マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー 作:夜叉五郎
惑星レハーム アルテミシア・グランドホテル ロイヤルスィート
奈落が完全に閉じ、華やかな喧騒が遠のいた。
ステージ裏へと抜ける、分厚い遮音壁に守られた演者・貴賓専用の地下通路。
そこは、銀河の女王がただ一人の「メス」へと還るための、静謐で濃密な異空間であった。
オリッシュの強靭な腕に抱き上げられたまま、カナメは熱い吐息を彼の首筋に吹きかけた。
「……オリッシュさん。本当に、私……貴方の奥さんになったんですね」
その瞳は、先ほどまでの神々しい気品を脱ぎ捨て、愛欲と安堵に激しく潤んでいる。
婚姻受理の金色の刻印。
それは彼女にとって、この剛腕の主(マスター)に永遠に拘束されるという、至上の支配の証明に他ならなかった。
「ああ。もう誰もカナメに触れさせはしない。……今夜は、君を壊さない程度に、存分に可愛がってやるからね」
オリッシュは低く、そして男としての独占欲を隠そうともせずに囁いた。
その言葉に、カナメの身体が甘やかな歓喜でびくりと跳ねる。
バックステージでは、二人の「初夜」を守るべくエージェントたちが迅速かつ緻密な警護態勢を敷いていた。
シアターレストラン棟から本館ロイヤルスィートへと直通する、一般客の目には決して触れないVIP専用のプライベート・コリドー。
かつて「高級コールガール」に扮して正装の群衆に紛れ、男たちのギラついた視線を釘付けにしながら横断したあの豪華なロビー。
その喧騒の真下を、今は銀河の勝者となった男に抱かれ、誰にも邪魔されることのない最短の動線で移動していく。
コリドーの突き当たりには、本館の最上階へと繋がる専用エレベーターの重厚なプラチナ製の扉が二人を待っていた。
かつて彼女を「監獄」へと運んだその箱は、今や二人の愛を育む聖域への入り口へと、その意味を変えていた。
数分後、自分たちの「巣」である『ルビー・プリズン』へと帰還した二人の前で、豪奢な扉が重厚な音を立てて閉ざされ、外界との繋がりは完全に断たれた。
そのまま寝室へと移動すると、オリッシュは無言でタキシードを脱ぎ捨てた。
鍛え上げられた強靭な肉体を露わにした彼は、サイドテーブルに置かれていたABV撮影用のサイバーゴーグルと、特殊なシルバーリングを迷いなく装着する。
それは新郎としての悦びを永遠に記録するための準備であった。
その間、カナメはパウダールームに籠もり、乱れた髪と化粧を整える。
数分後、身なりを完璧に整え直した彼女は、あえて結婚式で銀河中に披露した、あの暴力的なまでに美しいマーメイドドレス姿のままパウダールームを後にする。
彼女がベッドルームの扉を開け、一歩足を踏み入れたその瞬間、ABVの録画シークエンスが静かに開始された。
エンペラーサイズのベッドで、戦闘準備を終えた獣のように待ち構えるオリッシュ。
彼の元へ、楚々とした足取りで近づいていくカナメ。
「あなた、お待たせしました♡」
慈しむような、あるいは蕩けるような甘い声。
対面するオリッシュの股間では、すでに猛り狂ったチンポがビンビンに屹立していた。
その圧倒的なオリッシュのチンポの嘶きに呼応するように、カナメのスラリとした下腹部――タイトなドレスの布地の下で、潜伏していたサキュバスの証が鮮烈な光を放ち始める。
「ああ、待ちきれなかったよ」
オリッシュの熱情のこもった声が響く。
彼の視線を受け、カナメの内宮はキュンキュンと切ない音を立てるように収縮し、昨夜の残滓を押し流すほどの愛液が、再びシルクのショーツを重く湿らせていく。
二人にとって、夫婦となって初めての「共同作業」。
それは退屈なケーキ入刀などではない。
最愛の夫にその身を捧げ、新たな生命をその深奥へと迎えるための、初夜の子作りABV撮影。
