マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー 作:夜叉五郎
惑星レハーム 風光明媚なリゾートエリア
クレア・パドルが、アルテミシア・グランドホテルのロイヤルスィートで、オリッシュとABVのサンプリングデータを採取しているちょうどその頃。
カナメ・バッカニアは、レハームの眩しい太陽の下、心地よい海風を全身に浴びていた。
現場の指揮を執るディレクターのミラージュは、今頃ホテルの一室で各種モニターに囲まれ、クレアとオリッシュの激しいサンプリング採取を血走った目で監視し、記録し続けているはずだ。
カナメにとって、これは本当に貴重な休息時間だった。
「外の空気……本当に久しぶりね」
大きく深呼吸をして、カナメは変装用のつばの広い麦わら帽子を軽く押さえた。
その際、帽子の縁に添えられた彼女の左手薬指には、大粒のダイヤモンドがレハームの強烈な陽光を反射し、目が眩むほどの輝きを放っていた。
オリッシュから贈られた、正妻の証である婚約指輪『アクシア・ステラ』。
カナメは時折、その指輪の重みを確認するように、愛おしげに右手の指先でプラチナの台座をなぞるのだった。
3月8日にこの惑星レハームに到着して以来、カナメ・バッカニアはずっとアルテミシア・グランドホテルに篭りっきりだった。
それは単なる仕事ではない。
全銀河の命運を握る「至高のチンポ」に奉仕し、その生命の歓喜を輝かせるための、過酷で、しかしこの上なく甘美な慰安任務に心血を注いできたのだ。
外の世界に出るのは、実に約二ヶ月ぶりのことである。
今日、彼女がこうして外に出られたのは、三日後――5月19日に控えた「重大発表」のためだ。
全銀河規模で衝撃を与えるであろう、オリッシュとの婚約会見。
絶大な人気を誇る戦術音楽ユニット『ワルキューレ』のリーダーである彼女が、アイドルとしてのキャリアに一つの区切りをつけ、一人の男の妻となり、ワクチンABV嬢となる。
その歴史的会見を前に、カナメにも精神的なリフレッシュが不可欠であろうという、ケイオスの最高権力者レディM直々の配慮だった。
ホテルの地下、一般客からは完全に隔離された専用車寄せ。
そこには、ケイオスが保有する防弾・対空仕様の重装リムジンと、前後を固める数台の警護車両が既に列をなしていた。
ミラージュ配下の優秀な女性エージェントたちが、鋭い眼光を周囲に走らせながらカナメを車内へと導く。
「……ふふっ、大げさな護衛たちね」
リムジンの分厚いドアが閉まる直前、カナメは苦笑しながら振り返った。
至近距離を固める女性エージェントたちに加え、車列の周囲には屈強な男性エージェントたちが厳しい目を光らせ、上空には不可視モードの小型護衛機まで張り付いている。
今やカナメは、単なるトップアイドルではない。
全銀河を救う特異点たるオリッシュの『正妻』――そしてサキュバス波を放ってヴァールシンドロームをこの銀河から駆逐する力を持った、人類初のワクチンABV嬢という、国家元首レベルの超VIPなのだ。
滑らかに走り出したリムジンの窓越しに、透き通るようなエメラルドグリーンの海と、どこまでも続く白い砂浜が見えてくる。
街路樹には鮮やかな南国の花が咲き乱れ、久しぶりに目にする屋外の色彩が、彼女の瞳を心地よく刺激した。
数分後、車列はリゾートエリアの中心にある高級ブティックの前で静かに停車した。
すでに事前連絡は済んでおり、店舗は「Reserved(貸切)」のプレートを掲げ、一般客の出入りを完全に遮断して彼女の到着を待ち構えていた。
リゾートエリアの中心に構える最高級ブティック。
その日の午後は、店頭に「Reserved(貸切)」のプレートが掲げられ、一般客の出入りは完全に遮断されていた。
店内で待機していたのは、経験豊富な女性店長と数名の熟練店員のみ。
彼女らは緊張の面持ちで、数分前から店の前に配置された厳重な警護車両の列を注視していた。
まず、耳元のインカムで連携を取り合う数名の女性エージェントが速やかに入店し、死角や非常口の最終確認を行う。
その完璧な「掃討」が終わるのを見計らい、防弾仕様のリムジンから、カナメ・バッカニアがしなやかな動作で降り立った。
「お待たせしてしまったかしら」
店長が最敬礼で迎える中、カナメは柔らかく微笑みながら入店した。
変装用の帽子を脱ぎ、ようやく人目を気にせず呼吸をつく。
三日後の婚約会見を終えれば、カナメも正式にアルテミシア・グランドホテルの、現在オリッシュが逗留しているあのロイヤルスィートに移り住むことになる。
