ティーチ達に前回手に入れた成果を渡した後、俺は再び原作知識を頼りに情報収集を続けていた。裏の世界での情報収集は良い能力の訓練になって記憶を読み取ることにも慣れてきた。直接的な接触をせずとも、軽く触れたり、短い会話でも相手の記憶を読み取れるようになったのは大きい。無論、覇気を使えるような相手にはまだ無理だが。
まぁ、それでも。裏の世界の情報収集の精度は上がる。
1人でも目的の情報を欠片でも持っている人間がいれば、そこから芋づる式により多くの情報を持っている人間を探し出せる。
ヂュッポ♡ヂュッポ♡ヂュッポ♡ヂュッポ♡
身軽となった俺たちは船旅を再開し、偉大なる航路を進む。俺は甲板にてデッキチェアに寝転がりながら、ポルチェの口淫を楽しんでいた。
「んん〜〜〜〜♡…ヂュポッ♡…!…いやん♡大きすぎて顎が外れちゃいそうだわ♡」
亀頭に舌を這わせ、淫靡に笑みを浮かべるポルチェは再び曝け出した肉棒を咥え込み、激しいフェラを始める。
「んぁ…♡…レロ♡エロ♡…ジュル…♡…はぷ♡んん♡…ヂュゾッ♡!」
竿全体を長い舌で舐め回し、大口を開けて亀頭を口内に仕舞い込みそのまま唇をタコのように窄めて啜り上げる。
レロレロ♡と口内で蠢く舌はカリや皮の中まで余すことなく丹念に丁寧に舐め取っていく。膣内とはまた違った動きはこちらをハートマークの浮かぶ上目遣いで見てくるポルチェの可愛さも相まって凄まじい快感だ。
「んふ…♡…チュポ…♡…ふふ…ねぇダーリン♡…次は何して欲しい?」
チュッ♡チュッ♡と俺の肉棒の先に優しくキスをしながらポルチェが問いかけてくる。
「どうしよっかな〜悩むな〜」
「ダーリンのリクエストだったら何でも良いわよ♡どんなことでもシテあげる♡」
「じゃあそうだな。このまま口の中に射精したいからさ。おっぱいで挟んでよ」
「いやん♡お安い御用よ♡」
ポルチェが舌舐めずりをして、ビキニを取っ払う。露わになった双丘を持ち上げて、そのまま唾液塗れの肉幹を豊かな乳房で挟み込んだ。
左右からの温かくも柔らかい圧迫感にさらに熱が集まり、ポルチェの唾液がローション代わりとなって擦られる度にニュコニュコ♡といやらしい水音を立てる。
「いやん♡ダーリンのおちんぽ様本当大きすぎるわ♡…私のおっぱいだって小さくはないのよ〜?」
ポルチェも巨乳ではあるが、ワンピース世界だとまだまだ普通サイズだ。ムニュリと形が変わるほど強く挟み込まれたポルチェの乳房からは俺の肉棒が余裕を持ってはみ出している。
「別に俺よりも身体の大きな男はいっぱいいるけどな…」
「大きければ良いなんて話じゃないわ」
と、隣で絵を描いていたマリアンヌが俺の両頬を引っ張る。何とも実感が籠っているように感じる言い方だ。
「無駄な重みで肩は凝るし、足元が見えなかったら躓くかもしれないわ。夏は汗疹になるし、可愛い下着だって少ないのよ」
「男のブツの話じゃなかったか?」
全く別の物の大きさの話をしているように話すマリアンヌの顎を優しく掴んで柔らかい頬をムニムニとしてやる。誇れ、お前はワンピースという世界の中では貴重な貧乳キャラだ。貧乳とはステータスだ。希少価値なのだ。
「別に気にしてないし」
「拗ねるなって。俺はどんな大きさでも好きだぞ」
マリアンヌの服の中へと手を入れて、可愛らしい胸を揉む。小さな乳首と肋骨の感触が手のひらに伝わり、確かに大きくはないが柔らかさはあるし、ちゃんと興奮する。
「んっ…別に無理して抱いてもらわなくて結構よ。自分の顔のことなんて自分がよく分かってる…んむぅ…!」
マリアンヌの唇を唇で塞ぎ、不愉快な言葉を遮る。記憶を弄っても根本の性格や口調など変わらない部分は当然あるので、マリアンヌの自己評価は彼女が本来持っていたものだ。もう一度記憶を操作して、自己評価の高い都合の良いメスにすることもできるがやらない。
「ぷは…マリアンヌがどう思おうが俺は好きにするだけだよ」
確かに背も低く美人なキャラではないが、俺はもうマリアンヌを手放す気は無い。
「ぶー。イチャイチャしてないでこっちも集中してよ〜」
ポルチェが可愛らしく頬を膨らませ、パイズリの速度を早めていく。フェラでも我慢していたので、すぐに射精感がゾクゾクと背筋を登ってきた。
「ああ…!…イクぞ、ポルチェ。しっかり咥えろ」
「は〜い♡…あ〜ん♡はぷ♡…ヂュルルルルッ♡!」
メコッ、と頬をへこませた真空バキュームで亀頭を啜られ、パチュパチュとパイズリも続けられる。俺はマリアンヌを抱き寄せて、ポルチェの口内へと子種をぶちまけた。
ドプッッ!!ビュルッ!!ビュゥゥゥゥッ…!!!
