暑い夏の日。今日はよく晴れている。最高気温は三十六度。入道雲がアニメみたいに空の向こうに見える。
今晩か明日には雨か嵐か……洗濯物を取り込んで置こう。
ベランダに繋がる窓を開ける。
カラカラカラっと音を立てるほどに、蝉の喧しい声と熱波が嫌と言うほど部屋に入り込んでくる。
嫌気が差しそうだが、家事はやらねばならない。美夜の下着を取り込み、俺の下着、その後シャツ類を蝉や虫がついていないかを確認しながら取り込んでいく。
取り込んだら直ぐにカラカラカラっ。
それに合わせて蝉の声と熱波が和らぎ、冷房の心地良い冷風に身を包まれる。ある意味で整ったと言えそうだ。
「みゃー。畳むの手伝えー」
「え゛ぇ゛〜! やぁだぁ〜」
俺がこの前プレゼントしたハリネズミのもふもふぬいぐるみを抱き締めている美夜が、Tシャツとスポーツ用のショーツだけのラフな姿でソファに寝転がっていた。
そこそこスタイルが良く、顔も良い。艶やかな黒髪も艶がある。しかし生粋のオタクで出不精。それが、俺こと
俺が苦しみながら行った一連の動きをうざったそうに見つめていた生意気な美夜に少しでも楽な提案をするのが日頃の流れ。
「今日は出掛けるんだろ? 干してたのを着れば畳むもん減るぞ」
「……一昨日来た服はちょっと。おんなじのローテーションしてるとか思われたらなんか嫌じゃん?」
「プライドだけが肥大化して、社会と自分の板挟みに疲れていくニートみてーな事言ってんじゃねーぞ」
「…………みゃー、今ので傷付いた。めっちゃ痛かった。もう今日引き篭もる」
タオルケットを頭から被った美夜に効きそうな言葉、なんかあったかなっと。
「チープな言葉を合言葉にして、鉄柱が落ちて来ないか見にいこーぜ。ばーって通ったトラックが誰かを轢かないか調べたくないか? 夏の水色掻き回す蝉を踏み潰しにいきたくならね?」
「頼むからそれ以上歌詞を語るな……傷つく」
「茜色見るんだろ? 小さなヒーローの振りするんだろ?」
「泣くから辞めて。あやのんのこと馬鹿にしないで」
「目を奪う様な一日にしよーぜ」
「どっち!? それはどっち!? リサイタル!? アテンション!?」
「世界に怯えなくて良いらしいぞ?」
「うぅぅぅにゃああああ!! ……八月十五日は私が終わらせてやるよ」
青春時代を彩ったボーカロイド曲によって覚醒した美夜。これだけ声出したらもう動けるだろ。
「手始めに洗濯物を畳もうな」
「……はい」
美夜は上がったテンションを氷点下まで下げ、のっそりもそもそとようやく動き出した。
窓を貫通して季節感を届けてくれる蝉と太陽光に辟易としながらも、冬はこれを懐かしく愛おしむのだろうな。
俺達は洗濯物を畳み始めた。
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まだまだ畳むのが下手くそな美夜の後ろから手を持ちながら一緒に服や下着を畳んで行く。
時々ウーウー言っては唇を尖らせて拗ね始めるので、都度キスしてやりながら一緒に畳み終える。
その後は、まずは美夜の服をひん剥く。
黒色のブラとパンティは気にせず、アイロンを当てて皺を伸ばしておいた清潔感のある白いTシャツを着せて、ワイドデニムを穿かせる。タックインしたらベルトを巻いて、髪にコテを当てて今日はストレート。
最後にキャップを被せたら出来上がり。
「はい」
「女の子の服装を決めた挙句、着せ替えた上で、髪を当たり前の様にセッティングするのってどうなの?」
