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《 https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=27999811 》
「今でも信じられない……、先生のご家族を襲うなんて」
電卓を握りしめながら、愚痴がこぼれてしまった。
今、気晴らしで見ているパソコンの画面には昨今のトレンドを紹介する動画が所狭しと表示されている。「カイザーPMC製最新ショットガン 最速レビュー」、「アビドス怪文書MAD」、「徹底検証!キヴォトスの未確認生命体」、「増加傾向の不登校児童に関する特例政策の発表 LIVE配信」……。どれも人目を引くサムネや過剰な言い回しのタイトルが目立つ。こういった動画を作っている人たちは自分に都合のいいように図っているはずだ。実際、投稿されてからそんなに時間が経っていないにも関わらず、かなりの数の再生数を稼いでいる。きっと、画面の向こうにいる彼らは有頂天に違いない。自分たちの画面の向こうにいる、仕事漬けの私のことなんて考えていないだろうな。
でも、先生はそんな私にもしっかりと気にかけてくれる。先生のお手伝いをしようと奪還したばかりのシャーレに伺ったとき、先生は山積みだったであろう仕事をほとんど終わらせていた。
「遠路はるばるありがとう。折角来てくれたわけだし、缶コーヒー、飲む?」
その日の青空のように澄んだ青色をした缶。それを私に差し出してくれた。
「ありがとうございます。では、いただきます」
タブを上にして、缶を開ける。……あまり嗅いだことのない香りだ。普段からよく飲むブラックとは違う、さっぱりとしていそうな香り。
口に含む。の、喉越しがいい……。「無糖」と表示されていたのが嘘のように、飲みやすい。
「せ、先生……。これ、どこで買いました?」
「それ?あぁ、キリマンジャロ豆を使ったコーヒーだよ。若い頃からお世話になってるんだ。無糖なのに苦みも控えめで飲みやすいからね」
先生は苦いものが苦手なのかな……?でも、「俺はこれが飲めるぞ」と自慢する気配が微塵も感じられない。
「先生って、コーヒーに詳しいんですね。今度、おすすめの豆を教えてください」
「もちろん」
いつも、先生は大人らしく、そして、紳士的な振る舞いばかり……。あんな大人になれるのかしら、私も。
……って、それよりもまずは目の前の仕事をしないと!
パソコンに向かったとき、動画サイトから1件の通知が来た。どこかのチャンネルからの動画のようだ。動画サイトなどのSNSではユーザーの趣味嗜好に合わせて情報が調整されることが多い。大方、今回のもその類かな。
どれどれ、タイトルは……。
「自分の情報を守ろう!~モモフレンズと学ぶネットリテラシー⑦~」
ごくごくありふれたタイトルだ。この数週間から話題を集めている、モモフレンズと一緒にネットリテラシーを学ぶ教育動画。最近、児童の行方不明事件が多くなっていることもあってか、ノアやチヒロ先輩がよく見せてくれるからすぐに見分けがつく。
サムネにはスマホを持ったペロロ、SNSの投稿画面、目立つフォントの文字、桁数の多い再生数……。教育動画ならもう少しサムネに拘ってほしいが、権利の都合もあるのかな。
「そういえば、コユキも無料ゲームをしてたわね。……ろくでもないことをしてればいいけれど」
一人だけの散らかった部屋でぼやいた。返事は返ってこない。
ユウカ先輩たちの手で自由が制限された毎日。
退屈だなぁ……。
「はぁぁぁぁ、何すればいいのかなぁ……?」
大好きな計算だってろくにできない。やろうとするとユウカ先輩から逆エビ固めを喰らってしまう……。どうしてなんだろう?皆、私が好きなことをするとおかしな顔ばかりする。
昨日も一昨日も入学してからも、何も変化のない監禁部屋。
漫画や小説を詰め込んだ本棚。
味気のないテーブル。
背中のすぐ下に広がる半端に柔らかいベッド。
白い壁には似つかわしくない、黒くて大きなモニター。
定期的に外出を許されることはあっても、その際にはGPS付きのブレスレットを着けさせられる。これを着けないと本館を移動することもできない。どうして私だけなの……?
あぁ、何をしよう……?
