宇宙戦艦ナガト ―TS戦士たち、その勇気と淫欲の冒険記― 作:えぴっくにごつ
先日のゲティスオン軍との戦いの後、航海はまた順調さを取り戻し。
ナガトのその旅路の行程は、いよいよその半分を越えようとしていた。
「――補給ですか」
そんな中のその日。定例会議のためにブリーフィングルームに集った主要クルーの中から、カナタのそんな声が上がった。
「そうだ、差し迫った状況ではないが、この航路上に補給可能な惑星があるため、出来れば立ち寄っておきたい」
それに答え、説明するはブリーフィングの司会を務める副艦長のリンネ。
今に上がった言葉の通り、ナガトは航路上に存在する惑星からの補給を計画していた。
「ここだ。惑星ウルカ、大気が存在する地球型惑星だ」
ブリーフィングルームのスクリーンに、その該当惑星の宙域における場所が宇宙海図にて表示される。
「当初、新天地としての候補に挙がった惑星ですが……まだ宇宙に進出していない知的先住民の存在から、保護観測対象となったところですね」
「そうだ。この惑星に降りて、補給物資の収集を図る」
次にはサクがその惑星について、説明がてらに知る所を言葉にし。リンネはそれを肯定。
「担当要員は先に伝えた通りだ。惑星の事情から、住民との接触は慎重に。荒事は極力回避するように――では、かかれ」
「「「「「はっ」」」」」
注意事項を述べると共に、リンネは指示命令の言葉を発し。
該当要員である皆はそれに答え、そして実に任務に掛かるべくこの場は解散となった。
補給のための先発調査要員として選抜されたのは、カナタとサク、そしてケイとセイナの四人。
四人は汎用機である0式汎用輸送機、コスモホークを用い。護衛を務める航空隊の戦闘機数機とともに、ナガトを発してその惑星ウルカへと降りた。
惑星への降下の後、護衛の航空隊の主は高高度で警戒待機。
カナタたち四人を乗せたコスモホークと、そして直接の護衛を務め同行するクルスの烈風、この二機のみが地上に降下着陸。
そして補給調査のための活動を開始した。
「――豊かな惑星だな、空気環境も綺麗だ」
場所は、瑞々しい草木が生い茂る森の中。
カナタたち五人は、調査行動を行いながらその中を歩み進めていた。
「ここを新天地とできれば幸いだったけど……先に暮らしている人達の営みを、邪魔する訳にはいかないからね」
そんなような会話を交わしながらも、センサー類などでの調査行動に意識を向ける皆。
「――……グルル」
その近く、木立の影より。そんな五人を狙う気配があった。
「!」
「「!」」
カナタがその気配に、『敵意』に気づいたのは、また次の地点へ向かうべく歩みを進めていたその時。
そしてそれに気づいたのは、他の皆も同時。
「っ!」
その直後瞬間だ。カナタのすぐ近くを何かが飛びを掠め、そして背後の樹木に音を立てて突き刺さる。
「な……!矢……!?」
カナタが口にした通り、それは矢。明確な殺意を持って寄越されたもの。
「カナタ!」
しかしそれに驚いたのも束の間、次にはサクが知らせる声を発する。
そして向こう正面から聞こえ伝わる、荒々しい物音に気配。
視線をそちらに向けた瞬間、向こうの木立や草木の影より、いくつもの大柄の影が出現した。
それは屈強な人の姿に、しかし動物の耳や尻尾などの特徴を持つ『獣人』たち。この惑星の先住民たちだ。
それが剣や斧、弓矢の類を手に、明確な敵意を持って現れ。そして襲撃を仕掛けて来たのだ。
「襲撃だぞっ!」
「っ!身を隠せ、応戦するんだ!」
クルスが張り上げ伝える声を上げ、カナタはすぐさま判断から指示を発し上げる。
極力不干渉を指示されてはいるが、自分の身を守らぬわけにはいかない。
皆はカナタの指示にすぐさま応じ、周辺の木々に身を隠し。そしてそれぞれ手持ちの宙間拳銃などの銃器を繰り出し、応戦戦闘を開始した。
「ヒット!」
「一体倒した!」
皆の銃器の発砲音が、森の中に響き始め。
そしてすぐの次には、各々から銃撃の効果を知らせる声が届き。向こうに襲撃者の獣人たちが、次に次にと打ち倒れて行く様子が見え始める。
「チっ!しゃらくせェ!」
そしてまた次には、クルスが装備していた宙間短機関銃を撃ちばら撒き、向こうに弾幕を展開。
それにさらに浚えられるように倒れて行く敵の獣人たち。
それぞれからの銃器の火力に、剣に斧を得物とするの獣人たちは不利であり。容易くし退けられて行く。
「――グオァァ!」
