俺を「好き」だと認めてほしい。

 携帯を取り出して、姉ちゃんにLINEを送る。

 

『今週末、海行かない?』

 

 すぐに既読がついた。そして、返信。

 

『行きたい』

 

 その言葉に、胸が高鳴る。

 

(よし)

 

 今週末。姉ちゃんと二人きりで、海に行く。そこで──

 姉ちゃんの心を、完全に俺のものにする。

 

 ◇◇◇

 

 土曜の朝。あかりは白いコンパクトカーを運転して、海岸線の道路を走っていた。

 助手席には、蒼太。後部座席には、海水浴の荷物。ビーチパラソル、クーラーボックス、そして水着。

 

「姉ちゃん、運転上手いね」

 

 蒼太が、窓の外を流れる景色を見ながら言う。あかりは、ハンドルを握りながら微笑んだ。

 

「ありがと。免許取ってから、結構乗ってるから」

 

 信号待ち。あかりが前を見ている隙に、蒼太の手が、あかりの太ももに触れた。

 

「ちょ、蒼太……っ、運転中……っ」

 

 あかりの声が、小さく震える。でも、蒼太の手は離れない。

 

「分かってるよ。触るだけ」

 

 でも、その「触るだけ」が、もう危険だった。蒼太の手が、ゆっくりとスカートの裾を撫でる。その感触だけで、あかりの身体は反応してしまう。

 

「姉ちゃん、今日の下着……」

「や……っ、聞かないで……っ」

 

 あかりの頬が、赤く染まる。今日の下着は、赤。蒼太の好きな色。昨夜、クローゼットから選んだ時から、ずっとドキドキしていた。

 

「赤だね」

 

 蒼太が、確信を持って言う。

 

「な、なんで分かるの……っ」

「姉ちゃんの反応で分かる」

 

 恥ずかしい。でも、嬉しい。蒼太に、全部見透かされてる。それが、あかりにとって何より幸せだった。

 信号が青に変わる。あかりは、アクセルを踏んだ。でも、蒼太の手は、まだ太ももに残っている。

 

「蒼太……っ、事故起こしちゃう……っ」

「大丈夫。姉ちゃん、集中力あるから」

 

 蒼太が、悪戯っぽく笑う。あかりは、必死にハンドルを握りしめた。

 

(こんなの……集中できない……っ)

 

 でも、止めてとは言えない。蒼太に触れられている。それだけで、もう幸せだから。

 海岸線の道路を走りながら、あかりは思う。今日は、蒼太と一日中一緒。それが、何より楽しみだった。

 

 ◆

 

 三十分ほど走って、目的地の海水浴場に到着した。週末ということもあって、駐車場はそれなりに混んでいる。

 

「着いたね」

 

 蒼太が、嬉しそうに言う。あかりも頷いて、車を降りた。

 後部座席から荷物を取り出す。ビーチパラソル、クーラーボックス、そしてトートバッグ。その中には、蒼太が選んだ水着が入っている。

 

「姉ちゃん、楽しみにしてたよ」

 

 蒼太が、あかりの手を握る。人前で。堂々と。

 

「う、うん……私も……」

 

 あかりの心臓が、激しく跳ねる。蒼太と手を繋いで、海に行く。まるで、恋人同士みたいに。

 

(恋人……なのかな……私たち……)

 

 まだ、分からない。でも──

 蒼太の手の温もりが、あかりに幸せを感じさせていた。

 

 ◆

 

【挿絵表示】

 

 更衣室で着替えを済ませて、あかりはビーチに出た。

 赤いビキニ。蒼太が選んだ水着。胸元は深めのカットで、谷間が強調される。腰紐は細く、ヒップラインが際立つデザイン。

 

「姉ちゃん……」

 

 蒼太の視線が、あかりの身体を舐めるように這う。その視線に、あかりは恥ずかしさで顔が赤くなる。

 

「や……っ、見ないで……っ」

「見ちゃうよ。姉ちゃん、すごく綺麗だから」

 

 蒼太の言葉に、あかりの胸が高鳴る。三ヶ月前より、確実に身体が変わっている。胸は大きくなり、ウエストのくびれは深くなり、ヒップは丸みを増した。

 全部、蒼太に抱かれ続けた結果だ。

 

「ほら、パラソル立てよう」

 

 蒼太が、あかりの手を引いて砂浜を歩く。人目があるのに、堂々と手を繋いでいる。その姿は、どう見ても恋人同士にしか見えないはずだ。

 パラソルを立てて、レジャーシートを敷く。あかりが座ると、蒼太も隣に座った。

 

