それから毎晩、あの少女はマユの枕元に現れた。
床に入って、しばらくうとうとすると、ふっと予感がして目が覚める。
霧のようなものが部屋に立ちこめている。視界がぼんやりして、部屋のものがすべておぼろに見えていく。
すると、あの声が聞こえてくる。耳元で囁くあの声は、マユを深い沼に誘い込むように響き、そして霧は、彼女のくすぐったいところを、やさしくやさしく刺激するのだった。
「今夜も、わたしと楽しみましょう。もうだいじょうぶでしょ。うふふ……」
少女の声は蠱惑的に響く。
その声とともに、部屋の中に立ちこめていた白い霧がマユの身体を包むと、霧は敏感なところをくまなく愛撫した。やがてマユが快感に身体をよじり、濡れ始めると、霧は首のない男の姿を取って、マユの股間にたくましいものを挿し入れるのだった。
マユははじめ抵抗していたが、やがて快感に堪えきれなくなって、自分からむさぼりにゆくのだった。
霧に乳首や太ももを愛撫されるたび、背筋にぴりぴりとした快感が走る。
足を開いて男のものを受け入れる。ときには優しく、ときには荒々しく突かれ、いつしか自分から腰を動かしている。
やがてめくるめく快感が訪れ、息が荒くなり、心臓の鼓動が早くなる。喉の奥から漏れる声が甲高くなる。
「ああ……こんなの……いや」
「もっと気持ちよくなりなさい……声を出してもいいの……ほら、マユのここ、とっても敏感」
少女はそう言って、濡れた唇を押しつけてくる。キスの技巧は濃厚になり、舌の動きは緻密になった。
「ああ……う」
我慢できなくなって、マユは重なった唇の隙間からうめき声を上げた。
そのとき、乳房を荒々しくつかまれる感触がした。
力強いリズム。
合体したまま、男の上に乗る形になった。
リズミカルに腰を上下させる。太くて固くて熱いものが奥まで入ってくる。
上下させていると、身体の奥から快感が湧き出てきた。
自分の手で胸をもみしだく。上半身と下半身から突き上げる快感
下腹部を満たし、脳天へと突き抜けていった。
目の前が白くなる。
全身の力が抜けて、シーツの上に投げ出される。激しい鼓動。熱い血液が全身に巡っている。
ふわふわした気分に身を委ねていると、また霧が濃くなった。
「あ……」
少女が耳元で囁く。
「さあ、もう一度よ……もっとよくしてあげる……さあ、お尻を上げて……」
そういって耳たぶをぺろりと舐めた。
「ああ」
言われたとおりに、腰を上げる。そこに入ってくる。マユはなすがままにされていた……。
「すごいわマユ。おっぱいが、たぷたぷ揺れて、雌牛みたい。おっぱい、絞ってあげるね……」
少女の手が乳房に伸びる。
「あっ!」
乳首を愛撫されて、快感が強くなる。行為を重ねるごとに性感は開発され、マユの身体はどんどん敏感になっていった。
右手が股間に伸び、肉の芽を愛撫する。
「はあっ……あ……ああっ……気持ちいい……たまんない」
「いいでしょ」
「いい……やめないで……すごい……」
そのとき、少女は耳元で囁く。
「だれにされたい? 真一くん? それともほかの男の子?」
「ああ……」
頭の中で何かがぐるぐる回っている。どうして真一の名前を知っているのか。
でも真一の名前が囁かれたとき、頭の中で
頭の中の真一はマユを強く抱きしめて、好きだよ、と囁く。熱い吐息、鼓動。
「それは……」
快感の渦巻の中、マユは目を開いた。
少女の顔が、いつしか真一になる。
「あああ!」
どんどん近づいてきた――
「いや、あ、あー、たすけてー!」
そして快感の絶頂から奈落に落ちていく。どこまでも落ちていきそうなこの身体を、誰かに支えてほしい――。
「あっ、あっ、あー!」
視界が輝きで埋め尽くされ、真っ白になる。激しい鼓動に息もつけなくなり、意識が遠くなっていった。
そして、気がついたら――ベッドの上で、朝を迎えていたのだ。
ぐったりと身を投げ出し、天井をぼんやり眺めていた。
(ああ、夢だったの……)
部屋は夕べと変わっていない。なんの気配も感じられないし、マユには着衣の乱れもない。
しかし――股間に指をやると、亀裂からにじみ出る熱い潤いを感じるのだ……。