今まさにレイプされかけた少女は、便女としての役割を放棄した。
感情のまま、黒幕を呼び出す合図を叫ぶ。
「──タイム!!」
──時間が止まる。
「ミキさん」
「! あああああ──っ!」
当然のようにそこに現れたマスタ──と名乗る、変態の黒幕──に向けて、ミキは金切り声をあげる。
小さな手で拳を握り、叩きつけようと──
「おまえっ、このクソヤ──」
間髪入れず、乾いた音が響く。
ミキの視界は
「……っぐぁ……っ? え……?」
「────甘えないでください」
呆然と左頬を押さえる。遅れて
頭の中で衝撃が反響している。
痛む首をゆっくりと真正面に戻すと、いつも通り……何も変わらない表情の男が立っていた。
「ひっ……」
痛みが滲み、それから振り抜かれた右手を見て、マスターに張り手を喰らったと理解する。
「覚悟、決めたって言いましたよね?」
「へっ……
これまで、色んなことを、いくらでもされてきたが。
──ミキは暴力を振るわれるとは思っていなかった。
男の人そのものに対する恐怖が、今までの屈辱感に積み重なる。
「逃げの道に走ろうとしないで、さっさと便女としての仕事を果たしてください」
「そっ、そんなっ。も、もういやだっ! むりっ、ふざけんなっ」
男はまた右手を構えた。
ミキは自分の心臓が跳ね、手足を動かせなくなる。
「ぅひっ──」
びくりと目を瞑り、何度もごめんなさいと唱えはじめる少女の姿は、思わず手を差し伸べたくなるほど情けない。
──容赦はない。
マスターの肘が風を切る。
「──ぐぇっ!?」
「謝罪も貴女の感情もどうでもいいです」
「あぐぅ……、──ぐぇえっ!」
拳の指節が、彼女の薄い腹肉を経て内臓を圧迫する。
殴られた勢いのまま、ミキは悲鳴を上げながら三歩よろめいた。
「あ! やめ──」
男が再び拳を構えていた。
ミキは後ずさるが、一歩遅かった。
「がっ……!? なんで、やめて、って……」
ミキの体がくの字に折れ曲がる。
「お仕置きが、必要、みたい、ですね」
「ひぎっ! いだいっ! やっ、やめっ、がぁあああっ」
淡々とした言葉遣いと共に、何度も何度も拳を打ちつける。
「まだまだ。まだまだ」
「ごぎっ!? があっ!?」
ミキが逃げようとすればツインテールを掴み、口答えをすれば問答無用の三、四発を細身の体に突き立てる。
「あびっ、い゛、ぉげっ」
男が暴力を振るうたび、小娘は身を捩らせ、顔に苦悶を迸らせる。
ぼたぼたと、口の端から胃液が吹きこぼれた。
「あがっ、がひゅ……こぱっ。かぱっ。……ごぇ。ぎっ、ぎっ────」
お仕置きは止まらない。
もはやミキはまともな返事ができなかった。
ただ肉サンドバッグとして嬲られる少女へ、か細い体躯に不釣り合いな鉄槌が何度もめり込み、心と体力を削り取る。
「ぎっ。かっ……あっ……。がぇ、やめ」
「────」
掠れた嘆願。
男は無言で懲罰を続けた。まるで興味がないように、執拗に腕を振るう。
停止した世界、二人きりの間にどすん、どすんという音が響く。
「──ぁあっ──つぁ……────こっ……────ぁぱ……」
ミキは意識を失いかけている。
小さな口からは、体内の圧力変化に伴ってわずかに空気が出入りする音が漏れている。
彼女をこの世に縛り付けるものはもはや肉体ではなく、骨身に染みる激痛の方だった。
「ひぁ……っ。まっ、でっ? ……はぎっ……」
頬はアンバランスな赤みを帯び、片方が腫れている。最初のビンタも軽い一撃ではない。少女の美貌は内出血で穢されていた。
口から、顔中から溢れ出した体液が首と胸元をでろでろと濡らしている。
執拗な殴打の犠牲となった腹部には、赤青大小様々なアザが刻まれ、ぴくぴくと痙攣していた。
年若い少女はその痛みに耐えがたいようで、時折背筋を丸めてうずくまろうとする。
「……」
「ぁ。…………ふーっ……うう……」
そんな様子を見かねたのか、不意にマスターは暴力の手を止めた。
ぐったりとしたミキは脇から持ち上げられても、ぶらりと揺れる意思なき人形のようで、当然抵抗の素振りはない。
「はーっ、ぁ……ぅ…………?」
「────
「……、ひゅー……こひゅー……」
「いいですね? 拒否権がないこと、
男の手に破壊的な握力が宿る。
慌てたミキは何度も、何度も、壊れたように首を縦に振った。
「い゛っ…………! わ……ぁ……ぁ……!」
「わかりますか?