「姉ちゃん、日焼け止め塗る?」

「うん……お願い」

 

 あかりが背中を向けると、蒼太の手が肩に触れた。ひんやりとした日焼け止めのクリーム。でも、蒼太の手は温かい。

 

「ん……」

 

 小さく、声が漏れる。蒼太の手が、背中を丁寧に撫でていく。日焼け止めを塗っているだけなのに、まるで愛撫されているみたい。

 

「姉ちゃん、肌……すごく綺麗になったね」

 

 蒼太が、耳元で囁く。

 

「……蒼太のせい」

 

 小さく答える。本当だから。蒼太に毎日触られて、愛撫されて、求められ続けた結果が、こうして肌に現れている。

 

「そうだよ。姉ちゃんを綺麗にしたの、俺だから」

 

 蒼太の手が、背中から腰へと滑る。その感触に、あかりの身体が震えた。

 

「蒼太……っ、ここ……人がいる……っ」

「分かってる。でも、触りたくなっちゃうんだよね」

 

 蒼太の手が、あかりの腰のくびれをなぞる。三ヶ月前より、確実に深くなったくびれ。蒼太に抱かれ続けた証。

 

「姉ちゃん、身体……すごくエロくなった」

「エロいって……っ」

 

 恥ずかしい。でも、否定できない。自分でも分かる。鏡を見るたび、身体のラインが女性らしくなっているのを感じる。

 

「でも、嬉しい」

 

 あかりが、小さく呟く。

 

「え?」

「蒼太に……綺麗になったって言われると……嬉しい」

 

 正直に答えてしまう。蒼太のために、綺麗になりたい。蒼太に、もっと喜んでほしい。そう思えるようになった自分が、不思議だった。

 

「姉ちゃん、可愛い」

 

 蒼太が、後ろから抱きしめてくる。人目があるのに。でも、あかりは嫌じゃなかった。

 むしろ、幸せだった。

 

 ◆

 

 海水浴を楽しんで一時間ほど経った頃。蒼太が、飲み物を買いにビーチの売店へ行く、と言った。

 

「姉ちゃん、何飲む?」

「オレンジジュースがいいな」

「分かった。すぐ戻るから」

 

 蒼太が離れて、あかりは一人、パラソルの下に残された。レジャーシートに座って、海を眺める。波の音が心地いい。

 でも、一人でいるのは少し寂しかった。蒼太が戻ってくるのを待ちながら、あかりは携帯を取り出してSNSをチェックし始める。

 

「ねえ、一人?」

 

 突然、声がかかった。

 顔を上げると、そこには見知らぬ男性が二人立っていた。どちらも20代半ばくらい、日焼けした肌に派手な海パン。典型的なナンパ目的の男たち。

 

「あ……いえ、連れがいるので……」

 

 あかりは、できるだけ丁寧に断ろうとした。でも、男たちは引き下がらない。

 

「え〜、いいじゃん。ちょっとだけでも」

 

 一人が、レジャーシートの端に座り込もうとする。あかりは、反射的に身を引いた。

 

「本当に、すみません。連れを待ってるので……」

「連れって、彼氏? それとも女友達?」

 

 もう一人が、しつこく聞いてくる。あかりは、答えに窮した。

 

(蒼太は……彼氏……?)

 

 まだ、そう認めていない。でも、こういう時に「彼氏」だと言えば、諦めてくれるかもしれない。

 

「あの……その……」

 

 言葉に詰まる。その隙に、男の一人が、あかりの手を掴もうとした。

 

「俺たち、向こうでバーベキューしてるんだよ。一緒に食べない?」

「触らないで……っ」

 

 あかりが手を引こうとした、その瞬間──

 

「触るな」

 

 低い声が、響いた。

 

 ◇◇◇

 

 飲み物を持って戻ってきた俺の目に、最悪の光景が飛び込んできた。

 知らない男が、姉ちゃんに手を伸ばしている。姉ちゃんは、明らかに嫌がっている。

 

(……っ)

 

 怒りが、一気に込み上げてくる。

 

「触るな」

 

 声が、低く響いた。持っていた飲み物を近くのテーブルに置いて、大股で男たちに近づく。

 男たちが振り返った。俺の剣幕を見て、一瞬怯む。でも、すぐに強がった表情に戻る。

 

「なんだよ、お前」

「俺の女に、手を出すな」

 

