忍界転生者の非日常 作:雨ノ宮
エロメインではありませんが好き勝手書いてきます。
NARUTOの世界に転生して幾星霜――――そこまではいってないにしろそれなりの年月が経った。
齢は10にも満たないけどそろそろ
カカシ世代ではない。あんな5歳で忍者学校を卒業、6歳で中忍昇格という現代日本の一般的な感性を持っていたら地獄でしかない世代に産まれたくない。
どうせならBORUTO世代が一番良かったのだけれどそう上手くはいかなかった。
そんなわけで僕ことうちはシズマはミナト世代の一人として生を受けた。
よりにもよってうちは一族か、と内心絶望したがこの時代ならうちは滅亡も遠い先の話だからそれまでになんとか対策を立てれば良い。まあ第三次忍界大戦を生き残れるのかって疑問もあるが、やっぱり戦争はクソです。
兎も角、自分としては原作改変も原作崩壊も構わないスタンスだ。
自分が死んだ後のことまで責任は取れない。いや、死後の世界でも関係無いかこの世界。穢土転生とかあるしファック過ぎるわ。
嫌だよ。忍界の日常を受け入れるの。こんなの僕からしたら非日常だよ。
「あー、空から餡子でも降って来ないかなー。そうすれば世界は甘味で満たされて平和になるってのに」
「降るわけないよシズマ」
「分かってるよ。現実逃避してたんだよミナト」
忍者学校の友人、そして後の四代目火影である波風ミナトと他愛の無い会話をしながら教壇の上に立つ教師の言葉を聞く。
「――――三班、鷹山ヒロシ、うちはシズマ、そしてうずまきクシナ」
「あー、同じ班じゃなかったかー。そんじゃミナト、先に行ってるね」
ミナトと別れ教室を後にし、一緒に名前を告げられた二人に視線を向ける。
「よろしくねー。ヒロシくんにクシナちゃん」
「おう、足を引っ張んじゃねぇぞ」
鷹山ヒロシの方はこっちにそう言うと興味を無くしたかのように先に移動する。
残った方のクシナは僕を見て難しそうな顔から少しだけ笑う。
「あんたならまあ信頼出来るってばね」
「同じ班員だから仲良くしてねー」
我ながら気の抜けた言葉遣いでクシナと話しながら別の教室を目指す。
唐突だが漫画の世界に転生して、自分よりも他者を優先出来るだろうか?
原作を変えない、原作より良い方に進めたい。
そう思って行動する人も居ないわけじゃないだろう。
僕がこうして転生してるわけだし、もしかしたら他の世界では別の転生者がそうしている可能性だってある。
でもそれは自分のやりたい事が一致しているか、もしくは殺しているかのどちらかだ。滅私奉公なんて自分には出来ない。漫画の世界に転生して第二の人生を歩む事になったのなら好きに生きたって構わない筈だ。
要するにやりたいようにやるだけだ。
その為の力もこの世界に産まれた時から持ってたのか、もしくは成長途中で覚醒したのかは知らないが万華鏡という力を持っていた。
そしてそれを最強にする為に永遠の万華鏡写輪眼も体得済みで、瞳術を使えるよう柱間細胞も僅かとはいえ移植済みだ。
木ノ葉、主にダンゾウにバレないように細心の注意を払ったおかげで誰も自分が万華鏡を使えるとは欠片も思っていない。
まあ目覚めた瞳術が催眠アプリ、もとい別天神だったから出来ただけなのだが。記憶も記録も残らないように出来るのはやっぱり強過ぎるって。
インターバルは長く、多数の敵を相手にする場合はクソ程役にも立たないという弱点を除けば最強と言われるだけはある。
「一体どんな先生になるのかなー?」
「どうせなら強い人が良いってばね! 私が火影になる為にも!」
伊達メガネを弄びながらクシナと話す。
原作においてクシナは里の外部から来た人間ということもあり、忍者学校時代は馴染めていなかった。と、いうよりは余所者が気に食わないという感情から男子達がチョッカイをかけて、結果として赤い血潮のハバネロが誕生した。
この世界でもハバネロにはなってしまっているが、僕という友人が居るからなのか前向きになっているようにも見える。
実際前向きになっているのだろう。某駆逐系のライナーのように「きみならなれるさ」と根拠の無い肯定をしたり、居場所の無かったクシナを庇ったりしてたりもしたし。
それはそれで原作崩壊してるし、好感度を稼いでミナトとくっつかなかったらどうするんだ、って言われるかもしれない。けど逆に考えるんだ。
別に原作通りになる必要はなくね?