「みゃーが素直に動くなら俺もここまでやんないぞ? あとキスでお前のねじまきを都度回すのクソだりぃ」
「あーあ、もうテンションダダ下がりだよ」
とかなんとかほざくので、顎クイからのキスをひとつまみ。
「んにゅふへ。ちょっと……辞めてよね。チューひとつで満足する様な安い女じゃないから、私……ちらっ」
とんでもねえ笑い方をした美夜は一度は俺の胸に手を置いて距離を取るも、浅ましくも二回目を求めて来るのでさっさと二回目。
「んちゅー。ふはぁ……。その冷めた目もすきー」
「メイクは自分でやれよ。待ってるから」
「あいあーい」
汗で落ちる事を前提のメイクと、汗で落ちにくいリップをつけて戻ってきたら美夜がまたも唇を突き出して来るのでキスする。
「どう? このリップ甘いらしーよ」
「んー……もっかい」
「ん、ちゅっ、ちゅっ……あっ舐めちゃだめ。もぅ。ちゅぅ、はむ」
「ちょっと甘いかも」
「このキス魔〜」
キャップ越しに頭を撫でてぐらぐらと脳を揺らしてやる。惚れた女とのキスが好きで悪いかよってんだ。それはそれとして面倒な側面もありはするが。
「そろそろ出るぞ? プール、行くんだろ」
「……ねぇ、ゆーくん。私の水着姿、さ。他の人に見せたい……?」
「微塵も見せたく無いですけど」
「私も……ゆーくんだけが良い」
少し照れた顔で、でもキッパリと、美夜はそう言い切った。
……俺は履いていた靴を脱いで風呂場に向かう。風呂の設定温度を下げて湯を貯めるボタンを押し、ぬるま湯を湯船に溜めていく。
俺の突然の行動にしょぼくれていたのか知らないが、玄関から動かずに俯いたまま止まっていた美夜の手を引く。
部屋へと連れ戻し、着せた服を脱がせる。ブラもパンティも全て脱がせる。桜色の乳輪も、その中央に立つ魅惑的な乳頭も、吸い込まれそうになる股間の割れ目も無視する。
「水着、今着て」
「えっ……うん……」
俺も服を脱ぎ去り、下に予め着ていた水着姿になる。
黒いホルターネックのビキニを来た普段の三割増しでセクシーに見える美夜を風呂場へと連れて行き、一緒にぬるま湯に入る。
後ろから美夜を抱きしめる態勢。美夜の肌との接触率が高くて結構幸せだ。
「あ゛ぁ゛〜〜。これ良いねぇ〜」
「おっさんか。今日は予定変更してお家プールだ」
「……えっへへ、じゃあ、えっちな事も出来ちゃうねぇ?」
えっちな事はもちろんする。絶対する。水着とか最終的には取っ払うだろうが、えっちで風呂が汚れる前にプールらしく楽しみたい気持ちもある。
「待てみゃー。この風呂桶を見ろ」
「うおぉ!? これは!? 百円ショップで売っている水に沈めて銃身そのものに水を溜めるタイプの水鉄砲と!! タンクに水を入れてシュポシュポして装填し長時間の射出を可能とするロマン水鉄砲!! あとゴーグル!!」
俺は撃ち合える態勢を取る為に、狭い湯船の中で美夜と向かい合う形を取る。人肌の温もりが離れてしまった寂しさを美夜にぶつけてやるとしよう。
「……やるぞ」
「はんっ。この距離で、早撃ちのみゃーと言われたこの私に挑むとはねぇ……とんだ世間知らずがいたもんだぴゃぁっ!?」
「前口上が長い」
俺が選んだのは銃身に水を貯めるタイプ。速度が求められるこの状況下でタンクに水を貯めてシュポシュポしてらんねえ。最速で貯めて最速でぶっ放す!
ぴゅっぴゅっぴゅと、美夜の顔目掛けて何度も発射。美夜の顔が少しずつ俺の掛けた液体で塗れていく様に興奮する。テンション上がってもっとぶっかけたくなる。オラオラオラオラ!
