※この作品はR-18です。

マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー   作:夜叉五郎

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2068年3月8日夕方
アルテミシア・グランドホテル 正面玄関~ロビー


ch.10「垂涎の赤い的」

惑星レハームのアルテミシア・グランドホテルは、星団でも最上級のセレブ御用達のホテルである。

 

今夜も複数の豪華なレセプションが開かれており、ロビーは正装のドレスやタキシードで埋め尽くされていた。

 

宝石を散りばめたイブニングドレス、大胆なスリットのロングドレス、背中を丸出しにしたバックレスドレス。

 

VIPに呼ばれた高級コールガールも何十人と紛れ込み、ロビーを優雅に歩くのは日常茶飯事だ。

 

作戦は完璧だった。

 

カナメを「その中のひとり」に紛れ込ませ、誰にも気づかれずにロイヤルスィートルームへ通す。

 

木の葉を隠すなら森の中。

 

それがケイオス・レハーム支部が立案した計画だった。

 

だが、カナメ・バッカニアはさらに完璧すぎた。

 

漆黒のリムジンがポーチに滑り込み、ドアが開く。

 

最初に現れたのは、深紅のドレスのスリットから伸びる、雪より白く、陶器より滑らかな、信じられないほど長い右脚だった。

 

12cmの赤いピンヒールが大理石に触れる瞬間、カツン、と艶やかな音が響く。

 

スリットが腰骨を越えて股間近くまで割れ、Tバックの細い金の紐と赤いルビーの宝玉が、濡れたように光る布を押さえ、秘唇の輪郭すら仄見えるほどに淫らに覗いた。

 

次に、胸元を大胆に開いたルビー色のシルクに包まれた、豊満で張りのある乳房が、深い谷間を刻みながらゆったりと波打ち、薄い布越しに尖った乳首が、男たちの視線を突き刺すように浮き上がる。

 

カナメ・バッカニアは、サングラスとショールで顔を隠しながら、ゆっくりと、腰をくねらせて降り立った。

 

瞬間、正面玄関に居合わせた男たちの視線が、一斉に彼女の肉体に突き刺さった。

 

「…………っ!」

 

「あれ……誰だ……?」

 

「脚、長すぎる……」

 

「胸、エグい……乳首まで見えそう……」

 

「尻の揺れ……ヤバい……」

 

ざわめきはすぐに、欲望に濡れた吐息とごくりと唾を呑む音に変わった。

 

職務に忠実なドアマンでさえ、見惚れてドアを開けるのが遅れてしまったほどだ。

 

 

 

 

 

 

ミラージュを含む三人のエージェントに囲まれ、カナメがロビーを横断し始めると、すぐに作戦の崩壊は明らかになる。

 

木の葉を隠すはずの森の中で、カナメだけが圧倒的に光輝いて際立ちすぎていた。

 

カツ、カツ、カツ、カツ……

 


ピンヒールの音が大理石に響くたび、スリットから覗く白い太腿が光る。

 

背中の開いたドレスで背骨のラインを晒し、歩くたびに引き締まった尻肉が、薄いスカート越しにぷりぷりと波打つ。

 

金のチェーンが腰を撫でる音が淫らなリズムを刻んで、男たちの理性を削り取る。

 

紳士服に身を包んだ男たちは、息を呑み、股間を押さえ、瞳を血走らせた。

 

そのときだった。

 

「カナメ・バッカニアさんですよね!?」

 

フラッシュが焚かれ、芸能専門のパパラッチが飛び出してきた。

 

セレブのスキャンダル狙いで張り込んでいたパパラッチの一人である。

 

長年ワルキューレを追い続けていた男だ。

 

他のコールガールとは明らかに違うオーラをカナメから感じ取り、接近する。

 

普段と異なる妖艶なメイク、サングラスで顔を隠していても、あの歩き方、あの腰のくびれ、あの脚の長さ。

 

そして何より、あの胸の揺れ方と、背中のライン、尻の動き。

 

すべてが一致した。

 

