宇宙戦艦ナガト ―TS戦士たち、その勇気と淫欲の冒険記― 作:えぴっくにごつ
「事情は、分からなくもないけど……慣れないな……」
そんな、早々からドタバタであった己の経緯を思い返しながら。
また鏡の前の自身の姿に、目のやり場に困りつつ。もの鬱げな声を漏らしたカナタ。
「それに、欲にかまけることを止めたいんなら……この服装はどうかと思うけど……」
そして併せて。自分で言うのも難だが大変にエロティックなその女体を、際どく浮かせて主張するように飾る「任務服」に。
此度のために用意されたと言う、ぴっちりボディスーツ状の『良い趣味』をした衣服に、やや呆れた色での突っ込みを零しながらも。
カナタはお留守になっていた手を動かし。開けっ放しのフロントジッパーを上げて閉じようとした。
「――カナタ、いるー?」
しかしそんな所へ、呼びかけ尋ねる声が届き。
同時にしかし返事を待たずに、居室のドアが開かれたのはその時であった。
「っ!うぁ……っ」
「!、あっちゃゴメン、お着換え中だったか」
まだあられもない姿でいた所への来訪者に。カナタは慌て隠すように身を抱きつつ、驚き振り向く。
一方、届けた台詞に反して、あまり悪いように思っていない様子で返しながら。そこに立っていたのはまた一人の少女だ。
詳細にはカナタと同じく、美女になりかけといった外見年齢の美少女。
大変に美麗な金髪の髪を、ふわっとしたセミショートの髪型で造り飾り。
その前髪の元には、やや吊り上がった気の強そうな目が主張する、可憐な顔立ちが映えている。
海帆 サク。
カナタと同じく二等宙尉。しかし彼女にあっては、元よりの女性であった。
纏う服装はカナタと同じ、乗組員に支給されるボディスーツ状の任務服であり。またその出るとこは出て、括れるとこは括れたナイスバディを主張している
しかし色合いは、カナタとは違い黄色を基調として黒色でラインやワンポイントを描くもの。階級章類にあっては同じ。
ナガトにおいては、宇宙防衛隊艦船の例に違わず。艦内業務にてそれぞれの役割を担う各部署、「分隊」もしくは「科」と呼ばれるそれが編成されており。
任務服の色の違いは、そのそれぞれの配属を示すものだ。
なお、詳細には、
カナタは戦闘、砲雷運用を担う戦闘分隊(科)の所属であり。
サクは船務、航海関係を担う航宙分隊の所属だ。
「っ……何か用事かい?まだ配置交代の時間には余裕があるけど?」
そのサクに、あられもない姿を見られてしまったことを恥じらい。併せて、少しデリカシーに欠ける訪問に少しの不服を覚えつつ。
元よりの性格から、ややぶっきらぼうにそんな質問の言葉を返すカナタ。
「ん?特に用事というワケではないけど。これから長い旅路を共にする同士と交友を深めようと、「通勤」時間を一緒としちゃダメかな?」
しかし一方のサクはと言えば、カナタのぶっきらぼうな態度を気にもせず、そして同時に悪びれもしない様子で。
その気の強そうな顔に、しかし悪戯っぽい笑みを作って返す。
サクはカナタと分隊は違えど、同じ艦橋配置要員となった間柄であるのだが。それにしても出会って以来、サクは妙にカナタに積極的に絡んで来るのだ。
「君は妙にグイグイ来るな……最初に力んで親しくなろうとした相手は、疎遠になってしまうかもだぞ?」
「あっはは、学校の入学初日パターンね。でも今ここはマジの運命共同体の艦船勤務― -それに、アタシの手の掛かればそうはさせないかな?」
カナタはサクの悪戯じみたムーブへのちょっとしたお返しと、少しの皮肉を飛ばしてやるが。
サクはそれにも、あっけらかんとそんな調子の良い台詞を返してみせる。
「はぁ……待ってて」
そんな自信家な様子のサクに、呆れ根負けしたものを覚え。
カナタはサクにそう返しつつ、すぐに身支度を終わらせようと動こうとした。
