神様の弟子になったら初恋の女の子と添い遂げる事が出来た件。 作:アロンの杖
一体“幼馴染”とはどう言うモノを言うのだろうか。
それはまず第一に6歳~8歳の頃までには出会いを済ませており、第二にお互いが単なる顔見知り以上の関係であること、そして第三に2人の間に思い出として共有出来るエピソードが一つ以上存在していること、等が挙げられるのであり、この三つの要件全てを満たしていれば“幼馴染”と言っても過言では無い、と思われる。
「ねえねえアロン。今日も“あれ”やってよ!!!」
「えぇ~っ!!?け、結構大変なんだよ?あれって・・・」
アニスはこと魔法に関しては天賦の才を秘めており、その片鱗を幼い頃から現していた、彼女の扱うのは主に“火焔”と“閃熱”の魔法であったがその中でも特に。
“紅炎魔法”と呼ばれる超高温のプラズマ炎を自在に操るのを得意としていた、これが独特なのは“自然界の放熱現象”では無くて“太陽の炎”をこの世界に顕現させる事であり、その凄まじい熱力で敵対物を完全に焼き尽くしてしまうのだ。
要するに“宇宙の力”を使う事を、その要点としていたのだがこれに対してー。
アロンはまだ“自分だけの魔法”と言うのを見出せてはいなかったのだが、彼は決して無能だったのではなくこの時点で初歩的な“風の魔法”と回復や解毒の法術が扱えたし、また何より特筆すべきはその体力や腕力、そして頑健さであった。
確かに“魔法使い”としての才覚や能力はアニスに劣るが生命力や精神力、耐久力等ではアロンはアニスに決定的に勝っており、またその他にも“気功”や“波動整体”等も両親から授けられていた為に、それらを使って良くアニスにマッサージを行っていたのである。
「はにゃ~、気持ちいいよぉ・・・」
「・・・・・」
(全くもうっ、自分ばっかり・・・っ!!!まあでも?こんな事を言ったらアニスには悪いけど、良い練習台だと思えば・・・)
戦闘能力では、まだこれと言った特徴が見られないアロンであったが、こと回復術士や整体師としての彼の力は確かなモノで、アニスは遊ぶ度に彼にマッサージを強請っていたのだが。
まだ子供だった本人達は気付いていなかったモノの、実は女の子が男の子に体を触らせる、と言うのはかなり特別な事であり、それは単に“信頼している”だとか“友達だから”と言う理由では成し遂げられない事象なのだ。
それだけではない、アニスはなんだかんだと理由を付けては良くアロンと行動を共にしていたが、良くこれだってかなり特殊な事だった、女の子と言うのは自分に正直な生き物であり興味が無かったり嫌いな人物を傍に置いたりはしないモノなのである。
ましてやアニスはそこら辺はしっかりしている少女だったから、それを見た彼女の両親や周りの大人たちは内心で驚くと同時に“珍しい事もあるものだ”と首を傾げていたのだが、とにかく。
アニスはアロンがお気に入りだった、ちょっと内向的で天然な所もあるけれど、その実彼には裏表と言うモノが無く、純粋で素直で理解力もあり、しかも自分が本当に大事だと思う事柄に付いては容易に妥協しない強情さと言うか意気地があって、そう言った所もアニスと気が合ったのだ。
二人は本当に様々な場所へと出掛けた、“冒険の旅”と言って近所の野山を駆け巡ったり、夜に花火を見に行ったり、はたまた屋根に登ろうとして怒られたり。
二人で過ごした大切なモノから他愛の無いモノまで、とにかく思い出には枚挙に暇がない程であったが、そうだ。
彼等は立派な“幼馴染”だったのであり、特にアニスはこの頃から、既にアロンに淡い思いを抱き始めていたのである。