正義に燃えるドラゴンが悪しき黒竜に凌辱で分からされるシリーズ 作:じゃばら屋
矜持も尊厳も奪われていく若き勇者はやがて……。
液体の滴る音で、囚われの竜は澱んだ瞳に光を宿した。
意識をはっきりさせるためにかけられた水。
自分の種族には無いはずの汗腺から、それでも溢れてくる冷や汗。
それから、べったりと粘つく凌辱の湿り気。
屈強に大地を蹴っていた四肢は鎖で拘束され、強靭な魔法を編む為の額の宝玉は、主の精神に殉ずるように輝きを失いかけていた。
暗闇に伏しても眩しい立派な紅き鱗と雄々しい一本角だけが、今も竜の精悍さを保っている。
「まだ我に与する気になれないのかね」
神経に踏み込んでくる、魔性の誘惑が紅き竜の耳朶を弄る。
「誰が……貴様のような堕落に屈するものかっ!」
かっと目を見開き、目の前に君臨する影がそのまま立っているかのように真っ黒な竜に叫ぶ。
「くく、口こそ勇ましいが翼は小鳥のように怯えておるぞ、ローザ」
辱めの愛称で呼ばれ、そして飛び立つことを諦めたかのように畳まれていた翼を指摘されて怒る。
「我が名はロッソ! そのようなふざけた名で俺を愚弄するな!」
何度目かも分からぬ修正に声を張り上げる。
「ローザよ。一つ善いことを教えてやろう。惰弱なものほど、強く吼える」
「ッ!」
自分よりも一回り大きい黒竜に、吐息がかかるほど近くに寄られて囁かれる。嘔吐を堪えて、ロッソは混沌を宿した黒竜の瞳を睨む。
「まだそのような活力が残っておったか」
「俺はお前のような邪に負けはせんぞ。黒竜グリード」
グリードと呼ばれた黒竜は、ロッソの抵抗に鋭い牙が居並ぶ口を綻ばせる。
「愛しい勇猛さだ。それでこそ、我が伴侶に相応しい」
「なに?」
拷問が繰り返される地下牢。この場に似つかわしくない言葉の響きに、不穏な気配を感じてロッソが僅かに怯む。聞き返してしまったのが、まさしくその証拠となってグリードを悦ばせる。
「我の首を狙って、多くの秩序派の竜族が散っていったが、捕虜となっても尚お前ほど凛々しく抵抗した者はいない。大方が今までの苦行に死を懇願する」
竜族は大きく分けて秩序派と混沌派に二分されており、竜族の繁栄のみならず世界を脅かす巨悪、混沌派の首魁グリードを討つために翼を掲げた秩序派の若き英雄の一匹がロッソだった。
しかし、互いに大群を率いた正面衝突はグリードの勝利に終わり、一方的な残虐と化した戦場で味方を撤退させるべくロッソは最前線で囮となった。
そして、囚われの身となり目と鼻の先に怨敵がいるにも関わらず牙も爪も出ないでいる。
悔しかった。一族の中でも特に勇猛と謳われ、実際に大群を率いた自信が、グリードの力に届かなかったことが。しかし、それ以上に恐怖が滲むのを感じてロッソは固まる。
全身が瘴気の塊と言ってもいいグリードの吐息が沈澱した地下牢に拘束され、痺れや痒みや痛みとは全く異なる苦しみを植えつけられる拷問は、まるで自分の身が堕落していくような喪失感を伴った。
瘴気にやられて次第に色褪せていく額の宝玉。一定間隔で天井から降ってくる黒い雫に打たれる背中。度々、直々に面会してきてはローザという雌の名で呼ばれる屈辱。それらが合わさって、いっそ痛みらしい痛みが欲しいとさえ懇願したくなるような恐怖と、いつまで続くのかという絶望が絡まり合ってロッソの戦意を挫いてくる。
「善身から生まれ出ずる者達は、自身の変質に耐えられないのだ。しかしお前は違う。立派に我の愛撫に馴染んでくれている」
「そん、なわけが……」
