宇宙戦艦ナガト ―TS戦士たち、その勇気と淫欲の冒険記― 作:えぴっくにごつ
現れた見えた複数の機影――それは、味方の到着の知らせだ。
間もなく接近飛来したそれらは、先程に分かれた機動飛行班の烈風のイーグル2にイーグル3。
そして他に十機近く、二個飛行班程の数のまた異なる機体機種であることが分かった。
「イーグル2、3!それに、「ブレイブ隊」の流星か!」
その見え現れたそれらを表す言葉を、カナタは歓喜を交えた声で発する。
イーグル隊、烈風機とともに現れた十機近くの機体。
それは、「流星」と――正式には「4式宙間汎用戦闘機 流星」と名称される機体。
烈風タイプと共にまたナガト航空隊にて運用される機体であり。
そしてしかし数の上では主力であり、また機動制空重視の烈風と異なり、あらゆる任務への投入に融通の利くマルチロール機だ。
《クルス隊長、お待たせを!》
《ブレイブ1だ。騎兵隊、見参ってな!》
次に寄越されたのは、そのイーグル隊やブレイブ隊の各隊各機からの。そんな冗談を交えた揚々とした声の数々。
そんな飛ばし寄越した声と同時進行で、参上した各機は散会展開。
イーグル両機とそしてブレイブ隊の内の半数は、敵の戦闘機隊を相手に空中戦に突入。
そして残るブレイブ隊の半数の流星は、旋回と共に高度を下げて、敵艦隊形へ向かって攻撃進路へと入った。
《おーら!お前らの相手はこっちだ!》
《過激に踊ろうぜッ!》
上空で空中戦に入ったイーグル及びブレイブの各機は、ふざけた色の言葉を通信に上げながらも。
華麗な機動でドッグファイトを始め、次には早くも敵機の撃墜を成し始める。
《捉えた、発射ぁッ!》
《サービスだ、たっぷり喰らいな!》
その上空援護の元。対艦攻撃に向かい入った流星各機は、その敵艦からの防空砲火を潜り抜けながら、次々と対艦ミサイルを撃ち放ち。
それらは痛快なまでに、次に次にと各敵艦に至り叩き込まれ。轟沈へとせしめていく。
「ハハ、頼もしいなっ」
その仲間たちの鋭く過激な戦いっぷりを。また呆れと関心の混じった声を零しながら眺めるカナタ。
「カナタ、敵艦が来た方向の地上にさらに熱源を見つけた。そっちに飛べる?これを調べたい」
「っ、了解」
しかしその次にはまたサクより、そう伝えそして求める言葉が寄越され。
カナタはそれを了承、機を旋回させてサクが求めた通り、敵艦隊形が来た方向へと飛ばす。
「――うん、感知したっ。地下にかなり大きく広く熱源がある、高確率でここが敵の拠点!」
そしてレーダー機器が映した熱源情報から、サクはそう判断する言葉を伝える。
直後。向こうあった草木に覆われる小山の一角が割れ、そこから艦砲を転用したと思しき大きな砲座が出現。
次にはその砲座はカナタ機を狙い、対空砲火を寄越した。
「うぉ!――ご丁寧に知らせてくれたな!」
撃ち寄越された砲火を、カナタは驚きつつも機体操作で難なく回避。
そして皮肉気にそんな言葉を零す。
「サク!」
「オッケ――ファントム1よりナガトへ、敵拠点の存在個所を探知。座標送る、「軌道砲撃」の実施願う!」
そしてカナタはサクに促し。サクはそれにもちろんと言うように答え、そしてナガトに向けての「要請」を通信で送り始めた――
航空隊を惑星へ先行降下させた後、ナガト本艦もまた惑星軌道上まで進出。
そしてナガトは航空偵察隊からのその「要請」が届くまで、待機していた。
「偵察隊より、「軌道砲撃」の要請来ました!」
「座標データ来ました、火器管制に反映開始!」
ナガトは、その第一艦橋では。カナタ機より寄越された要請、そして同時に送信された敵拠点の座標データを受信。
求められた「軌道砲撃」をこれより行うべく、すでに準備態勢にあった艦内が一層忙しなく動き始める。
「船体確度修正。完了後、シークエンス進行をCICへ」
「第1、第2。続いて第3、第4砲塔装填完了。旋回照準開始」
ナガトは船体を横倒しにする形で傾けて、そして同時に全ての砲塔が旋回してその砲口を惑星に向ける。
宇宙空間ならではの三次元的な照準シークエンス。
「各砲塔、照準微調整完了――分隊長の合図を待ちます!」
