『実の妹の「性欲ステータス」が見えるようになったので、毎晩こっそり処理してあげることにした』 作:七草七
その「事件」が起きたのは、週末の昼下がりのことだった。
連日の「深夜メンテナンス」のおかげで、結衣の性欲暴走はなんとか食い止められていた。
だが、俺には一つの懸念があった。
それは、俺のテクニック(というか指)だけでは、数値の減少幅が徐々に鈍くなってきていることだ。
人間の体は慣れる。刺激に耐性がつく。
昨夜も、手と口を総動員して一時間かけてようやく安全圏まで下げたのだ。これでは俺の身が持たない。
「何か、効率的なアイテムでもあれば……」
そんなことを考えながら、俺はリビングの掃除をしていた。
ふと、結衣の部屋から物音がしたような気がして、様子を見に行く。
結衣は部活の会合で出かけているはずだ。
部屋に入ると、誰もいない。
だが、半開きになったクローゼットの奥に、俺の能力(ステータスアイ)が反応した。
【 アイテム反応あり 】
「ん? なんだ?」
普段は人物にしか出ないウィンドウが、クローゼットの奥にある「紙袋」を指し示している。 俺は何かに引き寄せられるように、その紙袋を取り出した。
厳重に梱包された中身。
それを取り出した瞬間、俺は言葉を失った。
【 アイテム名:電動バイブレーター(初心者向け・ピンク) 】
【 所有者:春日野 結衣 】
【 状態:未開封(使用をためらっている) 】
「……マジかよ」
手の中に収まる、ピンク色のシリコン製デバイス。
あの堅物な結衣が。生徒会長が。
こんなものを通販で購入し、隠し持っていたなんて。
(……そこまで追い詰められていたのか)
俺は胸が締め付けられる思いだった(勘違い)。
買ってみたものの、怖くて使えずにいる妹。
毎晩ムラムラしながら、この箱を眺めてため息をついていたに違いない。
「……可哀想に。使い方がわからないなら、兄ちゃんが教えてやるのが道理ってもんだろ」
俺はその箱を懐に入れた。
これは没収ではない。今夜の実習で使う「教材」として一時的に借りるだけだ。
指では限界が来ていた俺たち兄妹にとって、これはまさに救世主(メシア)となる神器かもしれない。
俺の心の中で、今夜のミッションプランが更新された。
作戦名『文明の利器による強制排熱』。
俺は武者震いしながら、夜の帳が下りるのを待った。
時刻は丑三つ時。
俺は「借りてきた」例のブツを手に、三度目の戦場(妹の部屋)へと足を踏み入れた。
部屋の中は静まり返っているが、俺の目にはハッキリと見えている。
ベッドの上の結衣から立ち上る、禍々しいほどのピンク色のオーラが。
【 名前:春日野 結衣 】
【 性欲:95/100(危険・爆発待機) 】
【 状態:睡眠・悶々 】
(……やっぱりな。道具を買うほど追い詰められていたんだ、当然か)
俺は小さく頷くと、布団をまくり上げた。
今日の結衣は、少し乱れた格好で寝ていた。パジャマのボタンが一つ外れ、はだけた胸元からは鎖骨が覗いている。無意識に暑がっているのかもしれない。
俺はポケットから、昼間「確保」しておいたピンク色のシリコンデバイスを取り出した。
スイッチを入れる。
──ブブブブ……。
静音設計とはいえ、深夜の静寂の中では羽虫が飛ぶような振動音が響く。
俺はごくりと唾を飲んだ。 こ
れは医療行為だ。文明の利器を使って、患部(クリトリス)に適切な処置を施すだけだ。
「……いくぞ、結衣」
俺はパジャマのズボンを強引に引き下げると、ショーツのクロッチ部分に、振動する先端を押し当てた。
「ッ──!?」
その威力は絶大だった。
当てた瞬間、結衣の体がビクン! と大きく跳ね、喉の奥から空気が漏れるような声が出た。
「ひぐっ、ぅ、ぁ……ああああッ!?」
やばい、声がでかい!