ない、と言い切る前に前脚で顎を持ち上げられ、無理やり顔を合わせられる。
「よぉく見るといい。もうこんなに色鮮やかになってきている」
混沌の瞳の先に、鏡に映る自分の姿があった。
勇敢な面立ちは疲弊し、立派な一本角と額の宝玉は黒ずんで輝きを失っている。
だが、それはもう予期していたこと。グリードの束縛はロッソの魔力を奪い、抵抗する意志を根っこから削ぐもの。竜が弱っていくと、象徴である角と額の宝玉も色褪せていく。これ等は竜にとって命の燈火同然なのだ。
「ひっ!」
それよりも、逆の事態にロッソは悲鳴を漏らした。一枚一枚綺麗に手入れをしていた自慢の紅の鱗が、今は明るく輝いている。まるで、“ローザ(ピンク)”のように。
こんな色になっては、雄々しく鍛え上げた身体も凛々しい乙女のしなやかさに変じてしまう。
それが、まだ拷問に耐え凌ぎ弱音を吐かずにいたロッソの鋼の心を揺らす。
「この発光の意味は、分かるな?」
敢えて解答を差し向けるグリードの嗜虐に、ロッソは答えられない。答えたら、認めてしまうことになる。
「はっ……さ、さては幻術の類だな! 俺の心を砕こうとしても無駄だぞ!」
狡猾なグリードの術と断じたロッソは、震えそうになる身体を抑えて喉を震わせる。
「幻術は、当事者がそう自覚した時に解ける。初歩中の初歩だが、さてどう映るかね?」
が、いくら目を瞬いてもグリードの瞳を通して映る自分の姿は変わらない。
「恥ずかしくて口にもできぬか。いじらしいな」
長く伸びた二又の舌に頬を舐められ、直接グリードの瘴気に触れたロッソは怯える。噛みついてやろうと大口を開けるが、なぜかグリードの舌を挟んで閉じようとすると止まってしまう。
「舌も若い色をしておる。いい味がしそうだ」
「やめ……ん、ぐ……!」
口を開けてしまったせいで、グリードの舌が健康的なロッソの口腔を舐めまわし、逆らえない牙の一本一本を丹念に自分の唾液で侵しながら舌を絡める。
喉を塞がれたロッソの瞳が舌を突き入れられ、口腔をなぞられるたびに揺れる。視線を逸らしたくても、首は前脚で拘束されていた。
グリードの腐臭が喉首を締め上げ、鼻腔を抉り、瞳を曇らせる。感情の涙は堪えても、外敵から身を守ろうとする生理現象で涙と鼻水が英雄の顔を塗りたくる。
意識が朦朧とし、恐怖で固まっていた舌がだらりと力を失い、グリードに合わせてくねり、伸ばされる。
何分続いたか。それとも数秒か。ロッソにとっては無限に等しい時間が流れ、急にグリードの舌が引く。
解放された喉が新鮮な空気を求めて喘鳴し、けれど入ってくるのは同じ穢れだけ。だらりと垂れる真っ黒な涎と鼻水、涙に鼓動が速くなる。
「我としたことが、少し急きすぎた。お前が可愛い反応を示すから悪いのだぞ」
「だ、れが……」
覚束ない視界が、急速に回復していく。死なない程度に施された回復魔法に、早く気を失いたかったと無意識に思っていた我が身を気付かされて言葉を失う。今までゆっくりと浸されていた瘴気を、直接大量に注ぎ込まれたことによってロッソは生死の境を彷徨っていたのだ。
「しかし、また耐えてくれた。やはり見込んだ通りだ」
満足げに語るグリードが、ロッソの涙を舌で掬う。自分の液体を舐められたことに不快感を催したロッソは、激しく嘔吐した。酸っぱい臭いと思いが同化する。
しかし、そんな汚辱もグリードは気にしないだろう。元より、拷問には排泄物を処理させず、我慢し切れなくなるまで放置するという辱めも含まれていた。
