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真昼の頭を優しく撫でていても、周の心は千々に乱れていた。
(ひゃあ……ギリギリ、ギリギリだった。このお泊りでの真昼の破壊力はすさまじいよ。
これで手を出せないなんて、拷問だ……よく耐えたよ、俺。)
(最近の真昼は、可愛いよりも色っぽいことが増えてるし、ゆうべの黒ビキニときたら……破壊力あり過ぎて、あんまり凝視できなかったけど、
なんなの、あの柔らかそうな胸と腰のくびれは……華奢なのに、なんかどんどん出るべきところは出て、引っ込むところは引っ込んできてるような……)
(夏のプールの水着姿より、もつとドキドキしたし、多分成長してるよ……
もう、絶対あの黒ビキニは、プールや海で着用禁止だ。独り占めしたい。)
(ハァ……しかし今だって、この可愛らしく身体を預けてくれている真昼を強く抱きしめたい、おっぱいの柔らかさを堪能したい。
めちゃめちゃにしてしまいたいよ……)
(真昼の苦手なお腹まわりをさすったり、耳をかわいがったり、背筋をすりすりとかして、乱れさせたい……
そして、それから、それから……)
(でも、んなことしたら、目に涙を一杯に浮かべて「信じてたのに」とか言われちゃうんだろーなー……天然に過ぎるよ、まったく)
(いつだったら、手を出していいのかな……やっぱり高校卒業してから?
卒業式くらいになったらワンチャン?
でもそれって、まだ一年以上先なのか……辛すぎる。)
真昼の想いとは裏腹に、周も心の中では見悶えしまくっているのでした。
◇◇◇
一方の真昼は、
よく考えれば、実際に周くんとエッチしてしまったとしたら、乱れない自信がない。
うれしくて、未経験とはほど遠い反応をしてしまいそうで、そうなったら全てを見透かされてしまいそう。
そう考えれば、「やっぱりしなくて良かった」と真昼は思うことにした。
たとえお泊りしても、こんなエッチしない関係は、いつまで続くのだろうか。
続けられるのかと、どうしても考えてしまう。
一応、将来の予行演習という建て前なのだから、「いつか」は来るはずだ。
その時、自分の心と身体はどうなっているのだろうか……
ずっと側にいたい大切な人。藤宮周くんという存在。
彼がいればよかった。彼さえいればよかった。
それなのに
どうしていつの間にか、彼の他に犯罪者のことが頭に浮かんでしまうんだろう。
好きでも何でもない。わたしの身体を弄ぶだけのヒト。
真昼は、そんなことを考えながら、いつの間にか恋しい人に抱かれながら眠りに落ちた。
◇◇◇
◇◇◇
その藤宮周の部屋でのお泊りは、金曜の夜だった。
従って、卓夫とのルーティーンは必然的にお休みとなったいた。
翌日土曜も、そのままなし崩しに真昼は周とイチャコラして過ごした。
卓夫にはメッセージで事情を、随時伝えていたものの、もちろん激怒していた。
激怒というよりは、むくれていたという方が近いかもしれない。
何の権利もないのに、わたしたち二人の仲が進展したのが気に食わないようだ。
お風呂は水着で、ホントにただ一緒のベッドで眠っただけなのに。
そもそも、わたしが付き合ってるのは周くんであり、
彼はただのレイパーに過ぎないのに。
それなのに、わたしの方も、メッセでなぜか謝ってしまっていた。
更にわたしは、ひどい言葉を告げた。
「その、日曜日もデートですから」
いや、これまでの土日の周くんとの行動は、自由だったしデートもしていた。
わざわざここで、それを言う必要も全くない。
なのに、むくれている卓夫の雰囲気に気おされて、ついその予定も話してしまった。
金曜日をキャンセルした代わりに日曜日の昼間の時間を要求されるのを恐れて、
先回りしたというのもある。
だが、それは悪手だった。
「ふーん。仲良しだねぇ」
「それは……付き合ってますから」
「そうだよねぇ。じゃあ彼女もいない僕の勉強ために、どんなデートコースを予定しているのか、教えてよ」
「えっ……(まあ、そのくらいなら)……わかりました」
翌日のデートの大まかな予定を伝えた。
今回はエンタメスポーツ施設のR-1に行くのだ。
むくれたままなのか、既読がついただけで卓夫の返信はなかった。
真昼は、ホッとして明日の周くんとのデートに想いを馳せて、忌まわしい男のことは忘れることにした。
生殺しのような周くんちでのお泊り、翌日も何もなかった真昼の身体は、
なぜか卓夫とのやり取りで、火照りを感じてしまったが、
デートの前なのに、自慰行為をしたら確実の卓夫との交わりを思い出してしまうので、我慢して眠りについた。
◇◇◇
◇◇◇
「はぁ〜楽しかったね♪」
R-1で最初にプレイしたボウリングを終えた周と真昼。
汗ばんだ額に白いハンカチを当てながら真昼が微笑む。
周も釣られて笑顔になる。
「うーん。まさか真昼が1ゲームで200越えとは……」
「ふふん♪ これでお願い1つ聞いてもらえる約束だからね?」
周は困惑した表情を浮かべつつも、「まいったな」と苦笑する。
