あるウイルスが蔓延した世界で 作:ラー
高熱を発する新型ウイルスが世界に蔓延し、数多くの犠牲者を出した。
ワクチン開発が間に合わなかったが人類はその適応力で集団免疫を獲得してウイルスの脅威は退けられる。世界に平穏が戻ったはずだった。
しかし、ウイルスの後遺症か、それともまた別の原因なのか、分かり得ないが男性に致命的とも言える症状が現れてしまったのだ。
集団勃起不全である。
つまり、男性は興奮しても男根が勃起しなくなってしまったのだ。それは世界各地で確認され、その症状を治そうと日々研究が繰り返されているが著しい成果は確認されていない。
「そんな世界線もあるんだなぁ。だから女性の男性を見る目があんな感じなのか」
今いる場所は京都伏見学院という学校だ。
転校初日ということで先生が正門まで向かいに来てくれるはずなんだけど、まだ来ていない。まぁ、予定時間よりも少しだけ早く到着しているから、そのせいかもしれない。
先生がこちらに来るまでの時間に読書の続きでもしようかな。
カバンから本を取り出して、朝から読んでいた続きを読み始めた。しばらくすると、駆け足で近づいてくる足音が二人分聞こえて来る。
本を閉じて目線を上にあげると白衣を纏っている胸の大きな女性とこの学校の制服を着ている気の強そうな女子生徒がやってきていた。
「遅れてごめんなぁ。少し会議が長引いてちゃって」
「遅れてごめんなさい。私はこの京都伏見学院の生徒会長の鳳穂乃果と申します」
「私は保険医の姫乃巳葵です」
「ご丁寧にありがとうございます。僕は今日からこちらに転入する神宮寺隆哉と申します」
生徒会長と保険医の先生だったのか。
しかし、この鳳さんはこちらで出会った中でもかなり強烈な女尊男卑の感じが見てとれるなぁ。顔は笑ってるけど、目が男だからと見下しているような感じだし。
まぁ、ここでは男性は勃起不全で、興奮しても勃起しないからね。ウイルスが世界に蔓延する前は普通だったらしいけど、現在では見ての通りだしね。
「私は次の会議があるから鳳さん、彼を案内してあげてね?」
「はい、生徒会長として職務を全うします」
「じゃあ、よろしくねー」
姫乃先生っていうのか、あの人。
人当たりは良さそうだけど、一癖も二癖もありそうな感じがするね。こっちよと言われて鳳さんに先導される形でこの学校を案内される。
すれ違う人達から"転校生かな"とか"すごいイケメンだ"とかいう声が耳に入って来る。
うーん、髪の色が白に近い灰色だからやはり目立つのかな。染めても良いけど、地毛だし気に入ってるんだよなぁ。
「はぁ、なんで私が男のために時間を割かなきゃいけないのよ」
「そっちが本当の姿なんですか?」
「話しかけないでくれる? 不能のくせに」
「酷い言われようですね。転校初日からこんな言い方をされるとは僕は悲しいですよ」
「は? そんなこと私の知ったことじゃないわ。顔が良いだけの……っ!」
やっぱり、こっちが鳳さんの本当の顔だった。
黙っていれば容姿も優れ、スタイルも優れている生徒会長。でも、口を開くと男である僕に対して罵倒してくる始末。
さすがに転校初日からこんな仕打ちを受けるとは心外だ。最後に案内された場所は生徒会室で今は他の人達は全員席を外しているのか、僕と鳳さんの二人しかいない。
彼女の身体を軽く押して、壁際に追い込み、顎を掴んで僕の方へと向かせる。
「離しなさいよ。男が私に気安く触らないで」
「初対面でここまで言われる筋合いはありませんよ? いくら温厚な僕でも思わず、犯してしまうかもしれません」
「ふんっ、犯してしまう? 出来るものならやってみなさいよ! 口では言えても不能であることには変わりないんだから」