「!、しま……!」
しかし、正面からの敵主力の攻撃に気取られていた所を狙われたか。その隙に、側面より一体の獣人の回り込んでの接近を許してしまう。
その獣人はカナタへと肉薄襲撃、目の前で得物の剣を振りかぶった。
「ごゥ……っ!?」
しかし、カナタが半ば覚悟を決めた直後瞬間。その獣人の首を、どこから来たのか『矢』が刺し貫通。
その獣人は鈍い悲鳴を上げて、カナタの前で地面に突っ込むように倒れた。
「え!?」
突然のそれに、驚くカナタ。
「カナタ、あれ!」
「!」
そこへサクが駆け付け、カナタの援護に宙間拳銃を撃ちながらも、向こうの方向を視線で示す。
その向こう、そこにあった小さな崖の上に――二つの人影が見えた。
遠目に見るに、どちらも女。
そのどちらが弓矢を構え、それを襲撃者たる獣人たちへと向け。次には射ち放ち始めた。
「――!」
「――!」
「ガウ!?」
「ギャゥ!?」
その現れた二人の女は、恐るべきまでに素早く手早い動きで、矢を番え射放つことを繰り返し。
残っていた襲撃者の獣人たちを、次に次に仕留めて行く。
「グゥゥ!キャル族め……引けェ!」
そんな新手の出現から、状況不利を悟ったのか。襲撃者たる獣人の中から一人が発し上げ。
そしてそれを合図に、襲撃者の獣人たちは引き始め。森の奥へと逃げ消えていった。
「引いて行った……」
突然の襲撃から、しかしなんとかそれを退けることに成功し。
カナタは未だ驚きを抱きつつも、同時に安堵を覚える。
「――大丈夫かい?」
「!」
そこへ、声が掛かる。
そして見れば、視線を向けたカナタの前に二人の人影が。今にカナタたちの窮地を救った二人の女が、軽やかに飛ぶような走りにて近づいて来て、そして前に立った。
一人は褐色肌の美麗な顔立ちを、黒髪ショートで飾る凛とした美女。
同じく褐色肌で、そして抜群のプロポーションのそのボディは、艶やかなレオタード状の衣装で飾られている。
もう一人は、美麗な白肌に眩い金髪ロングが映える、気の強そうな長身美女。
鍛え上げられた色を見せながらも、同時にあまりにワガママな豊満さを見せるそのボディは、やはりレオタード状の衣装で飾られ、これみよがしにその豊満さを主張している。
そしてしかし、二人に共通する一番目を引く特徴として。どちらも髪色と同色の猫耳ないし虎耳、そして尻尾が映え覗いてた。
そう、女たちもまた獣人のようであったのだ。
「あぁ、大丈夫……ありがとう助かったよ。あの、ところで君たちは?」
色々に驚きつつも、とにかく窮地を救ってくれた二人にまずは礼を言い。
そして併せて二人が何者かを探る様に尋ねる。
「私たちはこの近くに拠点を置く部族、『キャル族』の戦士だよ」
「貴様たちは、その出で立ちを見るに『空遠くからの余所者』か」
それに、黒髪猫耳の美女が答える言葉を紡ぎ。
そして続けて金髪虎耳の美女にあって、カナタたちをそんなような表現で呼んで見せた。
「あぁ、俺たちのことを認識はしてくれてたんだ……」
「ふん、気付かぬとでも思うか」
金髪虎耳美女のほうからそんな表現で呼ばれ、そこからカナタは、この惑星の先住民たちも少なくとも自分たちの存在に気付いていることを知り、そんな言葉を零す。
それに金髪虎耳美女が返したのは、ぶっきらぼうな色での返答。
「レオ、あんまりぶっきらぼうに当たるもんじゃないよ」
「ふんっ」
金髪虎耳美女それに、黒髪猫耳美女は咎める言葉を向けるが。
金髪虎耳美女は変わらぬ様子で、そっぽを向いてしまう。
「やれやれ……むしろアンタたちが勇敢に戦ってくれたおかげで、ガオウ族の連中は諦めて引いて行った。可愛らしい子揃いだってのに、やるじゃないかっ」
引き続きぶっきらぼうな金髪虎耳美女はひとまず置いて置き。
次には黒髪猫耳美女は笑顔を見せて、今程のカナタたちの戦闘をそう評価。
合わせて見た目は美少女揃いのカナタたちを、そんなように揶揄いつつも表現する言葉を向けて来た。
「あ、あぁ……ありがとう……」
最近、忘れがちになるが、中身は『男』であるカナタとしては。その評は微妙に想いながら、微妙な返事を返したが。
「あっ、そうそう。アタシはキャル族のフィオンって言うの」
「レオだ。ふん」
「あぁ、名乗ってなかった……俺は宇宙探査艦ナガトの戦術士、封堂 カナタ二等宙尉」
会話が一区切りした後。黒髪猫耳美女と金髪虎耳美女は、そこで自分の名を名乗って見せ。
