マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー 作:夜叉五郎
惑星レハーム マクロス・オーオク
ch.182「真・入社(射)式」
マクロス・オーオクの朝は、静謐とは程遠い熱を孕んで明ける。
早朝、オリッシュの隣で微睡んでいたカナメは、左手首のリングに届いた重要通知の振動で意識を浮上させた。
隣ではオリッシュが安らかな寝息を立てており、他のハメキューレのメンバーも昨夜の「裏ライブ」の余韻に包まれて深い眠りの中にいる。
彼女は主や仲間を起こさぬよう細心の注意を払いながら、音もなく閨房を抜け出すと、手早く身繕いを整えて指定された面会場所へと向かった。
待ち構えていたのは、艦長アーシェリー・ラサール中佐だった。
「カナメさん、朝早くからごめんなさい。でも、もう限界なの」
ハニー・ブラウンの肌を強張らせたアーシェリーは、切実な面持ちで切り出した。
彼女の口から語られたのは、三日三晩にわたる性宴の影響で艦内のサキュバス波が飽和状態にあり、全乗員が強制発情と軽絶頂の連鎖によって業務に支障をきたしているという悲鳴のような現状報告だった。
「お願い。少しの間でいいから、社長とのセックスを控えてもらえないかしら。このままでは艦の運営が立ち行かなくなるわ」
懇々と説くアーシェリーの訴えを、カナメは困ったような、どこか思案に耽るような表情で一通り聞き終えた。
そして、落ち着いた声で逆質問を投げかける。
「アーシェリー艦長。……乗組員の方たちは、ただ発情状態が続いて困っているだけ、ということで間違いないかしら? つまり、あの人個人に対して、何か忌避感や嫌悪感を抱いている者はいない、と」
その問いに、アーシェリーは一瞬言葉を詰まらせたが、自身の左手薬指で輝く指輪を無意識に撫でながら正直に回答した。
「……ええ、もちろんよ。そんな人は一人もいないわ。むしろ、その……貴女たちのように社長に愛されることを羨む声の方が多いくらいよ」
その答えを聞いた瞬間、カナメの顔がパッと明るく華やいだ。
「なら簡単だわ! 皆さんが困惑されているのは、単に『サキュバス波』に対する耐性が無いからよ。だったら、その耐性を付ければいいんじゃないかしら?」
「耐性……?」
怪訝な顔をするアーシェリーに、カナメは確信に満ちた笑みを浮かべて言い放つ。
「ええ。皆さん、直接あの人に抱いてもらえば、きっと大丈夫よ。身体が本当の快感を知れば、ただの余波に振り回されることもなくなるわ」
「ぜ、全員ですか!? それはいくらなんでも、社長の負担が大きすぎるんじゃないかしら。百人以上の女性を相手にするなんて……」
アーシェリーが思わず声を荒らげて反論するが、カナメの覇気はそれを容易く呑み込んだ。
「私の夫になる人のチンポを見くびらないでください。彼のモノなら、この艦の女性全員を満足させるくらい余裕です!」
「……っ」
クィーンとしての誇りと、主の絶大な絶倫ぶりを信じて疑わないカナメの圧倒的な圧力に、アーシェリーは気圧され、言葉を失った。
正常な判断力をサキュバス波に浸食されていた彼女は、その狂気じみた、しかし魅力的な対案を、唯一の解決策として受け入れてしまった。
カナメの破天荒な提案に押し切られる形となったアーシェリーだったが、冷静な指揮官としての顔を取り戻すと、現実的な問題点を指摘した。
「カナメさん、いくら社長が絶倫だとしても、百人以上の女性を一気に相手にさせるわけにはいかないわ。彼の身体がもたないし、交わりとしての質も落ちてしまうもの」
「そうですね、アーシュリー艦長。では、数日に分けて『裏の入社(射)式』を執り行いましょう」
二人はマクロス・オーオクのブリッジの隅で、端末を囲みながら秘匿性の高いスケジュールを組み始めた。
メンバーの選定にあたり、カナメは年上の艦長を立てつつも、確固たる意志を込めて付け加えた。
「社長の説得は私にお任せください。でも、乗員の皆さんの説得と統制は、アーシュリー艦長にお願いしたいんです。……そして、アーシュリー艦長。貴女はこの艦の責任者として、まず真っ先に彼に抱かれてください。それが皆への何よりの範(しめし)になりますから」
「……わかったわ。私が責任を持って務めるわね」
ハニー・ブラウンの頬を赤らめながらも、アーシェリーは覚悟を決めて頷いた。
