※この作品はR-18です。

天使様じゃなくなるとき   作:小松 美堂

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37.天使様じゃなくなるとき

 

◇◇◇

◇◇◇

 

 

真昼はプロポーズを断った。

 

 

「どうして、なぜ」と狼狽える周くんに、真昼は全ての心情を告げた。

 

 

理解してもらえなかった。

 

 

「そんなこと気にするなんて、考えすぎだよ」

 

「真昼は、真面目すぎるんだ。もっと気楽に考えよう」

 

「うちで、いつも楽しそうに過ごしていたじゃないか」

 

「子育ては、一緒に考えれば大丈夫だろ」

 

「うちの両親、特に母はがっかりするなんてもんじゃないよ」

 

「俺の事が嫌いになったのか?」

 

「直すところはどこだ、言ってくれ !!」

 

「ほかに男ができたのか !! 誰だ、教えろよ !! 」

 

「……もっ、もう一度考え直してくれ。 少し時間をおこう……」

 

色々と、反論・説得めいたことを言ってくれたけれど、全く心に響かなかった。

 

むしろ、

 

「ああやっぱりズレていたんだ、お互い結婚する前でよかったじゃない」

 

としか思えなかった。

 

やっぱり、幸せな子供生活を送った人には、こんなねじれたわたしの気持ちなんて理解されないんだと確認できてしまった。

 

 

それだけはよかったと思う。

 

◇◇◇

◇◇◇

 

同棲を解消して、ひとり暮らしを始めた。

 

同じ大学でなくてよかった。

 

ううん、もしかしたら、こうなる可能性も予測して自分は大学を決めていた気がする。

今にして思えば。

 

そして、区切りのついたわたしは、人探しを始めた。

 

 

「絶対ダメと心の奥底に閉じ込めていた人探しを」

 

 

 

◇◇◇

◇◇◇

 

 

スーパーでかがみこんで品並べをしている店員に声がかかる。

 

 

「すみません、クリスマスケーキって、もう売ってますか?」

 

「いやあ、ちょっと早すぎるね。」

 

「そうですか……ミニスカサンタの衣装はないですかねぇ」

 

「コスプレ衣装はないなあ。そういうのは、〇ンキとか行かないと」

 

 

一生懸命商品を並べる男は、おかしな問い合わせにも律儀に答える。

 

「じゃあ……性欲おばけって知らないですか?」

 

「怪談はちょっと……えっ?」

 

「あっ、いたっ !!」

 

傍らのワゴンに頭をぶつける中年男。

 

 

「だ、大丈夫ですか? 性欲おばけさん」

 

「だから……………」

 

 

頭をさすりながら見上げた男の前に

中年男を心配げに覗き込んでいるのは、亜麻色の長い髪も美しく、ぱっちりとした瞳も同じ亜麻色で、鼻筋が通り、小柄で華奢ですらっとしたスタイルながら、胸のボリュームがしっかりある美女だった……

 

 

「天使様……い、いや女神様かな……」

 

 

その中年男、肝付卓夫は呆然と呟いた。

 

 

 

「やっと見つけました。探したんですよ」

 

「どうして、何も言わずに引っ越したんですか。メッセは不通、せっかく聞き出した電話番号は解約だなんて」

 

ぷくっとむくれる女神様は、そんな子どもっぽい仕草が愛らしい。

 

「いやっ、あの……」

 

 

「何時までですか?」

 

「えっ、何が」

 

「シフトの時間です」

 

「あっ、ああ19時まで……」

 

「待ってます」

 

「えっ……」

 

「向かいのカフェで待ってますから来てくださいね」

 

「逃げたら、毎日来ます」

 

びしっと指さす女神様。

 

「おっ……おう」

 

 

◇◇◇

 

 

スーパー前のカフェで、ふたりは向かい合っていた。

 

卓夫は、きょろきょろと落ち着かない。

 

 

「どうしたんですか? せっかく久しぶりに会えたのに」

 

「いや……ひとりなの?」

 

「はい、わたしだけですよ」

 

「て、てっきり警察か、弁護士か、藤宮くんが一緒かと」

 

