「ふあぁぁ〜あ」
「あっ、起きた。おはよ」
「おぁよ……」
休日の朝。隣で裸で毛布に包まりながら挨拶をしてきたのは同棲している彼女の
部屋の机の上には酒の缶とおつまみが広がったまま。
酔った勢いで抱いて、そのまま眠ったらしい。
リビングの窓から差し込む朝日が、弱々しくも部屋を薄暗く照らしていた。
耳を澄まさずとも聞こえてくる雨音。
少ししっとりとした空気から感じる湿気。
そして微妙にやる気の出ないこの感じ。
「雨、か」
「今日もゲーム三昧かな〜最高じゃん」
「俺、積んでたエロゲやろっかな」
「なにやんの?」
「伽耶の唄」
「あぁ…………がんばって」
「違うのにするわ」
露骨に陰鬱な空気を漂わす美夜を見てもう少し積んでおく事にした。
無類のゲーム好きである美夜は、エロもグロも見境無くプレイしている。カバー範囲が広い癖に十年以上前の作品でも余裕で抑えているのだから筋金入りと言う奴だ。
……こいつとは今でこそこんな距離が近いが、最初はただの幼馴染みだった。しかもゲーム好きの引き篭もり一歩手前。
美夜の両親に頼まれた俺はこいつを外に出すべく、新作ゲームの列に並ぼうだとか、ゲーム機の抽選に行くぞだとか、作品の聖地巡礼しに行くぞだとか、あの手この手を尽くした記憶がある。
勿論容姿に無頓着だった美夜の学生時代はニキビやら肥満体型やらで酷かったが、コスプレと言う概念を知った途端に美少女になりやがった。
まあ、幼馴染み相手に美女だブスだはあまり関係無かったが。
そこからは俺も流れで一緒にコスプレして、一緒にゲームして、一緒に居ることが増えて、ミイラ取りは無事ミイラに進化を果たした訳だ。
「今ではこうして同棲している、と」
「なにさ。私じゃご不満?」
「いんや。美夜でご満足」
隣でログインボーナスの受け取りとデイリークエストを消化している美夜を抱き寄せる。
すべすべの肌、でもシャンプーの匂いは消え去って美夜の匂いがする頭皮。俺の手で鷲掴んでも手に余る乳房。
「おっぱい揉むと気分良いわ」
「んぅぅ……乳首で遊ぶなぁ、ばか」
「リアルエロゲしよっかな」
「好きに……すれば……」
そう言ってこちらに背を向けスマホに齧り付きながらも黙って身体をくねらせる美夜。
こぶりな尻に徐々に大きくなってきた竿を擦り付けても抵抗は無い。ので、そのまま太ももの間に竿を差し込む。
くちゅっと音がした。
「美夜?」
「……なに」
「挿れてほしい?」
「…………どっちでも」
迷うな。挿れたいけど挿れたく無い。
でもやっぱり挿れておくか。
くちゅくちゅと音を鳴らす所を何度か擦ると美夜の身体がピクピクと反応した。そこ目掛けて亀頭を押し込むと、肉棒が美夜の中へとなんの抵抗も無く入り込んで行く。
「ふー♡ ふー♡」
熱っぽい吐息を漏らす美夜を無視して、俺は挿れた後は動かずにいる。
「んぅ……んぅぅ……ねぇ。ちょっとぉ……」
すると、勝手にウネウネと膣内が蠢き出す。更には美夜が自分から腰を軽く揺すり出した。
「あ゛ぁ゛〜〜あったけ〜。きもちぃ〜」
「人のまんこで温泉みたいな声出すな」
「だってさぁ、美夜の中ってば挿れた瞬間からあっつあつのとろっとろなんだもん。実質温泉だぞ」
「違うし……そんな濡れてない……あほ」
どんどんキュンキュン締めてくる癖に。
溢れた愛液が太もも伝って俺の腰も濡らしてるんだけどな。
「じゃあ濡れるまではもう少しじっとしとこーな。痛いからな〜?」
揺れる美夜の腰を掴んで動きを止める。
序でにもっとずっぷりと肉棒を全て美夜の中へと収める。
「んぉ♡ あっ……奥♡」
嬉しそうな声を出しちゃってまあ。スマホの画面も止まっちゃってるし。
腰と膣肉が快感を求めてゆさゆさグニュグニュと蠢きだす。
美夜の身体と本能が俺を求め出してきた所で、美夜の身体をうつ伏せにして、のしかかりながら腰をピストンを開始する。
「おっぉっんっんぁ♡ んあっぅん! あんっあんっ……あっいくっ……イッ……っくぅ……!」
握り潰さんばかりに締め付けてくる中を無理矢理亀頭で貫き、カリで引っ掻き回す。
「んあ゛ぁ!? らめっ♡ それらめぇ♡ いぐっ♡ いぐいぐいぐ! ぉぉおお゛お゛!?」