「おぶぅっ♡!!」
勢いよく放たれた精液は一瞬でポルチェの口をパンパンに膨らませ、唇の端や鼻の穴から白濁液が溢れ出る。藍色の髪が汗ばんだ顔に張り付いてとてもエロい。
「ふぅ〜…味わって飲み込めよ」
俺の命令にポルチェはグチャグチャと口内の精液を咀嚼して、鼻息を荒くしながら、ゴックン♡と大きな音を立てて嚥下した。
「ぶ…ゲェプ…♡…!」
飲み干したことを報告するように空っぽの口の中を見せつけながら下品なゲップをするポルチェに全く萎える様子のない肉棒にビキビキと血管が浮かぶ。まだまだ出し足りないと言わんばかりだ。
「マリアンヌ。尻をこっちに向けて。ポルチェはその次な」
「ゲェ…♡…ふぅ…いやん♡…待ちきれないわん♡」
ポルチェが船の手すりに両手をつけて生尻を振りながらこちらへ見せつける。その隣に立ったマリアンヌは溜息を吐きながらも同じような体勢となり、ズボンを脱いだ。小さな尻が露出される。
クチュリ♡とマリアンヌの肉裂に亀頭を押し当てる。ぬるりとした感触と共に小さな穴に抵抗無く先っぽが入った。
「何だ、期待してたんじゃん」
「知らない」
「そういうところも可愛いぞ」
「っ…!…ん、ふぅ…♡…!」
ミチミチと締まる膣内を進み、すぐにマリアンヌの子宮の入り口を潰す。
「ぁんっ…♡」
プチュ♡と最奥を突いた感触と共にマリアンヌが可愛らしい色声を溢し、足を震わせる。
そのまま腰のピストンを開始し、ゆっくりとしかし着実にピストンの速度を早めていく。パチュパチュと粘り気の混ざった肉同士のぶつかる音の間隔が狭くなっていき、見下ろすマリアンヌの小さな背中が何とも愛らしく再び射精欲が高まっていく。
「
「ゥグ…♡…イッッッグ……♡♡♡!!!」
ドピュルルルッ♡♡♡!