ケイオスの特権を使えば、頼むだけで服も装飾品も何でも部屋に届くため、本来は自分でショッピングをする必要など全く無い。
ただ、今日はあくまで気晴らしだ。
自らの足で歩き、目で見て選ぶという行為そのものが、今の彼女には新鮮な娯楽だった。
自由気ままに人混みに紛れてショッピングを楽しみたいのが正直なところだったが、聡いカナメは自分の立場を弁えている。
対応してくれたお店や護衛たちに感謝しつつ、貸切での買い物で我慢する。
店長は、商品を品定めするカナメの左手薬指で、端正な輝きを放つ指輪を捉えた。
高価な宝石で着飾る財力はいくらでもあるはずなのに、あえて贈った主の「誠実さ」が伝わる一品を大切にしている。
その事実に店長は深い敬意を抱き、新妻としての気品を損なわない、落ち着いたデザインのドレスコーナーへと彼女を導いた。
「いらっしゃいませ。バッカニア様。……本日は、その大切な誓いの輝きにふさわしい、清楚で上品な新作を厳選してご用意いたしました」
店長の提案は完璧だった。
新妻としての気品と、カナメの美しさを正しく解釈したセレクション。
(……ふふ、普通はそう思うわよね。でも、今の私が求めているのは……)
しかし、カナメが指をかけたのは、その隣にある、より肢体のラインを強調する「特別な一画」だった。
カナメは持ち前の思慮深さで、並んだ服の素材や裁断を一つ一つ丁寧に確かめていく。
貸し切られた静寂の中、護衛たちの視線を気にする様子もなく、あくまで自分を最も美しく、そして「彼」を最も愉しませることができる一着を、真剣に選び抜いていく。
その行為こそが数ヶ月におよぶ篭りきりの生活で磨り減った彼女の精神を癒やす、最高のリフレッシュとなる。
「こちらの純白のワンピースと……あちらのサマーニット、それにこのスリットスカートを。……試着させていただけるかしら」
カナメが厳選したのは、わずか三、四着。
一見すると可憐な純白のワンピースは、背中が腰のくぼみまで大胆に開き、生地は驚くほど薄く身体の曲線を露骨に浮き彫りにする。
どれもが「清楚」の仮面を被りながら、愛する「彼」の興奮を誘うことに特化した逸品ばかりだ。
「……そちらは、かなり体のラインが出るデザインでございますが」
店員がドギマギとした声を漏らす。
カナメは左手薬指の指輪を愛おしそうに撫でながら、事も無げに、しかし確かな誇りを持って微笑んだ。
「ええ、気持ちは嬉しいのだけれど、これがいいわ。……彼、こういう『一見清楚なのに、実は……』っていうのが、大好きなの。これらと、それに合わせるランジェリーをいくつか。……頂くわね」
彼が贈ってくれた指輪を光らせたまま、その「彼」を喜ばせるためだけに、徹底的な清楚エロのワードローブを慎重に選び抜いたカナメ。
その凛とした美しさと、選び取った服の背徳的なギャップに、店員たちは頬を染めて視線を泳がせた。
店内を奥へと進む中、カナメの視線はある一体のマネキンで止まった。
そこにディスプレイされていたのは、ランジェリーコーナーの奥、プライベートな時間を彩るための、さらに過激なルームウェアだった。
(……これ、凄いわね)
それは、白絹の滑らかな光沢を放つ、プランジ・バックレスという極限の機能美を体現した一着だった。
首元を締め上げる重厚な金属製のカラーから、二条の白い奔流となって胸元へ流れ落ちる絹地は、乳房の柔らかな起伏を左右から辛うじて包み込むだけの、危うい面積しか持たない。
中央には腹部まで届く深いプランジ(裂け目)が走り、みぞおちから谷間にかけての滑らかな肌を、一切の遮蔽なく晒し出していた。
腰を走る細いブルーのラインが、鋭くくびれたウエストを鮮やかに分断し、そこから下は脚の付け根を高く抉るハイレグ状のボトムへと繋がっている。
背面は完全に開放されたバックレス構造であり、腰骨を飾るように走る極細のストラップのみが、重力に抗うようなヒップの曲線を艶やかに縁取っていた。
その布地の少なさが、かえって肌の瑞々しい弾力と、生物としての完成度を強烈に予感させる。
装飾を排し、最小限の白絹によって剥き出しにされたその肢体は、観る者の視覚中枢を直接揺さぶる、抗いようのない磁場そのものだ。
カナメは、そのあまりの無防備さに一瞬、気圧された。
だが、次の瞬間、そのルームウェアを纏った自分が、オリッシュの腕の中で、彼をさらに悦ばせる姿を想像してしまう。
彼の「所有者」としての征服欲を、これ以上ないほどに満たすであろう一着。
「……それから、このルームウェアも。……いただくわ」
カナメの声は、少し上気していた。
店長は、その背徳的な一着を、カナメの純真な願いとして受け止め、深く腰を折った。
