※この作品はR-18です。

天使様じゃなくなるとき   作:小松 美堂

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18.天使様の日常

 

◇◇◇

 

カーテンの隙間から差し込む朝日が瞼を刺す。真昼はゆっくりと目を開けた。

見慣れない天井。そしてすぐ隣で規則正しい寝息を立てる卓夫の顔。

なんと、卓夫に腕枕され、彼の胸に顔を埋めて寝ていたのだ……

 

(そうだ……昨日は……)

 

鮮明に蘇る昨夜の記憶。

初めて自分から求めた行為。

快感に溺れてしまった自分。

 

罪悪感と同時に、身体の奥から溢れる充足感がある。

昨日の昼間に感じた渇望感はどこにもなく、体調も良い気すらする……

 

(わたしは、なんてこと……)

 

自らに失望しながらも、身体は正直だった。

ふと見れば乳房には点々と紅いキスマークがあり、太腿の内側には愛液が乾いた跡が残っていた。

 

(やだっ ! 何とかしないと ! )

 

ベッドから抜け出そうと身じろいだ瞬間、卓夫の腕がぎゅっと自分の胸に抱え込む。

 

「……おはよう」

 

掠れた声に見上げると卓夫が微笑んでいた。

その眼差しに昨夜の獣性はなく、ただ穏やかな優しさがある。

正直冴えない顔だが、今朝は嫌悪感を感じない。

 

「おはようございます……」

その顔に安心してか、おはようのキスをしようとする動きを拒否せず受け入れてしまう。

なぜかさほど臭いとも思わない。

 

入り込む舌を迎え入れ、自分からも絡めてしまう。

ムフン、ムフン……ピチャピチャ……

爽やかな朝に似つかわしくない粘膜音が響く。

 

ボーっとしてくる頭に溺れそうな気分を振り払い、唇から逃れる。

 

「今朝は約束の日じゃないけど、朝ごはん……作ろうか?」

 

真昼の提案に卓夫は少し驚いた顔をした後、嬉しそうに頷いた。

 

 

◇◇◇

 

キッチンに立つ真昼の後ろ姿を卓夫は飽きることなく眺めていた。

昨夜と同じ部屋着姿のうなじから覗く白い肌は美しいが、いつもと違う点がある。

点々と残るのは、昨夜の情事の赤い痕跡。

自分がつけたのだ、満足感このうえもない。

 

それを感じながら卓夫はコーヒーを淹れる。

 

「今朝は和食です。コーヒーには合わないですよ?」

振り向いた真昼の頬が紅い。

 

「全然気にしないよ」

香ばしい匂いが部屋に広がる。

 

テーブルに並んだ味噌汁とご飯など。向かい合って座る二人。

共にくつろいだ格好で、まるで朝の恋人同士のような光景だ。

 

「おいしい」

一口食べて卓夫が呟く。本当に美味しいと思った。

味噌汁は具だくさんでほっこりする。

 

「……当然です」

真昼は澄まして答えるが箸を握る手が微かに震えている。

 

(私は何をしているのだろう……)

周くんのことを思い出せば胸が痛む。

 

それでも、今朝はなぜかこの空間が心地よい。

「洗濯物溜まってますね」

何気なく言った言葉に真昼自身が驚いた。

まるで、彼女が泊まった日のカップルのような台詞だ。

 

「うん、頼める?」

卓夫は意図的ではなく自然にそう頼んだ。

真昼は返事の代わりに立ち上がって浴室に向かった。

 

◇◇◇

 

洗濯機を回しながら真昼は鏡に映る自分を見つめた。首筋に残るキスマーク。

鏡に写る自分の唇が微かに腫れていることに気づく。

 

卓夫とキスのし過ぎだ……

(私……昨日…… これ、バレないように消さないと……)

 

昨夜の自分を思い出して赤面する。

あんな淫らな言葉を口にしたことが信じられない。

 

(でも……気持ちよかった)

素直に認めた途端に膣内が疼いた。愛液が滲み出す感覚がある。

 

(ダメ……こんな時間に……)

慌てて布巾で拭うと洗面台を出て居間に戻った。

 

◇◇◇

 

まだ今朝は、自室に戻り制服に変えなければならないので慌ただしい。

洗濯もしたので時間がない。

 

出がけに

「今日は……どうしましょう?」

つい尋ねてしまう。

 

(そのまま出ればいいのに、どうかしてる、わたし)

そう思いながらも、「どうせ……スルンデショ」と小さく呟く。

 

「そうだな……」

 

卓夫は真昼の肩に手を置いた。温かい掌の感触に真昼の鼓動が速まる。

 

「今日は学校でしっかり勉強してきて。放課後は周くんと過ごしなよ」

予想外の答えに真昼は目を丸くした。

 

「え……?」

「真昼と周くんを別れさせたいわけじゃない。彼との時間も大切にしないとね。

 その代わり、明日金曜の夜は……いいね」

 

学校の休みの前の日という事実に、真昼はドキリとし、胸が俄かに昂る。

「はい……」

「じゃあ、急がないとね」

 

真昼は、何の脅しもなく卓夫とセックスの約束をするという大きな一歩をここで踏み出した。

その事実に気づかぬまま自室に戻って行った。

どんどん抜け出せない沼に嵌まっていく真昼。

 

卓夫は、最初からここまで企んでいたわけではないが、

 

「へへ、『別れさせたいわけじゃない』とはよく言ったもんだ。

 別なオトコと身体を交わし続ければ、

 人の心は移ろい安く、いつの間にか別れることもある。

 なーんて純真な真昼ちゃんは思いもしないんだろーなー」

 

