※この作品はR-18です。

MAYU SEXY RHAPSODY   作:あすべすと

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第1話

 桐生マコ。性に奥手な女の子だったが、高校1年の夏の不思議な体験によって、自分の身体の欲求に素直になることができるようになった。

 ボーイフレンドの水橋裕と結ばれ、彼が大学を出て就職した年に結婚した。真優という娘も産まれた。マユはすくすく大きくなり、彼女はもう高校1年だ。

 すべては順調だった。

 しかし。

 真優が高校に入学した年、ユウは単身赴任でニュージーランドに出張することになった。アパレル会社に勤めるユウは、現地でウールの仕入れを行う会社を立ち上げることになったのだ。

 それ以来、ずっと帰ってこない。会話はしているけど、帰ってきてほしいと訴えても、忙しくてそれどころじゃないという。

 そんな日々が、ずいぶん続いていた。

 

 夏のある朝。

 カーテンの隙間から日差しが差し込み、ベッドに横たわっていたマユの顔を照らす。その光で、マユは目を覚ました。

「うーん」

 伸びをして、ベッドから起きる。

 いい朝だ。

 だが、その気分はすぐに壊されてしまったのだ。

 

「えっ、これしかないの?」

 マコはちょっと早く起きて、たまっていた服を洗濯していた。

 ドラム式の全自動洗濯機だけど、やっぱり、自然の光と風で乾かすのがいちばん。

「ママー!」

 階段の下から、マユの声がする。

 下着だけの姿でダイニングに降りてきた。

「わたしの服、ない?」

「洗っちゃったわよ」

「えー!」

「学校に、なにを着ていくのよ!?」

 文句を言われて、マコはタンスの引き出しを開けた。

「これ、どう?」

 取り出したのは、ミニもミニ、超ミニスカートだった。

「これ?」

「去年はいてたやつじゃない」 

 マユは腰の前でスカートを当てて、丈を確かめてみる。

 去年までは、こんなに丈が短くなかったはずだ。

 成長したのか、それとも太ったのか。

「やだ。チンチクリンじゃない」

「しょうがないでしょ」

「もう……」

 仕方なく、マコに渡された服を持って、自室に入った。

 服を着る前、マユは下着だけで姿見の前に立った。

 映された自分を見て、思う。

 まだ自分は子供だ、と。

 マユに月のものがはじめてやってきたのは、小学校6年のときだった。

 その翌年、ブラジャーをするようになった。

 高校に入って、ブラジャーのカップはAからBになった。

 しかしまだ、母親のマコのようなグラマラスな肢体ではない。

 マコは学生時代、新体操で鍛えていたとよく聞かされていた。そのせいか、子供を産んでずいぶん経つのに、体形は崩れていないのだ。

 昨日もシャワーを浴びたあと、素っ裸にタオルを巻いたまま冷蔵庫を開けて、牛乳パックをラッパ飲みしていた。

 階段を降りてリビングダイニングに入ったマユは、あられもない姿にギョッとした。

「お母さん、服を着て」

「あら、いいじゃない。この家には女しかいないんだから」

 そんなことを言って、わたしに自分の身体を見せつけたいんだろうか。

 胸は大きいがまだ重力に負けてはいない。お腹にはすこし贅肉がついているが、腰のくびれは保たれていて、お尻はきゅっと締まって張りがある。

 その体つきに、コンプレックスも感じてしまった。

(わたしもじきに、ああなるのかな)

 

 それはともかく、服を着なくちゃ。

 月のものが来る前の、もやもやした感じがマユを支配している。

 この時期は胸が張って、太ももの付け根から湿った感覚が抜けない。

 脇の下のアポクリン腺から汗がにじみ出る。

 どうしても、においが気になってしまうので、ボディシートで脇の下や首筋を何度も拭った。

 家を出る。

 歩きながらでも、スカートの短さが気になって仕方がない。中が見えてしまいそうで、内股で歩みを進めていく。 

 男のひととすれ違うとき、すこし緊張する。

(見えたらどうしよう)

 その場を早く立ち去りたいが、太ももを大きく動かすとスカートがひるがえってしまいそう。歩いてる最中、そのジレンマが頭の中をぐるぐる回っていた。

 公園を通りかかった。

 ここを横切るのが、駅への近道だ。あまつさえ早朝なので人影が少ない。すこしマユの緊張が解ける。

 だがそのとき、声を掛けられた。

「見えてるよ」

 小学校の低学年くらいの女の子が、花壇の端の煉瓦に腰を下ろして、マユを見上げていた。

「だれ……あなた?」

「お姉ちゃん、見えてるよ。スカートの中……」

 思わずカバンでスカートの前を覆った。

「あ、あなた。いきなりなんてこと言うの」

「可愛いパンツね。誰かに見せたいの?」

 そう言われた途端、羞恥心にカッと顔が熱くなった。誰かに聞かれていないだろうか。思わず周りを見渡した。そして女の子に向かって吐き捨てた。

「イヤな子ね!」

 マユはぷりぷりしなら公園を横切り、駅まで歩いていった。

 マユを見送る女の子の口元には、笑みが浮かんでいた。

 

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