さらにぎゅぅ〜っと締まり出す美夜の膣を容赦無く突いてそのまま一番奥で俺も果てる。
「あ〜っでるでるっ……っくぅ〜……うっ……ふぅ」
「なか……あつぅ……孕んじゃうよぉ……♡」
「孕めよ。俺、お前と結婚したいし」
「…………」
中出しの余韻に浸っていた美夜が途端に静まったかと思うと、自分から尻を俺に押し付け出した。
押し付けた上で擦り付け、膣をきゅんきゅんと締め付け出す。
「……もっと……種付けしてよ。……孕めないじゃんか」
この後滅茶苦茶孕ませセックスした。
=====
俺も美夜も満足し、お昼時。
「みゃー、何食べたい」
「ぱすたー。あと……ゆーくん」
どうやら美夜はまだ満足してなかったらしい。
ちなみに俺の名前は夕方の夕でゆう。よく“た”と呼ばれて揶揄われた良い思い出の少ない名前だ。美夜なら別に構わないが。
「悪いけど料理するからちょっと待て。パスタは何味? イカスミで良い?」
「エッチしたいって言ってる奴にお歯黒するの? ゆーくんが良いなら良いけど笑うなよ??」
「ぶふっ」
「はいおしおき! 有罪!! ギルティ!!」
フライパンを火にかけお湯を沸かしていた俺の後ろから美夜が抱きついてくる。
このままでは服越しノーブラおっぱいの感触を楽しめる俺のご褒美なのだが、どうするのか。
「ほーらほーら。ノーブラ乳首の感触はどーだぁ」
成る程。やるな。硬くなった乳首が擦れる感触は簡単に俺の勃起を誘う。
「んぅ……ぃやん……んぁ……どっどーだぁ! んっ……」
俺の背中に勃起乳首を擦り付け出した美夜の吐息に艶が増す。それとは別にぐっちゅぐっちゅと音がし出した。
「あっ♡ これやばっ……♡」
阿呆だ。でも楽しいので放置する。
タイマーを十分に設定し、塩を入れた煮えたぎるお湯にパスタを二百グラム沈める。
「ちくびぃ♡ ゆーくんでコリコリ良い♡ あっいく、またいく……ぉ♡ ほぉぉ♡」
イったらしい。阿呆だ。
キッチンに立っているせいで冷静な側面が強いからか、いっそ面白くなってきた。
「ゆーくんの身体おっき♡」
今度は俺の身体にぴったりと張り付くと、身体を擦り付ける様にして自慰を始めた美夜。オナ猿だな。
「イカスミで良いの?」
「イイッ、いい、いくいく、イックぅぅ〜♡」
「はいよ」
ちょっとー。潮かけないでねー。パンティ越しに人の足濡らさないのよー。
「みゃーはもう座って待ってな」
「十分あるじゃんかぁ……しよぉよぉ♡」
「しゃーないなぁ」
パスタが茹だるまでの間、俺は美夜のマンコを“指で”ほじくり回した。
イッても辞めずに指を動かし続け、潮を噴き出して美夜が腰を抜かすまでに五分間。
そこから動けない美夜をオナホにして射精するまで五分間。勿論中出しだ。今更外に出す理由なんて無い。
「ふう、ジャストだぜ。やっぱ最高のオカズと最高のオナホが揃ってたら五分で射精は余裕だな」
下でおほおほ言いながら伸びてる美夜はそのままに、パスタの湯を切る。シンクが熱膨張でボコンと凹むのを楽しんでいるのは内緒だ。
用意しておいた皿にパスタを分けて入れ、そこにレンチンしておいた『ハコナンテイラネーゼ』のイカスミパスタソースを注いで和えていく。
フォークとスプーンを差してテーブルに運び終えたら次は美夜を肩に担ぐ。
「お姫様抱っこしろー」
「お米様じゃだめか」
「だめ」
ソファに倒す様に下ろす。
その後は普通に食べるのだが、隣であーんと口を開ける美夜の姿が。おんなじ味のパスタを強請る理由が分からんのでベロチューしておく。
「んっ、ちゅぅ、れろれろ……はぶっちゅぶっ……ぷは。悪くない。けどあーんが良いです」
「俺が咀嚼したやつでも良い?」
「ごめんご飯の口移しはNG。飲み物ならいける」
「んじゃ諦めろ」
フォークでパスタを持ち上げスプーンに乗せてクルクルと巻き上げていく。真っ黒なパスタからフォークを抜いてスプーンを口に運ぼうとすると、隣で大口を開けながらガン見して来る美夜の姿が……。怖っ。
「はい、あーん」
「あーむっ。むふ、むふふふ。ゆーくんのそゆとこ好き〜」
惚れた弱みと言う奴だろうか。こいつの何気無い一言にいつも胸が跳ねる。料理出来ない、家事も積極的じゃない、出不精で見た目がちょっぴり良いだけで、実は脱ぐと太ってた証の余った皮があったりするこいつに好きと言われるのは……すごく嬉しい。