俺は慌てて片手で彼女の口を塞いだ。
しかし、もう片方の手は止めない。いや、止めるわけにはいかない。
頭上のステータスウィンドウが、かつてない勢いで回転し始めているからだ。
【 性欲:95 → 80 → 75 】
【 快感値:急上昇中(計測不能) 】
【 アイテムボーナス発生中! 】
(すげえ……! これが機械の力か!)
俺の指では数十分かかっていた工程が、秒単位で消化されていく。
結衣の腰が、モーターの振動に合わせてガクガクと痙攣している。
俺の手の下で、彼女の唇がパクパクと何かを訴えるように動くが、俺は心を鬼にして振動を強めた。
「ん──ーっ! んっ、んぅぅぅッ!!」
ショーツがみるみるうちに濡れていく。
俺は焦れったくなり、湿りきった布地をずらして、振動する先端を直接、愛らしい突起に直撃させた。
「!?!? んぐぅぅぅ──ーッ!!」
結衣の目が、カッと見開かれた──ように見えた。
白目をむく寸前のような、焦点の合わない瞳。
全身を弓なりに反らせ、シーツを鷲掴みにする妹。
そのあまりの反応の激しさに、俺自身の下腹部も限界を超えて硬直する。
その時だった。
俺の手を振りほどき、結衣が喘ぐように言葉を漏らした。
「あ、あぁ……お兄、ちゃん……っ! すごい、お兄ちゃん、すごいぃ……っ!」
心臓が止まるかと思った。
名前を呼ばれた。起きているのか?
バレたのか?
俺は戦慄して動きを止めそうになったが、彼女の頭上に浮かんだウィンドウが、俺を現実に引き戻した。
【 状態:レム睡眠(深い夢の中) 】
【 夢の内容:兄に玩具でイタズラされる夢 】
【 幸福度:MAX 】
(……夢かよ!!)
俺は安堵の息を吐くと同時に、妙な興奮がこみ上げてくるのを抑えきれなかった。
夢の中で、俺にこんなことをされて喜んでいるのか?
あの潔癖な妹が?
「……なんだよ。お前も、期待してたんじゃないか」
恐怖心が消え去り、代わりに嗜虐心が頭をもたげる。
夢だと思っているなら、遠慮はいらない。
俺は「治療」という名目を盾に、さらに深く踏み込むことにした。
震えるピンクの先端を、クリトリスからずらし、溢れ出る愛液で濡れた蜜壺の入り口へと宛がう。
「夢の続きだ。もっといいこと、してやるよ」
先端を、ぐぷり、と少しだけ押し込む。
「ひぁっ♥ はいっちゃ、う……お兄ちゃんの、はいってくるぅ……♥」
甘い。甘すぎる声だ。
普段の冷たい声からは想像もできない、蕩けきった嬌声。
システム表示によれば、彼女の性欲数値は既に『30』を切っている。
だが、俺の数値は、逆に限界を突破しようとしていた。
【 春日野 湊 性欲:120/100(リミットブレイク) 】
(くそっ、妹を助けるはずが、俺が死にそうだ……!)
だが、ここで理性を飛ばして本番行為に及ぶわけにはいかない。まだ早い。
俺は歯を食いしばりながら、彼女を絶頂へと導くべく、玩具を細かく出し入れした。
「いくっ、いくぅ! お兄ちゃん、だしてぇぇぇッ!!」
ビクンビクンと、結衣の体が大きく跳ねる。
大量の潮が噴き出し、シーツと俺の手を汚した。
その後、数分間の痙攣を経て、彼女はようやく脱力した。
頭上の数値は『0/100(完全燃焼)』。
表示がキラキラと輝いている。
俺は荒い息を整えながら、手についた愛液をティッシュで拭い、そっと部屋を出た。
……今日も、守り抜いた。
だが、一つだけ誤算があった。
部屋に戻った俺は、自分の股間を見下ろして頭を抱えた。
妹はスッキリしたが、俺のマグマは行き場を失ってパンパンに膨れ上がっている。
「……責任取ってくれよな、結衣」
俺は一人、寂しく自分の手で処理するしかなかった。
だが、この関係もそう長くは続かないだろう。
なぜなら、システムウィンドウの端に、不穏な警告文が表示され始めていたからだ。
『 警告:耐性が上昇しています 』
『 次回以降、玩具による処理効果が半減します 』
『 推奨:直接的な性交(インサート) 』
……マジか。
(続く)