そしてすべての行程が完了し。今は出撃しているカナタに代わってコンソールシートに着く戦闘分隊の要員の少女(中身男)が。
前席で進行状況を聞いていたツルギに伝える。
「――撃ェーーッ!!」
そして、ツルギが号令を張り上げた瞬間。
直後の同時に、ナガトの全主砲が一斉に咆哮を上げた。
「――来た」
軌道砲撃。
正確にはその内でも、偵察観測機が送って来た座標を頼りに目標を狙い撃つ、惑星軌道上からの精密砲撃。
惑星軌道上から惑星の地表へと、まるで神の雷のごときで撃ち降ろされたそれは。
地上、森林帯の一点へと落ち――巨大な爆炎を巻き起こした。
ナガトの主砲群からの、軌道砲撃の着弾が成した大爆炎。
それは地表の森林帯を引っぺがす勢いで吹き飛ばし、そしてその中にあったゲティスオンの銃砲座や施設などを巻き込み飲み込み。
一帯の鬱蒼とした景色を一変させた。
「――うぉ」
「っぅ」
遠巻きに飛行してそれを観測していたカナタ機にも、その衝撃はビリビリと来て伝わり。思わずの驚く声を零すカナタたち。
しかし、ナガトよりの軌道砲撃はその一度に留まらない。
一拍の間を置き、第二弾、さら第三弾と。
惑星軌道上よりナガトが撃ち注いだ砲撃が、地表の敵軍拠点が特定された各所へと着弾。
その度に大きな爆炎が上がり、森林帯を剥がして、敵軍の銃砲座に施設類を巻き込み吹き飛ばす。
そしてさらに第四弾、第五弾と軌道砲撃が落ちたところで。
その一つが敵軍施設の燃料系か何らかを直撃したのか。
森林帯の大きく広くをまるでキャンパスにでもするように、これまでをさらに凌駕する規模の連鎖的な爆発炎上が発生。
描き上がった爆炎はそれによって、敵軍地下施設のその配置を浮き彫りにして明かし。
さらには地表に巨大なハッチが開き、そこから敵の巡洋艦などが逃れるべく飛び立とうとしたが。しかしそのそれらは、「逃さぬ」と捕まえるように及んだ爆炎に巻き込まれ、爆散大破。
そんな数々の凄まじい光景が、ゲティスオン軍のその拠点の終わりを伝えた。
「――ヒュゥ」
「ひょえっ」
安全のため距離と高度を取り、遠巻きに旋回飛行を行う機上から、それを眼下に目撃したカナタにサクは。
とてつもないまでのその光景に、感嘆混じりに口を鳴らし、あるいは驚きの声を零す。
「恐ろしいまでだな」
「憎い敵とはいえ、えぐいかもね……っ」
そしてそれぞれ、眼下の凄まじい光景にそんな感想を零す。
「……他も終わったみたいだな」
それから、周辺各方にカナタが視線を向けて見れば。
上空は各隊各機の奮戦により、敵機の姿は無くなって掌握されており。
敵艦隊形もちょうど、最後に残っていたフリゲート艦が汎用ミサイルを叩き込まれて撃破。
その航行力を失って落ちていく姿で、艦艇隊形のその最期を物語っていた。
「――ファントム1よりナガトへ、機動砲撃の効果は極めて大。少なくとも、特定したゲティスオン軍施設は完全に無力化された模様」
そんなカナタの背後後席で、サクがナガトに向けて軌道砲撃の成果。それに伴う敵軍施設の完全撃破の件を報告している。
《ナガトよりファントム1、こちらでも長距離の拡大映像で確認した――よくやってくれた》
それに返って来たのはツルギの声での、軌道上のナガトの側でも敵基地撃破を観測確認した旨と。併せての此方を評し労う言葉。
「各隊各機の奮闘のおかげです――念のため、他施設が存在しないか、さらに周辺を索敵します」
それにはカナタが変わり、皆のおかげと伝える言葉を返し。併せて、他にもゲティスオン軍施設が存在する可能性を考慮し、索敵を継続する旨を伝える。
《了解。必要なら一度帰還することも視野に入れるように》
「了」
それにツルギからは忠告と併せての了解の言葉が寄越され、カナタもそれに返し。
カナタたちに、各隊各機は残る仕事に移行した。
しかし幸いにも。
その後、カナタたちは惑星上の広くに渡って索敵捜索を行ったが、それ以外のゲティスオン軍の部隊との接敵、及び基地施設などを発見することはなく。
これをもってこの自由浮遊惑星上のゲティスオン軍の拠点は、撃破無力されたと――作戦は成功完了のしたとの判断が成され。
航空隊の皆は、作戦の成功に沸き立ち喜び合いながら。
自分たちが返るべき母船、ナガトへと帰還した。