「間違いない! カナメ・バッカニアだ!」

 

「先ほどの無期限離脱報道! 理由を教えてくれませんか!?」

 

「その卑猥なドレス、統合政府のお偉いさんへの肉弾接待ですか!?」

 

男性エージェント二人が即座に壁になり、パパラッチを押しとどめる。

 

だが名前が呼ばれたせいで、ロビー中の視線がさらに集中し、騒ぎが一気に広がった。

 

カナメは一瞬、足を止めた。

 

(……まずい)

 

だが、次の瞬間、彼女は静かに息を吸い、覚悟を決めた。

 

逃げも、隠れもしない。

 

世界を救うために選んだこの道、この姿――中途半端に恥じらうことこそが、最大の恥辱だ。

 

カナメは、白く滑らかな指先をゆっくりと顔元へと伸ばした。

 

そして、焦らすような手つきで、かけていたミラーシェードのサングラスをすっと外す。

 

露わになったのは、深紅と黒のグラデーションに彩られた妖艶な目元と、男を骨抜きにする長く跳ね上がったアイライン。

 

カナメはパパラッチを真正面から射抜くように見つめると、濡れた深紅の唇をゆっくりと綻ばせ、ふっと妖艶に口角を上げてみせた。

 

「――――っ!?」

 

パパラッチの息が喉元で詰まった。

 

シャッターを切ろうとしていた指が、金縛りに遭ったように凍りつく。

 

それは、戦場で人々を鼓舞してきた清廉なリーダーの顔ではなかった。

 

すべての男をひざまずかせ、自らの美しさで世界を平伏させる、圧倒的な「夜の支配者」の笑みだった。

 

 

【挿絵表示】

 

 

ロビーの喧騒が、潮が引くように完全な静寂へと変わる。

 

誰一人として言葉を発せない。

 

カナメは外したサングラスを指先に引っ掛けたまま、再び優雅に歩き出した。

 

引き締まった腰をゆっくりとくねらせ、一本のライン上を歩くように長い脚をクロスさせながら、ロビーの中央を進んでいく。

 

まるで自分専用のランウェイであるかのように、豊満な胸を誇らしげに突き出し、尻を必要以上に振り、視線を浴びるたびに艶やかに微笑むカナメ。

 

大胆に晒された滑らか過ぎる白い背中と、むしゃぶりつきたくなるほど伸びやかで美味しそうな太もも。

 

歩くたびにぷりぷりと波打つ尻肉と、たゆんたゆんと跳ねる双乳。

 

ルビーのチェーンが腰を撫でる淫らな音と、スリットの奥で濡れたように光るTバックの金の紐の煌めき。

 

すべてが計算された、完璧な、男を一瞬で堕とすための、娼婦のパフォーマンス。

 

そしてボビー・マルゴが太ももの内側にまで忍ばせた甘く濃厚な香水の薫香が追い討ちを掛け、すれ違う男たちの鼻腔を狂わせていく。

 

男たちは、ただその圧倒的な色香に魂を奪われ、ごくりと唾を呑み、股間を押さえ、瞳を血走らせ、誰よりも早く彼女を犯したいと願った。

 

喧騒はいつしか収まり、行き場のない獣のような熱情だけが、ロビーに漂っていた。

 

「こちらです、カナメさん……!」

 

ミラージュが息を呑みながら先導し、カナメはロイヤルスィート専用エレベーターへと足を踏み入れる。

 

静かに振り返り、金色の扉が閉まるその瞬間――

 

カナメはサングラスを掛け直し、胸元のショールをわずかに引き寄せ、小さく、熱く、甘い吐息を零した。

 

(……これでいいの。今夜、私は……あの男だけの女になる……)

 

エレベーターが無音のまま、最上階「ルビー・プリズン」へと上昇を始める。

 

深紅のシルクサテンに包まれたその肉体は、今、完全に星団の運命を握る鍵となった。

 

(続く)

 




カナメの衣装
オシャレマクロス10の赤ドレス
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