「なあ、指輪どうする」
パスタを巻きながら問う。
「指輪と言えばボンゴレでしょ」
「イカスミだが?」
「そっちじゃなくて」
「ああ、マフィアか。でもなぁ、指輪とボックスはセットだろ」
「確かに」
「推しは?」
ふっと立ち上がった美夜が部屋に掛けていた服を下ろしてハンガーを取り、不器用ながらも服を畳んでから再度ハンガーを二本手に取って立ち上がった。
そしてアウターを一枚羽織って、ハンガーの首の辺りを掴んで言う。
「かみころ——「はいストーップ」ええー!」
「ハンガーをトンファーにすんな」
「分かり易かったでしょ?」
「それはそう」
美夜はハンガーをハンガー置きに綺麗に並べてから戻って来るや否や俺の膝の上に座り込んで口を開けて餌を待ち出す。
そこに真っ黒パスタを放り込む。
「今の時代、売ってんのかね。俺ガチャガチャでしか見た事ないぞ」
「マジで指輪とボックスにすんの!?」
「婚約指輪ならいんじゃね?」
「………………そっ、そっか」
意味深に呟いた美夜がくるりと向き直り、俺の頭を掴む。
「私も、ゆーくんと、け、けけっ結婚、したい……です」
そう言ってうーっと唇を窄める……が。
「唇黒いから拭いてからね?」
「はいかみころーす!! 絶対かみころーす!!!」
「おい待てってみゃー。良いか、俺の気持ちを教えてやる」
立ちあがろうとする美夜の肩を抑える。そして少しだけ顔を近付けてにっこりと歯を見せて笑ってやるのだ。
「ぶふぉっ」
「おいおい、死にてぇらしいな?」
「ごべぇぇぇん! 私が悪かったぁぁ!」
「お前船降りろ」
「まじごべーーん!」
この後、二人並んで歯磨きしたあとちゃんとキスした。
=====
「ねー、周回手伝ってー」
「ちょっと待て、こちとら激エロ母乳CGで右手が忙しい」
「今なら私のあそこ貸したげるのにな〜。いずれ母乳出るのにな〜」
「おうどのクエだよ。早よ行くぞ」
烈火の勢いで孕ませるシリーズは全員が爆乳で母乳が出て素晴らしいのだが、流石に現実の快楽には負ける。
……いや待てよ。リアルオナホの感覚、そして視覚は激エロCG……これは有りか? 無しか?
……これは目には目を案件か。最悪、乙女ゲーしながら後ろから突けとか言われかねん。それはそれで有りだが、なんかヤダ。無しだな。
雨音とモンスターを斬る音、そして美夜の尻を腰で叩く音を部屋に響かせながらモンスターを狩る。
「ごめん、セックス後にするわ。狩りに集中出来ねえ」
「おう、私もなんかスンってしてたわ」
この後は下半身を露出しながらお互いの装備一式が揃うまで狩りまくった。
=====
ゲームを辞めて二人で少しだらりとする。
美夜の膝を勝手に枕にして、雨音をBGMに、下から乳首のぽっちを指先で突く。
「ねえ、乳首やめない?」
「え??」
「心底不思議そうな顔やめない?」
美夜のおっぱいを暖簾のように持ち上げて目を合わせる。
「暖簾やめろ」
「なんで伝わんだよ」
「ゆーくんの事だぞ、分かんない訳無いじゃん」
「…………」
なんとなく身体を起こし、なんとなく美夜を押し倒す。
すると美夜が俺の顔を撫でながら言う。
「する?」
「……する」
「ん、しよっか」
激しいものではない。ただ挿れて繋がるだけの、そんなセックス。
土砂降りになったらしい雨が窓を叩く音がする。
蛇口から垂れる水がシンクに落ちる音がする。
パソコンのファンが回り、外で車が走っている。
ただの日常の中で、日常的に美夜と繋がる。
「美夜……幸せにする」
「……もう幸せだよ。ずっと前から、ずっと幸せ」
「じゃあ、ずっと幸せにし続ける」
「じゃあ、私も。ゆーくんの事、幸せにし続けたげるね」
膣が締まり出す。
精液が迫り上がってくる。
キスをしながら絶頂する。
当たり前の様に、お互いが果てる。
「今晩何食べたい?」
「ハンバーグ。一緒につくろ。……あとゆーくん」
「ソースは? イカスミソースで良い?」
「ふふ、良いよ?」
「……グレイビーソースにすっか」
雨の日、俺達は変わらず繋がっていた。
その関係性を表す名前だけが変わろうとしていた。