それを受けてカナタも、自身の身分を名乗って返す。
「うちゅー……ナガト?詳しくは分かんないけど……込み入った話は場を変えてしようか。アタシたちの集落に案内するよ」
カナタの名乗りの聞き慣れぬワードに、フィオンは少し不思議そうな顔を見せたが。
ひとまずそれは置き、彼女はカナタたちを自分たちの集落に迎え入れる旨を伝えた。
カナタたちは、出会いそして助けられた獣人族、『キャル族』の集落へと招かれた。
聞くにキャル族は、敵対する『ガオン族』との部族間抗争の最中であり。カナタたちはその中に入り込んでしまったらしく。それ故に先の一悶着となってしまったとのことだ。
しかしカナタたちの奮戦で、思いの他、戦いはキャル族の利に働いたらしく
カナタたち五人にはそのちょっとした礼だと、その夜の宴の席に招きたいとの誘いがあり。
ナガトからも許可が降り、五人はご相伴に預かる運びとなった。
「へ~、星空を渡る航海か~。想像つかないけど、なんかすごそうじゃんっ♡」
キャル族の集落を会場とし、始まった宴の席。
酒が皆に回り始め、早くも無礼講の雰囲気となり始めており。
そんな中で黒髪猫耳美女のフィオンから酌を受けるカナタは、同時にフィオンに言い寄られていた。
「しかし、キミの正体が男だなんて、信じられないな~。こんな可愛い子ちゃんなのに♡」
「ちょ……んっ♡」
進行を深める過程で、カナタはナガトについてを説明。
そして今は皆が美少女の見た目だが。自分の他、一部ナガトのクルーの正体は男であることを明かす事となり。
しかしそれが逆によりフィオンの興味、好奇心を引いたらしく。先からフィオンはカナタにべったり。
そして彼女も酔いが回り始めている影響か。
先からカナタの太腿に尻などにフィオンの手が伸び、無遠慮になでくり回し始めていた。
「お、おい……!あまり来やすく触るな……ふにゃんっ!♡」
「ふふふ、良いではないか~♡これは、今宵はにゃんにゃんが期待できそうですかな~?♡」
そのカナタたちの横では、サクと金髪虎耳美女のレオの絡む様子があった。
想い人のカタナがセクハラプチピンチにあるというのに。
サクはと言えば、こういう時のお約束の正妻嫉妬ムーブ……などを微塵も見せる気配も無く。
隣にて渋々酌を務めるぶっきらぼうな金髪猫耳美女、レオに抱き着き絡み。レオのその豊満な乳に尻に太腿、さらには獅子の耳や尻尾などを揉んで撫でて弄り回し。
目新しい『オモチャ』を篭絡するためのセクハラ攻撃に夢中になっていた。
もっとも流石というかそのサクの手腕に、ぶっきらぼうで堅物そうなレオも、狼狽しつつもふやけ緩みかけていたが。
「……」
そんなサクのいつものムーブに呆れつつも。周りを見れば。他のクルーの皆も同じ様子。
ケイやセイナはそれぞれ、まんざらでもないといった様子で、それぞれのお酌相手の獣耳娘ないし獣耳美少年とイチャついており。
「やめ……!揉むな、弄るな……ひゃぅぁっ!?♡きゃぅっ♡」
クルスなどは何か、特に犬人猫人たちに気に入られたのか。
複数人の獣人娘や獣人美少年に絡み寄られ、抱き着かれ。もみくちゃにされている有様であった。
「ははは……」
そんな様相に、カナタはもはや困り笑いをうかべるしかなく。
自分に抱き着き撫でまわす、フィオンのセクハラ接待に身を許しながら、宴の時を過ごした――
そんな艶やかさを含む宴も、盛り上がりを過ぎ。まどろむ雰囲気が漂い始めた頃。
――それは唐突に訪れた。。
「!!」
響き聞こえ届いたのは、甲高い笛の音。それは集落中に伝わる程のもの。
それにカナタたちクルーは、酔いにまどろんでいた意識をしかし覚醒させる。
「襲撃だ!」
「ガオン族め、また来たか!」
しかしそれ以上に早く、立ち上がり飛び出していたのはフィオンにレオ。他、キャル族の獣人たち。
そのそれぞれが発した通り。聞こえた警笛は、襲撃を告げるものに他ならなかった。
キャル族の皆は、これまでの蕩けまどろむ様子をみごとに振り払う姿を見せ。そして控えていた剣に弓などの得物を持って、次々に飛び出して行く。
「っ!せっかくのお楽しみの最中だったってのに、無粋だね!」
そしてカナタの隣ではサクも、そんな言葉を零しながらも。手元に控えていた宙間拳銃を取る姿を見せている。
他、戦闘態勢に入ったのはケイやセイナやクルスも同じ。
「どうする、カナタっ?」
そしてケイが、カナタに指示を求める声を発した。
・すぐさま戦いに出る
・応援をまず呼ぶ