銀河中の男たちが『KBモデル』でカナメの膣の動きの模倣を貪る中、本物のカナメは、ただ一人の主(マスター)が支配するベッドの上で、恍惚とした微笑みを浮かべながらその身を横たえた。
ABVの録感モードのシークエンスが走る中、寝室には吐息が白く燃えるような濃密な熱気が立ち込めていた。
この『ルビー・プリズン』の名が示す通り、ロイヤルスィートの調度品は重厚感のあるシックな赤で統一されている。
深紅のベルベットのカーテン、薔薇色の絨毯、そしてマホガニーの家具。
その情熱的な赤の空間に、純白のマーメイドドレスを纏ったカナメが立つ姿は、赤い薔薇の庭に咲き誇る、ただ一輪の白い薔薇のようであった。
本来、この初夜の営みは夫婦だけの秘め事とする選択肢もあった。
だが、オリッシュにはこの歴史的な一夜を、最高純度のワクチンABVソフトとして銀河に刻み込みたいという強い願望があった。
オーオク社の広報担当のクレアも、「ウェディングドレス姿のカナメを抱く初夜のシーンがワクチン化されれば、爆発的な需要が期待できるわ!」と断言し、彼の背中を押した。
当然オリッシュのチンポがそれで最高の快感を貪れるのであれば、カナメにとって否やなどあろうはずもなかった。
「……あなた。誓いのキスの続きをしましょう♡」
カナメが蕩けるような瞳で囁き、オリッシュの首筋に腕を回す。
重なる唇。
それは式典での形式的なものとは一線を画す、互いの口腔の粘膜までを執拗に愛撫し合う、焼けるようなディープキスであった。
カナメの甘い唾液がオリッシュの口腔内へと流れ込み、サイバーゴーグルのセンサーがその分子構造を余さず記録していく。
唇が離れた時、銀色の糸が一本、熱い空気の中に引かれた。
オリッシュの猛るチンポに、カナメのシルクのロンググローブがそっと触れた。
「あ……っ、カナメ……」
「ふふ、もうこんなに熱くて、硬い……」
熟練のテクニックを宿したシルクの感触が、優しく、かつ丁寧なストロークで彼を追い込んでいく。
さらに彼女は膝をつき、純白のヴェールを赤い絨毯に広げながら、跪いてそれを受け入れた。
銀河の女王による、あまりに贅沢なウェディングフェラ。
喉を鳴らし、瞳を潤ませて奉仕する彼女の姿に、オリッシュの絶頂が臨界点へと達しようとしたその時。
カナメは小悪魔のような艶やかな笑みを浮かべ、すっと唇を離した。
「……だーめ。うふっ、まだ、お預けです」
「……カナメ……っ!」
「今日は初夜の子作り。出すなら、ここにお願いします♡」
彼女は、ドレスのタイトな布地を限界まで引き絞るように身をくねらせた。
「……自分で、脱がせろと言うんだな」
「はい。貴方の奥さんになったんですもの。……貴方の手で、剥いてください」
カナメはベッドの上で、誘うようにゆっくりと背を向けた。
背中が大きく開いたバックレスのデザイン。
その後ろ姿は、タイトなドレスが強調する、蜂のように引き締まった腰のくびれが、芸術的なまでの曲線を際立たせていた。
豊かなヒップラインから急角度で絞り込まれたそのウエストは、視覚的な欲情を暴力的なまでに煽り立てる。
オリッシュの装着しているサイバーゴーグルが全てを記録する中で、オリッシュの大きな手がドレスの最高級サテンのファスナーへと掛けられた。
「……脱がせるよ、カナメ」
「んっ……激しく、剥ぎ取って……」
ジ、ジジ……と、室内の静寂を切り裂くように、布地が引き絞られる摩擦音が寝室に低く響く。
オリッシュが強引かつ慎重にファスナーを引き下げると、限界まで張り詰めていた白いサテンが、カナメの肉体の内圧に耐えかねたように左右へバッと弾け飛んだ。
「あぁっ……」
冷たい夜気が、熱を帯びた白い背肌に触れた瞬間、カナメの身体が愛おしそうに小さく震える。
その瞬間、布地が自重でスルスルと滑り落ちる「衣擦れの音」が耳腔をくすぐった。
白い薔薇の花弁がハラハラと散るように、純白のマーメイドドレスが滑らかな肌の起伏をなぞりながら、足元へと淫らに崩れ落ちていく。