キュッと締まる穴に腰を押し付け、精を放つ。小さな下腹部が射精の音と共に膨らんでいき、ビクンと大きく跳ねたマリアンヌの身体が脱力する。
両手と両足をガクガクと震えさせ、もはや挿入した肉棒のみで支えているような状態になったマリアンヌを腰を掴んでデッキチェアに座らせてやり、隣にて待ちきれないといった様子で尻を左右に振るポルチェへと目を向ける。
「ダーリン♡私にもしっかりとマーキングしてよねん♡」
「ああ、この後は暴れる予定だからしっかりと英気を養わせてもらうぞ」
「いやん♡」
様々な体液に塗れた肉棒でペチンとポルチェの形の良い尻を叩き、俺は両手で尻を広げるポルチェの身体へと覆い被さった。
◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇
女達とイチャイチャしながら海を進み、到着したのはとある島だ。地面、木や建物に至るまで全ての景色が真っ白なこの島の名はバルティゴ。
『革命軍』の総本山だ。当然情報は秘匿されている秘密基地だが、革命軍に所属する末端の下っ端もいる以上、完全に情報を隠すことは不可能だ。革命軍の下っ端からより鮮明な情報を持つ者を連鎖式に見つけ出し、バルティゴへと向かう船を俺の記憶改竄とマリアンヌのカラーズトラップで操った魚や鳥に尾行させてこの島を見つけ出した。
この日、革命軍のボスであるドラゴンは不在だ。複数の軍の人間の頭を覗いて確認した。見聞色でも途轍もなく強い気配は存在しない。
「ま、雑魚しかいないって訳じゃないけどな」
「誰だ!?」
「侵入者!?」
「っ…!…ヴァナータは…黒ひげの…!!」
定位置である腰の瓶に潜むハニークイーン以外の女を船に残して、俺は革命軍の基地へと乗り込んだ。作戦会議中だったのか、円卓のある広い空間に入ると力強い気配を持つ3人を筆頭にした集団が一斉にこっちを見る。
その3人とは金髪でゴーグルの付いた帽子を被った青年と明るい茶色の短髪をしたスタイルの良い少女。そして頂上戦争で見た濃すぎる顔面の巨大オカマのイワンコフだ。
原作知識の記憶とそっくりな前者2人、サボとコアラにイワンコフを加えた3人以外に強者の気配は感じない。軍団長達は事前の情報通りドラゴンと共に遠征に出ているようだ。
「やー、どーもどーも。黒ひげ海賊団所属、アゼルでーす。はい自己紹介終わり。じゃ…死ね」
「!!?」
挨拶代わりに実体化させた拳銃を両手で撃ちまくりながら、他にも剣やら槍やら斧やらを革命軍に向けてブッ放す。
「竜爪拳!!」
「
そううまくはいかずサボとイワンコフが向かってくる武器や弾丸を防いだ。
「1人で戦争でも仕掛けに来たのか!?」
サボが格闘戦を仕掛けてくる。喧嘩の動きと軍用の武術が混ざった洗練された動きは生まれがただの貴族の男とは思えない。流石は主人公の義兄か。
「間違いじゃないけどな!ある悪魔の実を奪いに来たんだよ!『ホルホルの実』が欲しくてさァ!!」
「アアン!?」
俺の言葉にサボはチラリとイワンコフを見て、イワンコフはヤンキーのように威嚇してくる。
「今『能力者狩り』っていうのをやっててさ…イワンコフの能力が欲しいんだよね。だからぶっ殺しに来たって訳」
戦闘にもエロいことにも使えそうな『ホルホルの実』は是非とも欲しい。使い方によってはしらほしとエッチする為の手段の一つとしても使えるかもしれないし。
「やれるもんならやってみやがれェ!!
イワンコフの貫手の連打を躱し、合間に仕掛けてくるサボの攻撃を『カチカチの実』と武装色で硬化した身体で相殺する。
戦えてはいるが、2対1なら俺は普通に負けるだろう。なのでさっさと能力を使う。多少の身体能力や覇気、経験の差などひっくり返すほどの能力を俺は持っているのだ。
「
記憶からではなく、能力から創り出した刀を振りかざす。刀身はフィルムのような幾何学模様で波のように揺らめいている。
「フラッシュバック!!」
「竜爪拳…っ!?掴めない!?…ぐああっ!?」
「サボくん!」
『
「ああっ!エース…!!」
「サボボーイ!気をしっかり持つッキャブルッ!!」
その効果は触れた者の後悔、トラウマの記憶を強制的に呼び覚ます。頂上戦争が終わった直後の今はちょうどサボの記憶が戻り、エースを失った悲しみを受けたタイミングだ。この技はよく効くだろう。
「ぐはっ!?」
隙だらけのサボを蹴り飛ばし、次の技を発動する。
「
「なっ…!…くま…!?」
記憶から生み出すのはマリンフォードで見たバーソロミュー・くまだ。何度も『
「やれ!パシフィスタ!!」
別に命令せずとも俺の記憶した通りに動くのだが、気分を乗せる為に号令をかけるとくまを筆頭にした改造人間達が口や手のひらからレーザービームを発射する。
「ぐっ…!」
「うわぁぁぁ!!?」
サボとイワンコフは軽やかに避けるが、他の面々はそうはいかない。コアラも何とか避けたようだが、下っ端達はビームに焼かれ悲鳴を上げる。
「キャンディボーイ達!!おのれこのガキャァ!もう許さんっタブラ!!」
イワンコフがそのデカい顔面を広範囲に残像が残るほど早く動かし、怒りの咆哮を上げる。凄い迫力だ。
「
高速で動きながらただの瞬きによる無数の衝撃波を放つイワンコフ。記憶のパシフィスタ達を盾にするが、あっという間にボロボロにされていく。中々に強力だ。
だが、別に記憶の中のくまがどれだけボコボコにされようが関係ない。俺は前進するパシフィスタ達を想像し、くまを先頭にボロボロのパシフィスタ全てを突撃させた。
そして『ボムボム』の能力を発動し、前世で見た記憶のある技をパクった攻撃を繰り出す。
「メモリーゴーストカミカゼアタック!!!」
ドゥンッ!ドカンッッ!!!!