「
ミキの口から発せられたのは言語では無かったが、男は聞き間違えなかった。
「分かりましたか。謝罪も受け入れましょう。……反応がありませんね、本当にわかってますか? 気付けに最後に
「っ!? わかっ、わかり、だかぁ、もうやめっ……」
「では」
マスターはその一言で満足そうに頷くと、少女を無理やり立たせ、片手を上げさせる。
時間停止より少し手前。ミキが中年の手を振り払う直前の位置、姿勢に戻した。
「……ふぅ……はぁ……っ。はぁっ……はぁっ……」
解放されたミキは必死に息を整える。その目に宿る光は弱弱しく、涙の線が頬を汚す。
動きのないミキに代わって、男は衣服の崩れを整えていく。吹っ飛んでいた白いプリムを髪に乗せ、服の皺を整え、散らばっていたアダルトグッズを銀盆に整える。
まるで婦女子に仕える執事の如き丁寧な所作だが、事実は
無言で
「……耐えられないなら、
「────────!」
そう言い残して。
────再び時間が動き出した。
「──……ぅ、くぁっ……」
「うおっ、なんだ?」
「……よく見たら、ボロボロじゃないか」
「アレ? こんなんだったっけ」
「はーっ、はーっ、いっ……たっ……」
ガヤガヤと喧騒に包まれる。ミキが周囲を見渡すと、周りには男の生垣。
男たちはミキの突然の
ミキの狼藉は、無かったことになっている。
時間が
「はぁ……はぁ……あいつは、いない……」
「あいつ……? よくわからんが、人探しか?」
「……いえ」
支えを失ってよろめく体を、必死に踏ん張って立たせる。
かくかくと震える膝を、ゆっくりと体重の軸に戻していく。少女の細い体は外見以上に弱っていた。
便女には、性的挑発と性行為を除外し、
そういったルールが、道具としての最適な品格を保つのだ。
周りの男たちはおそるおそる、ミキの様子を窺っている。
「な、なあ大丈夫か──」
「はひっ! だい……っ。だいじょうぶ、です。おきに……なさらず」
「そうなのか?」
「はい……はい……私は便女です……ので」
「そうだな。ソレ以外のなんだってんだ。まさか
トイレに住む備品にまさか人権がある訳もない。
ミキの突然の怪我に白んでいた場が、男のジョークで再び沸き立つ。がはは、と男たちの笑い声が重なった。
「っ……」
ミキだけに理解できる、別種の痛みが迸った。
「さて、それじゃ相手してくれるんか」
「う」
「……ん? 嬢ちゃん、やっぱ調子悪いのか?」
「………………」
返事のないミキに、一人の男がにじり寄る。
「ぁ……」
「なあ」
「ひ」
彼は先ほど腕を掴み、トラブルを起こす原因となった中年だった。
記憶がぶり返す。彼は先ほどの事を
吐息の熱がミキの髪に触れると、悍ましさに喉が引き攣った。
彼は念を押すように迫ってくる。
「──やらせてくれんだよな」
「ひっ……ど、どうぞ……。ただ、差し出ましいですが、一つ
「ほう。便女が、お願いねぇ」
「は、はい」
その吐き気を催す口臭と態度から必死に意識を逸らし、ミキは指を一本立てた。
男は大人しくそばで耳を寄せる。
周りの男たちもミキの言葉に注目しているようだ。
「私、精一杯ご奉仕します。積極的に腰を振ります! 皆様の精を絞らせていただきます、頑張ります。……ですので」
淀みなく、自らを貶める台詞を吐き出していく。
正気の時も。狂気の時も。結局、最後は自分の意志で体を重ねていた。