と、独り言を呟いてにんまりと笑った。

 

◇◇◇

 

それから二週間が過ぎた。

 

朝のルーティンはすっかり習慣となった。

毎週月曜と水曜・金曜の朝は早起きして卓夫の部屋へ向かう。

周に気づかれないようそっと部屋を出て、預かっている鍵を使って入る際の高鳴る鼓動。

すべてが日常化した。

 

「おはようございます」

 

「おはよう」

 

必ず卓夫が寄って来てするおはようのキスを軽く交わして、

テキパキと朝食を準備していく。

 

メニューは、和食と洋食の交互と決まってきた。

今朝は洋食なので、真昼の傍らで、卓夫はコーヒーを淹れる。

 

真昼は制服姿で食卓につく。

ブレザーにリボンタイ。スカートは膝丈で清楚さを保っている。

卓夫はワイシャツ姿でコーヒーを啜る。

 

「今日の授業は何?」

「数学と英語とか。テスト範囲が発表されます」

「うわぁ、テストか。真昼ちゃん成績いいんでしょ?」

「普通に予習復習してれば、そこそこには」

「真面目だなぁ」

「来年は受験生ですから」

「受験か、懐かしいな」

 

当たり障りのない会話が続く。

周の話題は避けるのが暗黙の了解だった。

 

食事が終わると卓夫が真昼を抱き寄せる。

彼女の髪に顔を埋めて深呼吸する。

今朝は少し時間に余裕がある。

暗黙の了解が始まる。

 

「いい匂い」

「やめてください」

言葉とは裏腹に真昼は抵抗しない。

むしろ甘い吐息を漏らす。

 

キスが深くなる。舌が絡み合い唾液の音が響く。

卓夫の手が腰に回り制服越しに撫で上げる。

スカートの中に侵入して太腿を這う指先。

 

「んっ……」

真昼の背中がしなる。

 

シャツのボタンが外されブラのホックが外される。

露出した乳房に卓夫の唇が触れる。

「あっ……」

敏感な先端を舌先で転がされる度に電流が走る。

 

卓夫の手が下腹部に伸びる。ショーツ越しに割れ目をなぞると湿った感触。

「もう濡れてる」

「言わないで……」

 

羞恥に頬を染めながらも真昼は腰を揺らしてしまう。

「じゃあ、すぐ脱がないと着て行けなくなっちゃうね」

 

ショーツを脱がされベッドに押し倒される。

脚を開かされ秘所を晒す格好になる。

卓夫の視線が舐めるように這う。

 

「綺麗だよ」

「いやっ……」

秘唇が開かれ膣口が露わになる。すでに愛液で濡れ光っている。

 

卓夫が、その蜜に舌を這わせ、飲み干すよう舌を動かして膣内から掻き出す。

飲みながら、ちゅっと小陰唇ごと吸う。

「あぅんっ……」

 

更に舌をその上のピンと尖り切って待ち受けるクリトリスにも向ける。

「ひぁっ……」

 

この小生意気な尖りが可愛くてたまらない卓夫は、しかしそっと優しく、

ぐりぐりと舌で愛撫する。

「あっ、あっ、あっ、いゃあん……」

 

朝なので、真昼を早めに追い込む。

 

続けて卓夫の指が膣内に挿入される。

十分に濡れそぼっているので、スムーズに入り込む。

すぐにGスポットを探り当て小刻みに擦る。

 

「ああっ!」

真昼の腰が跳ね上がる。だいぶ開発されてきた。

 

「ここが感じるでしょ?」

「うん……」

恥じらいながらも素直に答えるようになった自分に驚く真昼。

 

 

 

いつの間にかコンドームをつけた卓夫のペニスが宛がわれる。

亀頭が入り口を押し広げる感触。

 

「ゆっくり入れるよ」

「うん……」

じわじわと挿入されると真昼の膣壁が歓迎するように締め付ける。

 

「ああっ……入ってくる……」

ゆっくりとした抽挿が始まる。

 

深いストロークで子宮口を押し上げられる感覚に真昼は身悶える。

「そこ……気持ちいい……」

つい口にしてしまう。

 

言葉にすることで快感が倍増することを知ってから抑えられなくなっていた。

「このままゆっくりなのと、速くするのと、今朝はどっちがいい ?」

じっさいに緩い抜き差しと、速いピストンを繰り返して尋ねる。

 

「あぁんっ……は、速くして……が、学校だから……」

 

「天使様のご要望のままに……」

 

ピストンが速くなる。

パンッパンッという音と共に肌と肌がぶつかる。

卓夫の荒い息遣いと真昼の嬌声が部屋に響く。

 

「あっあっあっ……!」

絶頂が近づいている。

膣内が痙攣し始める。

子宮口をノックされる度に下腹部が疼く。

「あんっ……わたし、わたし……イクッ……!」

 

膣内が激しく収縮し卓夫のペニスを締め付ける。

同時に真昼は背中を大きく仰け反らせた。

卓夫の朝から早くも汗臭い身体を、ぎゅっと抱きしめて絶頂を伝える。

 

深く高く持ち上げられ、意識が遠のく。

 

「くっ……出る……!」

卓夫も限界を迎え内部に放出する。

 

ゴム越しでもわかる温かい液体が子宮口に叩きつけられる感覚に、真昼は再び小さな絶頂を迎えた。

 

卓夫の唇が寄せられると、真昼は口を開き舌を自ら寄せて、深いキスを交わし、満足した気持ちを伝える。

 

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