「オオウ!!?」
俺の記憶も身体の一部という認識だ。故にボムボムの能力で爆弾にできる。
記憶から実体化させた人間や武器を爆弾にして相手に突撃させる技はとても使えるし、モアモアで速度と大きさを倍にすればさらに攻撃力は上がる。
「…ォ…ば、爆破…!?…異様すぎるわ、一体何の能力なの…!?」
身体中に火傷を負い、アフロがチリチリになりながらもイワンコフは立ち上がる。ふざけた外見だがやはり強い。多分俺も悪魔の実の能力無しだと負けるぐらいの差はあるだろう。
「うぐぐ…逃げなボーイ達…!!」
「そんなわかりやすいお荷物逃すかよ!!100倍
フォクシーの使っていたノロノロビームは人間サイズで速度も遅かったが、モアモアの能力と掛け合わせることによってその問題は解決する。
100倍の大きさと速度となったビームが革命軍の下っ端達を捕まえる。
「うわぁ!?……イィィィィィワァァァァァさぁぁぁぁぁまぁぁぁぁぁ…!!」
「そしてェ!
「くっ…!!やらせるかって〜言ってんだろっキャブルッ!!」
ドスッ!!!
「「イワさん!!!」」
「ウウグゥ…!!!」
武装色で硬化し、モアモアで50倍の質量と速度になった槍が部下を庇ったイワンコフに深く突き刺さる。
心臓どころか胸から腹にかけて貫通しているその姿はもう瀕死だ。1対1だったならもっとイワンコフは戦えていただろう。
「こ、これしきィ…!…エンポリオ…テンション…!」
「やらせるか死ね!!
巨大な槍をボムボムの能力で爆破させる。威力も上がったそれはイワンコフを爆風で包み、苦悶の声を上げさせるが、まだ足りない!
「トドメを刺せ!パシフィスタ!!」
「!!!!」
実体化したくまとくまの見た目をした兵器であるパシフィスタが全員揃って口からレーザービームを放ち、イワンコフを襲う。
「ガ…ガフゥ…!!…く、くま…!…」
複数のレーザーはイワンコフの身体を貫き、その巨大な顔面を爆散させる。血を吐いたイワンコフはそのまま派手に倒れた。
「イワさん!!!」
「ハッ…やっと死んだか…!」
素早く隠しておいた果実の入った袋の中身を確認すると、サクランボのような二つの枝分かれの果実が大きくなり互いにくっ付いて一つの実となった渦巻き模様の果実が存在感を放っていた。
手に持って記憶を探る。間違いなくイワンコフの悪魔の実である『ホルホルの実』だ。
「キモい形だな…キンタマみてェだ…」
ただでさえグルグルの渦巻き模様で色味も毒々しいというのに形がまた気色悪い。生体ホルモンを操るからこんな生々しい見た目なのか。
まぁ、そんなのはどうでも良い。
即座にホルホルの実の意思を改竄し、その実を大口を開けて丸ごと飲み込む。噛んでなくても相変わらず最悪の風味が鼻を突き抜ける。
「なっ!?食っただと!?」
悪魔の実の能力者である俺が悪魔の実を何の躊躇いもなく食ったことにサボが驚きの声を上げる。
気にせず実から読み取ったイワンコフの記憶にあるホルホルの実の使い方を脳にインプットする。流石にかなり使い込んでいたようだ。技名は少し変えさせてもらおう。
「クリムゾン」
「うっ!?」
「筋肉弛緩ホルモン!!」
「ぐわぁぁっ!?」
50倍速でサボの目前へと移動。注射針のように鋭くなった五指の爪をサボの脇腹にブッ刺し、ホルホルの能力で筋肉が弛緩する特性のホルモンを注入してやる。サボは痙攣しながら崩れ落ちた。
「こ、これは…イワさんの能力…何故…!?」