「――ふふんっ♡」
「わひゃっ!?」
しかし――ガバっ、と。次に襲った身をやんわり拘束するような感覚に。
しかしカナタ、驚いて素っ頓狂な悲鳴を上げてしまう。
見ればカナタはサクに、背後から遠慮の無い形で抱き着かれ、捕まえられていた。
「っぁ……な、何を……?」
驚き、そして自身に抱き着いて来たサクのその企みを問いながらも。とりあえず反射で彼女から逃れようと、抵抗の身じろぎをするカナタ。
だが、仮にも本当の正体的には『異性』であるサクに抱き着かれ。なにより背中に当てられるやわらかい「山」の感覚に、心は早くもドギマギしたものを覚えてしまい。
カナタのその身動きは、申し訳程度のものにしかならない
「ふふっ、なーに。ちょいと、お近づきの『じゃれあい』と行こうかとね~♡」
一方のサクはカナタの背後から耳元で、そんな企みを宣い囁く。
「ちょっ、こんな――ひぁぅ……っ!?♡」
そしてそれに抗いを見せようとしたカナタだが。しかし、その口からは次には甘い悲鳴が上った。
なんと、まだ半露出していたカナタの乳房を。サクは回したその腕で、何の遠慮もなしに揉みしだき始めていており。
その感覚に刺激が、カナタの抵抗を阻んだのだ。
「おおっ。やっぱり見立て通り、良い揉み心地ではないかっ♡」
「んゅっ♡やっ……ちょ……っ♡」
始められた、危ないスキンシップ。
サクはそんなエロ親父みたいな台詞を紡ぎながら。ドギマギするカナタのボディを本格的に揉みしだき、堪能し始める。
「ひゃめ……♡ひぁ……っ♡」
カナタは抱き着くサクを、またなんとか払い振り解こうと思ったが。
しかしそれは、今に身体に走り襲った『初体験』の甘美な感覚によって、意識に態勢を崩されてしまったがために。力が体に入らずにうまくいかない。
「んふふっ♡かーわいいっ♡」
「ふゃぅぅ……っ♡」
その間にもサクの両手はカナタのボディの乳房を始め、腰回りに尻肉太腿などにも及び。それぞれに侵略させた手先で、揉みしだいて堪能。
カナタはそれに、都度都度可愛らしい悲鳴を漏らしてしまう。
「っ……やめ――……ろって……!」
「おっとっ」
そして、そのボディをサクの手によって、大分好き放題堪能されてしまった後に。
カナタはようやく力をなんとか振り絞り、身を捩ってサクの腕を退け払い、その魔の手より脱出。
サクより逃れるように、一歩分距離を離す。
「まったく……!おふざけにしても過ぎるんじゃないか……っ?」
そして身を翻すと同時に「キッ」っとサクを睨み、不服の旨を明確とする言葉を向けた。
が。
しかしいかんせん。襲った初体験の甘い刺激から、赤らんだ頬に、若干蕩けてしまったその顔では説得力はまるで無かった。
「ウブですなー、おなご同士なんてこんなもんじゃよー?」
そしてしかしやはりサクにあっては、そんなカナタを面白がって揶揄うように。悪びれない悪戯っぽく返して来た。
「まったく……」
「ははっ、ゴメンゴメン。君が魅力的だからちょっとアクセルふんじゃったけど、ホントに仲間としてお近づきになりたいんだ。嫌がらせのつもりは無いから、怒んないで欲しいナっ?」
サクのその様子に、呆れを覚え、そして艶やかな状況から気を崩されてしまったこともあってか。
本気で怒るまでにはなれず、溜息交じりの声を吐くカナタ。
そんなカナタにサクは、一応謝罪とフォローは必要と思ったのか。付け加えるようにそんな言葉を向けて来た。
「はぁ、怒ってはいないよ……ほら、こんなおふざけにかまけていたら、それこそ交代時間に遅れる……行くなら行くぞ……っ」
「はは、恩に着るよ。行こう行こうっ」
それに、毒気抜かれたようにカナタはそう返し。サクはまた軽い調子で返し。
気を取り直し、支度を整え。二人は配置部署への「出勤」時間を共にすることとした。