【問題】「勘違い系主人公が……(ピンポン!)自虐的クソザコ糸目女子の敗北CG回収物語! 異能闇組織の美少女ボスを添えて! 「正解!!」 ~何故だ! 何故分かる、バックショット!!~ 作:信頼できる語り手
金さえ積めば蘇生の術式によって生き返る事が可能な時代になり、命を軽々しく投げ出す人間が増えた。
しかし、肉体や精神を蘇生前の状態に戻す為には過酷なリハビリが必要だ。記憶や人格が破損する場合もある。それはある意味で、新しい『死』の形とも言えるだろう。
だから、私はまだ死にたくない。
それでも何故か、死を覚悟する場面が定期的に訪れる。死ぬのは嫌だ。でも、長く苦しむのはもっと嫌だ。せめて苦痛なく、一瞬で死にたい。
そんな願いを込めて私は言うのだ。
「では、手早く終わらせましょうか」
「……っ! 僭賞濫刑のバックショット!?」
降参のポーズをしながら現れた私を見て、敵のリーダー格っぽい男性が顔を引き攣らせる。
陛下から敵対する闇組織を潰してくるように命じられた私は、皆からの圧に屈して引き受けてしまった。
心の奥では『まあ、他の最高幹部も一緒に来るだろうし、隠れてやり過ごせば……』と思っていたのだが、与えられたのは一般構成員が1名。
「そこの剃り込みの方。試しに貴方1人で制圧してきてくれませんか?」
「じ、自分っすか!? お、お戯れを……!!」
私が僅かな望みに賭けて訊ねると、チンピラ風の構成員が子犬のように震え始める。完全に及び腰だ。最高幹部(笑)の私を当てにしているらしく、役に立ちそうもない。
……はい、詰みですね。どうして、これだけの戦力で闇組織を1つ潰せると思ったのでしょう。
「皆様、ご覧の通り戦力差は明白です。無益な争いは避けて、話し合いで解決しませんか?」
既に命乞いのフェイズに入っている私は、土下座をする為に身を屈めた。
「なっ……躱し……っ!?」
瞬間、頭上を重量感のある何かが通り抜ける。私はびっくりして思わず立ち上がった。敵の突進を紙一重で回避した事に遅れて気付き、全身の血の気が引く。
「うわあああああ……っ!」
私の後ろに立っていた子犬系チンピラが半泣きで腕をぶんぶん振り回し、敵の先鋒は地面に叩き付けられた。
「じ、時間系のシグネットによる高速奇襲……! 印芽の展開が間に合って良かったっす……!」
透明な鉱物が彼の顔から上半身……そして、両手に握った2本の金槌を覆っている。
私も正直、その印芽が欲しかった。
「残念です。交渉決裂ですね」
私、死ぬんだぁ……。
死の運命を確信すると、一周回って少し腹が立ってきた。開き直ったとも言う。5分の寝坊だと慌てるが、5時間寝坊するとむしろ無敵になるアレだ。
私もね、3級異能試験に落ちるまでは真面目に励んできたんですよ。マナが少なくても必死に努力して、大企業に就職する為に。
それなのに……どうして、貴方達のような無法者の都合に巻き込まれて死なないといけないんですか? ふざけないでください。
「随分と、舐められたものです」
私は己を鼓舞するように呟く。四流異能者だからって舐めないで欲しい。せめて、捨て身で掠り傷くらいは負わせてやる。
「……り、リーダー?」
「ねぇ、悔しくないんですか?」
悔しいでしょう、私。頑張れ、私。訓練の成果を活かして生き残るんだ、私。
「じ、自分だって……!」
ズォンと空気が揺れる。振り返ると剃り込みチンピラ君の金槌が壁を大きく抉っていた。え、怖……。てか、貴方、強くないですか?