「畏まりました。……最高のお部屋着として、お二人の時間を彩ることを、お約束いたします」
会計時。
店長は、カナメが選び抜いた数点のアイテムと、最後に添えられた上品なシルクのネクタイを丁寧に扱いながら、事務的かつエレガントに問いかけた。
「こちらのネクタイは、プレゼント用の包装をいたしましょうか?」
「ええ。……お願いします」
カナメは少し頬を染め、左手薬指の指輪のアクシア・ステラを愛おしそうに撫でた。
店長はその動作を優しく見守り、深く腰を折って祝福の意を込めた。
「畏まりました。その素晴らしい輝きとともに、最高のお披露目となりますよう、心を込めてお包みいたします」
護衛に誘導されながら店を出る際、カナメはふと我に返る。
自分の買った超過激な品物と、愛する男性へのプレゼント。
(私、まさか男の人へのプレゼントを、こんな風に店頭で嬉しそうに選ぶ日が来るなんて……)
戦術音楽ユニット『ワルキューレ』のリーダーとして、ただひたすらに銀河の平和と歌に全てを捧げてきたあの日々。
そこからの凄まじいまでの隔日感を、カナメは改めて噛み締めていた。
この星に来る前までは、絶対にこんな下着や服を選んだり、特定の男性の喜ぶ顔を想像して買い物を楽しむ己の姿など想像もできなかったはずだ。
(私、いつの間にこんな風になっちゃったのかしら……)
ひとりごちるカナメ。だが、その唇には後悔ではなく、愛する「所有者」の色に染まりきった自分への、甘く淫らな自己肯定感が浮かんでいた。
ブティックを後にしたカナメは、海沿いのテラスカフェの席に座り、レハーム特産のトロピカルフルーツを使った冷たいスイーツを注文した。
どれほど美しい景色を見ても、カナメの心を真に満たし、占領しているのは、ホテルに残してきた「あの存在」のことだけだった。
(今頃、あの神々しい肉棒は……クレアの若く熱い奥底で、どれほどの歓喜の声を上げているのかしら)
ストローで果汁を吸い上げながら、カナメの脳裏に浮かぶのは、赤黒く猛り、脈打ち、生命のエネルギーを爆発させる巨大なペニスの姿だ。
「カナメが妊娠したら、次はいよいよ私の番」――そう息巻いていたクレアの、20歳の弾けるような極上ボディとサキュバスの情熱。
カナメは、それを心から歓迎していた。
クレアの若さと貪欲な子宮ならば、あの至高のチンポから、カナメ一人では到底引き出しきれないほどの「生命の歓喜」を引き出してくれると確信しているからだ。
カナメの心を占めるのは、一般的な意味での『夫へのロマンチックな恋愛感情』ではない。
彼女の魂を真に震わせ、忠誠を誓わせているのは――彼の下半身にそびえ立つ、生命の歓喜を体現する『至高のチンポ』に対する、狂信的なまでの愛と崇拝である。
もちろん、オリッシュという男性自身にも深い敬意を抱いている。
あんなにも神々しい肉棒を持ち主であり、遺跡エムシー・ハラメの宇宙再構築システムの暴走を無意識に鎮めている存在なのだ。
妻として彼を全力で支え、日常のすべてをケアするのは、正妻としての当然の義務であり、誇りでもある。
だが、カナメにとって何よりも大切で、絶対的な幸福の瞬間とは、「彼のチンポがいかに気持ち良く、どれほど膨大な生命の歓喜を表現できるか」に他ならなかった。
(あの素晴らしい肉棒が、今日も絶頂の震えとともに生命の歓喜を迸らせている……そう想像するだけで、私の子宮まで幸福で満たされていくわ)
カナメは、サングラスの下でトロンと目を細め、無意識に自らの太ももを擦り合わせた。
その際、膝の上に置かれた左手の婚約指輪が、彼女の艶めかしい動きに合わせてキラリと光る。
それは、どんなに離れていても自分が「あの肉棒」の唯一無二の正妻であり、所有されていることを証明する刻印のように思えた。
しかし、その瞬間。カナメの下腹部に、チリチリとした熱い電流のような感触が走った。
「んっ……!?」
それは、彼女の腰に刻まれた淫紋がサキュバス波を介して、ホテルでプレイにふけるクレアとオリッシュの快感を伝達してきた合図だった。
淫紋により、クレアの子宮とオリッシュのチンポが得ている快感は、常にカナメの淫紋にも共有される仕組みになっている。
伝達される快感のレベルはだいぶ抑えられてはいたが……それでも、あの「至高のチンポ」と「サキュバスの子宮」が直接繋がり、極上のハーモニーを奏でている圧倒的な快楽は、カナメの理性を容易く揺るがすほどの破壊力を持っていた。
(んっ……ああっ……クレアの奥底で、あの尊いチンポが……激しく脈打ってる。……熱い……すごくいっぱい、出してるっ……!)