その優しい横顔を見つめながら真昼は幸せを感じていた――が。
(……スマホが…………)
バッグの中のスマホにメッセージ通知があった。
送信者は卓夫だった。
『休憩室Bのトイレ前』
ただそれだけの短い指示に真昼の心臓が跳ねる。
実は、メッセはボーリング中にも届いていたのを無視していた。
これで三回目だ。
(昨日教えてしまったから、ここに来ているの? 最悪……)
「真昼?どうしたの?」
「あっ……ごめんなさい。ちょっとお手洗いに行ってきますね」
「うん。そこのベンチで待ってるよ」
周から離れて指定された場所へ急ぐ。
そこには見慣れないお洒落眼鏡の男が待っていた。
よく見ると卓夫だ。
無言で手招きされるままトイレ脇の死角へ導かれる。
今日の卓夫は見た事の無いスーツ姿で、眼鏡もお洒落眼鏡で印象が全然違う。
少し見ただけでは誰かわからない。
恐らく変装ということなのだろう。
「どうして……ここに……?」
「真昼ちゃんに会いたくてね。あんな楽しそうなデートの邪魔してごめんね?」
言葉とは裏腹に彼の目は笑っていない。
「……昨日言ったもん」
「そうだね。だけど、真昼ちゃんは僕との金曜の約束破ったよね?」
「それは……謝りました」
そう囁きながら卓夫の手が真昼の顎を捉える。
「やめ……!」
制止の言葉は唇で封じられた。
舌をねじ込まれ口腔を蹂躙される。
周とは経験できない濃密なキスが始まり、真昼の膝が震える。
可愛らしい真昼の舌が捕らえられ、たっぷりの唾と共に返される。
卓夫の舌が入り込み、ゴクリと呑ませられる。
何回か繰り返されると、真昼は陶然としてしまう。
同時に、胸に手を這わされ、的確に乳首を見つけられて、カリカリと擦られる。
「はふぅん……カリカリだめぇ」
カリカリカリ……
すっかり充血して勃起した乳首が、服の上からでもうっすらとわかるほどだ。
そこをぐりぐりされながら
「今日は暇だから、真昼ちゃんたちのデートを見学して、勉強させてもらうよ」
「そんな……」
「いいよね」
ぎゅっと乳首を摘ままれる。
ピリピリ、脳天に甘い衝撃が走る。
「はぃ……」
「おっと、周くんを待たせてるね」
唐突に卓夫は切り上げる。
急に放り出されて戸惑う真昼は、頭を振りトイレに駆け込む
◇◇◇
次はUFOキャッチャーでぬいぐるみに挑戦だ。
ボーリングの罰ゲームとして、真昼に指定されたクマのぬいぐるみを、周がガラス越しに
必死で操作して狙う。
その横で、真昼は心ここにあらず。
さっきのキスと乳首責めの余韻が全身を甘く痺れさせている。
「うーんダメだ……なかなか難しい」
「もぉっ、じゃあ次は私がやってみる!」
その気持ちを振り払うために、真昼は空元気で呼びかける。
意気揚々とトライすると見せてコインを入れた真昼だが、実際には指先が震えて操作を正確にできない。
あっさり三回失敗すると、周がやっぱり僕がと交代する。
「やっぱ俺の罰ゲームだからさ、応援してて」
と言われてぷぅと頬を膨らませる真昼は、反対側に回る。
ところが、なんとそこにはお洒落眼鏡の男がいた。
大型のクレーンゲーム設備ということもあり、よく見えなかったのだ。
反射光もあって、周から見えにくい死角に、自ら入り込んでしまった。
ただでさえ、周はぬいぐるみに集中しているというのに。
「ねぇ……」
囁く声と共に腰に腕が回される。
やんわりと、太ももからはじめて、真昼の可愛らしいヒップをスカート越しに触る。
必死に周を見つめている真昼の耳に息を吹きかけ、甘噛みする。
「んっ……」
「あいつのゲーム見てるふりしててよ」
耳穴に舌が差し込まれる。真昼の膝ががくがくと震える。
「いやぁ……やめてぇ……」
スカートに侵入した手が、真昼のショーツに包まれた小ぶりなヒップを撫でまわす。
時折、ぎゅっと強く掴む。
「ひっ……」
涙目で卓夫を恨めし気に見上げても、素知らぬ顔で、クレーンの行方を追っている。
近寄らなければ、はた目には、その不埒な振舞いは、わからない。
暫くお尻を楽しんだ手だけを動かし、今度はショーツの上から指を侵入させる。
そして、すでに蜜で潤いはじめた花園を探られる。
「おっ、ほら……すごいことになってるよ?」
クチュクチュと水音が聞こえるほど掻き回される。
「あっ……やだぁ……」
心地よさに、周がよく見えなくなった。
クリトリスも、すぐに探し当てられ、蜜で濡らした指で何度も、ぬるぬると転がされる。
「やっ……だめぇ……」
たちまち、上りつめはじめる真昼。
と、そのとき
周が「よしっ、取れた!」と歓声を上げる。
同時に卓夫の指が抜かれる。
「おっと、周くんから勇姿を見ててって言われてたのに。見てたかな?」
と憎まれ口をたたき、にやつきながら離れる卓夫。
真昼はふらつく足で周の元へ戻る。
「わぁ、さすがですね」
「ありがとう、真昼の応援のおかげだよ」
受け取ったクマのぬいぐるみを渡される。
周の無垢な笑顔に心が痛む。
(ごめんね……さっきまで違うことで頭がいっぱいで……ちゃんと見てなかったの)
ぎゅっとクマを抱きしめて心の中で謝る真昼だった。