また同じことを考えてしまった……。
暇だ。
あ、そうだ。
ノア先輩から勧められたゲームでもやろっと。
いわゆる「RPG」に分類されるもので、プレイヤーは自作のアバターを用いて定期的に行われるイベントやストーリーをこなしていく、そんなゲーム。最初こそは大好きな計算と違って思い通りに行かないことばかりだったけれど、今ではサクサクと進められるようになった。それにしても、不思議だなぁ。あのとき、ノア先輩の言った言葉の意図がどうも気になる……。
――いいですか、コユキちゃん?それで遊ぶときは「ホワバニ」でしてくださいね。
ネットリテラシーに関してやたらと鋭いノア先輩があんなおかしな指示をするはずなんてない。多分、私のことをいつでも監視できるようにしてるんだ、そうに違いない。
どうしたらいいんだろう……?
最近ではフレンドも何人かできてきたし、そこでのチャットで楽しいお話も毎日するようになった。画面の向こうにいる皆は、自由のない私のことなんて気にかけてもいない。皆、最近身近に起きたこととか、趣味の話とか、それと、ゲームでのスコアやミッション達成の心境とか、色んなことをチャットで語ってくる。いいなぁ、私もそういう話がしたい。
最近では、新米ユーザー「P226」さんとよく話をしていることもあって、退屈になることなんてない。
「こんばんは~~。P226さん、先日の限定イベントはどうでしたか?」
「あ、こんばんは。ホワバニさん。僕の方は育成が中々上手く行かず、クエストもlevel7までしか行けませんでした……。悔しいです」
「にはは……。仕方ないですよね、今回のイベントは推奨レベルが高めでしたし。まぁ、課金すれば全部解決しますって!」
「ごめんなさい……。僕、家の都合で課金ができなくて……」
「課金ができない?どうってことはありません!バレないようにしちゃえばいいだけです!」
「アハハ。ホワラビさんは毎日が楽しそうで羨ましいです……。僕なんて大好きな人と今でも会えないままで……」
「えぇ⁈そうなんですか?辛いですよね、そういうのは。まぁ、人生は長いですし、またいい出会いもきっとありますよ」
数日に一度、P226さんとはチャットでよく話すこともあってかあちら側の特徴が大方つかめた。文面からして、かなり厳しい家であること、お母さんがいないこと、かなり前に大きな失恋をしたこと、これらの情報を持っているみたいだ。
一体、どんな人なんだろうな、P226さん。
「それじゃあ、ユウカ、アカネ。玲央のこと、しばらく頼んだよ」
「ハイ。承知しました、ご主人様。お気をつけて」
この日、私は玲央君と一緒にいるように頼まれた。先生はトレーニング部の体力増強プログラムの視察に行くらしい。あの悪名高いトレーニング部か……。正直、想像ができない。何せ、トレーニング部はあまりにもハードな練習内容だと噂でよく聞くからだ。護身術はもちろん、格闘術にも強い先生でも音を上げてしまいそうなプログラムだと思うと……。いや、あそこの部長に見込まれてさらに苛酷な練習をさせられて……、や、やっぱりやめよう。これ以上考えたら心が挫けそうになる。
「助けてください、ユウカ。玲央君が私のことをどうも静かになってしまって……」
あ、アカネの声。そうだった。私たちは玲央君の宿題の手伝いや護衛をしなきゃ。
って、アカネを避ける……?C&Cの中でも人当たりのいいアカネを避けるなんて可笑しな話だ。これがネル先輩やリオ先輩ならまだ納得がいく。それがアカネだ。まずは原因を突き止めないと。
玲央君は……。アカネから何か気まずそうに顔を背けている。耳たぶが赤くなっているし、顔のアザが見えなくなりそうな位に熱そうだ。少しばかり息が乱れている。先生が昨日の夜に仰った、彼のトラウマが掘り起こされたのだろうか。
「ねぇ、玲央君。苦しい?」
玲央君は小さいながらも何度も何度も激しく頷く。
「ここだといえな、っキャアッ!」
突然、玲央君が私に抱き着こうとしてきた。……すごく大きな音がして、気づくと、目の前には涙で潤んだ目を私に向ける玲央君が鼻をすすっている。しかも、床に倒れている。
「……ユウカ。自分が何をしたのか分かっていますか……!」
光のない、黒い瞳のアカネの視線が私を刺してくる。あ、あぁ……。つい感情的になってしまった……。