「……素晴らしいよ。何度見ても、見惚れる」
「ふふ、嬉しい……」
ドレスが脱ぎ捨てられたそこには、滑らかな背中の稜線から続く、より生々しく、完璧な「曲線」が露わになった。
デコルテを強調するため、ブラジャーは重力制御による不可視のサポートとニップルシールのみ。
ベージュのシームレスなパンティストッキングが、陶器のような太腿から爪先までを艶やかにパッケージしている。
そして、その中央。
ロングガードルに守られながらも、完全に露わになった純白のTバックパンティは、結合前の焦らしによって極限まで高まった分泌液を吸い込み、すでにクロッチ部分がぐっしょりと色濃く濡れそぼっていた。
ストッキングの薄膜越しでも分かるほど、下腹部で明滅するサキュバスの淫紋が、彼女の激しい肉体的渇望を証明するように、ドクンドクンと波打つような激しさで赤紫色の光を放っている。
ついに、無垢な白を脱ぎ捨てた一輪の薔薇。
部屋の主人であるオリッシュの手によって、その芳醇な深奥まで手折られようとしている。
夫となった男の視線、そしてそれを一秒一コマ逃さず記録するサイバーゴーグルのレンズを全身に浴び、カナメの秘処はキュンキュンと切ない痙攣を繰り返し、受精を待ちわびる準備を完璧に整えていた。
すでに溢れ出た愛液の雫が、太腿の内側をツッと伝い落ち、赤い絨毯へと音もなく染み込んでいく。
子宮の奥がズクズクと熱く疼き、夫のチンポの物理的な質量を求めて、膣壁が勝手に愛液を撹拌するように蠢いていた。
ロングガードルに守られながらも、露わになった純白のTバックパンティが、すでに溢れ出した愛液で濡れそぼり、淡い淫紋の光を透かして淫らに光っていた。
「さあ……オリッシュさん。……私を、貴方の色に染め替えて……」
背を向けたまま、カナメはゆっくりと、だが迷いのない動作で指を掛けた。
濡れそぼり、激しく明滅する淫紋の光を透かしていた純白のTバック。
それが彼女自身の指によって、ぬちゃり、ぬちゅ……と、粘膜が擦れ合う生々しい肉音を響かせながら、粘り気のある透明な糸を何本も引きながら、ゆっくりと時間をかけてずり下げられていく。
オリッシュのサイバーゴーグルは録画モードで、その焦らされるような指の動きを一分の隙もなく網羅し、その官能的なプロセスをワクチンの構成データとして記録していく。
露わになる、月の雫を浴びたかのように白く輝く、豊潤な双丘。
そして、その奥に潜む、夫となった男だけを迎え入れるために熱く脈打つ深奥。
ワルキューレのリーダーにして、至高のサキュバス・クィーンが、今、名実ともに「自分の妻」として目の前で膝をつこうとしている。
その視覚的な暴力は、オリッシュの胸の内に強烈な達成感と満足感、そして銀河の頂点へ登り詰めたという凄まじいまでの栄達感を呼び起こした。
全身を貫く陶酔感と、自分という存在が肯定され、世界に祝福されているという絶対的な全能感。
(……ああ。俺は、ついにここまで来たんだな……)
猛り狂う自身のチンポを銀河の歌姫に捧げる直前、オリッシュの脳裏に、走馬灯のようにこの数ヶ月の記憶が巡り始めた。
わずか約三ヶ月前。
彼は訳も分からぬまま、この『ルビー・プリズン』という名の監獄に閉じ込められ、底知れぬ不安に苛まれていた。
外界から遮断され、己の運命さえ見えない暗闇。
そこに現れたのが、彼にとっての「最推し」のアイドル、カナメ・バッカニア本人であった。
暗闇を照らすように現れた、本物の女神。
その女神が、信じられないことに、名もなき自分一人のために「慰安」をしてくれるという。
あの時の、心臓が爆発するかのような感激と震えは、今でも昨日のことのように思い出せる。
そこから始まった、夢のような日々。
女神と二人きりの密室で、愛され、甘やかされ、溺れるような快楽に塗り潰されたエロエロな毎日。