 はっきりと、宣言する。

『俺の女』。

 その言葉を口にした瞬間、心の中で何かが確信に変わった。

 姉ちゃんは、俺のものだ。俺専用だ。

 

「蒼太」

 

 姉ちゃんの目が、驚きで見開かれた。でも、何も言わない。ただ、俺の腕を掴んでくる。その仕草が、答えだ。

 

「お前、この子の彼氏?」

 

 男が、不満そうに聞く。

 

「そうだ。文句あるか」

 

 一歩前に出る。男たちは、こっちの目を見て、何かを悟ったようだ。

 

「ちぇ、彼氏いんのかよ。最初から言えよ」

「美人だから声かけたのに、残念」

 

 男たちは、捨て台詞を吐いて去っていった。

 その背中を睨みつけながら、姉ちゃんの方を向く。

 

「姉ちゃん、大丈夫?」

「う、うん……」

 

 姉ちゃんの声が、小さく震えている。俺は姉ちゃんの肩を抱いた。

 

「ごめん。一人にして」

「ううん……蒼太が、来てくれたから」

 

 姉ちゃんが、胸に顔を埋めてくる。その温もりに、心臓が激しく跳ねた。

 

 ◇◇◇

 

 蒼太の腕の中。あかりは、まだドキドキしている心臓を落ち着かせようとしていた。

 でも、ドキドキの理由は、ナンパ男のせいじゃない。

 蒼太が言った言葉。

 

『俺の女』

 

 その言葉が、まだ耳に残っている。

 

「蒼太……」

 

 あかりが、小さく名前を呼ぶ。蒼太が、優しく髪を撫でてくれる。

 

「なに?」

「さっき……『俺の女』って……」

 

 言葉を続けようとして、止まる。恥ずかしい。でも、聞きたい。

 

「ごめん。勝手に『俺の女』とか言って」

 

 蒼太が、謝ろうとする。でも、あかりは首を横に振った。

 

「……ううん」

「え?」

「嫌じゃ……なかった」

 

 小さく、でもはっきりと答える。蒼太の顔が、驚きで固まった。

 

「姉ちゃん……」

「蒼太が……守ってくれた」

 

 本当だった。ナンパ男に絡まれて、怖かった。でも、蒼太が来てくれた。蒼太が、守ってくれた。

 

「頼もしかった」

 

 その言葉を口にした瞬間、あかりは自分の気持ちに気づいた。蒼太を、男として見ている。タカヒロの友人としてじゃなく、年下の男の子としてじゃなく。

 一人の、頼もしい男性として。

 

「私は……蒼太の女」

「姉ちゃん……」

 

 蒼太の声が、熱を帯びる。その声に、あかりの身体が反応した。

 

(また……疼いてる……)

 

 蒼太に守られて、蒼太に抱きしめられて。それだけで、もう身体が熱くなっている。

 

「姉ちゃん、顔……赤いよ」

 

 蒼太が、悪戯っぽく笑う。

 

「だ、だって……っ」

 

 言い訳しようとして、できない。全部バレている。

 

「我慢できない?」

 

 蒼太が、耳元で囁く。その囁きに、あかりの身体がビクッと震えた。

 

「……っ」

 

 答えられない。でも、沈黙が答えになっている。

 

「姉ちゃん、ちょっとこっち来て」

 

 蒼太が、あかりの手を引く。パラソルから離れて、海の家の方へ向かう。

 人が少ない時間帯。昼過ぎの暑い時間は、みんな日陰で休んでいるか、海に入っている。

 

「蒼太……どこ……っ」

「更衣室」

 

 ◇◇◇

 

 海の家の更衣室。個室に入って、俺は鍵をかけた。

 狭い空間。二人きり。

 

「姉ちゃん」

 

 姉ちゃんを壁に押し付ける。目が、潤んでた。

 

「蒼太……ここ……っ」

「我慢できない」

 

 本当だった。さっき、姉ちゃんがナンパ男に絡まれているのを見た瞬間、独占欲が爆発した。姉ちゃんは、俺のものだ。他の誰にも、触れさせない。

 

「さっき、ナンパされて……怖かった?」

「う、うん……」

「でも、俺が守った」

「……うん」

「だから、姉ちゃんは俺のものだよね」

 

 その言葉に、姉ちゃんの頬が赤く染まる。でも、否定しない。

 

「……蒼太の、もの……」

 

 小さく、繰り返す。その言葉を聞いた瞬間、理性が飛んだ。

 

「姉ちゃん……」

 

 キスをする。深く、激しく。姉ちゃんの唇を貪る。

 