今帯びている体臭を、仲間には絶対に嗅がせたくない。もう鼻が麻痺している己が苦しかった。
「ところで、多くの生物が死に瀕する際に行う動作を知っておるか?」
「?」
かけられた問いが理解できず、ロッソは硬直する。グリードは何も答えず、ゆっくり、ゆっくりと視線を下げていく。それが答えだと直感し、自然と視線の先を追ってしまったロッソは後悔した。
自らの下腹部、普段は無数の鱗と合わさって隠されている溝が微かに開いていた。まだそこまでグリードの瘴気に侵されていないと分かる透明な液が、溝を伝って流れ落ちる。
不意に長くしなる尻尾を下腹部に這わされ、ロッソは自分の尻尾を丸めて抵抗する。
「そんな、愛らしい姿を自らとってくれるとは」
よりグリードの嗜虐心を昂らせるに過ぎない儚き抵抗が、容易に絡めとられる。するりと尻尾に尻尾を巻き付けられて、先の口吻が頭を過ぎって嫌悪感に震える。敏感な尻尾の先端部を擽られ、弄られる感触に漏れそうになる悲鳴を口を引き結んで耐え凌ぐ。
グリードは顎を掴んでいた前脚を解くと、その爪でロッソの顎を再び突いた。
多くの生物にとっての急所の位置。けれど、竜にとっては別な器官でもある小さな孔を見抜かれ、グリードに押し込まれる。
「ひゃ、やぁっ!?」
初めて、拒む言葉がロッソから漏れる。既に執拗に愛撫されていた尻尾は弛緩しきり、怯えから丸みを増している。そこを伝って流れる滴が、グリードに顎を突かれるたび溢れてくる。
「我の爪で感じてくれるのか、とても嬉しいぞ」
逆鱗。竜の顎にある唯一逆さに生えている鱗は、竜にとってのアキレス腱であると同時に性感帯でもあった。かりかりと傷つかない程度にそこを抉られ、体が蠕動する。そのたびに下腹部の溝がより開口し、溢れる液が増していく。逆鱗から伝わる快感が脳を貫き、呼吸を整えようとする意識を奪うように合間に尻尾を扱かれる。
完全に呼吸を支配されたロッソの額の鼻面をグリードが愛おしそうに舐める。次第に舌を持ち上げ、額の宝玉から一本角までを唾液に浸されて、猛毒にがくがくと震えて倒れそうになる。怨敵にその身を預けまいと何とか持ち堪えたが、それがロッソにできる限界だった。白目を剥き、溝から尿を漏らすロッソの身体と意識が再び回復させられる。
「えぐ、うえぇ……」
更に黒ずむ宝玉と角に反比例して淫らに発光する鱗に、中身も無いのに嘔吐する。もう酸っぱさすら感じない。グリードの粘り気のある瘴気しか漏れないことに気付く。
「おお、おお、ちみっこいモノが飛び出しておるぞ」
更にロッソの精神を縛り上げるように、グリードが事実を突きつける。見なくても分かる、失禁の勢いで下腹部から突き出てしまった雄の性器から伝わる感覚に、脱力した顔が強張る。
「まだ誰とも番っておらぬのか? 我が筆下ろしを済ませてやろう」
ロッソは戦場に立って戦勲を積むことを優先しており、そろそろ番っても良い年頃だったが誰とも馴れ初めを果たさなかった。いつどこで死ぬかも分からぬ身を、伴侶に預ける勇気をまだまだ若い青年竜は整理できていなかったからだ。
「い、嫌……ガ、ガァァ!」
そんな、誰の秘部も知らない綺麗な色の男根に、グリードの尻尾がしゅるしゅると巻きつけられる。溝にも突き入れられ、内側から膨張させられる激しい快感にはどれだけ死地を潜ってきた勇者も抗えない。何より、逆鱗を握られているのがロッソの心を挫いていた。