(最悪なセリフ。言い慣れちゃったのも、サイアク)
そのとめどなき記憶ひとつひとつ、調教ひとつひとつが、仕草、思考、本能を歪めている。
何度も抱かれ、何度も壊され、そのたび傷つき、やがて立ち上がってきた。
少女には数えきれない
今日、
その
ひとたび朝を迎えれば、そこに居るのは心を失った、
(それ、は。……いやだ……。消えたくないなら、
あまりに唐突、すさまじい
(ああ、クソマスター……くそ、くそ! 許せない! ────
(……おとこのひとに……逆らえなくなっちゃった……)
ミキの精神は砕けかけている。だからこそ、自分が完全に消えてしまう恐怖には敏感になっている。
死より恐ろしく、想像し難い絶望の予感だった。
(何度もコイツらに、
恐怖は降り積もり、やがて満杯の器を圧壊させる。
何度も何度も時間が経って立ち直り、そのたびに壊され、また次の日へ繰り返す。
だが次の日は
「わ、わたし……
「へへへ、俺らも我慢できねえよ」
「ですからっ」
男の生垣から飛びのいて、額を地べたに擦り付ける。
頭を下げるたび、屈辱がミキの心に突き刺さる。
だがそれ以上に、壊されることに強い恐怖を覚えている。
恐る恐る続きの句を震わせる。
「ここで、ご満足いただけたら……。どなたか、一人で結構ですので」
「ので?」
「どなたかってことは、誰でもいいのか」
ミキは全裸未満の格好、女性器を後ろに突き出すような姿勢で、肩を震わせる。
「き、き、
言ってしまった。こんなの、ほとんど命乞いだ。
もちろん──嫌だ。
こんな見窄らしい、父親より歳上のキモオジのダレかなんかに、キスを捧げたくはなかった。
もう何度も使い潰された、擦り切れどころかボロ穴の貞操であっても……。
「き、キスぅ!? なんでそんな、
「────そん、な」
だが、決死の覚悟はあっけなく打ち砕かれる。
「うえ……なんてこと頼んでんだよ、このガキ」
「まじか、ヒくわー」
「可愛いと思ったけど……」
男たちの狂熱がすっと引く。
「なんで……なんでっ」
なぜ、絶世の美少女であるミキの
それは、改変済みの常識において、「
服なんて誰も着ない。全館空調で完璧に快適な空間では全裸がふさわしい。人はみな産まれた時から獣であり、服を着るのはむしろ被造物──人形など、器物だけだ。
セックスの抵抗もない。人類として、繁殖はただの義務、正しい本能だ。
逆に不必要のセックスにも興味を抱かないが、この改変は破却された。今や彼らも男らしく、それ以上に精欲的だ。
だがキスは
「どうする?」
「いやぁ〜〜。キスはなぁ……」
「な、ぁ……!?」
このビル最上階は、改竄された倫理と常識に基づく、狂気の性愛実験棟なのだ。
まかり通らぬ論理で、男たちはミキから遠ざかる。
「キスするくらいなら、トイレして帰ろっかな」
「うそでしょ」
興奮冷めやらぬ男たちの態度は一転、汚物を見るような冷めた蔑視にひっくり返った。
暫く誰も言葉を発さない。
(──失敗した、失敗したの!? どうして頼んだのに
ミキが犯されることは無くなるだろう。
だが。彼女自身そうあることを拒んでも、ミキは今
ノルマを一切達成しないことは、
かくかくと、ミキの脚が痺れたように震え出す。
(これは怒られるの? いつマスターにぶたれるの? ……わたしが、わるいの?)