「ん……っ、んん……っ」

 

 姉ちゃんが肩に掴まってくる。その手に力がこもっている。

 

「姉ちゃん、我慢できない」

「う、うん……私も……っ」

 

 姉ちゃんの言葉に驚く。この人から、そんな言葉が出るなんて。

 

「姉ちゃんが……そんなこと言うなんて」

「だ、だって……蒼太が……守ってくれたから……っ、嬉しくて……っ、それで……身体が……っ」

 

 言葉が途切れる。でも、意味は分かる。姉ちゃんも、俺を求めている。

 

「姉ちゃんのビキニ姿……ずっと見てて、限界だった」

 

 蒼太の手が、ビキニの紐に触れる。姉ちゃんの身体が、ビクッと震えた。

 

「や……っ、脱がさないで……っ」

「でも、姉ちゃん……もう濡れてるでしょ?」

 

 ビキニの上から秘所に触れる。間違いない、もう濡れている。

 

「ぁ……っ」

 

 姉ちゃんが、小さく声を出した。

 

「姉ちゃん、さっきから……ずっと我慢してたんだ」

「だ、だって……蒼太が……隣にいるのに……っ、触ってくるから……っ」

 

 言い訳する姉ちゃん。でも、その表情は、完全に蕩けている。

 

「早く……して……っ」

 

 姉ちゃんから、お願いされた。三ヶ月前は考えられなかった言葉。でも今は、姉ちゃんが自分から求めてくる。

 

「いい子だね、姉ちゃん」

 

 俺は、ビキニの紐を解いた。

 

 ◇◇◇

 

 蒼太に、ビキニを脱がされる。上も、下も。全部。

 狭い更衣室の中で、あかりは完全に裸にされた。

 

「や……っ、恥ずかし……っ」

 

 両手で身体を隠そうとする。でも、蒼太が手を掴んで、壁に押し付けた。

 

「隠さないで。姉ちゃんの身体、全部見たいから」

 

 蒼太の視線が、あかりの身体を舐めるように這う。その視線に、あかりの肌が粟立った。

 

「姉ちゃん、やっぱり綺麗になった」

 

 蒼太の手が、あかりの胸に触れる。

 

「ひゃっ……!」

「ここも、大きくなった」

 

 蒼太の手が、胸を揉む。三ヶ月前より、確実に大きくなった胸。蒼太に毎日揉まれて、愛撫されて、大きくなった。

 

「ん……っ、あぁ……っ」

 

 声が漏れる。外では、人の気配がする。誰かが更衣室の前を通る足音。女性たちの笑い声。

 

(バレたら……終わり……)

 

 でも、止められない。蒼太の手は、あかりの身体を知り尽くしている。どこを触れば声が出るか、どう動かせば我慢できなくなるか。

 

「姉ちゃん、ここは?」

 

 蒼太の指が、乳首を弾く。

 

「ひゃぁっ……!」

 

 大きな声が出そうになって、慌てて口を押さえる。でも、蒼太は容赦ない。

 

「声、出さないようにね」

 

 そう言いながら、蒼太の手が下へと滑る。お腹を撫でて、腰のくびれをなぞって、そして──

 

「ん……っ!」

 

 秘所に触れられた瞬間、あかりの身体が跳ねた。

 

「姉ちゃん、もうこんなに濡れてる」

「だ、だって……っ、蒼太のせい……っ」

 

 本当だった。さっき、ナンパ男から守られた時から、もう疼いていた。蒼太に『俺の女』と言われた時から、身体が反応していた。

 

「姉ちゃん、エッチになったね」

「な、なってない……っ」

 

 否定しようとする。でも、蒼太の指が中に入ってきて、言葉が続かなくなる。

 

「ぁ……っ、あぁ……っ」

 

 気持ちいい。蒼太の指が、あかりの一番敏感な場所を擦る。この三ヶ月で、蒼太はあかりの身体の全てを知り尽くしてしまった。

 

「姉ちゃん、もっと声出して」

「で、でも……外に……人が……っ」

「だから興奮するんでしょ?」

 

 その通りだった。バレるかもしれない。誰かに聞こえるかもしれない。その恐怖が、快感をさらに強くする。

 

「ん……っ、あぁ……っ、もう……っ」

 

 蒼太の指が、激しく動く。あかりの身体が、それに反応して震える。

 

「姉ちゃん、もうイきそう?」

「う、うん……っ、もう……限界……っ」

 

 正直に答える。蒼太の指が、あかりを絶頂に導いていく。

 