「言われなくても、自分だって悔しいっすよ……! アイツら、最高幹部以外は警戒すらしてない! だから、さっきの異能者もあっさり倒せたんだ! 侮られてるっす!!」
お、おぅ。急に興奮して、どうしたの……?
「お前ら程度、リーダーが出るまでもない! 自分がまとめて殺ってやるっすよ!!」
私が制止する暇もなく、チンピラ君は単騎で敵陣に突撃した。流石に無茶が過ぎるよ……?
「な、何だ、コイツ……強ぇぞ! 一撃で3人やられた! 僭賞濫刑……こんな戦力を隠してやがったのか!?」
「ぐっ、重力のシグネットだと……!? う、動けねぇ……!!」
「硬過ぎる! 銃が全く効かん!」
ん? あれ?
「うおおおおおおお! 皆殺しっす!!」
これ……普通に勝っちゃうのでは?
一般通過構成員君が激強だった件について。
「自分、シミュニッションっす。気軽にシミュって呼んで欲しいっす!」
「私はバックショットです。バックで構いませんよ、シミュ様」
敵組織を潰し終えたシミュと棒立ちしていた
チンピラ風のシミュニッションは何故か紅茶を飲んでいた。外見に似合わな過ぎてウケる。
「今更ですが、貴方はどのような経緯で私に同行していたのでしょう?」
一時的に与えられた部下がこんなに強いなんて、陛下からは聞かされていない。
「それは、その……バック様が指揮する作戦だと言われたので……」
「? どういう意味です?」
「……自分、前々からバック様に憧れてたんすよ。だから、少しでもお近付きになれるかと……」
シミュが恥ずかしそうに顔を赤くし、目を逸らす。驚いた。知らないところで私は片想いされていたらしい。モテ期というヤツだろうか?
「けど、貴女に言われて目が覚めたっす。他人の後ろに隠れてるような男じゃ、バック様と釣り合わないって」
いや、めっちゃ釣り合ってるよ。私も隠れまくってるし。何なの、その過大評価。
「そんな感じっす」
「……」
気まずい。何か満足そうな顔してるけど、どう対応すれば良いの、これ? 私が沈黙していると、休憩室の扉が静かに開く。
「……」
「お、お疲れ様っす!」
白髪の暗殺者──ワッドカッターが入室すると、シミュが姿勢を正して一礼した。
「お久し振りですね、ワッドカッター様」
「是」
彼はシミュを無視し、私だけを真っ直ぐに見据える。怖い。この人、最高幹部の中でもキルスコア断トツなんだよね。
「じゃあ、自分はそろそろ失礼するっす……」
待て、逃げるな。上司を護りなさい。
私も失礼したい……。しかし、親から食べ物を残すなと教育されてきたので、飲みかけのコーヒーを置いて出るのは気が引ける。
私は気まずさを緩和する為に、新しい紙コップにコーヒーを注ぎ、ワッドカッターに差し出した。彼は一度コーヒーを鼻に近付けた後、上品に口へと運ぶ。
鉄壁の無表情なので、味に納得しているのか判別が付かない。不機嫌になってたらどうしよう。こんな事なら、コーヒーの淹れ方を勉強しておけば良かった。
いやでも、おもてなしする方にも準備があるんだよ。そこは理解して欲しい。
「ふふ、今回はあまり良い手際とは言えませんでしたが、ご納得頂けましたか?」
「……是」
ワッドカッターはコーヒーを飲み干し、足早に休憩室を後にした。
何しに来たんですかねぇ……?
「いえーい」
次に休憩室へと入ってきたのは、金髪のホローポイント。彼女は常に甘い香りを漂わせているので、存在が分かりやすい。
「おっほぉ……! 飲み切ってしまうとは……豪快ですわね!」
彼女は私の持つ空の紙コップを見て手を叩き、少しして眉を顰めた。
「でも、やっぱり効いてないのね。あの濃度の媚薬ですら全く効果がないのなら、わたくしにはお手上げですわ」
「媚薬、ですか……?」
私は言葉の意味を理解し、冷や汗をかいた。この女、まさか……一服盛ったな!?