眦からぽたぽたと恐怖の雫が滲む。
「──なあ嬢ちゃん」
ミキは心で溢れかえる黒い感情に囚われ、一人の男が近寄っていることに気づかなかった。
そいつは、初めにミキに荒々しく絡んでいた、全裸の男の一人だった。
「おい。なあ」
「ひっ……は、はいっ」
「ここはひとつ……キスは無し! セックスだけじゃダメなのかい?」
「それは絶対……っ! そっ……、その……」
ミキは逡巡した。
セックスだけで便女としての役割を果たし、核心的な精神の破滅を受け入れるか。
その結末は……考えようによっては救いかもしれない。
この狂気の世界で、苦しむことも無くなるのだから。
それともここで交渉を続けるか。
うまくいけばキスを勝ち取れるだろう。だがもしもセックス無しどころか、更に不興を買えば……。
きっと、先程の比ではない懲罰が待ち受けている。
「……っ」
まだ、
絶叫を響かせた喉も苦しい。頬の熱は引き始めたが、それがかえって腹の痛苦を思い出させてくる。
何より心が悲鳴を上げる。もう無理だと。
ミキはもう、自分がどうするべきか分からなかった。
眼から、だくだくと涙が溢れてしまう。
「うう……うううっ……」
二の句を告げず、涙だけが頬を伝う。
まるでぐずる子供
「うーん……まあ、君みたいな綺麗で若くてエロい子なら、
「……!」
ミキの様子があまりにも弱弱しいせいか。彼の視線はどこか同情込みだ。
まるで子供に接するかのように──ミキはまさしく子供だ──、慈しみを持った手で頭を撫でる。
ここしかない。ミキは男の足に縋りついた。
「ぜひっ! ぜひ私のおまんこをご利用ください! 何でもサービスします、どうかぁ!」
「お、おう。そう言われちゃ、ま。ヤるけどよ」
「ご利用、ありがとうございます!!」
狂気的な熱に、周囲の男どもがジワリと一歩下がる。
対面の男も少し困ったような声色だ。
「それでは、便女のミキ、ご奉仕仕ります」
「おう、頼むぜ」
ミキは頭を上げ、利用者のことをよく観察した。
男は厳つい顔つきで、ガタイもがっしりしている。
じっとりとした目線は相変わらずだが、もはやそんなことは気にならなかった。
むしろ、彼はこの状況で自分に積極的な視線を投げかける、唯一の
視線の先、顔の手前で、猛烈な性臭が立ち込める。
「……んぉっ……♡」
体の甘い部分は調教済みで、つい反応してしまう。
彼は勃起していた。
穢らわしい行為を強請る自分にそれでも興奮してくれる。この壊れかけの異物を、便女でいさせてくれる。
──少女の涙に混じったのは、感激由来の成分だろうか。
あるいは自ら破滅に突き進む、諦観だろうか。
「……やっぱ可愛いな、アンタ」
「ありがとうございます」
「……よし! なんや、キスなんぞに怖気付くのも恥ずかしいわ!」
男らしく胸を張って、がしがしと少女の頭を撫でた。
「お嬢ちゃんのこと、
「! あ、いゃ……」
「ん? どした?」
ミキはちらりと、置き去りにしたトレイに目を向けた。ミキを責めるためのアダルトグッズの他にも、コンドームの束が用意されている。
彼女は便女人生の中で、意外にも膣内射精の経験がない。
ミキが
だが今回はどうだろう? 男の精神はどのように改竄されているのか?
いつもはマナーとして此方から伝えているルールを、この男は知らないのではないか。
「……いえっ! なんでもありません」
迷いを恐れ、ミキは見て見ぬふりをした。
もしかしたら「孕ませる」というのは勢い任せの言葉の綾かもしれない。
「このままご利用していただきます。……ちくしょう」
それでも、わずかに悪態も漏れたが。
……‥時には。
今のミキには、想像出来なかったらしいが。
「それじゃあ、早速しゃぶってもらおうかな」
「はい……う゛ぇっ♡ すごい、においっ……!」
男の逸物は天高く反り返って、中腹で膨れている。
顔を寄せて鼻に突き刺さる過激な匂い。
やや短いものの、女を悦ばせ慣れていそうな、凶悪でグロテスクな逸品だった。
そして亀頭は、皮が半分被さっている。
「う……!」
その先端から、凄まじい悪臭が漂うのがわかる。
「あー、そういや最近風呂も行ってなくてさ。悪いけど我慢してくれる? 俺も
「は……いっ。おそうじ、いたしぁ……っ! けっ、んうぷっ…………ひゅーっ……。いきます」
口を開けた時に滑り込んできた吐き気をどうにか噛み潰し、意を決して咥える。
ミキの小さな口がかぷりと先端を含み、ちろちろ♡と柔らかな舌先がチン皮の端から舐めほぐしていく。
「おお……なかなか優しい舌遣い……」
「れろっ、んっ、れろ」
ミキの献身的なフェラ導入に、男の顔から険が取れていく。心地よさに身を委ね、天を仰いだ。
対照的に、ミキは額に脂汗を垂らし、顔を顰めていた。
(吐き気、がする! 苦い、まずい! でもやらなきゃ……満足させなきゃ……!)
