宇宙戦艦ナガト ―TS戦士たち、その勇気と淫欲の冒険記― 作:えぴっくにごつ
カナタとサクの二人が、そんな爛れた関係となり。任務、業務外には隙あらば互いを貪るような日々となっていた一方。
探査艦ナガトの航海、任務は順調に進んでいた。
場所は、第1艦橋空間。
艦橋の気密窓から望めるその外は、現在――異様な景色に覆われていた。
鈍めの虹色、またはオーロラ色の背景空間が広がる景色。それが周辺の全てを、上も下も無く覆っている。
ナガトは現在、ワープ航行中であった。
人類が、遥かな宇宙の彼方を目指すことを可能とした、技術の結晶。
抜錨、出航から間もなくの先日には。まず地球~火星間を飛ぶ試験ワープが一度行われ。
それを得ての此度は二度目となるワープ。それにより、太陽系の外周までを一気に飛び越える算段であった。
「――ワープ進行率、90%」
艦が不安定となるワープ航行中、艦内は完全配置だ。
第1艦橋内では微かな緊張に包まれる中。
航宙要員であるサクが、いつもの悪戯っぽい様子から変えた真剣さを含む色で、コンソール座席から適宜状況を知らせる声を上げている。
「97、98……間もなくワープアウト――出ますっ」
そして次にサクが発し上げたのは、そんな伝える言葉。
それと同時。窓の外に望める、周辺の歪な景色が流れ解けるように変化を見せ。
その直後、まさに暗闇から光の元へ飛び出すかのそれで。ナガトの船体は通常宇宙空間へと繰り出た。
「ワープアウト完了!」
「各所、報告ッ」
サクの響き上げた伝える声。
それに続けすかさず、やはり自身の配置座席で備えていた副艦長のリンネが、各部署の担当者に報告を求める。
「艦周辺、異常感知ナシ!」
「船体アラートナシ!」
それに応じ、各配置に付く各員が。それぞれ異常は確認されなかった旨を、知らせ報告する声を次々に上げる。
「座標取得、冥王星軌道外周――成功です」
そしてまたサクが、今に取得できた情報から、ワープが予定通り無事成功したことを伝え。
「っぁ……」
それをもって、艦内に張り詰めていた緊張が少し緩和。
カナタなどが思わずの吐息を零したのをしかしきっかけに、微かな安堵の空気が訪れた。
「ヨシ、大丈夫そうだな――艦長」
「あぁ――以降、完全配置は解いてヨシ。現時刻の通常配置要員以外は、離れてよしとする」
そしてその中で、ロリっ子幼女 (中身おじ様) 艦長のオウカと、副艦長のリンネが言葉を交わし合い。
そう、完全配置を解く旨を下達。
艦橋内には、一層の安堵の雰囲気が広がった。
通常航行に移行し、完全配置が解かれた第1艦橋内では。
無論、通常警戒の態勢は敷かれているが、いくらかの緊張が解けた空気の中にあった。
「やはりすごいな、ワープ航法は……太陽系の端まで一瞬か……」
そんな中、現時刻の通常配置要員であり、自身の担当の戦術コンソール席に着くカナタは。
窓の外、生まれて初めて見る太陽系の外の宇宙の光景を。漠然としたものではあるが、感動と困惑が混じった色で眺めている。
「これの完成に至った経緯を考えると、感嘆も一層だな」
それに同意するように、隣に座るケイが言葉を続ける。
「航法中は不安定で、一層気を張るのが難点だけどね……」
しかし隣背後、向こうのコンソール座席から。
綺麗で通る、しかし倦怠の混じった色でのそんな声が届く。
座席に着いて姿を見せるのは。
淡い金髪の美麗なストレートロングが主張し、その元に上品だが気の強そうな顔立ちが映える美少女。
竜院 セイナ 二等宙尉。
航宙分隊において、艦の搭載する航空機管制を主とする分所にまた所属するクルーだ。