「いないですよ、どうしてそんな」

 

 

「いや、いよいよ捕まるか、民事訴訟食らうのかなと、さっき観念したんだ。

 或いは、藤宮くんに吊るし上げされるとか」

 

 

「ふふふふっ、そんなこと心配してたんですか。どうりでお店に入ってきた時から挙動不審だと思ったわ」

 

「あら、不審者はもともとですか」

 

「な、なんか真昼ちゃん大人になったからか、きびしいね」

 

「いいえぇ。警察も弁護士もいませんよ」

 

 

「それに……藤宮さんとは別れました」

 

 

「えっ、そんな…………どうして?」

 

「あら、それを肝付さんが言うんですか」

 

「えっ、なんで」

 

 

『両親に愛してもらえない辛さ、苦しさを本当の意味でわかってあげられるのは僕だ。彼じゃない』

 

「そういうことでした」

 

 

「ぼ、僕の世迷言……か ?」

 

「世迷言……嘘だったの ?」

 

急に泣きそうな顔をする女神。

 

 

「い、いや。いやいや、そりゃあ嘘じゃない」

真昼の涙にはどうしても弱いのは変わらない。

 

 

「ダメだったの……肝付さんの言う通りだったの」

 

 

 

真昼は、辛い経験を卓夫に話した。

 

 

◇◇◇

 

「そうか。藤宮夫妻と周くんの関係を見て、心底羨ましいと僕は思ったんだ。でも、だからこそか……」

 

「だから……わかってくれる人を探してたの……」

 

「やっ、でも……そういう経験した人って、きっと他にも、真昼さんの大学にも……」

 

「女子大です」

 

「き、きっとでも周くんとは違ってわかってくれる素敵な男性が世の中には……」

 

 

「ふーん、そんなこと言うんだ。やっぱり、けーさつとか弁護士呼ぼうかなぁ……」

 

「な、なに言って」

 

 

「だって……久しぶりに会えたのに……卓夫さんったら、ぜーんぜん嬉しそうじゃないんだもん。

 がっかりしちゃうわ」

 

またまたぷくーっと真昼の頬が膨らむ。

 

 

「いや、だってさ。う、うれしいんだ。ただ、ちょちょっと驚きの連続でさ……」

 

「ホント? 本当に ? わたしに会えてうれしい ?」

 

「も、もちろんだ。天使様が女神様になって降臨してくれてうれしいよ」

 

「ふふっ、何それ。でもよかったぁ」

 

 

その笑顔はあの頃と同じ、こぼれるような微笑み、少し幼さが消え、より美しさが増している。

卓夫には眩しくてたまらない。

 

ぴちぴちした華の女子大生と、しがないスーパーの契約社員としては。

 

 

「真昼ちゃん。一層キレイになった君とまた会えて嬉しいよ」

 

ガタッ、真昼が立ち上がる。

 

「じゃあ、行きましょう」

卓夫の手を取り、店を出る。

 

「どこに行くんだい?

 僕のアパートはちょっと離れていて……」

 

「わたしたちが、誰にも邪魔されずに、ゆっくり話せるところですよ、性欲おばけさん」

 

「えっ……まさか」

 

 

◇◇◇

 

 

「いやぁ、まさかこんなシティホテルとは……」

 

「さっき、待ってる間の時間にチェックインしておいたんです。

久しぶりにお話できるんですもの、時間が足りないといけないですからね」

 

先ほど、真昼に引きずられるまま、ふたりが入ったのは、街中のそこそこのシティホテルのダブルルームだ。

しかも、見晴らしがよい上階の部屋で広々してるからスイートルームっぽい。

 

「な、なんかいい部屋だ」

 

「だって、狭苦しい部屋じゃゆっくりできないし……」

 

「おっ、おう、そうだね」

 

卓夫は思わず、幾らくらいの部屋なのかなどとつまらぬことを考えてしまう。小心者ゆえ。

 

 

 

ホテルからの夜景を背に立つ真昼の姿。卓夫の視線は釘付けだ。

 

夜景の煌めきを背景にしたシルエットが、以前より一層研ぎ澄まされたように映った。

 