「そうですか。確かに聞きましたからね」
僕はそのまま彼女をこちらへと引き寄せて唇と唇を合わせた。
目を見開いて抵抗しようとするが、体格の差も加わって鳳さんは逃げ出せない。唇をこじ開けて舌を差し込み、舌と舌を絡ませる。
彼女の身体がピクリと反応するが、無視して舌を絡ませ続ける。徐々に強気だった彼女の表情が崩れ去り、頬が上気し始めた。
制服の上からでもわかるくらいに乳首がぷくりと勃起し始め、僕は彼女の大きな胸も同時に愛撫する。
掌で胸を揉みつつ、制服の上から指で乳首を刺激していく。
「ぷはぁ、男なんかに……ふぁ!」
「まだ始まったばかりですよ?」
「あ、そこは……!」
唇同士が離れると唾で出来た唾液の橋が糸を引いた。
口では罵倒しているが体の方は正直なようで瞳は潤み、太ももには少し粘り気のある液体が伝い始めている。見せつけるようにその液体を指で拭って鳳さんの前に持ってくる。
指を付けたり、話したりすると僅かに糸を引いているのがわかる。彼女自身もその正体が何かわかっているため、赤く上気した顔でこちらを睨む付けている。
男性が不能であるという事は言い換えれば、男性とそういった経験をしたことがないということになる。
自身で身体を慰めることはあれど、男性とこういった行為には及んでいないから感覚がまるで違うんだ。唇、胸、乳首、そして下着越しに陰部を同時に刺激する。
「あ、駄目、駄目、駄目ぇぇぇ!!」
複数個所を同時に刺激することで鳳さんは絶頂し、陰部からは激しい潮を吹きだした。
いくら強気でもこちらは自身で慰めるくらいしか経験がないから当然なのかもしれない。絶頂した事によって僅かに体勢を保てなくなり、その場に座りこんでしまう。
まだ本番すら始まっていないただの愛撫なんだけどなぁ。
座り込んだ彼女の顔はちょうど僕の下半身の前の位置にあった。キスも気持ちいいけど、そろそろ僕も気持ちよくしてもらおうかな。
「ふ、不能の男の割に……やる……じゃ……な……い? え……?」
まだ強気で優位を保とうとするが、それもある一点を見たことで言葉が途切れ切れになる鳳さん。
彼女の視線の先にあるのはズボン越しでもわかるくらいに大きく勃起している僕の男根。そう、世界の男性が集団勃起不全を起こしている中で僕は普通に男性としても機能が失われていない。
まぁ、僕の場合はここの人達と少し違うから当然と言えば、当然なんだけど、それを知る人は誰一人として存在していないから関係ない。
「え、嘘でしょ? どうせおもちゃでも入れて」
「嘘かどうか、自分の手で確かめればいいでしょう?」
彼女の手を掴んで僕の男根へと導く。
ズボン越しでも触れれば、それが本物かどうかというのは一目瞭然だ。ごくりと大きく生唾を飲み込んでいるのが見て分かる。
何度もズボンの上から確かめるように触れ、そして遂にはチャックに手を掛け、彼女は生のペニスを目にすることになった。
「勃起してる……。ほ、本物なのよね?」
「えぇ、もちろん」
「あ、熱い。それに大きいし、なんて硬いの!」
彼女の顔の前に聳え立つ大きな男根、それは巨根と言ってもよいサイズ。
しかも知識や映像でしか見たことのない憧れてきた男性器が目の前にあるのだ。竿の部分を手で掴み、亀頭、尿道口など確かめるように観察していた。
「っ……どうすればいいのよ」
「鳳さんのしたいようにすれば、良いと思いますよ? それに最後までしたいんでしょ――セックス」
「!!」
初めての経験にどうすれば、いいのだと僕に尋ねるが答えることはせずに好きなようにしたらいいと告げた。
加えて最後までいきたいのだろうと言うと顔を更に赤くしてこくりと素直に頷いている。徐々に欲望へと忠実に変化し始めていた。