こうして、今日から始まる五日間にわたる濃密な儀式のスケジュールが決定した。
【入社(射)式:実施スケジュール】
■05月25日(金)
対象:ブリッジクルー5名、パイロット4名、機関メカニック12名
・艦長(艶やかな黒髪とアーモンド型の目が印象的なグラマラスな褐色美女)
・操舵手(茶褐色の髪を揺らす、企業のOLのような色気を漂わせるイケてる系美女)
・1stオペレーター(流れるような金色のロングヘアが美しい、理知的で涼やかな豊満美女)
・2ndオペレーター(ブロンドの長髪と碧眼、神秘的な透明感を持つ小悪魔系美女)
・3rdオペレーター(金髪セミロング、制服の胸元が弾けそうなバストボリュームを誇る生徒会長系美女)
・パイロットα(流麗な銀髪と赤い瞳、威圧的な巨乳を持つ軍人然としたクール系美女)
・パイロットβ(燃えるような紅蓮の髪、タイトなスーツに包まれた肉感的な曲線美を誇る反逆系美女)
・パイロットγ(赤茶のショートヘア、引き締まった肉体美を誇る姉御肌の武闘派美女)
・パイロットθ(紫の長髪、瞳の奥に嗜虐的な本能を秘めたナイスバディな侍系美女)
・機関長(鮮やかな緑の長髪、琥珀色の瞳を持つ華奢で美尻な神秘系ピザ好き美女)とその配下11名
■05月26日(土)
対象:兵装メカニック12名、電子機器メカニック12名
・兵装メカニック長(赤髪と蒼い宝石、官能的で豊潤な肉体美を放つお姉さん系美女) とその配下11名
・電子機器メカニック長(銀髪と碧眼、女神のごとき曲線美を持つ気高い系美女) とその配下11名
■05月27日(日)
対象:艦載機メカニック12名、艦内警備12名
・艦載機メカニック長(黒髪と泣きぼくろ、母性溢れるクールなGカップの女傑系美女)とその配下11名
・艦内警備長(長身に黒髪を束ね、アシンメトリーな制服から脚線美を覗かせる鋭利な格闘系美女)とその配下11名
■05月28日(月)
対象:砲雷手12名、レーダー技士12名
・砲雷手長(圧倒的な美貌と175cmの高身長を誇る、寡黙泣き虫系の黒髪美女)とその配下11名
・レーダー長(華やかなオーラを放つ、瑞々しい肉体美が魅力の金髪ハーフ美女)とその配下11名
■05月29日(火)
対象:メディカル12名、司厨12名
・メディカル長(栗毛と翠の瞳、オスの自律神経を甘く融解させる母性の塊な北欧系美女) とその配下11名
・司厨長(艶やかな黒の長髪、巨大な胸を揺らす健康的で躍動感溢れる幼馴染系美女)とその配下11名
スケジュールを書き終えたアーシェリーの指先は、期待と不安、そして指輪から流れる甘い衝動で微かに震えていた。
「この計画通りに進めば、この艦の乗員は全員が『竿姉妹』になれる……。そうなれば、不必要な不満も消え、艦の運用もよりスムーズになるでしょうね」
アーシェリーの呟きに、カナメは満足げに慈しむような微笑みを返した。
「ふふっ、心配はいりません。アーシュリー艦長。社長はとってもお優しい方ですから。さあ、皆に『真の入社(射)式』の始まりを伝えてあげてください」
カナメはそう言い残すと、まだ眠る主のもとへ、甘い説得と「目覚めの儀式」の準備のために戻っていった。
贅を尽くした朝食を終え、オリッシュが満足げに一息ついたタイミングだった。
傍らに控えていたカナメが、意を決したように、けれど優雅な微笑みを崩さずに切り出した。
「オリッシュさん。実はお願いがあるんです。このマクロス・オーオクの乗組員を……貴方に抱いていただきたいのです」
「え? 誰を抱けって?」
「アーシュリー艦長を含めた乗組員全員の百十七名になります」
「ええっ!? ひ、百十七名全員……!? あの女艦長も!?」
唐突すぎる提案に、オリッシュは文字通り飛び上がらんばかりに驚いた。
そんな彼に、カナメはこの艦の真の目的――現在、搭載されているサキュバス砲の稼働実験中であり、彼女たちのサキュバス波がフォールドクォーツを通じて艦内に充満していることを初めて打ち明けた。
「……なるほど。俺がカナメたちと愛し合うことで生じるサキュバス波が、あふれ出して皆を苦しめてしまっているのか」
事情を飲み込んだオリッシュは、沈痛な面持ちで嘆いた。