就活用なのか、スーツ姿を着こなすその姿は、いっぱしのキャリアウーマンに見える。

そして、少し大人びたその美貌をより近寄りがたいものにしている。

 

 

「ずいぶん成長したね。外見も……内面も」

 

どぎまぎしてそんな言葉をかけてしまう。

 

そんなぎこちない卓夫に向かい、

真昼が待ち切れぬように胸元に飛び込んで来た。柔らかな亜麻色の髪が彼の顎先をくすぐる。

 

窓辺で真昼は卓夫の胸に顔を埋め、片手でネクタイをいじいじしながら話し続ける。

卓夫は、優しく亜麻色の髪をなで抱き寄せる。

 

 

「会いたかったの。わたし、預かってた合鍵を返そうとお部屋に行ったら、もぬけの殻なんですもの」

 

「忘れようとしたの。でも、周くんと別れた瞬間から、もう会いたくてたまらなくて……」

 

「僕も……会いたかったさ。でも、もう会ってはいけないから引っ越した」

 

「未練たらたらだったから。

真昼が欲しくて、何をしでかすか自信がなかったから、一刻も早くと引っ越したんだ」

 

「ついでに会社も辞めた」

 

「どうして?」

 

「どのみち、もう限界だったんだ。エンジニアは、技術の進歩に伴って知識・スキルのアップデートを繰り返さなきゃいけない。最近はAIの進歩が凄いから、尚更ね。ところが、上司のアップデートが追いつかない。いつまでも過去の成功体験に囚われて。こちとら、ひいひい言って勉強してんのに。あんな会社、やってられないから辞めた」

 

「でも、どうしてスーパーに ? 」

 

「いやぁ、50近い中年でエンジニア以外の仕事を探してもなかなかなくてさ。点々として結果あのスーパーに、潜り込んだ」

 

「もぉ、だからなかなか見つけられなくて」

 

「卓夫さん、IT系じゃ有名人じゃない。珍しい苗字だし、検索したらすぐインタビュー記事とか見つかったから、喜んで会社に連絡したら、とっくに辞めてるんだもん」

 

「業界の会社調べても見つからないし」

 

「うん? また古い記事見つけたね。まあ、昔は仕事ひと筋だったから、そんな時もあったね」

 

「だから……お金かけちゃった。調べるのに。大変だったんだから」

 

「興信所でも使ったの?」

 

「うん……」

 

きゅっ、急に卓夫のネクタイを強く引いて締める。

 

「なっ、く、苦しいよ真昼ぅ」

 

「ギブギブ」

 

真昼の頭を叩いて参ったする卓夫。

 

「なんか、わたしが一生懸命お金もかけて調べたのに、また全然褒めてもくれないから、なんだか頭にきたの」

 

「もぉ……どおしてよぉ !!」

 

ポカポカ、今度は胸を叩く。

 

 

「いや……だって、こんな中年男を本当に探してたの? あの言葉で? 信じられなくてさ……」

 

「あぁ、もうっ !!」

 

真昼は、突然ドンと卓夫をベッドに突き倒す。というか、自分も一緒に倒れ込む。

そのまま、唇を重ねむしゃぶりつく。

 

 

啄むような軽いキスから、舌を絡ませる濃密なものへ。

 

唇の合わせを左右何度も変えてキスを重ね、真昼は卓夫のネクタイを、先ほど強く締めたものを緩め、ワイシャツのボタンをはずしていく。

 

卓夫は、真昼のスーツを脱がそうとじたばたするが、かっちりしていて苦労する。

すると、やにわに真昼は立ち上がると、ぱっぱと全て脱ぎ捨てて素っ裸になる。

 

そして、そのまま卓夫に抱き着いてくる。

 

「ヴ、ヴィナースの降臨……美しすぎて目がつぶれる」

 

「くすくす、大げさよ」

 

真昼は、一気に卓夫のズボンも脱がしてしまい、二人は肌を重ね合う。

 

 

「卓夫 ! ねっ、早く……しましょ?」

 