男性に奉仕しなくては。その一心で唇を開き続ける。咬み千切りたくなる衝動を抑える。
「ちゅるっ……ぴちゃ……うっ……」
口内に広がるは、熟成し切った恥垢のえぐみ。
吐き気を催す性臭が、亀頭の皮をほぐす度にあふれ出る。
彼に抱いていた
今すぐ逃げ出したい。ここに
あるいは一刻も早く射精。とにかく終わりに近づきたい。
だがここで急ぐことは、便女として許されなかった。
「くぷっ、ぶっ。んぷぅ……」
徐々に深く、水に潜るように口に含む。
時間をかけてねっとりと蕩かすのが、便女ミキの性戯だからだ。
「んぐ……はむっ、う。ぢゅるぅ……ふーっ、ふーっ」
「お、おおっ。おおおっ……。極楽、股間だけ温泉を巡っているみてーだ……」
「んぐ、ぐちゅっ……! お、ぇ……れるっ」
ゆっくり、舌を這わせる。
唾液に滲む恥垢を、なるべく噛まずに飲み込む。
込み上げる吐き気は、慣れと気合い、便女としてのプライドで抑えつけた。
──数分、彼の陰茎を舐め続けた。
「ぢゅぽっ、にゅ……っ、くぽっ」
「おおっ、おお〜〜〜っ……」
亀頭はついにズル向けとなって、ミキの喉奥に触れている。
吐き気に抗い続けた結果として、今ミキの反射機能は半ば麻痺していた。
とはいえ、まだ根本まで咥えられていない。せいぜい半ばほどで、口内は埋め尽くされてしまった。
小顔のミキは顎の下側が陰茎に押されて膨れている。
「じゅるっ……れるっ……」
「おっ……? そろそろ動くのかい? このままでよかったけど」
意を決して、ミキは亀頭全体に舌を広げてあてがった。
ぴりりと刺激味が走るが、代償はそれだけだった。
すでに恥垢はふやかして飲み込んであり、これは最後のひと仕上げで、あわよくばの射精を狙う。
カリの裏から上側、また裏側へ、舌先が円を描くように舐め擦る。
「れろ、れーろぉ……」
「おぁ、おおっ!? いいよミキちゃん、ああっ!」
「れろ、れろ、れろ」
「おおおおっ…………」
まずは執拗に外周をなぞり、最後の恥垢をこそぎ取る。
唾液と十分絡めてから、えずきそうになりつつも喉を波打たせた。
「んっ、……ん、こくんっ……ちゅるぅ、ちゅぱっ」
「っ。はぁ〜〜っ、とんでもねえ淫乱だ。若えのに。年齢、一桁目は?」
「んっ」
ミキは顔のそばに片手でピースを立てた。
その所作で、少女が微笑んだ──ように男には見えた。
口に含んだ陰茎、そして青いアザのせいで、美少女は醜く歪んでいる。
色気はむしろ、グッと増していた。
「へえ〜っ! いつから仕込まれたんだい」
「ん……わはんない……れふ」
「そうかいそうかい。じゃあ、ずっとここにいたのか……頑張ったんだね、とても気持ちいいよ」
男が優しげに、ぽんぽんと髪を撫でてくる。
それが記憶の片隅を刺激して、ミキにとっては甚だ不快だった。
衝動的に、舌先で裏筋をガシガシと擦る。空気をめいっぱい吸引して、頬を肉竿に張り付かせる。
「ぢゅぅるるっちゅるぁううう〜〜〜っ!!」
「おぅ、おおおっ!? 急にすげえ、あーあ゛ーっきもちいいっ」
快楽でひどく歪んだ顔を晒す男と、そいつの竿がひどく暴れるので、ミキはしてやったと思った。
ミキがこのトイレ生活で培ったものの一つに、「男に性的に
「はぁ、はぁ。すげえなそれ、堪らねえ。もう一回やってくんね?」
「んう。
「あっあっ。その喋り方くすぐったいねぇ……」
「……じゅるる、んぉ」
聞かせる気のない罵倒という無意味な行為は早々に切り上げ、諦めて顎を前に進ませる。
喉を開き、食道を駆使して逸物を迎え入れる。
「んぐ……! ん……」
「おっ、お。こんなちっちゃいのに、喉奥が、おおっ」
「ん……」