「皆の身元はしっかりしていますし、性病検査も全員パスしていますから安心です。……でも、彼女たちは身も心も限界なんです。快感の源である貴方のペニスを体験させてあげることが、唯一の救いになるんです」
カナメが優しく諭すように言う。
三ヶ月前のオリッシュであれば、これほど多くの、しかも軍のエリートや熟練の技術者である美女たちを前に、気後れしてとてもではないがモノが立たなかっただろう。
しかし、今の彼は違う。カナメをはじめとするワルキューレの五人を情欲の底に沈め、屈服させたという事実が、彼の中に揺るぎない自信の柱を打ち立てていた。
「……俺が、責任を取らべきなんだろうな。でも、百人以上なんて、途方もない数だ。果たして俺一人に、そんな大役がやり遂げられるだろうか」
ふと漏れた弱音に、カナメは力強く首を振った。
「貴方ならきっと出来ます! 私が選んだ、銀河で随一のペニスを持った旦那様なんですから!」
「そうね、マスター。貴方の生命力は、私たちが誰よりも知っているわ」
いつの間にか背後に立っていた美雲が、その神秘的な瞳で主を見据える。
マキナとレイナも、いたずらっぽく笑いながら彼の腕に抱きついた。
「マキマキたちが、横でしっかりオリオリをサポートしちゃうから大丈夫だよっ☆」
「……援護射撃、任せて。主は、ただ突撃するだけでいい」
最後にクレアが、戸惑うオリッシュを安心させるように穏やかな微笑みを添えた。
慈愛に満ちたその表情で、彼女は極めて現実的、かつ決定的な「安全保障」を主へと贈った。
「それにね、ご主人様。艦の規定で、乗組員たちは全員ピルを服用しているわ。だから余計な心配をせずに、思う存分無理をさせて大丈夫よ。彼女たちのために、無責任に中出ししまくってあげて」
ハメキューレの五人はオリッシュを囲んで、その尽きることのない「器」を称えた。
「みんな……ありがとう。わかったよ、やってみる。彼女たちの苦しみを取り除けるのは、俺しかいないんだから」
女たちの献身的なバックアップを背に受け、オリッシュの瞳に不退転の決意が宿る。
こうして、宇宙を揺るがす前代未聞の「入社(射)式」が、ここマクロス・オーオクの閨房にて午後から執り行われることとなった。
全乗組員へのメッセージ通知が各端末に一斉に届くと同時に、艦長席に座るアーシェリー・ラサールが艦内マイクを握った。
「傾聴! 私たちはこれから五日間、社長であるオリッシュ・ハメルマン氏との高次な面談、真の入社(射)式を行います」
その凛とした声が艦内に響き渡る。
「これは任意の面談となりますが、今後の本艦の運用をスムーズにするための施策であるため、できるだけ全員に参加してもらいたい。面談はセクターごとに行い、セクター長の指示をよく聞くこと。なお、面談で行われる行為については、あくまで各自の自由意志であり、後日の苦情は一切受け付けないわ」
アーシェリーは一呼吸置くと、個人的な想いを乗せるように言葉を継いだ。
「先陣はこのアーシェリー・ラサールが務めるから安心して。ここ数日の新兵器の評価任務について、皆いろいろと思うことがあるでしょうけれど、社長に全てをぶつける良い機会だわ。心身を清めて面談を待ってちょうだい。以上」
放送が終わるやいなや、各セクターでは美女たちが落ち着かなくなり、同僚同士で姦(かしま)しく囀り始めた。
それは、直にアーシェリーの宣言を聞いていたブリッジも例外ではない。
「勝負下着持ってきておいて良かったわー」
成熟したフェロモンを漂わせる操舵手が、上気した顔で胸元を押さえる。
「男に抱かれないといけないなんて、何だか現実感が無いわね」
理知的な1stオペレーターが眼鏡を指で押し上げながら冷静さを装うが、その瞳には隠しきれない期待が混じる。
「ちょっと興味あったのよねー。あのチンポ」
絶世の美少女である2ndオペレーターが、いたずらっぽく小悪魔的な笑みを浮かべれる。
「まさか初体験がこんなことになるなんて。トホホ……」
圧倒的なバストを揺らす3rdオペレーターが、困り果てたような、けれどどこか嬉しそうな声を漏らした。
艦長席からその光景を眺めていたアーシェリーは、これから始まる「面談」で、オリッシュの剛剣に貫かれる自分を想像していた。
(……ダメね。考えるだけで、もう……)
誰にも気づかれぬよう、彼女は深く腰掛けた。
その瞬間に感じる自身の股間の熱い湿りが、彼女をさらなる恍惚へと誘っていた。
(続く)