小首を傾げるその小悪魔な表情を見た瞬間、卓夫に四年前の狂おしい熱が一気に蘇った。

 

 

「エッチな娘になっちゃって !!」

 

熱いキスを交わしながら、

一回り大きくなった気がする乳房の感触を確かめ、太ももを真昼の足の付け根に割り込ませる。

 

もうそこには熱く濡れた感触がある。

 

乳首を交互に加えながら、そのぬかるみに手を伸ばす。

 

「ぐちょぐちょだぁ」

 

「ずっと待ってたんだからぁ。仕方ないでしょ」

 

「うれしいよ」

 

喜びを、ツンと突き出た鼠径部のポイントに伝える。

 

「あぁん、いきなりそこぉ……」

 

「ここも待ちかねてたみたいだから」

 

「あなたのこれもやる気まんまんね。」

 

真昼の手も卓夫のペニスを撫でまわす。

その大きさを確かめるように。

 

「あぁん……もう待ち切れない」

 

「ねぇ、卓夫のちんぽ、もう入れて欲しいのぉ」

 

「なっ……よぉし !!」

 

思わぬストレートな真昼の淫語に、一瞬驚く卓夫だが、喜び勇んて誘い乗った。

 

 

「あぁぁぁぁ、きたきたぁ、これよ、これを待ってたのぉぉぉぉぉ」

 

ぎゅっと真昼の両足が卓夫の腰に絡まり、その頭をかき抱く。

 

「あぁんっ、すごい。太い。固い。やっぱり……これでないと……これでないと……」

 

「あっ、そんな、だめ、うそっ !! わたし、もぉっっっっっ、あぁんっっっっ !!」

 

 

びくんびくん、挿入しただけで、なんと真昼は盛大にイった。

 

 

「真昼、大丈夫か?」

 

ろくにピストン運動もしていないのに絶頂する真昼に驚く。

 

ペニスを慌てて引き抜き、心配して様子を窺う。

 

 

 

「きゃーん。もぅ、やだぁ…………わたし……」

顔を覆ってじたばたする真昼。

 

「ねえ、ほんとに大丈夫?」

 

そっと、その顔を覗き込む卓夫。

真っ赤になって目をそらす真昼。

 

やがて照れ臭そうに、恥ずかしそうに

「えへへっ、入れてもらっただけで、イっちゃったの……」

 

「なっ……なーんだ、びっくりさせるなよ。なに可愛い事言ってるんだか」

 

「よっぽど溜まってたんだね……」

 

「うんっ ! 」

 

「えっ……やっ、冗談のつもりだったんだが」

 

「ううん。ほんとにそうなの。あのね……周くんとのセックスじゃあ、こんな風にイったことは一度もないの」

 

「大好きな人とのセックスは、幸せだしうれしいものだったけど……それだけ。

卓夫さんに教えてもらった性の歓び、エクスタシーなんてものはなかったわ」

 

 

「いまあらためてわかったの、大好きな人でセックスの相性がよかったら、こんなにすごいんだって//////」

 

真っ赤な顔で、そこだけそっと卓夫の耳に囁く。

卓夫はゾクゾクしてたまらない。

 

 

「だから……周くんとの結婚を断った理由は、あの話は本当は半分。もう気持ちいいセックスは一生できないかも、という恐れがもう半分」

 

「その原因になった、そんな凄い経験をさせたワルイ男を探して文句言ってもいいでしょ?」

 

「それで探してたのか」

 

「そうよ、未経験の処女高校生にあーんな凄いセックスを経験させて歪めるなんてねぇ」

 

「ご、ごめんなさい……」

 

「あー、もー、もぉぉぉ」

ポカポカ、また胸を叩かれる卓夫。

 

 

「そんなの冗談に決まってるでしょ。どこまで鈍いの、この人は。

 そんなセックスさせてくれた愛しい人のことが忘れられなかったのよ」

 

「卓夫を愛してるの。ずっと封印してたの、忘れようとしたの、でもダメだったの、んっ……」

 

 

卓夫の唇が真昼の言葉をさえぎった。

 

ひとしきりキスを楽しんで唇を離す。

 