「い、痛い……」
「ご、ごめんなさい……。ねぇ、玲央君、ちょっと他の場所に行こっか。そこでなら落ち着いてお話ができるかもしれないし」
「……うん」
「……好きにしてください」
私は玲央君を連れて逃げるように今いる部屋から出た。
背中から、アカネの冷たい視線で追われているような気分だった。
幸い、近くに空いていた会議室があったのでそこでお話をすることにした。元々はセミナーや関係組織で会議をするための部屋なのでとても広い。そんな部屋を私たちだけで利用するのは何だか気まずかった。
「ねぇ、玲央君。さっき、アカネのことをあんなに避けてたの?あ、無理に答えなくていいわ。何か言えない事情が」
「え、えと……、アカネお姉ちゃんといると、アヤネお姉ちゃんのことを思い出して、辛くなって……」
アヤネ?確か、アビドス高等学校の対策委員会の生徒、だったような……。対策委員会の生徒であるにも関わらず、この数か月間、その名前も聞かない。
加えて、SRTのRabbit小隊が留学生としてアビドスにやってきているらしい。何の縁故もないSRTから留学生が送られ、ネットでは「アビドス怪文書」が話題になる……。怪しい。今日の朝なんて、モモイたちの反応がどうもおかしかった。いつもの明るい振る舞いが嘘のように照れ隠しをしながらの挨拶。玲央君もどこか緊張していた、みたいな気がする。
「ねぇ、アヤネって女の子のこと、教えてくれるかな?私、気になるんだ」
まぁ、大方、同年代より少し上の女の子のことだろう。名前だけでなく、雰囲気や態度もアカネに似ているのかもしれない。
「アヤネお姉ちゃんはね、寂しかったんだって。僕みたいな男の子のことが好きで辛かったって。それで僕もお手伝いしたんだ。えっと、確か……、皆は「エッチ」とかいってた」
……は?「エッチ」?目の前の男の子から出てくる言葉としてはとても異質すぎる。
「ねぇ、玲央君。少し、言っていいかな……?」
私の手は玲央君の肩に置かれていた。その指先に力が入る。
「な、何?放してよ!何なの⁈」
「ダメよ。放さないわ。ちゃんと目を合わせて話をしなさい……!」
……許せない。そうか、アヤネは玲央君のことを……。
だから全てに合点がいった。アヤネという生徒がアビドスの公式SNSで消されたこと、「アビドス怪文書」の内容、突然のSRTからの留学生……。これは全てアヤネの過ちによって引き起こされたことだったんだ。しかも、その相手は私たちにとっての恩人でもあるシャーレの先生の息子……。それで玲央君は歪んでしまった……。
ここは私が何とかして直してあげないと。
「玲央君。アヤネちゃんは、……悪い子なのよ。それもただの悪いことじゃない。あなたを今も苦しめるようないけないことなの。「エッチ」なんて本当は気軽にするべきものじゃない!少なくとも、皆はそう思ってる。アヤネちゃんがどれだけ辛かったのか、私は分からないよ?でもね、せんせ、いや、お父さんはそんなことを許さないし、私だって許せない。あなたがされたことは世の中では「あってはならないこと」なのよ⁈あなたはもっと健全な関係を知ってほしいの!……分かった?」
よし。こうすれば、きっと、玲央君も少しは分かってくれるはず。アヤネから教わったことは悪いこと。簡単には「エッチ」してはいけないこと。そして、健全なものをもっと知ってほしいこと。これで完璧なは。
「……ぃ。……分かんない」
いつの間にか、玲央君は涙ぐんでいた。私がああだこうだと言っていたその間、怖がらせてしまったのかもしれない。でも、それで挫けちゃダメ。あなたには希望があるんだから。
「ご、ごめんなさい。色々と言い過ぎちゃったかな。さ、さっきの部屋に」
「イヤだ!ユウカお姉ちゃんなんか大嫌い!来ないで!」
突き飛ばされた。背中からは大きな音と鈍い痛みが駆け巡る。玲央君はそんな私を無視してその場から逃げた。不味い。追わなきゃ。
「ま、待ちなさい!」
身体を動かそうにも鈍い痛みですぐに動けない。四つん這いみたいな体勢になって、身体を這わせながら進んでみる。少しずつだが、前へ進めるようになった。でも、玲央君の所へはまだまだ届きそうにない。
……どうして?どうして私の言うことが分からないの、玲央君?