「悪魔の実の能力は1人1つまでの筈じゃあ…」
俺がイワンコフの能力を使ったことにサボとコアラが驚愕する。お、そういやコアラのことを忘れてた。どうやら下っ端を守っていたらしい。…しかし、実際に見てみるとコアラもめちゃくちゃ可愛いな。2年後にはもっとスタイルの良い美女になるし、魚人空手も使える武闘派だから役に立ちそうだ。
「や、やめろ…コアラ…逃げろ……!!」
「クク…せっかくだし頂いて帰るか」
イワンコフを殺しその能力を奪い、サボにも勝利寸前、コアラという欲を唆られるメスも簡単に奪えそうな状況。余裕な優越感に支配された俺は油断しきっていた。
「竜爪拳…竜の……!!」
瞬間、全身の毛が逆立ち血が冷却されるような悪寒に包まれる。怒りと覇気の込められた殺気だ。
回避、間に合わない。カチカチの能力で最大まで身体を硬化し、武装色と六式の鉄塊を重ねがけする。
「鉤爪!!!」
「グアァァァッ!!!?」
手の小指と薬指、中指と人差し指をそれぞれ合わせる竜の爪を思わせる独特の形を取った打撃が俺の防御の上から貫通する。サボと同じ構え、しかしサボではない。サボはまだ視界の端で立ち上がれていない。
衝撃と痛みがガードした腕に走り、そのまま吹き飛ばされる。この世界に目覚めてから最も大きいダメージだ。
「イッテェ…クソが…!」
腕を抑えながら立ち上がり、俺を吹き飛ばした男を見る。
「イワ……!!」
死んだイワンコフを見下ろし、ギロリと鋭い目で此方を睨みつける顔にタトゥーを入れた男を俺は知っている。
「ドラゴンさん!!」
サボがその男の名を叫ぶ。
「……ヤベェな…さて、どうやって逃げようか…!」
モンキー・D・ドラゴン。ONE PIECEの主人公ルフィの実の父親にして、海軍の英雄ガープの息子。そして革命軍のトップ。
この島には居なかった筈だが、誰かが連絡して戻ってきやがったのか。それでも遠方の国に遠征に行っていたというのに。いや、1人でいるところを見るに単独で先に帰ってきやがったのか。戻ってくることはないと高を括った俺のミスだ。
「アゼル様…!」
「…ハニークイーン。船に戻っていつでも出られるようにしてくれ。全員船からは動くな」
「でも、アゼル様…!怪我してるわよ…!」
「いいからさっさと行け」
「…」
腰の瓶から出たハニークイーンが床のパイプ穴から脱出するのを見て、俺も動き出す。
「
さっき食らった一撃で分かったが、俺はドラゴンには勝てない。原作ではほとんど戦闘描写は無いが、そりゃあ主人公の父親で世界最大の犯罪者と呼ばれている男だ。弱いはずがない。
実体化させた無数の鉄球をぶん投げ、モアモアで100倍の大きさに変える。落下地点には革命軍の下っ端達がいる。
「竜爪拳、双竜の息吹!!」
高くジャンプしたドラゴンが巨大化した鉄球を一つずつ破壊していく。
それを見届けることなく、船を停めてある反対側の岸へと100倍の速度で走る。
「我々の敵は海軍でも海賊でも無い…天竜人とそのシステムだ。…世界を変えるために戦っている」
高速で動いているはずなのに、すぐ隣から抑揚のない低い声が聞こえる。すぐに方向転換し、フェイントを交えながら白い森の中を駆ける。
「意思と覚悟を持ってな…!…しかし、それでも湧き上がる怒りもある…!!」
「
「友の仇を討てと……!!!!」
一瞬で俺の目前に移動したドラゴンの黒い雷を纏ったように見えるほど覇気の込められた拳が腹に突き刺さり、木々へと叩きつけられる。クソイテェ…!…というかこのままだとマジでヤベェ。死ぬ。
