友人の妹に脅されているみたいなんだがこの子のことが全く分からない 作:山崎世界
「ん……んん?」
朝、目が覚めると妙に寒い気がした。ああそうか。朔耶ちゃんがいないのか、なんて苦笑する。
辺りを見回すと、脱ぎ捨てた朔耶ちゃんのパジャマが見えた。後、下着も……あれ? 昨日は下着付けずに寝てたと思ったけど……。
まあ、どうでもいいか……。
その目の端に、朔耶ちゃんのスマホを捉えて、俺の頭の中が急激に冷めていったのを感じる。
「……」
朔耶ちゃんのスマホにロックは掛かってなかった。そして待ち受け場面には精液まみれの朔耶ちゃんと俺の写真だった。ちょうど初めて会ったころの写真。
そのまま、静かに家探しして、何枚かのSDカードも探し当てた。あっさり。拍子抜けするように、鍵もかかっていない机の中だ。
ついでに、俺の部屋の合鍵も見つけた。
うん。このまま去ってしまえば、朔耶ちゃんと俺の関係は途切れる。実際に訴えるとかそういう手段を取られる可能性もあるが朔耶ちゃんは変な行動力はあるものの寡黙で大人しい子なのだ。決定的な証拠を握ってない状態では泣き寝入りする可能性の方が高い。
「……みそ汁の匂い……?」
潜めていた息を思いっきり吐き出すと、その匂いに気づいた。
※※※
居間まで降りてくると、匂いだけでなくジュゥっと何かを焼く音とトントンと小気味のいい包丁の音が聞こえてくる。
「あ、お兄さん。おはよう」
おたまを片手にくるっと、首だけ振り向かせる。ふりふり、とその剥き出しのお尻を誘うように振る。
そう……当たり前のように裸エプロンだった。
「ん、お兄さん、だーめ」
後ろから痴漢みたいにお尻を撫で上げた俺に、朔耶ちゃんは嬉しそうに手を止めた。
覆いかぶさるようにして、コンロの火を消す。
「……お兄さん? んむ!?」
後ろから顎を取って、強引にキスする。無理な体勢でちょっと息苦しい。ますます求めるようにして、舌を絡める。
既に勃起してる肉棒を取り出して、素股で具合を確かめる。既に濡れているようで、音もしないくらいにスムーズに肉棒と秘裂は擦れ合う。そのまま具合を見て、尻を掲げさせて、挿入する。
「ん、ふぁああ!!」
膣内が激しく収縮するのを感じる。挿入した瞬間にイったのか。しかし構わず俺は腰を動かし続ける。
「おにいさ、ふぅ、ん……!」
エプロンからはみ出そうな朔耶ちゃんのおっぱいを乱暴に揉む。同時に、朔耶ちゃんの唇を塞いで言葉をかき消す。
その瞳は動揺に揺れてる。何で? ってその瞳が訴えかけてる。支配してる。
いい気分だった。まるで強姦しているみたいに。いや、実際それと多分変わらない。
「ふ、う、ぁああん!!」
足を掴んで思いっきり突き入れる。快楽か。あるいはただの酸欠か。言葉にならない喘ぎ声に安堵する。
朔耶ちゃんが今、まともに喋れたら何を言うんだろう。分からない。分かりたくない。
俺は、嫌われていい。むしろ嫌われなくてはならない。
これで、最後だから。
「ん、ふぁ、おにい、さん……」
朔耶ちゃんの声が、何も考えないようにしていた頭に響く。
「ふぅ、んふぅ……」
呼吸を整えて、朔耶ちゃんは……にやりと笑った。
「……あー……」
頭を掻く。ダメだなもう。誤魔化し切れそうになかった。
「んちゅ、おにいさん……ないて、る?」
抱き着くようにして、朔耶ちゃんに覆いかぶさる。そのままキスをすると、朔耶ちゃんは俺の頬に手を伸ばす。そのまま、ほっぺにキスをしてくる。
「朔耶ちゃん。イくから」
「ん」
最後に、思いっきりたたきつけるように、腰を激しく動かす。
「んむ、あむ……」
そして黙らせるためのキスではなくて、会話をするように唇を優しく絡める。
(どうしたの……?)
朔耶ちゃんの舌がつつくように尋ねる。俺は、大丈夫。全部話す、と思いを込めて舌を絡める。朔耶ちゃんも納得したのか……は分からないがそれ以上は尋ねようとせずにうっとりと絡めた舌に応じてくる。
「ん、んふううう!!」
そして朔耶ちゃんの膣内に射精した。
※※※
朔耶ちゃんの作った朝食を食べて、俺達は佇まいも厳かに対峙していた。
話を切り出さなくては、と思うものの、話題が話題だけにどこから話したものか、と思う。
「朔耶ちゃん。お願いがある」
テーブルの上に、朔耶ちゃんのスマホとSDカードを置く。
本当に逃れたいって思うなら、気づかれずに始末しておくべきなのだろう。
「俺はさ、朔耶ちゃんの言うこと、これから何でも聞くよ。こんなものがなくたってさ」
だけど、こうしているのは……そうしたくないからだ。
「……」
朔耶ちゃんは終始無言だった。それでも、俺は想いを伝える。
「信じられないかもしれないけどさ、でも信じてほしい」
これはただの感情論だ。
朔耶ちゃんが今まで、いったい何を思って、何を考えて俺のところまで通っていたのかは分からない。
その目的を達するためには俺の弱みを握って、言うことを聞かせるのがはるかに効率的で、俺の話を聞くメリットなんてないのかもしれない。
「……俺は、朔耶ちゃんが好きだから」
本当にいつからだろう。何を考えてるのかわからなくて、振り回されてばかりだった記憶しかなかったけど。でもそんな自由奔放なところも、ミステリアスなところも全部、愛おしくなって見守りたくなってた。
この子と、ただの男と女として付き合いたいと思ったのだ。
「だから、俺を脅す必要なんてない。惚れた弱みってやつだから」
なんていうか、うん。もう逆らえない。
縁が切れるよりも、弱み握られたままの方が遥かにマシって思ってしまった時点で、もう負けなのだ。
朔耶ちゃんが、それでも信用できないって言うんならまあそれまでだと思う。ただ朔耶ちゃんに俺の想いを伝えたかっただけだ。
それでも俺は、もうこの子から離れられない。