あぁ、気まずいなぁ。誰にも会いたくない。
胸元に抱えているタブレットはしっかりと通知も切っているし、上着のゆとりの中に隠しているからバレる心配もない。でもなぁ、この画面を誰かに見せたら私はまた監禁部屋へ閉じ込められてしまう。何せ、ユウカ先輩の密かな愉しみ、……幾度にも渡る大人のお店での口コミが表示されているから。
思えば、オナニーを覚えたのは小さい頃、着替えるときだった。確か、保育園だったか。そこで泥遊びをしてから身体を洗おうとしたとき、私の股は男の子たちと違うことをに気づいた。どうして自分のは違うんだろう、そう思って試しに割れ目の端っこを触ってみた。……痺れるような感覚。難しい問題を解けたときの気分とは違う、身体に響く気持ちよさが全身を巡った。すごく痛いのに、また味わいたくなる。
また触る。またやってくる。今度はもっと奥へ差し込んでみる。すると、股の前側にある何かが硬くなる。やめなきゃ。でも、もっと味わいたい。すごい、こんなに気持ちいいことがあったなんて。もっと早く気づき。
「コラ!コユキちゃん、早く戻るわよ」
あ。保育園の先生の声。中途半端で辛いけれど、怒られると怖いし、従わないと。
……その1人遊びが「オナニー」という遊び、そして、エッチなものを見ながらそれをするともっと気持ちよくなることを知ったのはしばらくしてからだった。
それにしても、ユウカ先輩の口コミは流暢でありながら、キャストさんの魅力をよく掴んでいて、とてもエッチなんだよなぁ。指名するキャストはどれも塩顔の長身、身体も引き締まっている。そんなカッコいいキャストさんを的確に評価し、そして、その魅力を引き立てる。つくづく羨ましいなぁ。
何で私はできないんだろう……?私だってエッチしたいのに何故かそういうことを許されない……。そんなの不平等だ。責めて、アカウントへ侵入して、そこから口コミを覗いて妄想をする他にない。ゲームの中と違って自由のない自分でもそれならできる。
さてと、今日は「タイラント」のトオルさんの口コミを見てオナニーしよっと。この人、細身なのに筋肉がしっかりとついていて、眉筋がすごく綺麗なんだ。それでいて、俺様系とあって売り文句も欲をそそられる言い回しだ。ユウカ先輩が普段から指名するような人とは雰囲気が違う。味変なのかな。
よし。
目的地となるトイレまであともう少し。着きそうだと思ったとき。突然、前に傾いた。視界が急に暗くなる。両腕に力を込め、何とか立ちあがると、遠くに子どもが走っていた。
……え?子ども?