「ゲホッ…!…
「っ!…悪魔の実か」
メモメモの能力でドラゴンの感情を操作しようとするが、全然効かねェ。覇気でガードされている。
「想魔刀!…
創り出した刀を振るい、俺の記憶とドラゴンから微かに読み取れた記憶を混ぜ合わせた獣を生み出す。
虎と馬を合体させたような合成獣は馬の足で駆け、虎の爪でドラゴンを襲う。
『キュルルルッッッ!』
「フンッッ!!」
容易く避けられ、虎馬が破壊されるが、解けた紐のようになった虎馬が別の形を作り出す。
「…っ!?…これは…」
『ドラゴン…!』
「ジニー…!?」
形作ったのはピンク色の髪をした美女、ジュエリー・ボニーの母親にして元革命軍のジニーだ。
俺の原作知識の記憶とドラゴンの記憶によって作られたそれは僅かにドラゴンを動揺させる。
『ウチ、もう死ぬんだ…ごめんね…ドラゴン、くまちー…』
「
ボンッッッ!!
記憶のジニーを爆弾に変え、ドラゴンに突撃させる。
「悪趣味な能力だ…!」
「っ…!
倒せないし、逃げきれない。ならば、戦わずにドラゴンをどうにかして足止めするしかない。
実体化させた仲間達の攻撃をモアモアで100倍の速度と大きさに変え、革命軍の部下達や入隊を待つ小市民に向けて放つ。
「ドラゴン!守らねェと死ぬぞ!…ノロノロ+モアモア、100倍
俺の攻撃に晒される雑魚達をノロくさせ、実体化させた鉄球や武器を倍化させて撃ち出す。ついでにボムボムで爆破する物も混ぜる。
「竜爪拳、竜の翼撃!!」
ドラゴンは部下や市民を守るために俺の撃ち出した攻撃全てをその身一つで防ぎきった。なんでそんなに早く動けるんだ。
記憶したストックのほとんどを吐き出し、全速力で船に戻った俺は焦る女達を部屋に押し込めて、実体化させた船のエンジンをボムボムの能力で爆破させながら猛スピードでバルディゴから離れた。
「っ…オオ…!」
離れる途中もピストルを島に向けて撃ち、弾を巨大化させ、ドラゴンの邪魔をする。
何分時間が経ったのか、爆速で逃げ帰った俺は激しく動悸する胸を押さえて、痛む腕を握った。
「クソ…!!」
追ってきている気配は無い。当初の目的である『ホルホルの実』は手に入れたというのに気分は最悪だった。
「クソが…!負けた…!」
甘かったのだ。能力にかまけて油断していた。過信、軽率。ティーチを笑えない。いや、今までが上手くいきすぎてたのだ。
あと数日で頂上戦争から1ヶ月が経つ。つまり、もう魚人島に行く日が近づいている。
1番の目標はしらほし姫だ。それは変わらないし、しらほしを手に入れるためなら命を賭けるが、本当に途中で死んでしまっては意味が無い。
もし、ドラゴンが味方を守らず俺の命だけを狙っていたら?おそらく、いや確実に俺は死んでいただろう。
「できること、欲しいもの…全部やるぐらいじゃねェと…」
強者であるイワンコフや成長途中とはいえサボに勝てたのは間違いなく悪魔の実の能力によるものだ。もっと強い能力、もっと理不尽な能力が欲しい。
俺は荷物の中から一つのエターナルポースを取り出した。闇取引で見つけたもので行き先はかつて音楽の栄えた町で、数年前にとある大物海賊団に滅ぼされた国。
「麦わらのルフィと赤髪のシャンクス。上手く使えば2人の弱点にできるが…諸刃の剣だな…!だがその能力はぶっ壊れ…俺が手に入れてやる…!」
次の目的地が決まった。狙うのは今は未完成のあの歌姫。必ず俺のモノにしてみせる。