※この作品はR-18です。

天使様じゃなくなるとき   作:小松 美堂

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20.天使様のお城

 

◇◇◇

 

クルマは煌々と光を放つ西洋のお城を模したような建物の駐車場に入って行った。

「ここは……? アミューズメント施設 ? 」

「ハハッ、確かにこんなお城があるランドあるよね。

 ラブホテルだよ」

 

真昼の瞳が不安と期待で揺れる。

これまでのマンションの部屋でだけの関係から、今夜は更に超えた一歩になる。

 

「嫌?」

「……」

 

(ここに入るということは、「エッチだけが目的のホテル」に自分の承知の上で入ることになるわ。

さっきは、流されてエッチしちゃったけれど……これ以上は……本当に周くんを完全に裏切ることになる……)

 

沈黙が肯定を意味することを卓夫は知っている。

「さあ、入ろうか」

真昼の腰に手をやり、ホテルに向かって歩き出す。

 

(裏切るって……周くんと一回もエッチもしないまま、この人とは何回も……

これまで幾らでも強く拒否するチャンスはあったはずよ……

なのに、のこのこドライブにもついてきて、さっきはエッチまでして……

もう、今更ね。)

 

心の中で葛藤しながらも、真昼の歩みは止まらない。

本当は、自分がさっきのエッチ一回では物足りず、この後に期待していることを十分に理解しているのだ。

ただ、罪悪感から言い訳を探して、自問自答してみせているだけだ。

 

ホテルに入ると、

入口で部屋の選択をする卓夫を見つめる真昼。

 

(こんな風に部屋を自分で決めるんだ……)

 

エレベーターで選択した部屋へ向かう。

 

ドアが閉まると同時に、狭い空間で卓夫が真昼を壁際に押しやる。

無言でキスが始まる。

同時に手が胸に伸びる。

 

「やっ……人が乗ってくるぅ……」

「みんな、そういう目的だから大丈夫」

「あんっ、恥ずかしい……」

 

抗議の声も熱烈なキスに飲み込まれる。

深いキスでくらくらさせられ、

先ほどのセックスからずっとか、秘部からの愛液が溢れていることを卓夫に指摘されてしまう。

 

「なぁんだ、真昼ちゃんもすっかり期待してるじゃん、やっぱり」

「誰のせいよぉ……」

真昼は上気した頬を赤らめて、ぎゅっと秘部にあてられている卓夫の手をつねる。

しかし、その眼はすっかり発情した雌のものに見える。

 

◇◇◇

 

部屋に入ると、有無を言わせず卓夫が真昼を抱き上げベッドへ運ぶ。

「そんな……急に……」

 

エレベーターの中での真昼の表情にヤられた卓夫は、答えずに一刻も早くと動く。

驚く真昼の服が一枚一枚剥ぎ取られていく。白い肌が照明に照らされる。

 

「綺麗だ。今日も本当に美しい」

卓夫の吐息が首筋にかかる。

ぞくぞくとした感覚が全身を駆け巡る。

 

卓夫の指が再び真昼の秘所を探る。

さっきの行為とエレベーターの余韻で充分な潤いに満ちている。

「どんどん濡れてくるね」

「言わないで……」

羞恥に頬を染めながらも真昼の腰が自然と浮き、愛液にまみれたショーツを脱がせるのに協力する。

 

そこからは、一刻も早く繋がりたいもどかしさに、お互い脱がせ合って裸になると、抱きしめ合い、秘部に手を伸ばし合う。

 

真昼も、ドライブ中の行為で麻痺しているのか、いつのに間にか自分からペニスを握り、

上下に軽く動かして愛撫する。

 

卓夫は、指先でGスポットを刺激すると同時に乳首を転がす。

 

「ああっ……それだめぇ……」

「嘘つきだなぁ。もっとしてほしそうな顔してる」

 

指の動きが速くなる。真昼の嬌声が部屋に響く。

「やんやんやん……そんな急に……あっあっ……」

 

膣内が収縮し、早くも絶頂が近づく。

ペニスをぎゅっと握りしめ、擦るスピードも上がる。

まるで、それが欲しいと懇願するように。

 

「ちょっと待って」

指が引き抜かれる。

 

もうすぐイケそうなのに、焦らされた真昼が不満げな視線を向ける。

心なしかほっぺも膨らませて見える。

 