多分、その子が私を突き飛ばしたに違いない。
「こら待てぇぇぇぇぇッ!」
必死に走り、子どもを腕でガッチリと掴む。
「ふぅ、もう逃げられませんよ!」
謝ってばかりの私らしくないな、こんな言葉。
「ご、ごめんなさい。何でもするから許して……」
ん?この子、男の子か……。って、どうしてここにいるの⁈
「何でも、ですか……。じ、じゃあ、どんなことでも叶えてくれるんですよね?」
「う、うん……」
この子、男の子なのに可愛いなぁ。お目目もぱっちり開いていて、前髪が顔にかかる様子なんてたまらない。それに、顔にはアザがある。……待てよ?アザ?ってことは……。
「あの、もしかして、ゲームで仲のいい人はいますか?」
「うん。ホワラビさんって人。いつでもお話をしてくれるし、楽しいよ」
あ……。あぁ……。そういうことか。
「ニハハハハ……。じ、実は、そのホワラビって人、……私、なんです」
「そうなの⁈いつもアイテムとかで助けてくださって、ありがとうございます」
「そ、そんなに畏まらなくても大丈夫ですッ。でも、やっぱり、こうして対面するとユーザーネームで話すのは気分が悪いですね……。お互い、本名で呼びましょうよ」
彼はどんな名前なんだろう。気になる。
「僕は赤染玲央。お姉ちゃんは?」
「私ですか?私は黒崎コユキです。よろしくお願いしますね♪……って、赤染⁈」
あ、赤染⁈いつも助けてくれる先生と同じ苗字。ってことは、まさか……。
「その、……玲央君のお父さんはどんな仕事をしてるんですか?」
「お父さん?あ、確か、シャーレとかいうお仕事をしてるよ」
何てこった……。よりにもよって、先生の息子さんとゲーム友達だったとは。ど、どうしよう。あんなお願い事を頼んだら、先生から怒られるかもしれない。でも、そんなの関係ないや。やったらやったで玲央君を説得すればいいや。
「そ、そうなんですねぇ。ニハハハ……、それじゃ、今からあそこのトイレに行きましょう」
「え?そこ、女の子のためのトイレだよ?僕が入ったらダメなんじゃ」
「い、いいですから!玲央君にとっても損にならないことですよ、ハハハ……」
困惑する玲央君を連れて私は女子トイレへ向かった。
女子トイレの個室は狭い。埃っぽい上に、ナプキンや化粧水の嫌な臭いに満ちている。ましてや、私と玲央君がそこに入ると全く動けない。ごめんなさい、先生。私は悪くないですから。悪いのは好き勝手してるユウカ先輩ですから。
「こ、ここで何をするの?」
「それはですね……、お、大人の愉しみってヤツですよ。男と女の共同作業とも言いますかね。あ、ちょっと、目を瞑っててくださいね」
私は迷うことなく、スカートもパンツも脱いだ。服に覆われなくなると、すごく動かしやすい。
「ハイ!さぁ、開けてください!」
「わ、わぁ……。これがコユキお姉ちゃんの……」
「そ、その……、玲央君、これから私を女にしてくれますか?」
「女にする?どういうことなの?」
戸惑ってる。流石に男の子だもんね、無理ないか。
「私、ずっと前から一人にされてて、すごく辛かったんです……。私が息苦しい思いをしてるのに、先輩たちは愉しいことをいっぱいしてて、羨ましくて……。玲央君もいつもチャットで言ってましたよね?好きなことができないととても辛いって。だからここで、私とエッチしてくれませんか?」
うわぁ……。自分で言っておきながら気分が悪い。子ども相手にみっともないことを吐いてしまうなんて最低だ。
「エッチできる?うん、やろうよ。僕もお手伝いする」
……ニハハハハ。もう、私は戻れない所まで来てしまったみたいだ。
まずはクンニ。玲央君は小さな舌を懸命に動かし、私のお股に絡ませてきた。自分の指と違って、ザラザラした表面がヒダの内側に擦りつけられるとジュクジュク気持ちよくなってくる。
「いぃ、いぃよぉ……。玲央君、今度はお口でジュルジュル~~って、ん゛ッ、す、吸い上げて、くれます?」
「うん、や、やっへみふ」
しばらくすると引っ張られるような感覚がやってくる。普段のオナニーでは触れることのない場所も動かすからか、頭が壊れそうな位に気持ちいい。あぁ、ずっとこうしていたい。念願のエッチは、やっぱり愉しい。
「うぇぇ、アヤネお姉ちゃんのより苦い……」
「ご、ごめんなさい!あ、じゃあ、次は私がシてあげますね」