すると彼女は竿を掴んだまま、まるでキャンディーでも舐めるように亀頭部分を中心に舌を這わせて舐め始めた。初めての行為にまだまだ拙さが残るが、それでも夢中に舌を這わせていく。
「はぁ、はぁ、はぁ……身体が熱いわ」
何度も舐めていくうちに彼女は制服のボタンを外し、上半身だけ胸元の下着が見えるようにした。
あ、そうそう。一つだけ言い忘れていたことがあるんだけど、僕の体液って女の人が摂取すると興奮する作用があるらしいんだ。
いわゆるフェロモンってやつかな? 密室で汗をかいたりするとよく女の人が匂いが堪らないとか言って興奮していたのを覚えている。
「あむ……んっ…おぉきぃぃ」
「気持ちいいですよ、鳳さん」
妖艶な吐息を吐きながら口を大きく開けた彼女は男根を咥えて舌で亀頭や飲み込んでいる竿の部分を舌で器用に刺激し始めた。
亀頭を中心に舌で舐めまわし、口を上下することでフェラチオを行っていく。奉仕しているはずなのに彼女自身がどんどんと快感に見舞われ、床には彼女の下腹部から溢れ出した愛液の水たまりができ始めていた。
「我慢できない! 頂戴、私のここにそれを入れなさい!」
「それが人にものを頼む態度ですか?」
「くっ……、淫らな私のおまんこにあなたの男根を挿入してください!」
我慢できるはずもないよね、たぶん。
愛液で濡れてぐちょぐちょになったパンツを脱ぎ棄て、両手で陰部を開いて男性器を挿入してくださいと告げる鳳さんに僕は無言で彼女に覆い被さる。
ゆっくりと男性器を女性器へと当て、前に進みくちゅりと触れ合うとそのまま中へと挿入していく。一番大きな亀頭部分が通過するが未経験の膣内は狭い。
それでも溢れ出す愛液が潤滑油となって挿入を助け、徐々に奥へと進んでいく。
すると薄い膜の部分へと接触した。処女膜、これを破れば、本当の意味で彼女は処女ではなくなる。
「一気に破って……私にあなたを刻み込みなさい」
「そうですか」
「何これ、すごいぃぃぃ!! 気持ち良すぎるぅぅ」
鳳さんの言葉通りに勢いよく腰を叩きつけ、一気に処女膜を突き破って一番奥の子宮口へと男根が触れる。
痛みよりも今までに味わったことのない快感が全身を駆け巡り、彼女は悶えているようだ。そこからは軽く突いたり、女性器の入口まで亀頭部分を戻して一気に奥へと叩きつけたり、挿入角度を変えたりして膣内を刺激する。
強すぎる快楽に彼女の表情は完全に惚けており、行為を開始する前とはまるで別人のようだ。
唇を塞いで舌同士を絡ませ、激しいピストン運動を繰り返す。徐々に僕の快感も強まって射精の時が近づいてくる。
「あんっ……あんっ、だめ、またイっちゃう」
「一緒に行きましょう、鳳さん」
「は、激しい! あ、い、いく、イクゥゥゥゥ!!」
「僕も射精す!」
「熱いぃぃぃの来てるぅ!!」
同時に行こうと強まる射精感に比例してピストン運動も激しさを増していく。
そして一際強く膣内が締め付けられ、彼女が絶頂すると同時に僕も彼女の中へと射精した。ドプっと聞こえるような濃厚な精液が彼女の膣内へと放たれ、陰部から男根を抜くと大量の精液と愛液が入り混じった液体が溢れだして床へと滴り落ちていった。
「このことは僕達だけの秘密ですよ、鳳さん?」
「私達だけの秘密」
「秘密を守ってくれるならまた何度でも気持ちよくしてあげますよ」
「……わかったわ。私達は共犯ってわけね?」
「そういうことです」
この世界で勃起できる男性はもしかしたら他にもいるのかもしれない。
それでも現在、この学院においては僕しか男性としての機能を十二分に果たせる人物はいない。もし、勃起できるという事実が知られれば、多くの女性が近寄って来るだろうね。
失われた快楽を求めて――。