そもそもこの頃のクシナは別にミナトの事が好きではないし、付き合ってもいない。仮に原作通り最終的にミナトと結ばれる事になったとしても、その前の段階で付き合ったりしても問題は無いはずだ。
空白期間を好きなように埋める事だって出来るのが転生者の強みなわけだし。てかこの頃だと他には綱手くらいしか居ないのがなぁ、もう少し待てばシズネやあんこも居るが、居ても幼いからなぁ。
手を出せそうなのがクシナしか居なかったのが悪いだけ。
一応ミナトの事をフォローしたりクシナが強いって言ってた事も伝えた。けど自分を助けてくれない人と助けてくれる人、どっちに好印象を抱くか等、火を見るよりも明らかだ。
「担当の先生はまだみたいだねー」
教室の中に入り、先に来ていたヒロシの隣に座る。
クシナは僕の隣に座り、三人揃って先生が来るのを待つ。
三代目火影に別天神を使っておいて良かった。
好感度を稼ぐなら同じ班員になった方が良いし、その理由も人柱力になる彼女にとって良い関係を築けるというのが使えるから。短時間の決定だからこそ、違和感を持たれる事も無かったのが幸いした。
叶うのなら九尾を封印される前にもクシナに別天神を使っておきたいけど、まだ我慢だ。
人柱力候補として連れて来られた彼女に術を使って、好きなように操ったところで怪しまれて誰かに解術されるのが目に見えている。折角稼いだ好感度をドブに捨てたくない。
やるのなら怪しまれないよう簡単な命令だけを、それ以外の事を命令したいのなら里の外に出た時だ。幸いにもまだ人柱力になってないのならCランク任務で里の外に出る機会だってあるだろう。
「準備は出来てるようね」
そして教室に入って来た人物の顔を見て内心「うげぇ」となる。
いや、希望には沿っているよ。仙術を使える口寄せ動物と契約していて、三代目火影の教えを受けている人物。
別天神で記憶と痕跡を消しているとはいえ、彼個人には世話になっている。が、それはそれとして教えを受けたいかと言われたらノーサンキューだ。
「それじゃあ自己紹介から始めましょうか。私は大蛇丸、貴方達の担当を任せられた上忍よ。以後、お見知りおきを」
大蛇丸、三忍の一人で後々木ノ葉崩しをやらかすNARUTO世界のヴィラン。
叶う事なら、ってか普通に綱手が良かった。そう思いながら内心溜め息を吐いた。
※
結局あの後、原作でカカシがやったように下忍への昇格をかけた鈴取り試験の事を伝えられ、大蛇丸は去って行った。
取り敢えずは下忍になる為に裏の裏を読んで、この試験の目的を遠回しに伝えようとするもヒロシは「下忍になれるのは二人だけなんだろ? 三人手を組んでも一人落ちちまうじゃねーか」と言って拒否。そのまま逃げるようにして帰って行った。
「はぁ…………仕方ない。明日もう一回正直に話そう」
「別に良いんじゃないの? あの様子じゃ多分、言っても無駄だってばね」
「無駄かどうかはまだ分からないしそもそも三人居ても鈴取れないよ」
「そんなに?」
「そんなに。大蛇丸先生って三代目火影の弟子で天才って呼ばれてる人だから…………学者肌な人ではあるけど実戦も滅茶苦茶強いよ」
「シズマは大蛇丸先生のこと、知ってるの?」
「色々相談したりした事もあったからねー」
永遠の万華鏡や柱間細胞以外にも忍術の事で相談してたりするし、普通に知り合い関係だ。
最近は柱間細胞の培養を応用してのクローン技術や料理に熱心している。この頃はまだ闇堕ちしてないから面倒見の良い部分が出ていて正直助かる。そういえば食事を食べた際に優勝とか言ってたような気がしなくもないような…………。
「仮に鈴を取れても個人プレイだったらたぶん不合格だよねー。多分この試験って手を組んで挑まなきゃ合格しないし」
「でも鈴は二個しか無いってばね」