さて、いよいよ玲央君の玲央君とご対面。口コミではモザイク処理でしか見たことのないおちんちんがついに……、私の目の前に。とても楽しみだ……。まるで夢を見ているような気分。
テントを張れる程に硬くなった玲央君のおちんちんは、丸い先っぽが露わになっていた。しかも、汗や腋臭とは違う、ゾクゾクするような臭いを漂わせる。
「え、えと……。もしかして、玲央君、他の子とエッチしたこと、あります?」
「あるよ。僕がエッチしてあげれば皆が喜んでくれるんだ。でも、不思議なんだよね。ヒナお姉ちゃんはなぜかしてくれなかったんだ。何でだろう?」
そっか……、それなりに経験してきたからこそ私ともエッチしようと思えたのかな。あぁ、ますます戻れなくなってきた……。
「他人には他人の考えがありますからね。私は、シてくれたらすごく嬉しいです、ニハハ……」
私は玲央君に目配せをして、そっと口におちんちんを含んだ。鉄か何かが入っているかのように硬くなったおちんちんによって、口の中が支配されたみたいな気分。小さいながらも、彼は腰を振っている。す、すごい……。「オナホチャレンジで嫌らしくも品位のある腰振りが堪らなく色っぽいです!生命の輝きを垣間見た気がします」との、ユウカ先輩の口コミって本当のことだったんだ。私の口にありったけの欲望をぶつけていると思うと、私も身体がだんだんと火照ってくる。
そうしていると、突然、苦みで口の中が満たされた。
「わ、ご、ごめんなさい、ハァ、ハァ……」
「ひーへふお。わらひ、きひひへはえんはら。……。ふぅ、玲央君のザーメン、思ってたよりもサラサラしてるんですね。ケホッ」
多分、少し前にもエッチしたのかな。ネットで調べた情報と違って、玲央君のザーメンは粘り気があってもひどくサラサラしていた。幸い、悲願のアレをしたかったので、すぐに呑み込むことができた。やっぱり、あまり美味しくない。
「やっぱり、上手いですね、玲央君。準備運動も終わったわけですし、そろそろヤりますか?」
「で、でも、こ、心の準備が」
「グズグズしている暇はないです!善は急げ、とも言いますよ!」
そのときだ。
便座の蓋の上に置いた私のタブレットから音が鳴った。何かの通知かな。
「な、何なの、これ?「タイラント」?」
ま、不味い。見られてしまった……。
「こ、これはですね、玲央君には程遠い大人のお店のサイトです。あ、も、もしかしたら玲央君もきっと、このお仕事がお似合いだと」
「ねぇ、それってどんなお仕事なの?」
「どんなお仕事と言われても、え、えーと、……女の子とエッチをしてお金をもらう男の人ならではのお仕事、ですかね?エッチが上手い玲央君ならきっと皆からモテモテに」
男の子は私の話を遮るように声を上げた。
「皆、僕がエッチすれば褒めてくれて、優しくしてくれたのに……。皆、嘘をついてたんだ。お父さんと違って、僕にしかできないことのはずだったのに……。僕は、何のためにいるの?僕は、僕は……」
パラパラと玉のような涙が目からこぼれる。……オカズにするつもりで持ってきたタブレットが、玲央君のことを傷つけてしまったんだ。
「おおお、落ち着いて!私は、玲央君のこと、そうは思ってませ」
「僕は何のためにいるの?ねぇ、教えてよ。僕はどうしたらお姉ちゃんたちのことを励ませるの?もぉ分かんないや、助けて……」
可哀想だった。軽い気持ちでエッチを始めたつもりがここまでの大事になってしまうなんて……。決めた。今からシてあげないと。
「こっちを見てください、玲央君。今からシませんか?さぁ」
「僕は、僕はお姉ちゃんたちとエッチすれば皆を助けられるんだよね、本当だよね?」
「まぁ……、私はそうだと思いますよ。ニハハハハ……」
玲央君は硬くなったおちんちんを私の性器につけた。あぁ、じれったい。早く彼を励ましてあげたい。私はお尻をつかみ、自分の膣に勢いよく貫かせた。欠けたものが埋められるような気分だ。幸せで、暖かくて、それで、気持ちいい。彼の真剣さや切なさが隔たりのない肉体の振動から伝わる。そして、自分のペースでぶつける度に痺れそうな快感が迫ってくる。
「あぁッ!いい、いいですよッ!私のおまんこで、玲央君のこと、励ましてッ、あげますからッ、元気出してくだ、さいッ!」
「ちょ、ちょっと待って!アンッ、ん゛ッ、ぢょっどまっで!ご、ごんらの、ぢがぶ、ん゛ん゛ッ!」
玲央君がぐったりと崩れた。股の方では粘ついた音がする。
少し身体を、って、赤い……?