 

「ごめん、女の子にこんなに言わせて。ホントに今の今まで信じられなかったんだ。エッチしてるのに」

 

「それと、僕はね、最初真昼にスタンガンを使ってレイプしているんだ。

 犯罪だよ。

 そんな犯罪者を、本当の意味で僕を好きになるはずないし。僕は幸せになってはいけない。

 そう思ってたんだ。正直、今もそう思ってる」

 

 

「そんな……そうね。はじまりは、そうだったわ。でも……」

 

「それでも、それでも僕は……真昼を諦められない。ずっといじいじと真昼のことを思ってた。

 写真や動画は全部消してたから、それをずっと後悔してた」

 

「だから、今日真昼が僕の前に現れたときは、とうとう白日夢でも見てるのかと思ったよ。

 カフェでは、警察か弁護士がいるかもと思ったのは、そうでもないと僕の前に来るわけないと」

 

「あーもう、まだるっこしい。

 そんな情けない犯罪者の僕だけど、やっぱり真昼が好きだ。愛してるんだ ! 」

 

「ずっと忘れられなかった。忘れるために、引っ越してもダメだった。ずっと会いたかった !!」

 

「わたし、わたしも……卓夫を愛してる、大好き」

 

「最初のことは……もういいの。関係ないの。今が大事なのっ ! 」

 

「だから、卓夫もいつまでも言わないで、忘れて」

 

チュッとキスをする真昼。

 

 

「実はね、真昼の卒業式の日に、こっそり近くまで行って盗み見たんだ。

 真昼の卒業姿、キラキラしていてキレイだったよ」

 

「そこで、ひとこと卒業おめでとうって来てくれたら、こんなに探さなくてすんだのに」

 

「いやいや、卒業式の女子高生に声をけるなんて不審者丸出しだよ」

 

「ふふっ、そうね。事案ね」

 

 

「と・こ・ろ・で。こんなにお喋りしてても、ここはやる気満々ね」

 

実は、真昼は話しながらずっと卓夫のペニスをさすったり、カリを擦ったりしていたのだ。

その甲斐あって、勃起は最高潮だ。

 

「それは、真昼の方もだろっ」

「きゃっ」

 

もう辛抱たまらんと、若く美しい女子大生に襲い掛かるメタボ腹の中年男。

 

真昼の乳房にむしゃぶりつく。

その柔らかさを堪能しつつ、両手は真昼の全身を確かめるように触りつくす。

 

 

悩ましいカーブを描く腰まわりも、乳房同様ひと周り成熟したように感じられるヒップも、すらりとしたところは変わらない太腿も、白さと滑らかさは変わらない背筋も、全てが愛おしく懐かしくも新鮮だ。

 

 

そして、そっと両足を開かせて、先ほどは潤いを確認しただけで侵入してしまった大切なところの扉を開く。

 

相変わらず、薄い陰毛に守られているだけの秘所は、つつましく閉じ、ラビアのはみ出しもない。

まるで、処女の頃のようなたたずまいだ。

 

そっと開くと、サーモンピンクの入り口がキラキラと濡れそぼち、先ほどの行為で道筋をつけられた分だけ、軽く口を開けている。

 

「キレイだ。さっきは慌てて、見もしなかったけれど……あの頃のままみたいだ」

 

「やん、そんな……じっくり見なくていいわ。その……そんなにエッチしてないから……」

 

「えっ、なんで……いやもう、それはいいや」

 

周とのエッチについて詳しく聞いても仕方ないし、

魅惑的な花弁を前にして、話す時間がもったいない。

 

ぺろりと卓夫の舌が蜜をすくう。

 

「はぅん……それだけで、感じちゃう……あっ、だめぇ、吸っちゃ」

 

蜜を飲み干そうと舌と吸う力で、愛液の沼からすくいあげる。

 

 

「おいしい。甘くなってる気がする」

 

「ばかぁ」

 

「あっ、はっ、そんな……やんっ、ぴりぴりするぅ」

 

いつのまにか、ぷっくり存在感を主張しているクリトリスにも舌が迫る。

 

 