恐怖と不安の監獄だったこの部屋は、いつしか銀河で最も幸福な、二人だけの愛の巣へと変わっていった。
オリッシュの意識は、あの日、初めてカナメと出逢った瞬間の記憶へと深く沈み込んでいく――。
あの日、俺はただの「何者でもない男」だった。
プロトカルチャー遺跡「エムシー・ハラメ」の調査隊にいた三等兵の俺は、突然、遺跡のシステムに取り込まれた。
その後のことは何も覚えていない。
気づいた時には、護衛のバルキリー小隊も調査隊も、生き残ったのはミラージュ中尉と俺だけ……。
目覚めた俺に告げられたのは「事故の影響確認のため」という曖昧な説明だけだった。
そのまま、この惑星レハームで最高級の「ルビー・プリズン」に隔離されたんだ。
外部との連絡は一切遮断され、一歩も外に出られない。
なぜ俺だけがただ一人、なぜこんな贅沢な牢獄に閉じ込められているのか。
ただただ、得体の知れない不安に苛まれ、ワルキューレのライブ映像を眺めて現実逃避するしかない、震えるだけのキモデブだった。
そこに、あの中央の扉が開いて、彼女が現れた。
「……カ、カナメさん……?」
最初、脳がバグったかと思った。
画面の中にいたはずの、銀河一の歌姫。
俺が人生を捧げて推してきた「女神」が、俺の好みをこれ以上ないほど完璧に再現した、あの淫らで気高い深紅のドレスを纏って立っていたんだ。
あの時の匂いを今でも覚えている。
高級な香水と、その奥から漂ってくる、逆らえないほど甘い女の匂い。
彼女が近づくたびに波打つ、零れそうなほど豊かな乳房。
スリットから覗く、まばゆいほどに白い太腿。
「私が、毎日、あなたを慰安するわ」
その言葉を聞いた瞬間、俺の人生のすべての不幸が帳消しになった。
いや、これから先の数百年分の幸運を前借りしたような、そんな震えるほどの歓喜に貫かれたんだ。
さらに、彼女は俺の目の前で、あの白い背中を晒して土下座をした。
「男性経験がなくて……キスも、まだ……」
その告白を聞いた時の、頭が真っ白になるような衝撃。
銀河中の男が憧れ、誰の手も届かなかったカナメ・バッカニアの「初めて」を、この俺が、この汚い手で、この卑猥な一物で、一番に、そして独占的に奪える。
神様なんて信じてなかったが、あの時だけは、俺を選んでくれた天の差配に涙を流して感謝したよ。
おそらく俺は前世でとんでもない量の功徳を積んでたんだろう。
そして、初めて重なった彼女の唇。
柔らかくて、熱くて、小刻みに震えていた、処女の唇。
俺が舌を突き入れた時、彼女が漏らした小さな吐息。
俺のねっとりした愛撫に犯され、銀色の糸を引いて離れたあの瞬間の光景。
俺はあの日、間違いなく「世界」を手に入れたんだ。
(……ああ。あの時、俺にひれ伏して泣いていた処女が、今は俺の『妻』として、こうして俺の子種で孕みたがっている……)
オリッシュは、サイバーゴーグルの奥で熱く潤んだ瞳を細めた。
三ヶ月前は、不安を打ち消すための「契約」だった。
だが今は違う。
彼女は俺に心酔し、俺の遺伝子を望み、俺という男にすべてを委ねている。
オリッシュの股間を貫く栄達感は、もはや絶頂を待たずして限界まで膨れ上がっていた。
「……カナメ。あの日、俺に誓ってくれた通り……カナメは、本当に一生俺の側にいてくれるんだな」
「はい……。もちろんですよ、あなた……♡」
膝をつき、四つん這いになって、期待に満ちた瞳で自分を見上げてくるサキュバス・クィーン。
オリッシュは、自身のシルバーリングを嵌めた手で彼女の細い腰を抱き寄せ、彼女の体の柔らかさと温かさを全身で感じながら、その耳元で熱く囁いた。
「……これからの『初夜』、たっぷりと思い知らせてやる。……俺だけが、お前の夫だということをな」
「……ああっ……。はい……っ。嬉しい……っ。激しく……滅茶苦茶に、して……っ!!」
夫婦となって初めての、そして銀河の運命を決定づける「共同作業」の秒読みが、今、ゼロになった。
(続く)