「そんな顔しないで」

笑いながら卓夫がペニスにゴムを装着すると宛がう。

 

先ほどまでの激しい動きとは違いゆっくりと挿入される。

真っ白な真昼の肌と淡い柔毛に、どす黒い欲棒と黒々とした陰毛の対比が、

より淫靡さを醸し出す。

 

お互い、それが入り、やがてひとつになって行くところを、凝視してしまう。

 

「すっごくいやらしいね」

「んっ……入ってくる……」

「僕たち、また今からセックスするんだよ。クラスの優等生なのにね」

「やぁん。言わないで……今はいいの」

余裕のない真昼は、もうすっかり卓夫のモノを受け入れる。

 

そして、完全に結合を果たすと、卓夫はぎゅうと真昼を抱きしめ、

真昼も迎え入れるように抱き着き、すっかり密着する。

どちらともなく唇を合わせ、舌と舌での結びつきも深める。

 

そして、深いストロークで子宮口を押し上げられる感覚に、真昼は背中を反らせる。

きゅーん、挿入れただけで背筋にゾクゾクした快感が走る。

 

唇を外して見つめ合うふたり。

「また、入っちゃったね」

「ん……」

「入るところじっーと見てたね」

「し、知らない」

「はやくはやくと思ってたでしょ」

「……」

紅くした顔をそむける真昼。

 

「でも、膣内(なか)……気持ちいいでしょ?」

「うん……すごく……」

素直に答える真昼。

 

二人の間にあった垣根が徐々に溶けていく。

真昼も卓夫との関係をもはや認め始めたかのように。

 

卓夫が真昼の感じるポイントを学習してきているように、真昼も卓夫のペニスの形を何となく覚えてしまい、

こうして挿入されても、違和感というより「あぁ、またこんな感じ」と何だか隙間にフィットするように嵌まった感覚さえしてしまう。

 

張り出したカリが、入って来るにつれ壁を引っかくのが堪らない。

膣内のひだひだが刺激される。

実は、それが卓夫にも素晴らしい快感を与えていることを、真昼が理解しているわけではないが。

 

そして、奥まで挿入され、汗臭く脂肪でだぶついた身体にぎゅっと抱きしめられても嫌悪感はあまりない。汗でべとついているのに。

 

そんなことを気にするひまもなく、卓夫が真昼の両足を、自分の腰に回させる。

真昼がすっかり卓夫に抱き着いた形だ。

これだと、更に彼と一体化してしまった気さえする。

 

「ほら、こうすると僕らがすっかりひとつに固まって溶け合った気がしてくるでしょ」

「そんなこと……」

 

自分が感じたことをそのまま口にされて、真昼は口ごもる。

 

「ずーっとこうしていたいね」

(あぁ、本当に。何だか気持ちイイ。相手が周くんじゃないのに、どうして……)

 

ディープキスを交わして、上も下もつながった形で、ゆさゆさと卓夫が腰を使いはじめる。

真昼の頭は霞み、お腹が空いているのに、暫くお預けされていたご飯にありついたかのように存分に卓夫のペニスを味わう。

 

(これ、すごい……こんなにセックスが凄いなんて、このヒトとする度に思い知らされるけど、何だか今日は一段と)

 

真昼が味わうと、きゅんと膣道が締まり、卓夫の欲棒を食い締める。

「おぅ、真昼ちゃん。締め付けすごいよ」

「しらない……」

 

 

ピストンが速くなる。

ベッドが軋む音と真昼の喘ぎ声が混ざり合う。

真昼は、シーツをぎゅっと握りしめる。

 

「ああっ……もうっ、またイクッ……!」

膣内が激しく収縮する瞬間と同時に卓夫も放出する。

 

◇◇◇

 

シャワーを浴び終えた真昼がバスローブ姿でベッドに戻る。

卓夫が隣で煙草を吸っている。

 

「一本あげようか?」

「結構です」

 

もちろん断る真昼。

タバコの匂いが苦手だとは伝えている。

 

「知ってるよ。でも、最近タバコの匂い、そんなに嫌でもないでしょ」

 

卓夫の言葉に真昼は唇を噛む。

確かに、以前ほどの嫌悪感を感じない。

 

卓夫が匂わないよう気を使ってくれているのかと思ったが、

どうやら今日の様子を見ても、タバコを自重しているわけでもなく、

自分が慣れてきているのだと痛感する。

自分のことをよく観察しているのが、何だか悔しい。

 