「はぅん、やぁん……あっ、あっ、あん……やだやだやだ」

 

「またわたしひとりでイクのはやなのぉ。卓夫のが欲しい」

 

「何が欲しいの?」

 

「ぅうっ、またそれなの?」

 

「もぉっ、いいから、はやくちんぽ入れてぇ……」

 

「よしよし、いい子だ」

 

卓夫はずり上がり、挿入の態勢に入る。

真昼も腰を少し上げて協力する。

するっと肉棒が入り込む。

 

「あぁっ、またきてくれた」

 

「今度は大丈夫?」

 

「んっ、まだ平気……でも、感じちゃう」

 

「ぴったり嵌まったね」

 

「うん。ずっと待ってたの。もうあなたの形になっちゃってたの、他のじゃダメなの」

 

「太くて、固くて、長くて素敵なの」

 

「それに……」

 

「それに?」

 

「たーくさん、してくれるのっ」

 

 

何と比較して言ってるのか、もはや卓夫は聞きはしない。

そんなことを口走ってくれる真昼の淫らさと本音がうれしい。

 

「たくさんは……歳だからどうかなぁ」

 

「えぇ~~っっ」

 

「でも、真昼のこんなエッチな姿を見たら、なんかモリモリ力が湧いてきてる気がするから、平気かなっ」

 

 

 

ゆっさゆさ、パンパンパン……ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐっちゅ、ぐぽんぐぽんぐぽんーーー

 

「あっ、あつっ、あんっ、そこイイ。もっともっと、強くてもいいからぁ」

 

見た目は変わらないが、真昼の膣中はあまり使っていなかったせいなのか、少し狭くなった感じで、よりその粒粒や膣襞の感触が伝わってきて、素晴らしい感触をペニスに伝える。

 

たちまち、卓夫は追い詰められる。

 

「ぐぅっ、真昼の膣中すごい。気持ち良すぎて、もう出そうだ」

 

「我慢しなくていいわ、出して。わたしもイクから……」

 

「でも、今は生だから、外に……」

 

アフターピルの用意など、もちろんない卓夫が心配すると、むしろ真昼はぎゅっと両脚を強く交差させて卓夫の腰をホールドする。

 

そして、卓夫の耳に囁く

「いいのよ、出して……欲しいの、あなたの精液が。孕ませて……」

 

その衝撃的な言葉が卓夫の脳天を貫くと、猛烈なうれしさと、「この娘に種付けしたい」という気持ちが爆発し、更にピストンが加速する。

 

 

パンパンパンパン……バチュンバチュンバチュン……

 

「ま、真昼、出るぞ」

 

膨らむペニスに射精予感を察知していた真昼は、呼吸を合わせて

 

「出して、わたしも……いくからぁ。あっあっあっ」

 

びゅっ、びゅっ、びゅっ、どっぴゅーーーんんんん

 

「あんっ、やっと、やっと……あついの来たのぉ………」

「イクイクイク、いっくぅーーーー」

 

ぎゅうっと真昼のペニスが締まり、最後の一滴まで絞り出したスペルマを子宮に呑み込もうとする。

 

ふたりは唇を合わせ、舌で気持ち良さを伝え合う。

 

お互い、ひしと抱き合い、一緒にとろけたいとばかりにぎゅうぎゅう力を込める。

 

暫しの後、

「すごかった。魂抜けるかと思った………」

 

「あれ? まひる、まひる?」

 

反応のない真昼の顔を揺さぶる。

 

すると、ぱっちりと亜麻色の瞳が意識を取り戻す。

 

「ああ、よかったよ。まひるぅ」

 

「わたし……頭がスパークして……」

 

「ちょっと意識が飛んでたみたいだね。気持ち良すぎて」

 

「やだぁ……」

 

顔も耳も瞬時に沸騰して、真っ赤になり、慌てて顔を覆う。

その手をそっとどける卓夫。

 

「ダメだよ、気持ちよくイった可愛い顔を隠しちゃ」

 

「やぁん」

 

更に、慌てて目をそらす。

 

「それに……まだまだご所望でしょ?」

 