どんどん太くなって、予備の一本まで扱かれたロッソの下腹部から二股の立派な性器が怒張し、瑞々しい先走りを滴らせる。グリードの微細な棘のある尻尾の、いささか強過ぎる刺激が脳内を攪拌する。込み上げてくる衝動に嗚咽する口を舌で塞がれ、逆鱗をぎゅっと揉まれる感触と共にロッソは瞳を見開いた。
数週間も地下牢の中で放置されていた年相応の性欲を溜め込んでいたモノから、大量の白濁が迸る。一本目をごりごりと尻尾で絞られ、達したばかりでより敏感になった雄から壊れそうなほどの電流が全身に伝わってくる。
喉も枯れて笛のように鳴っているロッソの嬌声に昂ったグリードが、尻尾の先で放置されていたもう一本の先端を突く。
「ッ!」
ちくちくと鈴口を突いては引き剥がされる新たな感触に、耐え切れなくなったロッソは四肢の安定を保てなくなって頽れる。その肢体を片手で優しく抱き上げ、腹をさすってやりながら今度は尻尾を鞭のようにしならせて左右から打つ。
滑稽に揺れる雄から、再び溢れんばかりの精液が吐き出される。冷たい床に堆積した黒い水溜まりに澱んだ白が混ざり、奇妙に混ざっていく。
布でも絞るかのように、ぎゅっと二本の男根から精を吐かせたグリードは、ロッソの雄で濡れた尻尾を自分の口まで運んで美味しそうに舐める。そして、唾液と絡まったそれを紋様のようにロッソの顔へ浸していく。
「我を受け入れる気になったか、ローザ」
この世の何よりも昏い瞳を怪しく光らせて、グリードが成す術なく射精を繰り返したロッソに問いかける。
「や、だ……」
ぼろぼろになりながらも、ロッソは否定する。だが、どちらかといえば堅固な決意というよりも嘆願と化していた。
「ふむ。どのみち、受け入れさせるのだがな」
グリードの残酷な宣言に、ロッソが暴れる。しかし、脱力して腹を抱えられた状態ではどうしようもなく、持ち上げられて仰向けに地面へ投げ出される。いつの間にか鎖は解かれていたが、もはや逃げる気力も残されていなかった。
「やだ、やだああああああ!」
幼子のように絶叫するロッソを自らの脚で抑えつけ、先ほどから次第に勃ちつつあった凶悪なまでに大きく無数の棘を纏わせた巨根をグリードが這わせる。
雄の孔の少し下、排泄孔にあてがわれた雄が一切の遠慮なくロッソの処女を貫く。
未知の激痛に泣き喚くロッソの反応を愉しみながら、グリードはまだ硬いそこを無理やりに抉って拡げる。毒々しく黒ずんだ雄に内膜を突かれ、引き戻されるたびに擦れる棘が苦痛を何倍にも増幅させる。四肢を掴まれたロッソは、挿入できるとは思えないモノに突き動かされる腹部を見て絶句する。
「可哀想に。どれ、萎びきった雄を引き立ててやろう」
「ギ、アァッ!」
苦痛と恐怖で縮んでいた男根を尻尾で再び愛撫され、拡張されていく尻穴に向かっていた意識が混乱させられる。
仰向けになったロッソの溝が盃となり、愛液が溜まっていく。伸し掛かるグリードの豊かな巨躯に勃起したイチモツの先端が擦れ、射精する。ぐちゅぐちゅと淫靡な音を立ててさらに抉られ、可愛がられ、濡れそぼった秘部から痛みが引いていく。大きすぎるせいで半ばまでしか入ってこないグリードの雄が、それでも更に奥へ奥へと踏み入ってくる光景にロッソは涙も枯らして嫌々と喚く。
「聞き分けのない子だ」
舌で再び蓋をされ、上と下から注入される瘴気に気が遠くなる。苦痛が頂点に達すると意識が回復させられ、無惨に犯されている己が身をはっきりと体感させられる。
「そんなに初心に抱き寄せられては、もう達してしまいそうだ」
