あれから一週間、俺はアマーリエのおっぱいを飲み続けた。
晴れの日も、雨の日も、その極上の母乳を飲むことで、アマーリエも何度も絶頂した。なんなら感度を上げたり、オナニーさせながら母乳を飲んだこともある。彼女にとって”俺への授乳”は最高の愛情表現であり、セックスできない彼女にとって最高の快楽でもある。
アマーリエは寝る前に俺を裸にさせ、自身も裸になる。彼女は俺と肌を重ねながらキスの雨を降らせ、全身を撫でまわし、舐めまわす。彼女が俺の体で触れていない場所、その口で味わっていない場所は存在しないだろう。そうするように俺がお願いしていることも確かだが、性魔法で彼女の”味覚”に変更を加えたことも影響している。
現在、アマーリエは甘味・塩味・酸味・苦味・うま味の他に、”エロ味”というべき感覚が備わっている。文字通り『俺や俺が設定したエロいことに関する』味覚だ。キスをすればどんな甘露よりも甘く、俺の汗などを摂取すれば麻薬の様な依存性と幸福感が全身を駆け巡る。――つまり、彼女が俺の体を舐めまわすのは、強力な麻薬を舐めているのと似た状況だ。
そんな彼女にとって最高の快楽が『俺に奉仕すること』であり、母乳を飲まれるという事は『自分が俺の一部になれる』というヤンデレの様な快楽を感じているのだ。毎日の様に内と外からご奉仕をして、マーキングを行う。それが終えたら俺を抱きかかえるようにして眠る。
「アマーリエ義姉さん。行ってきますね♪」
「待ってヴェル君♡ 行ってらっしゃいのキスがまだよ?」
「はいはい♡」
アマーリエにとってクルトなど”書類上の夫”に過ぎない。実際は俺との新婚生活を堪能しており、幸福の沼にはまってしまい抜け出せない。ほとんど依存に近い状態にもかかわらず、本格的にセックスするようになればどうなるのか想像もつかない。――今から楽しみだ。
さて。ここまでアマーリエとのイチャイチャや食事改善で忙しかったが、俺にはやることがある。それはブライヒレーダー辺境伯領のブライヒブルクに行くことだ。この世界のことについて実家の本を読んである程度知っているが、大きな図書館になら新しい魔法のヒントやこの世界で役に立つ何かがあるだろう。
どうせ『飛翔』と『瞬間移動』の魔法があれば移動距離なんてないに等しい。一度行った場所にしか行けない『瞬間移動』は今回使えないが、『身体強化』と『飛翔』を組み合わせればそれほど難しくないはずだ。
街に着いたら適当に金を手に入れる必要があるのだが……これは狩猟した獲物と『抽出』『再結合』という特定の物質を取り出す魔法で手に入れた鉱物を売るつもりだ。その辺からでも高純度の鉄や金などを精製できるため、この魔法だけで金に困らない。なんなら師匠は本格的な指導を受けるまで、工房から出るゴミから金属の精製をしていたとか。他にも氷を作って金を稼いでいたらしい。
「すごいな! 久しぶりの大都会だ!!」
などとくだらないことを考えていたら割と早く着いたな。原作でも何度もお世話になる商業都市ブライヒブルク。人口20万ほどであり、現代日本と比較すると松江市(島根県の県庁所在地)と同じくらいだ。県庁所在地で一番人口が少ない鳥取市の18万人に比べれば多少多い気もするが、これが王国でも王都の次に人口が多いと言われて信じられるだろうか? 日本では中核市の基準ギリギリのため、この世界がどれだけ人間が繁栄していないのか分かるだろう。江戸時代の京都・大阪ですら40万人程度だったのだから。
まあ、3つの集落合わせて人口800人のうちが上から語れることじゃないな。しかもそんな辺境……のさらに辺境に商隊を年3回も派遣するとか凄いわ。いくら無理な出兵で多大な被害を出したとはいえ、本来ならワイバーンを始めとした強力なモンスターが生息する山脈は危険地帯だ。その護衛費用3か月分だけで大赤字。俺なら飢え死にさせて、全滅を狙うな。どうせなくなっても誰も気にしないし。