任務服も航宙分隊所属でる事を示す、黄色を基調とするもの。
また明かせば、彼女は元よりの女性。
その彼女が示すのは、ワープ航法中に求められる気を張り詰めた配置態勢についてのネックを。その姿様子と併せて示すもの。
「まぁ、脆弱性を有するのは確かにネックかな」
それにカナタも、それについては賛同する言葉を返す。
「おやおや。優美なお嬢サマには、ハードな波乗りはきついカナ?」
そんなセイナに、座席の背後から近寄って来て立ち。揶揄うような声と併せて、その肩に両手を置いたのはサク。
「からかわないで」
そんなサクから掛けられた言葉に、セイナはやや呆れた声で返すが。
そのサクの行為を拒む事は無く、その顔にも倦怠に併せて笑みを見せている。
二人は宇宙防衛隊入隊以前からの友人同士、長くの腐れ縁らしい。
サクは気の強そうな、セイナも高飛車そうな容姿見た目であるが。反して二人とも友にその内は気の良い性格の持ち主であり。
そこが波長が合うのだろう。
また最近はカナタ、ケイとも合わせて。四人でつるむ事が多くなっていた。
「ふふ、そんなセイナを労い。このサクさんがマッサージなどしてあげようぞ♡」
「ちょっ、貴方またそういう……きゃぅっ♡」
そんなサクとセイナは、次にはサクが彼女のお得意のムーブで。
セイナの肩に置いていた手を、次には彼女のその美麗で豊満な乳房へと回し。任務服越しに揉みしだき始める。
セイナはそれに言葉でこそ咎めるが、しかし本気で拒み退ける様子は見せない。
「くくくっ。口では拒んでも、身体はすでに躾けられておるのう♡」
「く……下劣な手管に、私は心まで落ちたりしないから……ひゃんっ♡」
むしろサクのおふざけの台詞に、セイナもそんな何かを演じるようなふざけた台詞で返し。
二人は互いのお約束らしい、『じゃれあい』に興じ始める。
「おいおい……」
「はは、目の保養だな」
最近ではすでに、いつものお約束となったサクのそれに、若干頬を赤らめつつも呆れた視線を送るカナタに。
囃し立てる言葉に反して、ニヒルさを含む困り顔で、温かく見守る様な視線を送っているケイ。
――アラートの電子音が、そんなやりとりを割って艦橋中に響いたのは直後だ。
「!、レーダー!」
次に発したのは、前席で状況を微笑ましく見守っていた、カナタの直接の上官でもある戦闘分隊の長の一尉。
ポニーテールに作った美麗な茶髪が麗しい、気の強そうな長身の美人。
名は、四宝 ツルギという一尉。明かせばまた男性よりの性転換者。
そんなツルギが、しかしその美麗な顔に険しい色を作って要請の声を発し上げた。
「!――影あり!方位050、艦首右舷前方に複数!」
それにすかさず応じたのは、他ならぬカナタ。
自身の手元のコンソールの、索敵レーダーに視線を落として睨み。すぐにそれが表示にて知らせた情報を、発し上げて艦橋中に知らせる。
「――映像取得しました!」
それに次には続き、急ぎ自身の座席に戻ったサクが発し伝える。
「映像に映せ!」
「は!」
ツルギが再び指示し。それに応じてサクがコンソールを操作、それによって第1艦橋内に備わる大型スクリーンに、外部宇宙空間の映像が映し出される。
「!――あれは!」
艦橋の大型スクリーンに映された、外部カメラにて取得された映像。
それを見止めた直後、誰かが声を上げた。
そこに映り現れたのは、ナガトの現在位置より向こうにて、宇宙空間を背景に何か禍々しさを醸し見せて進むいくつかのシルエット――「艦影」が複数。
「!……『ゲティスオン』の艦隊……!?」
それを目にして次には。カナタがそんな言葉を零した。