「でも、まだダメ」

「え……っ」

 

 蒼太の指が、突然止まった。絶頂の直前で、止められる。

 

「蒼太……っ、お願い……っ、イかせて……っ」

 

 自分から、懇願してしまう。恥ずかしい。でも、もう我慢できない。

 

「姉ちゃんが、何が欲しいか言ったら、イかせてあげる」

 

 蒼太の声が、悪戯っぽい。あかりは、顔を真っ赤にしながら、必死に言葉を絞り出した。

 

「蒼太の……おち○ちん……欲しい……っ」

 

 下品な言葉。三ヶ月前は絶対に言えなかった。でも今は、蒼太のために、頑張って言える。

 

「どこに欲しいの?」

「お、おま○こに……入れて……っ、奥まで……いっぱいに……して……っ」

 

 言い終わった瞬間、あかりは両手で顔を覆った。恥ずかしい。でも、言わないと、蒼太がくれない。

 

「いい子だね、姉ちゃん」

 

 蒼太が、ご褒美をくれる。立ったまま正面から繋がる。一気に、奥まで。

 

「あぁっ……!」

 

 声が出そうになって、蒼太が唇を塞いだ。キス越しに、あかりの声が漏れる。

 

「んん……っ! んん……っ!」

 

 蒼太が、動き始める。狭い更衣室の中で、壁に押し付けられて、立ったまま抱かれる。

 

「ん……っ、あぁ……っ、蒼太……っ」

 

 気持ちいい。蒼太と繋がっている。蒼太に満たされている。それだけで、あかりは幸せだった。

 

「姉ちゃん、声……抑えて」

「で、でも……っ、蒼太が……激しく……っ」

 

 言い訳する。でも、本当は、もっと激しくしてほしい。もっと深く、もっと強く。

 

「姉ちゃん、エッチな顔してる」

「し、してない……っ」

 

 否定しようとする。でも、自分でも分かる。今の自分、すごくエッチな顔をしている。

 蒼太のリズムが、速くなる。あかりの身体も、それに合わせて動く。

 

「はぁっ……あぁっ……蒼太……っ!」

 

 もう、声を抑えられない。蒼太が、あかりの唇を塞ぐ。キス越しに、声が漏れる。

 

「んん……っ! んん……っ!」

 

 外では、まだ人の気配がする。でも、もう気にしてられない。快感が、全てを飲み込んでいる。

 

「姉ちゃん、イっていい?」

 

 蒼太が、耳元で囁く。

 

「う、うん……っ、お願い……っ、イかせて……っ」

 

 許可を求める。蒼太の許可がないと、イけない。そういう身体にされてしまった。

 

「じゃあ、一緒にイこう」

「うん……っ、一緒に……っ」

 

 蒼太のリズムが、さらに速くなる。あかりも、限界が近い。

 

「イく……っ、イっちゃう……っ」

「俺も……っ」

「イくっ……! あぁぁっ……!!」

 

 蒼太が、慌ててあかりの口を塞ぐ。その手越しに、あかりの叫び声が漏れる。

 

「んんっ……!! んん……っ!!」

 

 全身が痙攣する。視界が真っ白になる。意識が飛びそうになる。

 蒼太の腕の中で、あかりは絶頂を迎えた。

 海の家の更衣室で。人がすぐ外にいる場所で。

 でも、後悔はなかった。蒼太と繋がっていられるなら、どこでもいい。そう思えるほど、あかりは蒼太に依存していた。

 

 ◆

 

「はぁ……っ、はぁ……っ」

 

 二人の荒い呼吸だけが、狭い個室に響く。

 蒼太が、ゆっくりと身体を離す。あかりは、壁にもたれかかって、立っていることしかできなかった。

 

「姉ちゃん、大丈夫?」

「う、うん……」

 

 嘘だった。足に力が入らない。でも、幸せだった。

 

「すごかったね」

 

 蒼太が、あかりの髪を優しく撫でる。あかりは、その手に顔を寄せた。

 

「うん……すごく、気持ちよかった……」

 

 素直に答える。蒼太に褒められたい。蒼太に、もっと喜んでほしい。

 

「ありがとう……蒼太……イかせてくれて……っ」

 

 感謝の言葉を伝える。三ヶ月前は恥ずかしくて言えなかった。でも今は、ちゃんと伝えたい。

 

「姉ちゃん、可愛い」

 

 蒼太が、額にキスをしてくれる。その優しさに、あかりの胸が温かくなった。

 

「ねえ……蒼太」

「ん?」

「このまま……もっと一緒にいたい」

 