(って、言ってる場合じゃない。さっさと街に入らないと)
急いで街に入り用事を済まさなければ。
「どうした? 坊主」
「お使いで街に買い物です」
「坊主、身分証はあるのか?」
「ないです。商業ギルドで会員証を作ろうかと」
「そうか。入街税の銅貨1枚は払えるのか?」
「大丈夫です」
本当は身分証自体はあるのだが、それはバウマイスター騎士爵家の八男としてのものだ。6歳の子供があそこからやってきたとなれば騒ぎどころじゃない。それなら適当に身分を偽造するほうが良い。街ならともかく、農村などでは身分証の発行がされていない場所はいくらでもある。どーせ戸籍もない世界で偽造したところでバレやしない。本当なら冒険者ギルドで身分証を作るのが一番なのだが、それには年齢制限がある。ならば年齢制限のない商業ギルドで身分証を作る方が良い。
「ところで坊主。売り物は? それとも買うだけか?」
「俺、少しだけ魔法が使えるんですよ。それでインゴットとか売ろうかと」
「……物はどこだ?」
「魔法の袋です」
証拠として一つ取り出して見せる。これでも理系だったからな。そこそこの純度のはずだ。
「……坊主、すごいな」
あれっ? なんか衛兵の目が変わった気が……。
「その年でそこまでの魔法が使えるのか。これなら将来安泰だな!」
ああ、そういうことか。こんな世界だから、よほど運がよくない限り生活に困る事が多い。だが、魔法が使えれば話が変わる。この世界で魔法が使えるかどうかで人生が決まる。原作ではバカにされがちだった初級やそれ未満の”魔力持ち”ですら天才の部類なのだ。俺の様な上級魔法使いは戦略核兵器のようなインパクトのある存在だ。生きているだけで価値があるといっても過言ではない。
「図書館で魔法の本とかありますか? それか本屋」
「それなら案内してやるよ」
「いいんですか?」
「別にこんな仕事、誰がやっても同じだからな! ガハハハハ!!」
そう言って豪快に笑う衛兵だったが、それいいのだろうか? 街に賊が侵入したら大問題だと思うのだが。
「ちょっといいか? 俺はこの子に街の案内するからよ。誰か門番変わってくれ」
「はあ!? 何言ってんすか!?」
「いいんだよ。後な……」
そう言って他の門番に仕事を押し付ける不良衛兵。どうやらここには部下か後輩しかいないらしく、押し付けられた仕事を拒否することができないようだ。
「んじゃ行こうか! まずは飯でも食うか?」
「いや、商業ギルドで身分証を作ろうかと」
「それならこっちだ!」
side:衛兵
俺はしがない衛兵だ。元冒険者だったが、才能がないとすぐにわかり、さっさと衛兵に就職したよくいる男だ。結婚して女房とガキもいるが、本当に普通の男だと思う。他の奴らと違う点があるとすれば、それは俺が鍛冶職人の息子であることくらいだ。
俺はこの街でそこそこの工房の五男で、実家で働くこともできなかったが、さすがに道具や材料の良し悪しくらいは分かる。だから一目見て分かったんだ……この子供は危険だと。
(こいつの持ってきたインゴットは超一級品だ。昔、アルフレッド様やブランターク様が作成したインゴット並み……)
この異常事態を知れば誰もが驚愕する。かのお二方はかつて『次期王宮筆頭魔導士』と呼ばれた天才とその師匠で多くの魔法使いを指導してきた人物だ。現在の王宮筆頭魔導士ですら驚異の一言なのだが、その人ですらかのお二人に指導を受けていたというのだから恐ろしい。正直、その二人がブライヒレーダー辺境伯家の筆頭魔導士に就いたことが異常なのだ。
元々王宮筆頭魔導士は王宮に雇われている魔導士の中で一番年長だったり、実力のある人間が就任する。だが、その条件に『貴族であること』とあるし、稼げる魔法使いは冒険者になっているので、魔導士として仕える奴らは微妙なのだ。別に後進の指導で活躍するわけでも、俺たち庶民のために働くわけでもないしな!