嫌がるほどに相手を絞めつける器が、より一層太くなったグリードに拡げられ、ロッソは唯一自由な尻尾で抵抗しようとするが、衝撃にぴんと張り詰めて動けなくなる。そして、熔岩のように熱くドロドロとした精が肛門を駆け抜け、内側からロッソを叩きつけた。
今までの瘴気とは違う浸食に怯えて暴れるロッソを他所に、たっぷりと何度も何度もグリードは射精する。規格外の大きさに蓋をされているにも関わらず、ロッソの尻穴からは黒い精液が無理に拡げられて裂けた肛門の血と共に溢れ出してくる。
ロッソの瞳から光が失われていき、抵抗が弱々しいものとなる。だらりと垂れた尻尾は中に出されるたび小刻みに痙攣し、汚れた水溜まりを撥ねる。翼は惨めに畳まれ、いまだ必死に我が身を護ろうとしていたがグリードの剛力の前には無駄だった。
「ゆるひ、てえ」
度重なる凌辱に心を砕かれたロッソが、哀願する。
「駄目だ。まだこちらが残っている」
ひくひくと蠕動し、順番を待ってロッソの下腹部に擦りつけられていたグリードの二本目の雄から先走りが零れる。それを見たロッソは目をひん剥き、拘束を逃れようとするが既に挿入されていた雄をゆっくりと引き抜かれて喘ぐしかない。
「ローザ、可愛いローザ。お前もこんなに綺麗に発情してくれて何よりだ」
実際は絶大な痛みに叫んでいただけだが、ロッソの抵抗をよがりと認識したグリードがねっとりと伴侶の名を囁く。
これまでにないほど発光しているロッソの体に、勇猛の名残は無い。竜は発情期になると鱗が眩く光るが、雄相手に発情させられ、雌のように扱われる屈辱に耐えられないロッソの精神が狂気へと苛まれていく。
「俺……は、ロッソだ……」
「そうだな、ローザ」
「違っ! ぁ……あん、あ、あああああッ!」
ごぼり、とグリードの雄を引き抜かれたロッソの尻穴から解放された種子が零れだす。その感覚にえもいわれぬ何かを覚えてしまったロッソは、項垂れる自分の雄をひくつかせた。
違う。違うと否定する意思ごと貫くように、既にかなり膨張していた二本目が精液でぬかるんだ孔に踏み込み、今までより鋭く前後する。
激しい衝撃に喘ぐしかないロッソは、特定の箇所を突かれるたびに雄をぴんと立たせてしまう。現実から目を背けようと首から力を抜くと、後ろから抱かれてちょうど結合部までが見える位置に視界を固定されてしまった。
「ここが気持ちいいのだな」
繰り返し、繰り返し、休む間も与えずグリードが凶悪なイチモツを進退させる。
「嫌! 嫌ああああああああ! いぎだくない、いぎだくないいィィ!」
先ほどは激痛が先行して感じなかった前立腺を抉られ、触れてもいない二本の雄から先走りが溢れてくる。ロッソの絶望を芯まで噛み締めながら、グリードが後ろ足を持ち上げた。
そして、今にも絶頂しそうなロッソの雄を踏みつけ、握っては放し、ときには撫でつける。やがて、耐えきれなくなったロッソは射精し、涙目でグリードを見つめる。もうやめてという必死な視線を無視し、チクリと爪の先が雄の先端部を突き、そのまま深々と刺していく。
「ッ! ッ!!!」
爪に蓄えられた膨大な瘴気を直接注ぎ込まれたロッソの雄は、綺麗だったピンク色を損ない、血管に沿って黒ずんでいく。痛いはずなのに耐え難い快感に全身を貫かれ、ロッソはもはや淫らに腰を振って射精を繰り返す。自分の雄を壊されて、別の何かに変えられていく感覚に抵抗できず、全てを放出していった。
片方がもはや雄の機能を果たせなくなった頃、残るもう一本をグリードが強く握り締める。喰らいついた爪に瞬く間にイチモツが損なわれ、滂沱な射精がグリードの真っ黒な腹を染めてゆく。