 

◇◇◇

 

ふぅとそのままベッドに腰掛ける真昼。

部屋の空調の流れが火照った肌に心地よい。

 

「疲れた?」

「……少し」

素直に答える真昼。

 

連続したセックスで体力が消耗していることは確かだ。

だがそれ以上に心が揺れている。

 

卓夫が灰皿に煙草を押し付ける。

消えた紫煙の代わりに彼の視線が真昼の姿を舐める。

裸にバスローブをまとった姿は新鮮で、

セックスで火照った顔や肌が煽情的で艶めかしい。

 

「でも、まだ大丈夫だろ、若いし……僕は若くないけど、真昼相手なら元気元気だ。

もう一回」

言葉より雄弁な行動で真昼をベッドに押し倒す。

 

◇◇◇

 

ひと通り、キスと相互愛撫したところで、

後背位への移行を示唆する卓夫の手つきに真昼が逡巡する。

「後ろから……?」

「そう」

四つん這いになるよう促される真昼。

 

「こんな格好……」

「動物みたい?」

「えっ、やっ、そんな……」

「犬や猫はこういう形でスルよね。交尾だよ」

「し、知りませんっ」

「知ってるくせに。さあ、交尾するぞ」

 

真昼は恥ずかしさに身を縮めるが、なぜか命令には従ってしまう。

「交尾」という言葉を聞いて、ゾクゾクしてしまう……

 

◇◇◇

 

真っ白な真昼の背中が露わになる。

シミ一つない完璧な肌理に卓夫は息を呑む。

「綺麗だ……」

まじまじと見つめ、思わず漏れる賞賛。

あらためてじっくり眺める背中、骨盤から臀部への緩やかな曲線が芸術的だ。

 

真昼のやや小ぶりだが形の良いお尻は特筆すべき美しさだった。

白く華奢な身体なので、やや肉付きは少ないものの、それが故に輝くような魅力を放っている。

(頬ずりしたくなる……)

実際に顔を埋めて弾力を堪能する卓夫。

柔らかな感触が肌を刺激する。

 

 

真昼の真っ白な背中を見つめながら卓夫は頬ずりする。

すべすべとした肌の質感が心地よい。

そのうち下半身に手を伸ばし、形の良い尻肉を揉みしだき始めた。

 

「ひゃっ……!」

突然の接触に真昼の背中が仰け反る。だがすぐに制止の声を上げる。

「ねえ……何してるの?」

強めの声音とは裏腹に、彼女の声には僅かな震えが混じっていた。

期待と不安が入り混じったような微妙なニュアンス。

 

「んー?真昼ちゃんのお尻があまりにも可愛くて、つい……」

卓夫はわざとらしく首を傾げながら言い訳する。

真昼の反応を楽しむように尻肉を弄び続ける。

「ずっと触っていたくなるなぁ」

 

「もう……! そんなことしてないで……」

真昼の言葉が途中で詰まる。

 

喉まで出かかった「早く入れて」という、とんでもなくはしたない言葉を喉元で止めたのだ。

(わたし、いまなにを……)

しかし下半身は正直だ。

蜜壺からは既に愛液が溢れ出し、シーツに染みを作っている。

 

「ふーん?何かな?」

卓夫は挑発するように耳元で囁く。

彼の指先が尻の谷間を伝って秘裂へと伸びていく。

 

「言わないと分からないよ?」

「もう!知らない!」

 

とうとう堪忍袋の緒が切れたのか、真昼はぷいとそっぽを向く。

その瞳には怒りと共に明らかな不満の色が浮かんでいる。

 

「せっかく……気持ち良かったのに……どうして意地悪するの?」

 

「ごめんごめん」

卓夫は苦笑しながら謝罪する。

真昼の怒りを受け止めつつも、内心では喜びを噛みしめていた。

 

(こんな風に感情を剥き出しにする真昼ちゃんも可愛いなぁ……うれしいよ)

 

「いいから……その……」

真昼の声が小さくなっていく。彼女自身も自分が何を求めているのか理解している。

ただ羞恥心が邪魔をしているだけなのだ。

その態度が余計に卓夫を煽る。

 

「そうだね」

卓夫は満足げに微笑むと、ゆっくりと真昼の腰を持ち上げる。

「じゃあ……交尾するよ?」

 