カナメは、思わず艶やかな唇を強く噛み、困ったような表情を浮かべた。
二ヶ月ぶりのオフをのんびり楽しみたいという思いと、淫紋から絶え間なく流れ込んでくる容赦のない淫らな快感とのせめぎ合い。
我慢は出来る。だが、少しでも油断すると、自分もこの公共のテラス席で絶頂(イ)ッてしまいそうになる。
「……ふぅっ、あ……」
カフェの椅子の上で、カナメは熱い息を漏らし、モジモジと腰をくねらせた。
サングラスの下で瞳はとろりと潤み、頬は発情したように熱っぽく赤らんでいる。
我慢しながらも全身からとめどなく溢れ出るその淫靡なサキュバスの色気は、周囲の空気を歪ませるほどだった。
至近距離で護衛をしていた女性エージェントの一人が、ハッとして駆け寄る。
「カナメさん、大丈夫ですか? ……お顔が赤いようですが、お加減でも……?」
同性である彼女でさえ、今のカナメから匂い立つような異常な色香にあてられ、思わず頬を赤らめてドギマギと視線を泳がせていた。
「……ええ、大丈夫よ。ちょっと、ここの海風が強くて……」
カナメは動揺を隠すようにサングラスを直し、先ほど買ったばかりの過激な下着が入ったショッピングバッグを胸元に抱えながら、嫋やかに微笑んでみせたが、その指先は微かに震えている。
その震える指先で、再び左手薬指の指輪を強く握りしめた。
冷たいプラチナの感触が、淫紋からもたらされる熱い快感と混ざり合い、自分が「あの肉棒」に愛されているという実感をより強固なものにしていった。
遠巻きに警護している男性エージェントたちに至っては、任務中にも関わらず、カナメのその異常なまでの艶姿に完全に魅了され、サングラス越しでも分かるほどだらしなく鼻の下を伸ばしていた。
追加のオーダーを取りに来たカフェの男性店員も、カナメと一瞬目が合っただけで顔を真っ赤にしてフリーズしてしまい、オーダー端末を持つ手をガタガタと震わせていた。
「……は、はいっ! か、かしこまりました! ……し、少々お待ちくださいっ!」
店員はカナメから逃げるように視線を外すと、つまずきそうになりながら慌てて厨房へと駆け込んでいった。
二ヶ月ぶりのバカンスだというのに、カナメの頭の中は、今ホテルで激しく打ち付けられているであろう「あの肉棒」への奉仕の喜びと、淫紋から伝わる快感に完全に支配されていた。
(彼という、あの至高のチンポの『所有者』を支え、あの命の輝きを永遠に守り抜く……それが私の、残りの人生のすべて)
カナメは、小さく深呼吸をして立ち上がった。
「至高の所有者」であるオリッシュの精力をさらに養うための、レハーム特産の栄養価の高い海鮮やスイーツを追加で買い込み、ドギマギしっぱなしの護衛たちに目配せをして帰路につく。
ホテルへ戻れば、あの熱く脈打つ生命の歓喜が待っている。
先ほど買った清楚でエロいワンピースと下着を着て、彼を驚かせてあげよう。
カナメは、早くあの神々しい姿を拝み、たっぷりと精を吐き出した後の竿を労うように舐めしゃぶりたいという衝動をどうしても抑えきれず、自然とホテルへ向かう足取りを速めていた。
(続く)