「大蛇丸先生は鈴を奪ったら合格と言っただけで取れなかったら不合格とは言ってないよー」
「普通取れなかったら不合格って分かるんじゃ?」
「まあそうなんだけどねー。別に鈴を奪い合うなんて大蛇丸先生から取った後でも良いじゃん」
「確かに…………」
「以上の事からこっち側が手を組みにくい状況を作ったんだと思うよ。まあ、能力が足りなければ連携してても戻されそうだけど」
良くも悪くも才能主義なところもあるし、最低限の素養すら無かったらは不合格出されそうで怖い。
正直不安要素しか無いけど、やれることをやるしか今の自分達に出来ることはない。
「取り敢えず明日、もう一回誘ってみようか」
多分無駄に終わるだろうけど、そう思わずにはいられなかった。
なるようにしかならない、ってのも少しもどかしい話だ。
そう考えてるとふとある事に気付く。どうやら周囲には僕達だけしか居ないという事に。
感知出来る範囲に監視の人間は居ない。
「ねぇクシナちゃん。ちょっと良いかな?」
「ん、何だってばね?」
木ノ葉隠れの里の中、そして一応は友人である僕の前という事もあって油断し切っている。
即ち別天神の術中に置く事が出来る絶好のチャンスというわけだ。
そう思った僕は右眼を万華鏡に変えてクシナを見る。
「えっ、何だってばねその眼――――」
「別天神。僕の持っている奥の手。その効果は相手にも気付かれない幻術でね。他に人が居たら対策される使い勝手の悪い術なんだよ。まあ相手が一人なら使えるんだけど、流石に大蛇丸先生には使うつもりはないよ。危な過ぎるし」
「…………じゃあどうするんだってばね?」
「他のやり方でやるしかないね。まあその方法自体はあるよ。一発限りの奇襲だし、クシナの助けが必要だけどね」
「任せるってばね!」
どうやら上手く掛かっているみたいだ。
まあ九尾を封印していない現時点だからこそ出来る事でもあるけれど。
「ぶっちゃけこれは他の誰にも話さないでね。僕とクシナだけの秘密だよ。ミナトにも教えてない事なんだから」
「私だけ?」
「うんそう。ただの友達じゃない、特別な友達だからね」
そう言ってクシナに近付く。
「男女の友達にはね、親友より上の関係性があるんだ。セックスフレンド、略すとセフレって言うんだけどね」
「じゃあ私とシズマはそのセフレっていうやつなの?」
「そうだね。でもこのセフレっていうのは他の人に絶対に言っちゃダメだからね。二人だけの秘密だよ」
「分かったってばね! 私はシズマのセフレだってばね!」
無垢な女の子に言わせちゃダメな台詞を言わせるのはなんか心に来るものがある。
「そう言えばさ、クシナって今木ノ葉隠れの里で誰が一番好感度が高いの?」
「えー…………シズマかな?」
「それって恋人とか結婚する人としてはどう思う?」
「シズマはまだそこまでじゃないってばね」
まあ子どもなんだしそれは当然か。
好感度が一番高いのは嬉しい事だけどまだまだひっくり返される可能性だってあるわけだし。
なら、ここで少し楔でも打っておこうか。
「そういえばさ、セフレって裸を見られても問題無い関係性なんだって。他にはエッチな事もしたりとか」
「えっ!? そうなの!?」
「そうだよー。でも僕とクシナはセフレだからね。それが当たり前なんだよ。まあエッチな事とか裸を見られる事とか僕と二人きり以外の時は恥ずかしがって良いからね。秘密の関係なんだから」
別天神によってそれが普通であると認識を改変する。
後はこれが定着してしまえば解術されても意味無いし、そもそも気付かれなければこんな事になってるなんて気付かないだろう。
さて、感知範囲内に人が来たみたいだし、一度家に帰るとするか。
綱手だったりヒナタにも別天神を使っていく予定。