「ん……くー、くー」
わざとらしい寝息を立てて、狸寝入りを決め込んだアラミィス先輩の側の机に置かれた魔力回復ジュースの空になった容器をまとめ、定期購買宅配サービスを導入している薬屋の回収箱にサッと水洗いした容器を並べて外に出しておく。
もう一度休憩室に戻ると、ソファの上でだらけているアラミィス先輩のローブの裾がはだけて、白い生足を露出していた。
「風邪を引きますよ」
返事がない。けれど、腹の上に無造作に置かれていた両手がローブを握り込んで、スッ、スッ、と肌の上を裾がゆっくりと迫り上がって危険域に到達しそうなローブの濃紺と肌の白がコントラストしている絶対領域の境界線に注視していると、パチリとアラミィス先輩の両目が開いた。
「そういえば、ここに来てからそろそろ二ヶ月ね。次の研修先はどこなんだっけ?」
「地底のマグマを吸い上げる巨大樹の裾で、翼人の利用客が多い露天風呂があるそうで」
「翼人ねぇ、気をつけなさいよ。軽いくせに重いから」
「?はい、気をつけます」
「そこでなんだけど、お店の予約は取ってあるから、今晩にでもお別れ会をしましょうか。私ってそこそこ高給取りだから、全部奢ってあげるわよ」
「うわ、嬉しいです。ありがとうございます、アラミィス先輩!」
「さぁ、そろそろ切り替えて仕事に戻りましょう」
ギラギラとした目でニヤけるのを抑えているアラミィス先輩が、よし!と小さく握った拳は見なかったフリをして、銭湯に戻ると早速腕を掴まれた。
「くぅーー、夜勤明けの交尾は格別だなぁ!フッ、フッ、おお゛っ!?そこがいいぞッ♡」
バキバキに割れた腹筋に頬の古い切り傷で強張った顔は野性味がある太眉の美人で、よく似合っているショートの癖のある銀髪と耳には銀色のピアスを着けていた。
夢敗れた元アスリートのような、意思の強い瞳は目尻に涙が滲み、喜悦によってもて余したエネルギーを発散する姿は一匹の獣だった。たっぷりと中出しして、これからは息子を溺愛する母親になってほしい。
「ちょっと、本気で言ってん?やめよーて」
「好きにしたらええやん。……あの、ウチら学生なんですけど。ええですか?」
「わぁわぁー、度胸あるわー」
程度の差はあるが言葉に訛りがある学生三人の一人に腕を掴まれて、俺はニッコリと微笑んで「ええですよ」と答えた。
黒髪目隠れロングの白雪肌のスレンダーちゃんに、好奇心旺盛赤毛八重歯っ子と、おっとりグラデーションミントのふかふかちゃん。
キラキラとした一番星のような三人に、未だ癒えない青春コンプレックスを刺激された俺は、いつかの俺が抱いていた欲望を全てぶつけていた。
ムワァ……と匂い立つような、積み重なった尻のタワーからコポコポと穴から溢れて太股を伝う濃厚なザーメン。
懺悔室で己の罪を告白するように、全てを吐き捨てた心は黒い感情が消えてどこか晴れやかだった、アーメン。
「帰ったら友達に自慢しよっ!」
「あーねー」
「しゅきぃ♡ねぇ……チューして、チュー♡」
青春コンプレックスが一番刺激された、目隠れ黒髪ロングちゃんの透明感が眩しくて、つい張り切ってしまった。追加のいちゃラブ交尾の最中に住所を教えてくれたので、いつか会いに行くと流れで約束しながら新品の子宮に今日ニ度目の中出しをするのが、最高に気持ちよかった。
◆
「うっ……このお酒、かなり強いですね」
「でも、鼻腔を抜ける香りがいいでしょう?私のお気に入りなの」
「……えっと、フルーティー?」
「えー、感想が凡ね。やり直し」
琥珀色のお酒をグラスに注がれて、喉の奥から、「ひえぇっ」と情けない悲鳴が漏れる。
お別れ会もたけなわという段になってギアを上げたアラミィス先輩のアルハラ攻撃に、グロッキーの一歩手前まできてお酒を強く断ると、「つまんなーい」と幼稚な調子で言いつつも、あっさりと退いてくれた。
「会計を済ませてくるから待っていて。二次会に行くわよ」
「えっ、まだ飲むつもりなんですか」
「いいから、任せないって」
魔導力の灯りが寝静まる夜を遠ざけた街並みを歩いて仕事での思い出を語り、着飾った二匹の蝶は誘蛾灯に誘われるように、扉の奥へと吸い込まれていく。
「先にシャワー、浴びてくるから」
「あ、はい」
順番で、バスローブ姿のアラミィス先輩と無言のまますれ違って、シャワーを浴びる。
「……何か言いなさいよ」
「凄く、綺麗です」
「……んっ」
はらりとパスローブを脱いだアラミィス先輩の両肩に手を置いて、唇を重ねる。そのまま押し倒して見つめ合い、疑問を口にする。
「いつからですか」
「それはヒミツ。逞しい体をしているのね。いつか胸板に触れてみたかったの」
「くすぐったいですよ」
スキンシップを重ねていき、悪戯で太股にギュッと挟まれたりして、目の前の今日のために整えられたアラミィス先輩のおまんこに舌を這わせ、ピチャピチャと水音を鳴らした。
「先輩とはクレイユで一度、会っていますよね?ずいぶん雰囲気が変わっていて驚きましたよ」
「やだ、気づいていたのっ!?」
「クレイユには魔術学園がありましたし、その菫色の髪は珍しいですから」
オシャレに興味がない学生時代のアラミィス先輩が、お小遣い稼ぎをしていた当時の俺のオナサポを興味本位で受けて天井に届くほど潮を──「忘れなさい」。
「いいですよ。より大人になった思い出で、上書きしましょう」
割れ目に舌を入れてほじり、犬のように舐め回す。丁寧に、丁寧に。
そして迎えた挿入の瞬間、指を絡め合っていたのをほどいて腰に抱き着いたアラミィス先輩が悪戯な笑みを浮かべた。
「私に中出しするまで、離さないからっ♡」
少しだけ、思考が停止する。
「ちょ、それはまずいですよ」
素早く抜き取られたコンドームは床に捨てられ、腰を退こうとして、背中に回った足にホールドされて逃げられない。人間同士での子作りは、異種族との子作りとは意味合いが変わってきて、婚姻を交わした妻とするのが常識だった。
「歳上アラサー女で悪いけど、上玉の若い男なのにホイホイついてきちゃったあんたも悪いのよ?観念しろ~♡孕ませろ~♡」
グニィイッ、と腟内に埋まったチンポの先に子宮口が下りてきて、カウパーが滲んだだけで妊娠しそうな勢いで完堕ちしていた。やってることはかなりクズなのに、凄く楽しそうだ。
「アラミィス先輩は、かわいいですね」
基本種と呼ばれるようになった人間の男の価値がインフレした日を知らない俺は、雄種男として認定されてからは、都合が良すぎる世界だった。
今日日の日本での大卒よりもはるかに価値のある魔術学園卒の経歴を持つ才女が、学生時代は俺のオナサポにハマって生活費を削り、女を磨いて綺麗な大人の女性になって──
「あっあっ腰を振ってくれてるぅ♡着床するまで毎日妊活するんだからっ♡好き好きぃーチュッチュッ♡」
ドピュルルルル!!だちゅん、ピューッ!!
無抵抗種付けプレスを終えて、俺は二人分のグラスに水を注ぎ込むのだった。