忍界転生者の非日常 作:雨ノ宮
仙術修行そのものはすんなりとはいかなかったが、結果的にはしても良いという事になった。
最近の世界情勢とかを考えると安全な場所で隔離しておいた方が良いと判断されたのだろう。
実際次の人柱力候補だから誘拐とか暗殺とかされたら大変だ。
九尾の人柱力ってなれる人が限られているから、唯一適合したクシナが居なくなると困る事になるわけだし。実際原作では雲隠れの忍びに誘拐されたわけなんだから、クシナは身の安全を守る為に龍地洞へ避難する事となった。
僕は一応クシナの護衛役、というよりは精神面での負担を減らすのが役割だ。
「どうしたのクシナ。そんな不機嫌な顔して」
龍地洞に赴いて早速仙術修行に入る中、隣で明らかに不機嫌ですと言わんばかりにクシナは顰めっ面をしていた。
大体の予想はつくけど、ここまで顰めっ面になるとは。
「私、九尾の人柱力になる為に木ノ葉にやって来たんだってばね」
「あー、まあミト様と同じうずまき一族だからだろうね。人柱力って火影の親戚しか立場上なれないし…………加えて九尾だから適性もあるだろうし」
血筋だけで考えるのなら一番人柱力として相応しいのはうずまき一族と千手一族の血を引く綱手だ。
ただ人柱力は適性が無ければどれだけ強くてもなれない。
我愛羅なんかが良い例だ。我愛羅の場合人柱力としての適性もそこまで高くなかったし、むしろ低かった。そのせいで守鶴も我愛羅も本来の力を発揮出来なかったわけだし。
「クシナからしたら複雑、なんて話じゃ済まないよね」
「シズマはどう思うってばね? 私が人柱力になること」
「人柱力になってもクシナはクシナだよ。僕は何があってもクシナの味方だからね」
「う、うん…………」
僕の言葉を聞いてクシナは顔を赤くして背ける。
どうやら今の発言は彼女の心に響くものだったらしい。
気になったので別天神を使って聞く事にした。
「クシナ。今の僕の言葉を聞いてドキッとした?」
「うん」
「そっか。ちなみに今の好感度はどれぐらい?」
「木ノ葉の里で一番だってばね」
「ちなみに結婚したいとかは?」
「まだそこまでは考えてないってばね」
「うし、ならこの隔離期間中に落としてやる。クシナは一年くらい里に戻らなくても良いみたいだし、ついでに孕ませてやる」
一応家族が居るからたまには戻らないといけないけど、それ以外はここで自由に過ごせるし折角訪れた機会は活用しなくちゃ。
まあクシナもたまに木ノ葉の忍び、主に暗部だったりが様子見に来るけどその時は変化を使って妊娠を隠せば良い。てか既に暗部にも別天神を使って支配下に置いてるからある程度は大丈夫。
「じゃ、今の別天神をかけられている最中の出来事は忘れてね」
最後にクシナにそう伝えた後、再び仙術修行に入る。
とはいえ、原作でナルトがやったようなやつじゃなく時間をかけてゆっくりと自然エネルギーに慣れて行くやり方の為、この日の成果は無かった。
ナルトがやったようなやり方ならすぐに覚えられるんだろうけど、あんな自殺行為みたいな真似したらあっという間に石像になってしまう。
まあ仙術そのものはゆっくり覚えれば良いから特別気にしてないけど。
「白蛇仙人や大蛇丸先生からも許可を貰ったんだけどさ。夜は僕が持ってる忍術の空間で過ごして良いから」
「シズマそんな術持ってるの?」
「持ってるだけだよ。安心安全な空間で休みたいから頑張って会得したの」
適当に言いくるめてクシナを神威空間に連れて行く。
そして神威空間に到着した瞬間、クシナに別天神をかける。
「そうそう、この空間には今女の子が暮らしてるんだよ。家も燃やされちゃって家族も忍びに殺されちゃったらしくてさ。出来れば仲良くしてあげてほしいんだ」
「分かったってばね」
「でさ、将来的にはその子にも僕の赤ちゃんを産んでもらう予定なんだよね。所詮ハーレムってやつでさ。もしクシナが僕と結婚するってんならハーレムを許容してほしいんだよ」
我ながら随分と度し難い考えだろう。
クシナも素面なら絶対に許容しないだろう提案に頷く。
「でさ、ここからが本題なんだけどさ。以前クシナと僕が二人きりの時だけエッチなことをするって言ってたじゃない。それをさ、この空間に居る間はここで暮らしてる小南って女の子が居てもエッチする事に変えるから。てか小南にはクシナの事を僕の恋人って説明してるからさ。この空間では僕の恋人として振る舞ってね。で、僕のお願いもなるべく聞くようにしてね」
「う、うん」
「ま、外でも恋人になったら別に振る舞う必要は無いんだけどね。あ、ちなみに本題の部分は思い出せなくして。でも無意識化では覚えておいてね。認識としては外だとセフレ、この空間だと恋人になるって感じね」
これで後になって異常な命令を下されていたと思い、僕に嫌悪感を抱かないようにする。
こういうのは後々大事になってくる。
「で、一応この空間に入ってからのルールみたいなものなんだけどさ。僕の別天神をたまに使うけど良いかな?」
「別天神って、どんな相手も操れる最強の幻術って言ってたあれ?」
「そう、あれ。ああ、変な命令をするつもりは無いよ。僕とクシナの仲なんだからさ。ただやっぱり使わないとどこまで出来るか分からないから、クシナにその修行を手伝ってもらおっかなって。勿論ただじゃないよ。影分身とか教えるつもりだから」
「しょうがないなぁ。分かったってばね」
よし、これで別天神をクシナにかけまくっても良くなった。
今まで沢山かけてきてはいたけどさ。後で無断でかけられたって気付かれるのは良くないし、同意の上なら何の問題も無い。
「じゃあ、行こうか」
クシナを連れて研究所の中へと入る。
「おかえりなさい、ご主人様!」
扉を開けるとちょっと露出が多めなメイド服を着た小南が出迎えてくれた。
「貴方がご主人様の恋人のクシナ様ですね」
「そうだってばね。貴女が小南ちゃんね、よろしく」
「よろしくお願いします!」
初対面ながらも明るく挨拶を交わす二人を見て笑む。
小南は今日に至るまで毎日のように別天神を使って調整を続けてきた。
僕の事をご主人様と敬愛し奉仕する事。僕の為に働くととても嬉しくなる事。幸せに思うようになる事。家族や昔の事はなるべく考えないようになっていく事。
最早原作の小南は欠片も残っていない、僕の為に尽くす小南が誕生した。
とはいえ、原作の末路を知ってる身としてはこのままここで僕の所有物として暮らしていた方がずっと幸せだろう。
二人の会話を聞いていて、身勝手ながらそう思わずにはいられなかった。