「いやっ、やめっ、ぶっ、ちょっまっ、やっ……勘弁しろよおお!!」
「一瞬でも気ぃ抜いたら負けだろ」
「誰がメンタルまでアメリカ西部に行けって言ったんだよ」
「仕方無いな。……三秒だけ待ってやる」
「……違うなよ、その約束」
後ろを向く事は不可能なので真下を向く事で待ってますアピールをする。
ついでに言っておくと、十秒は待つ予定だ。こう言う時に限って美夜は焦って手元が狂う事が多い。
かちゃかちゃっ、ぼっちょん。
「ああっ!! ちょまてよ!」
今のは水を貯めたタンクを回して装着するのに失敗してタンクを湯船に落とした音だな。
あせあせとしているのがよく分かる。美夜はこう言うところが可愛いらしい。いじめたくなる。
「さーん。にーい」
「あぁぁ!! たんまたんま! あと三秒! 追加三秒!」
「いーち」
「ばかあ! ゆーくんのばかあ!! 意地悪!」
「ゼロ」
顔を上げた俺の前には大きな銃口が向けられていた。
予想だにしない状況……! どうなっている! 何が一体どうなって……まさか!? 美夜は慌てている素振りを取っていただけだったというのか!?
「猶予を与えた奴から負けるんだぜ。good luck!」
「やめっうぼっぁかはっ……ながっいやなげぇっ……ごぼっごほごほ……!」
「ひゃっふ〜!」
猶予を貰った上でブラフまでしかける徹底振り。俺の思考と合わせて自らの普段の言動すら読み解くとは……認めざるを得ん。
「今は、お前が強い……!」
「水の貯蔵は十分か! ってな〜!」
お互いが一勝ずつした事である程度満足した俺達は水鉄砲バトルを一旦休戦して、ゴーグルを着けての潜水勝負に移行する。
この勝負ではとてつも無い妨害工作が予想されるだろうが、予想される事を予想しておけばどうと言う事は無い。
と、美夜はそう考えて目を瞑る事だろう。しかし! それでは触覚はどうにもならんと言うものよ!
「それじゃあ潜水始めんぞー。よーいスタート」
ゴーグルがあるので目を開ける事自体はなんら問題無い。なんなら風呂の水中で目を開く事自体稀なので思ったより新鮮で楽しい。
ごぼごぽぽっと水音が響き、髪が浮力でゆらゆらと広がり揺れる感覚。
悪戯とか妨害とかの思考は一旦脇に置いといて、風呂の中で美夜と目が合って笑いかけると、向こうもはにかんだ。
指で上を何度も突くジェスチャーで水面から同時に顔を出す。
「ねっ、これ当分ハマりそうなんだけど」
「分かる。風呂ゴーグル良いな」
「それはそれとして勝負再開ねっ」
「うぇーい。んじゃスタート」
再度潜って、水中で泡が巻き起こるなか美夜を見据える。
今度はがっつり目を瞑って対策を取ってきたつもりのまな板の上の美夜さん。
俺はそんなばかっぽくも可愛らしい美夜の胸元へと手を伸ばして、乳首の辺りを指で擦る。
誰もセクハラ無しとは言ってないからな。
すると、急に口の中の空気を全て出した美夜が水上へと急浮上していった。どうやら俺の圧勝らしい。
乳首でイってみたいって開発に付き合ったあの苦労の日々は今日の為にあったのかもしれない。感無量だ。
遅れて俺も水面に顔を出す。そこには顔を真っ赤にして胸元を抑える水に濡れた美人が居た。水着でするのは初めてだからか、中々普段とは違った感情が湧いてくるんだな。エロ可愛い。
「そっそう言うのじゃ無かったじゃん!」
「そう言うの無しとは言ってないぞ?」
「じゃあ私が夕の触っても文句無しだよ!?」
「一向に構わん。寧ろご褒美だ」
「うぅ……へんたいっ! すけべ!」
……反抗的だな。これは、徹底的にわからせるしかない!