「これで準備は整った」
茫然自失としているロッソの頬を一舐めし、グリードが仕上げに移る。内側からロッソを犯す雄のピストンを速め、先ほどは半ばまでしか入っていなかった雄を深奥まで突き入れる。大量の精液が体内に放たれ、恐怖と快感で震えるロッソの尻尾をグリードの尻尾が優しく包み、もはや脱力して地に伏している四肢を抑えつけていた脚で伴侶となろうとしている竜の背中を抱く。
無意識に、ぎゅっと抱き返してしまったロッソに微笑みながらグリードは長い長い種付けを続けた。
「あ……ぁ……」
虚ろな目で涎を垂らすロッソから雄を引き抜いたグリードは、番を背中から抱える形で体位を変え、もはやされるがままの身体に幾度も幾度も杭を刺し、雌にする。
廃竜同然と化したロッソからあらゆる感情は失われ、苦痛から逃れるための性欲に身を窶して腰を振る。
竜の性交は非常に濃密であり、屈服して精神が崩壊した状態からも丹念に犯されてゆく。崩壊する自我にさえ覚えてしまう背徳的な性欲に溺れながら、じっくりと、じっくりと……。
全身を濡らし、淫らに腰を振るロッソの肢体は発情しながらも瘴気によって黒ずみ、紫に変じていた。そこに勇姿の面影はなく、過去の彼を知る者が見ても彼とはもう認識できないだろう。
何度も種付けされた腹部は妊婦のように膨らみ、堕ちた雄は溝ごとグリードの雄を突き入れられて雌孔のように拡げられていた。
「愛しきローザ、可愛い我が子を孕んでくれるか?」
孕む。雄であった自分ならまずありえないグリードの甘い願いに、愛しい夫の雄を数え切れないほど咥えてボロボロに痛んだ口でロッソは答える。
「はい」
そこにロッソの我は無く、一言の了承を以て完全に浸食が満了したローザの肢体が歪に捩れる。ドクン、ドクンと脈打っていたお腹から堪え難い排泄感を覚えたローザは、グリードの愛液に染まりきった肛門から大量の毒々しい模様の卵を産み落とした。産むたびに雌の生殖器と化したそこから至上の快感が奔り、痛みを忘れさせる。もはや雄として機能しないであろう男根の名残からも、射精を繰り返す。
それを美味しそうに舐めながら、グリードは告げた。
「是は子ども達を育てるに最適な乳となる。悦べ、お前は晴れて我の雌となったのだ」
「雌……」
甘美な響き。産卵を終えて疲れ果てた自分の翼をさすり、抱き抱えてくれる優しい夫の瞳に見据えられ、ローザはうっとりとして身を寄せた。
「まずは、お前に相応しい装飾を用意せねばな。それから、傷も治してやろう。前よりずっと綺麗な花嫁姿にしてやる」
混沌派の勢力に衰えがない理由は、黒竜の生殖行為にあった。弱い個体だと生殖の過程で死んでしまう上、次世代に強い遺伝子を遺せない。そのため、より強い敵を捕らえて伴侶とし、雌であればそのまま屈服するまで犯して孕ませ、雄であっても浸食による同属化の過程で雌に作り変えて孕ませる。
何か大切なものが欠落した想いがローザの胸を衝いたが、そんなことはもう些末なことだった。グリードに抱えられたまま養殖場と化した拷問部屋を後にするローザは、愛らしい夫の期待に応えるように淫らに微笑む。
「準備を終えたら、あらためて交わるとしよう。愛しのローザよ」
「はい、グリード様」
こうして、黒竜グリードの伴侶として紫竜ローザが迎え入れられ、その子どもたちが秩序派を脅かすこととなる。元は勇者であった紫竜は、その生涯をグリードの苗床として捧げ続けたという――。
BAD END