なんと早くも回復の兆しを見せる欲棒は、まだ真昼の膣内にあり、存在感を増しつつある。

 

 

「やっぱり、こんなに綺麗で可愛くてエッチな天使様ならぬ女神様がいたら、何回でもできそうだよ」

 

「きゃん……」

 

早くも、卓夫にとっては二回目のエッチが始まる……

 

 

◇◇◇

 

 

四つん這いになった真昼を、後ろから攻める。

 

ぱんぱんぱんぱん……

 

少しボリュームを増したヒップが、心地よい弾力で卓夫の腰使いを迎えてくれる。

 

「きゃん、あんっ……こ、こんな、動物みたいなの……やっ、やっぱり恥ずかしいわ……くぅん……」

 

「でも、ケダモノみたいな方が、興奮するでしょ?」

 

「やぁっ、やん、やん、やっ……」

 

枕に顔を埋める美女だが、腰はむしろ高くかかげられ、より打ち込みやすくしている。

卓夫の腰使いに対して、巧みに腰を動かして、自分のいい所に当ててもいる。

 

「あんあんあんっ、強い。そこっ、そこをもっとぉ、もっとぐりぐりしてぇ……」

 

後ろからの方が、より奥深くまで打ち込まれると察知している淫らな女神だ。

 

「そうっ、そこよ、そこぉ~、激しくしてもいいのぉ……」

 

 

◇◇◇

 

 

ぴちゃぴちゃぴちゃ

 

風呂場では、対面座位に近い形で、バスタブに背を預ける卓夫に跨って、お湯を真昼が揺らす。

 

お互いに見つめ合って、真昼のペースでできる体位は、気持ち良いところにしっかり当てられ、

上気した顔が愉悦で歪むのを眺められて、卓夫には至福のひと時だ。

 

時折、腰を急に突き上げて真昼のペースを狂わせるのも楽しい。

 

「あっ、きゃっ、あぅん……もぉ。邪魔しないでよぉ」

 

「くくっ、でもこういトッピングもあった方が、意外性あっていいでしょ」

 

「それはそうかもだけど。ぶぅぶぅ」

 

わざとらしく膨れる顔を見るのも楽しい。そっと両手で、頬を押す。

 

「だめだめ、美しい顔が台無しだよ。かわいいけど」

 

むにっと引っ張る

 

「ひゃめて、いやぁ……」

苦笑して手を離す。

 

「むぅーっ。子ども扱い」

 

「まだまだ子どもだよ」

 

「オトナだもん。こんな風に」

 

急に、真昼の腰が激しく強くなり、意識してなのか膣がぎゅぎゅっと締まる。

 

たぷんたぷん、ぴちゃんぴちゃんびちゃん……お湯が揺れたつ。

 

「うぉっ、すごい。だめだよ、出ちゃう」

 

「出して出して、いいよ出しちゃえ」

 

「おっ、おっ、おっ」

 

あえなく、どぴゅんと放出させられた。

 

「あっ、出たぁ……」

うれしそうな真昼だったが、急にしゅんとなる。

 

 

「うん? どうした?」

 

「一緒にイケなかったぁ……」

 

「ふふっ、自業自得だ。それじゃあ、さて。よっと……」

 

バスタブから、真昼をお姫様だっこで立ち上がる。

 

「きゃっ……ひゃぁん」

そのまま、ベッドに運んでいく。

 

 

「お、重いでしょ? 実は、少し体重が……」

慌てて、乙女の秘密をバラしそうになる真昼。

 

「スーパーの店員舐めるな。毎日品出しで鍛えられてんだ」

いいところを見せたいと無理する中年男。

 

 

そのままベッドにそっと下ろすと、タオルで軽く拭きあい、優しくダイブインする。

一緒にイクために……

 

「ねぇ……」

 

「うん?」

 

「せっくす、好きぃっ ! 」

 

「えっ、やっ、おまっ、それ……」

 

「えへへ、言ってみたかったの」

 

「とんだ淫乱天使様だな」

 

「だぁってぇ、誰かさんのせいで、こーんなに気持ちイイものだって教え込まれたんだもの」

 