 小さく、でもはっきりと伝える。蒼太の目が、驚きで見開かれた。

 

「姉ちゃん……」

「今日……泊まっていかない……?」

 

 その言葉を口にした瞬間、あかりは自分の気持ちに気づいた。

 蒼太と、もっと一緒にいたい。一日中じゃ、足りない。夜も、朝も、ずっと一緒にいたい。

 

「本当に?」

 

 蒼太が、嬉しそうに聞き返す。

 

「うん……お金、私が出すから……民宿とか、探そう……?」

 

 恥ずかしい。でも、言わないと。蒼太と、もっと一緒にいたい。その気持ちが、もう抑えきれなかった。

 

「姉ちゃん……」

 

 蒼太が、あかりを強く抱きしめる。

 

「嬉しい。俺も、姉ちゃんともっと一緒にいたい」

 

 その言葉に、涙がにじむ。

 セックスって、おちんちんをオマンコに入れるだけじゃないんだ。自分の欲望を、相手に受け入れてもらうことなんだ。

 

「じゃあ……決まり、だね」

「うん。今日は、朝まで一緒だね」

 

 二人で、微笑み合う。

 外では、まだ人の気配がする。でも、この個室の中は、二人だけの世界だった。

 蒼太と一緒にいられる。それが、あかりにとって何より幸せだった。

 

 ◆◆◆

 

 更衣室を出て、二人は再びビーチに戻った。もう夕方近く、陽が傾き始めている。

 

「宿、探そうか」

 

 蒼太が、スマホを取り出す。あかりも頷いて、一緒に画面を覗き込んだ。

 

「ここ、どうかな。小さな民宿だけど、評価高いよ」

 

 蒼太が指差したのは、海沿いの小さな民宿。『潮風荘』という名前。レビューを見ると、料理が美味しいと評判らしい。

 

「いいね。予約してみよう」

 

 あかりが頷くと、蒼太は電話をかけた。

 

「もしもし、今晩、一部屋空いてますか? ……はい、二人です。……本当ですか! ありがとうございます!」

 

 電話を切って、蒼太が嬉しそうに言う。

 

「取れたよ。しかも、今日は他にお客さんいないって」

「え……貸切?」

「うん。ラッキーだね」

 

 二人で顔を見合わせて、笑った。

 他に客がいない。つまり──

 二人きりで、一晩過ごせる。

 その事実に、あかりの心臓が激しく跳ねた。

 

「じゃあ、荷物まとめようか」

 

 蒼太が、あかりの手を引く。パラソルを畳んで、荷物をまとめて、車に戻る。

 夕暮れの海。オレンジ色に染まる空。波の音。

 全てが、ロマンチックだった。

 

(今日は……蒼太と、ずっと一緒……)

 

 その事実が、あかりを幸せで満たしていく。

 車に乗り込んで、民宿へ向かう。海沿いの道を十分ほど走ると、小さな民宿が見えてきた。

 

『潮風荘』

 

 木造二階建ての、古いけれど風情のある建物。玄関には、女将さんらしき人が立っていた。

 

「いらっしゃいませ。お電話いただいたお客様ですね」

「はい。よろしくお願いします」

 

 蒼太が、丁寧に挨拶する。女将さんは、二人を見て優しく笑った。

 

「お若いカップルですね。ごゆっくりどうぞ」

 

 カップル。その言葉に、あかりの頬が赤くなる。でも、否定しなかった。

 

(カップル……なのかな……私たち……)

 

 まだ、分からない。でも──

 今日は、そう思っていたかった。蒼太と、恋人同士として、この民宿で過ごしたかった。

 案内された部屋は、二階の角部屋。六畳の和室で、窓からは海が見える。

 

「お食事は七時からです。それまで、ごゆっくり」

 

 女将さんが去って、二人きりになった。

 

「綺麗な部屋だね」

 

 蒼太が、窓から海を眺める。あかりも隣に並んで、同じ景色を見た。

 夕暮れの海。オレンジ色の空。遠くに見える水平線。

 

「綺麗……」

 

 あかりが呟くと、蒼太が手を握ってきた。

 

「姉ちゃん」

「なに?」

「今日……すごく楽しかった」

「私も……」

 

 二人で、微笑み合う。

 今日は、まだ終わらない。これから、夕食があって、お風呂があって、そして──

 夜が来る。

 蒼太と二人きりで過ごす、特別な夜。

 あかりは、その時間が来るのを、楽しみに待っていた。

 

(続く)

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