そんな王宮筆頭魔導士なのだが、この時代には候補者が三人もいた。一人は現在の王宮筆頭魔導士・残り二人がかのお二人だ。最も実力の低いと言われているブランターク様ですら老火竜を討伐した英雄だ。有名な上級魔法使いを筆頭に、多くの魔法使いの育成に貢献してきた方であり、性格も良い。……独身、酒好き以外は欠点らしい欠点がない。
話が長くなったが、そんな方々と同等の実力者が現れた。しかも子供だ。普通ならありえない事だが……問題はインゴットの出処なのだ。こんな子供は言うに及ばず、他の上級魔法使いでもこんなインゴットはそうそう作れない。ならば、どこから持ってきたのか分からない。
「おっ、できたか?」
「はい。身分証作れました」
(名前はヴェル……おそらく偽名だろう)
「実はな。そのインゴットなんだが、買い取り先に心当たりがあるんだよ」
「心当たりですか?」
「そうだ。実は俺の実家が工房やっててな。そこならそのインゴットも買い取ってくれると思う。……適正価格でな」
「……そういうことですか」
頭が良い。それもかなり。
この年の子供が高品質のインゴットを売ろうとしても、良くて買いたたかれるか、最悪「これは元々自分の物だ」と言って奪われるだろう。それをこの年で理解できるだけ大したものだ。
「それじゃあ案内よろしくお願いします」
「おいっ。これはマジか?」
「マジだぜ兄貴」
「なら、これくらいだな」
あの後、俺はヴェルという子供を実家の工房に連れてきていた。やはり兄貴から見ても高品質なインゴットだったらしく、かなりの高値を付けてくれた。想像より安かったのだが、どうやら品質が良すぎて、逆に使いづらいらしい。それでも良い材料なのには変わらないのだから、これは実家の実力不足だろう。
「それで坊主。これをお前が作ったのは本当か?」
「はい」
「……なら、ちょっとついてこい」
兄貴が俺たちを連れて行ったのは鉱石クズ置き場だ。鉱山から買い取った鉱石から金属を精製した後のゴミだ。実は兄貴の代になって吸収した工房が金属の精製をしており、その工房の買い取った手腕は実に見事だった。……兄貴、腕は微妙だが、経営能力は高いんだよな……絶対就職先間違えてるよ。
「この鉱石クズからインゴットを精製できるか?」
「おい、それは!」
「黙ってろ。……そもそも、そのためにここに連れてきたんだろ」
「……っ!」
そうだ。この子供が本当に高品質なインゴットを精製できるのなら、実際に見せてもらおうとしたのだ。だが、これは無茶だ!
鉱石クズに含まれる金属なんてたかが知れている……これは職人が効率よく金属を抽出した後の残りかすなのだから当然であり、多くの魔法使いが楽に金儲けできると考え挑戦するが、失敗する典型的な事例だ。魔法使いのお約束とでもいうべきことなのだから、こんな子供が成功するわけない。
(まさか、失敗したらこの子が盗んだものだと言う気じゃないだろうな!?)
自分の兄貴だから疑いたくないが、この子の持ってきたインゴットの価値は数十万セントの価値がある。普通の人間なら魔が差してもおかしくない利益だ。
「これでいいですか?」
「「は?」」
俺が兄貴に疑いの目を向けていると、なんとヴェルという少年は先ほどのインゴットより少し小さいインゴットを持っていた。
「……もう一度やってくれるか?」
「もうこの鉱石からは取れませんよ? 全部取ったので」
「おい! 他の工房に連絡しろ!」
あれからの事は思い出したくもない。
兄貴の伝手で他の工房の鉱石クズからも金属の抽出を行ったヴェルという子供は、鉱石クズから高品質のインゴットを量産していった。数十万セント相当のインゴットが量産されていく姿を見た工房主たちは「うちのインゴットをより高純度にしてくれ!」と頼みこんで来やがった!
子供も「金とお願いを守るなら」と言って快く承諾した。なんなら鉱石クズからミスリルなんかの希少金属までちょっとだけ抽出してくれので、その争奪戦まで起きたのだ。当然衛兵が呼ばれるほどの騒ぎになり、騒動の原因となった子供は事情聴取されることになったのだが……ここで彼の”お願い”が発動した。
「その子は俺らの頼みを聞いただけだ!」
「そうだそうだ! てめえらの鎧や武器の材料を用意してくれてんだよ!」
彼は職人たちに『自分がこの街で活動する上で困ったことが起きたら助けてほしい』と言っていたのだ。その約束を守った職人たちに追い出された衛兵たちはすごすご帰っていったのだが……絶対俺に仕事押し付けただけだよな。皆、俺の事凝視していたし。
(上司になんて報告すればいいんだ……絶対、問題になる)
6歳程度の子供が王宮筆頭魔導士候補と同じ実力の魔法が使える。こんなこと知れば、ここの領主は何が何でも手に入れようとするよな……。