「自覚はある……」

 

「……こんなの、あのヒトには絶対言えなかったの……」

 

「大切にはしてくれたんだけど……」

 

「きゃっ !  あんっ ! 」

 

「じゃあ、まだまだ復習しないとな。暗くなってるヒマはないっ ! 」

 

「うんっ ! 思いださせてぇ ! 」

 

 

ふたりの久々の甘ーい逢瀬は、夜が更けても続いて行く……

 

 

 

◇◇◇

◇◇◇

◇◇◇

 

 

二年後、真昼の卒業を待って、ふたりは小さな教会で式をあげた。

 

ふたりだけ……いや、真昼のお腹の子を入れれば家族三人だけでの挙式をひっそりと行った。

 

少し(だいぶ)歳は離れているものの、どこにでもいる平凡な夫婦が誕生した。

 

 

生まれる子についての不安は、全てふたりで共有し、悩みながら話し合っていこうと決めている。

 

ふたりとも、一般的な子育てを知らないから、それも一緒に勉強しながら。

 

真昼も、卓夫も「子どもには当然〇〇してあげるでしょ」の〇〇された経験が極端に少ないのだから。

 

 

 

卓夫は、介護福祉士の資格を取り、今では福祉施設で働いている。

 

エッセンシャルワーカーとして働いて世の中に貢献することで、自己満足かもしれないが、少しでも犯した罪の罪滅ぼしをしたいと選んだのだ。

 

真昼は、教員免許を取得し、四月から私立高校の英語教師として働き始める予定だったが、妊娠が発覚して交渉し採用を延期してもらった。成績優秀であったからこそ、認められた。

 

 

 

◇◇◇

◇◇◇

 

 

「あっ、動いた」

 

「えっ……うーん、触ってもわからないな」

 

「まだパパには恥ずかしいのかもねぇ」

 

「パパだよぉ……」

 

お腹を優しくさすり、呼びかける卓夫。

 

「女の子だと、成長したら母親べったりになるんでしょ。仲間はずれは嫌だなぁ」

 

「『パパ嫌い』とか、『パパくちゃい』とか言われたら死にたくなる自信あるよ」

 

「クスクス、何を今から心配してるの?」

 

検査で、どうやら女の子らしいとわかっている。

 

 

「心配なのは、万一にも僕に似ないかってことだよ」

 

「あら、かわいいじゃない」

 

「……んなことあるもんか……そりゃあ、もちろん可愛がるけど」

 

「わたしは、どんな子でもいいわ。健康に育ってくれれば」

 

「うん、そうだな。そうだよね。それに、どんな子でも僕らの子どもなんだ。真昼の子なんだ、愛せるよ」

 

「わたしも、卓夫さんの子なんだもの、愛情たっぷりに育てるわ」

 

「そう、それは絶対だ。どんなことがあっても」

 

 

 

「「僕の(わたしの)様な経験は、ぜったいにさせない」」

 

 

 

 

ハモってしまい、思わずにっこり見つめ合うふたり。

 

柔らかく微笑む真昼の表情は、天使様でも女神様でもなく、すっかり母の顔そのものだ。

 

そっと握り合う手をお腹に添え、ふたりは幸せな家族をつくっていく約束をするのだった……

 

 

 

 

 

         <「天使様じゃなくなるとき」  完 >

 

 

 





以上で、私の考えた妄想の高校卒業後の天使様のその後パートも終了です。

思わぬ多くの人に読んでいただきました。

「お隣の天使様~」の二期が始まる前には完結させたいと思って書き始めたのですが、思わぬスピードで書き上げられました。
これは、皆さまが読んでくださることに励まされてのものです。

ありがとうございます。ご閲読に感謝です。



暴力で真昼を犯した卓夫が、最後「なにいい感じでおわってんだよ」と、ハッピーエンドぽく許されたことに、ご不満もありましょうが、ご容赦を。

当初、10万字いかないくらいと思って書き始めたのにキャラが動いてしまい、この結末に着地しました。


また何か書こうとは考えておりますので、その際はよろしくお願いします。
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