「うん……」

真昼は小さく頷く。

彼女の身体が既に準備万端であることを示すように、膣口が開き、蜜が満ちている。

しかも、白っぽいものが混じる本気汁と言われるものだ。

 

そこに卓夫の硬くなったペニスの先端が触れる。

くちゅりと亀頭が早速入り込む。

 

「あっ……」

その感触に真昼は小さく呻いた。待ち望んでいたものが来る予感に、身体が緊張と期待で震える。

 

先端部分だけで、出し入れをくり返すと蜜液があふれ出す。

くちゅくちゅくちゅ、悩ましい水音が響く。

期待していたものが、なかなか与えられない真昼は、悩ましく腰を振り、引き戻される肉棒を追いかけるように前後に揺らす。

 

「うんっ……もぉ……早くぅ……もっと……」

ついに、真昼の口から完全な挿入を求める言葉が零れた……

 

(よしっ、とうとう……)卓夫は内心ガッツポーズを撮りながら

 

「いくよ」

 

卓夫が宣言すると同時に、

 

ズブッ!

 

一気に奥まで貫いた。

 

「あんっ!!」

強烈な快感が真昼を襲う。身体全体が弓のようにしなり、背中の筋肉が盛り上がる。

「あっ……ああっ……!」

 

「大丈夫?」

卓夫が優しく問いかける。しかしその目は興奮で輝いている。

 

「一気に入れたら痛くなかった?」

「だ……大丈夫……」

 

真昼は絶え絶えの声で答える。

全く違和感はなく、それどころか満たされる感覚の方が大きかった。

(ようやく……また帰ってきてくれた……)

 

自然と、満足の笑みが浮かぶ。

(……えっ、帰ってって……わたし……このヒトに入れられるのが普通になってる……)

 

「そうか……良かった」

卓夫はほっとしたように息をつく。

しかし次の瞬間には別の質問を投げかけていた。

「で?真昼ちゃんは俺に何をもっと早くして欲しかったの?」

 

「え……?」

真昼は混乱した顔で振り返る。

その顔には戸惑いと羞恥と……ほんの少しの期待が混ざっていた。

 

「だって…………」

「言ってくれないと分からないよ?」

卓夫は意地悪く笑う。

 

真昼の耳元に口を寄せ、甘く囁く。

「教えてくれる?真昼ちゃんが……何を求めていたのかを」

 

真昼の頬がさらに赤く染まる。

悔しさと恥ずかしさで言葉が出ない。

しかし身体は正直だった。膣壁がきゅっと収縮し、卓夫のものを強く締め付ける。

 

「ああ……真昼ちゃん……」

卓夫が熱い吐息を漏らす。たまらず彼の腰が動き始める。

最初はゆっくりと……次第にリズミカルに。

 

と、そのリズムが止まる。

「ほら、ちゃんと言ってくれないとわからないから、やめちゃうよ」

「うぅ……卓夫さんってほんといじわるぅ……」

 

その怒ったような懇願するような愛らしい表情をもっと見たくなる。

「さあ、教えてごらん」

ゆっくりとペニスを前後させて焦らす。

 

卓夫のここまでの徹底的な焦らしに、真昼の心は千々に乱れる。

ようやくご飯にありついたはずなのに、突然取り上げられたようなものだ。

 

 

(ひどいひと、どうしてもわたしにいやらしい言葉を言わせたいんだ……

口にしたら、益々わたしは……

ああでも、もう……だめ)

 

「あんっ……もぉ、はやく交尾して欲しかった !! 後ろから入れてほしかったの !!

もぉ、これでいいでしょ、知らないっ ! ……」

 

真昼はすねて、ベッドから抜け出そうと腕で身体を前に動かす。

 

が、卓夫はその肩を抑えつけ

「よくできました。エッチな真昼にご褒美だ。

さあ、お待ちかねの交尾の時間だよ」

勢いよく、腰を動かしはじめる。

 

パチュン……パチュン……パチュン……パンパンパン……

 

勢いよく、卓夫の腰が真昼の美しいヒップとぶつかり合う。

肌と肌が醸す音が部屋に鳴り響く。

その音に合わせて真昼の口からも嬌声が漏れ始めた。

 

「あっ……あんっ……あっ……」

(あぁ、やっと……もお……)

禁断の言葉まで口にしてしまった真昼の心は、どこまでも堕ちていく……

 

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