喉奥まで使ったディープストローク。これも慣れたものだ。
もっと大きい亀頭や、喉を破壊するような
コイツの竿もずいぶん裏筋が突っぱっているが、弾力があるおかげで奥まで咥えても苦しくはない。
茂みが顔に当たり、チクチクとした感覚がくすぐったいだけだ。
「んぐ、じゅろろろっ……」
「おおおっ、のどおく熱ッ」
「じゅぷ、じゅぷっ」
「く……! ルアーで魚を誘うような、いやらしい首遣い……っ」
「ぐぽっ、ぐっぽ……ぐちゅ、くぽっ♡」
「お! ミキちゃん、そんなっ、一気に引き抜くと、おおっ!? 敏感なところにまた舌先が……」
「ふーっ♡ くぽくぽっ、ちゅる♡」
ミキは前のめりになりながら、男の逸物を口で扱く。
もはや悪臭を漂わせていたことも気にせず、竿を、亀頭をなぶって射精を促す。
ミキは嫌悪も痛みも何もかも忘れ、若き便女として一心不乱に性奉仕へ打ち込んだ。
再び喉奥で逸物をしゃぶる。ミキの小さな喉がきゅっと締まり、男はハの字の眉を切なそうに震わせる。
「ぐぷっ……♡ かぽっ、じゅるるっ、じゅぽっ♡」
「…………ふーっ、いいぜ、最高だ嬢ちゃん。そろそろ……掃除は十分じゃねえのか」
「……ぐぼっ、ちゅーっ……」
「う。これまたゆっくりと、引き抜きやがる……!」
ミキは引き抜きがてら、これでもかと責め立てる。
口の空気を抜いて口腔全体で竿をしゃぶり。
喉をひくつかせ、去り際に先端へ襲い掛かる。
はやく
舌が、まるで舞踊のように激しく、規則正しくのたうつ。
「べろべろべろべろぉ〜〜〜っ♡」
「──うおおおおっ!? ヤバ、それはっ、ぐぅっ」
年下のミキが責め、中年が情けなく耐える。
そして、一度始まったものには終わりが来るものだ。
「──じゅっ、ぢゅっぽぉんっ♡ はーっ、はーっ♡ はーっ♡」
「…………はぁっ。はぁっ。とんでもねぇ……」
耐え切ったのは、中年男性の方だった。
舐りつくミキの額を掴み、射精感の限界間際で性器を口から引き抜いていた。
息を荒げた彼の、ビキビキに硬直した陰茎が外気に触れて震える。
「やってくれるじゃねぇの、ええ……」
「はーっ、はーっ♡」
男が凄んだ。コワモテの顔に皺を寄せ、額に垂らした汗がぎらりと光る。
がっしりと筋肉を帯びた指が、ミキの顎を鷲掴みにする。
圧倒的に力と立場で勝る男に、モノの様に持たれる。
この扱いがミキの男性恐怖感情を湧き立たせる──
「──はひっ♡ ご満足、いただけましたか……? ♡」
こともなく。
とろんとした目つきで、
……すると男は、これまたいやらしい笑みを浮かべ、無言でミキの肩を叩く。
ミキに備わった便女の本能は、十分理解していた。
(……この人は、大丈夫だ。酷いことはしない)
彼は、怒ってはいない。
「──立て」
「はい♡」
さっきからこのブ男に睨まれると、逆らえない。
恐怖ではなく、
「ケツつき出せ、淫乱女」
「はい…………♡」
──彼は怒ってなんかいない。
ただすこし、度がすぎるほど
────ミキの中で、全てが忘れ去られた。
女性ゆえの、裸体への忌避感。歳若さゆえの、中年に向ける嫌悪。
刻み込まれた男への恐怖すらも。
(おまんこ♡ イヤなのに♡ おまんこっ……♡ したい!)
産まれてから培ってきた経験全てを忘れ、ただ便女としての本能に従いはじめる。
……
ミキはこうして男を受け入れてしまう。
これがいけないことだと、後で後悔すると、いつも脳によぎっていたのに……。
お気に入りetcありがとうございます。励みになります(予約投稿)
次回も明日投げると思います。
評価の類、ほんまにありがとうございます。
誤字報告がマジで一番助かります。