足を伸ばす。そっと、ゆっくりと。そのまま美夜の股の間まで進め、親指の爪で股をそっと擦る。
「んやっ……ちょ、ちょっと待って……今遊ぶときじゃん……? 楽しくなってきたぁんっ! ……のにぃ」
「んー? 意見があるならちゃんと言いたまへよ」
「だっだからっ! んっ……ふーっ、はぁっ、おまんこ、擦るのやめてよぉ……」
俺の足の指に弄られながら、恥じらいからか美夜が足を閉じた所為で俺ですら自分の足を引き戻せない。
その上でこんないじらしい事を言われたら、もっとやっちゃうのが男ってものだろ。
ビキニの上から恥部を擦るのは人差し指に切り替え、親指は少し上にあげてお豆を探す。小さな突起に親指の腹が触れたら、そのまま足をグッと押しつけて細かくクイクイと動かす。
「だめっ、てっ……言ったぁ! ……あぁっ、もうっ……くりとりす、だめだってぇぇ……」
口ではそう言いながらも美夜の身体は俺の足を掴んで、腰を持ち上げられる態勢になっているにも関わらず、尚も足が陰部に当たっている。
徐々に美夜の表情も蕩け出していて、よく見てみれば自分から腰を動かしていた。
「これやばい、きちゃうっ、くる、あっいく、いくいくっいっくッッ……! んおぉっ!?」
狭い湯船の中で、前傾姿勢のまま絶頂した美夜が溺れない様に捕まえる。
可愛いイキ顔を晒したままで、口が半開き。口内へとつながるその小さな隙間に舌を入れれば、反射的にかしゃぶりついてきた。
身体を抱き寄せ、ビキニのパンツ、尻の山に引っ張られて出来ている小さな谷間から手を突っ込んで、指で美夜のふにふにと柔らかい大陰唇に触れていく。
そこは風呂の中だと言うのにしっかりと愛液の滑りが感じられた。外側から小陰唇のびらびらを通って膣口へと指を伸ばせばパクリと咥え込まれて指が締め付けられた。同時に俺の舌を咥えたまま目だけで欲しいと訴えてくる美夜が居る。
俺は求めに応じて水着を下ろし、美夜のビキニをずらして膣穴に亀頭を添える。たったそれだけで美夜の膣は亀頭に吸い付いて、当たり前の様に、スムーズに、その全てを飲み込んでしまった。
「ゆーくん……ゆーくん……♡」
「お遊びはもう良いか?」
「もういいっ。えっち、しよ? 今日大丈夫じゃないけど、全部生で中に出して♡」
そんな事を言われたらこっちも歯止めが効かなくなると言うものだ。
蝉の鳴き声が遠くなって意識から外れる。
湯船に貯めた水が大きく波打ち、その度に美夜の口から熱い吐息と喘ぎ声が漏れた。
勝手に一人で収縮し、ビクビクと痙攣し出す膣を無視して腰を動かし、美夜がイキ続けるままに俺は膣奥で果てる。
「んはぁぁぁっ♡ いぐっぅぅぅううう!!」
美夜もまた俺の射精と同時に大きな絶頂を迎えて、共に身体を預け合う。
「水の中、やりにくい。お前の事ちゃんと抱けない」
「んっ。あがろ? そんでベッドでいっぱいしよっか♡」
美夜の膣から竿を引き抜けば精液で風呂場が汚れる。だから俺達は繋がったまま風呂から出て、繋がったまま身体を簡単に拭き、繋がったまま脱げるだけの水着を脱いで、ずっとそのまま愛し合った。
クーラーが効いた室内で汗だくになって。蝉の声に負けないフェラチオの音を聞いて、負けじと俺もクンニして、途中からは足とかお腹に唇つけてぶぶ〜って息を吐いたりして。
笑いながら、面白おかしく抱いて抱かれて、美夜の中へと精を注ぎ込む。
ただそれだけの夏が、俺達を幸せで満たしていた。