「ええ。ふぅむ……何処かに廃棄した形跡もなし。間違いなく完飲してますわね」
ホローポイントの両腕から噴き出した煙が、広い室内を隅々まで満たす。
「依存性が弱い特製薬とはいえ、常人ならショック死する量を一気飲みして平気とは……どういう体をしてるのかしら? 気になりますわ」
私は今まさに、貴女がどういう頭をしてるのか気になっていますよ。一応、味方ですよね?
「良くってよ。簡単に手篭めにできたら興醒め。なかなか堕とせない方が燃えますわね」
ホローポイントは私に向かって投げキッスを飛ばしてくる。
「男とのプレイに飽きたら、わたくしの部屋に来なさいな。新しい扉を開いてあげるわ」
お断りします。出口はあちらですよ。
「それにしても、経口投与だったのが敗因かしら。代謝も計算に入れていたのだけど、まだまだ改良の余地はありますわね。──媚薬入り紅茶」
……紅茶? 私が飲んだのはコーヒーだ。紅茶を飲んでいたのは……。
嫌な予感を覚えた私の頭脳が、高速で回転し始める。つまり、本物の媚薬入り紅茶はシミュニッションの胃の中に……。
「シミュ様、いらっしゃいますか?」
私は個室のインターホンを押した。暫くして、鍵だけがガチャリと開く。
「入りますよ?」
狭い玄関で靴を脱ぎ、綺麗に揃えてから……。
「すみません、バック様……! 自分、もう我慢できないっす……!」
私は全身をひょいと抱え上げられ、あっさり部屋の奥へと連れ去られた。
「えっ……!? きゃっ……!!」
「嫌なら抵抗しても良いっすから……!」
抵抗できる前提で言わないで欲しい。普通に力の差があり過ぎて無理だから。3級異能者(不合格)のか弱さを舐めるな。
「あっ、ちょっと……!」
ベッドに放り投げられた。ブラウスを乱暴に引き裂かれ、キュロットスカートを剥ぎ取られる。そうなると当然……女の象徴が露になるわけで……。
「で、デカいっす! 流石、バック様……!」
何が流石なんだ。あと、気にしてる部分だからあんまり言わないで。
私は全体的に肉付きが良い。胸と尻を押さえ付けるような着こなしを心掛けないと、太って見えてしまう。本当は太ってないのに! むしろ、腰周りは細い自信があるのに!!
しかし、それは女性視点での悩み。大きさ=エロさだと思っている単純な男性は結構いる。
窮屈な服で押さえ付けていた巨乳と巨尻が飛び出す様は、そういう男の欲情を煽る武器でもあり……。
「はぁ、はぁ……! エロ過ぎっすよ……!」
男が止まらなくなる諸刃の剣でもあった。
「さて、どうしましょうか」
紅茶の香りの吐息を感じながら、私は考えを巡らせる。本能が警鐘を鳴らしていた。これは間違いなく、生命の危機だ。
このレベルの異能者に加減抜きでレイプされたら、不慮の事故が起き得る。掴まれたり抱き締められただけで、非力な私は死にかねない。
「そうですね」
かくなる上は、一刻も早く彼のおちんぽを射精に導き、冷静な頭になって貰うしかない。
その為に、私は今から異能の全てを使う。
「ふふ……」
馬鹿みたいな追い詰められ方をしている自分自身に、思わず乾いた笑いが漏れる。
せめて、シミュニッションが早漏でありますように。あと、射精しても萎えない絶倫でありませんように。前振りとかではないので、本当にお願いしますよ……?
そんな願いを込めて私は言うのだ。
「──では、手早く終わらせましょうか」
「……! っす!!」
あ、やっぱ駄目かも。これ、デッカ……。
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男性:【推定無罪】トゥルーエンド