あ、ま、まさか……。
玲央君のお腹には、私たちのザーメンと愛液、そして、私の血で小さな池ができていた。
遠くから誰かが走ってくる音が……。
「アカネ!カリン!多分、ここにコユキがいるはず!」
私は今、女子トイレの中にいる。アカネと2人で玲央君の捜索に当たっていたところ、コタマ先輩から連絡がきた。何でも、学校支給のタブレットの位置情報サービスを基にした追跡ルートがなぜかトイレに向かっているそうだった。ノアからも、コユキが勝手に逃げないようにカリンに監視してもらっていたものの逃げられてしまったと連絡が来た。そこからアカネとカリン、そして私の3人で隈なく探した末に、この女子トイレに着いたわけだ。
それにしても、何やら生臭い臭いがする……。いや、待てよ?この臭い……。
「どうしました?何か、嫌なことでも」
「な、何でもないわ。この臭い、いや、まさか、コユキ……」
「落ち着くんだ、ユウカ!まさかそんなはずは」
「そのまさかかもしれないのよ⁈悠長なことしてられるはずがないわよ!」
そうだ、その通りだ。玲央君は数か月前に他の学校の生徒に犯されてしまっている。彼のことは何としてでも私が助けてあげないと。このままでは自分の命が危うくなる。
「では、C&Cらしく、少々荒事をしてもよろしいですかね?」
「……いいわよ。好きにして」
「承知いたしました。では」
銃声。
アカネは一部屋ずつ銃弾を撃つ。最初はただ虚しく音がするだけだったが、一番端の最後の部屋に撃とうとしたとき、扉の鍵の開く音がした。
「ユ、ユウカ先輩、ご、ごめんなさい……。ちゃんと反省部屋に戻りますからぁ……」
ワイシャツとブラトップだけを身につけたコユキが個室から出てきた。その股からは……、赤黒い血が垂れていた。
「まさか、……玲央君!」
私はコユキを突き飛ばし、奥へと入る。部屋の隅で項垂れたまま動かない玲央君がそこにいた。すっかりとしなびたおちんちんは赤黒く染まっている。
「だ、大丈夫⁈とにかく拭かないと!」
性器が傷ついている……⁈そうだとしたら万が一にも命に関わる重大な病気になる可能性だってある。けがは、けがは……⁈……幸い、玲央君の性器にはどこにも傷はなかった。安心し、って、それどころの話じゃない!あのときのお話を忘れてしまったの⁈
「……あ、ユウカお姉ちゃん。いたんだ」
「いたんだ、じゃないわよ!私はあなたが心配だったのよ⁈さっきの話を忘れちゃったの?気軽にエッチなんてするなって」
「ユウカお姉ちゃんはエッチがそんなに嫌いなの?」
「嫌いじゃないけれど、その……、自分がおかしいことが分からないの?」
「僕が、おかしい……?何がおかしいの?僕のことを見てくれないユウカお姉ちゃんなんか……」
――大嫌い!
あぁ、私は玲央君のことを先生の息子として見ていなかったんだ。さっきも、「先生の息子」として玲央君のことを諭してしまった。私は玲央君にかくあるべきだと教えるばかりで何もしていなかった。もっと、もっと、玲央君本人に寄り添ってやればよかったのに……。どうしてそんな簡単なことができなかったんだろう。でも、私にはその簡単なことすらできる気がしなかった。結局、彼のことを却って傷つけてしまったんだ。いつもの計算に取り組む心持ちで相手にしてしまったんだ。……本当に最低だ、私。
「オイ落ち着け!動くなと言っただろ!」
「最低じゃないですかユウカ先輩!玲央君のことをどうしてもっと見てあげなかったんですか⁈玲央君はずっと苦しかったんですよ!失恋して」
「コユキ!……もう喋らないで。言われなくても分かってるわよ、それ位」
目の前の少年は泣きべそをかくばかり。コユキに何も言い返せない私は、ただ、薄汚れたトイレの床にしゃがんでいることしかできなかった。
投稿している作品は、どちらがいいですか。
-
今のままシリーズだけで。
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作品個別で再投稿してほしい。
-
個別だけにしてほしい。