※この作品はR-18です。

マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー   作:夜叉五郎

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2068年6月6日(水)
惑星ディバイド・中央首都イブコーア郊外 〜 臨時政府庁舎


2068年6月6日
ch.209「丘の上の独唱、隷属の宴」


前日の6月5日、中枢を無力化された五大国の各セクターへ、ケイオスと新統合軍の再進駐軍本隊が電撃的に突入し、全土の武装解除を完了させた。

そして明けた6月6日――惑星ディバイドの歴史は、目まぐるしいほどの超高速スケジュールで動いていた。

 

なぜ、これほどまでに爆速で事が進むのか。

それは、一気に既成事実を作って押し切るという、レディMが描いた電撃作戦のタイムラインによるものだった。

 

サキュバス砲がもたらした恍惚の波動は、決して一過性の非殺傷兵器などではない。

戦闘意欲や強欲さ、他者を排除しようとする感情や、自己の権力を誇示したいという顕示欲が強い者ほど、その波動は容赦なく脳髄を焼き尽くし、最大級の効果を発揮する。

かつて五大国を率いて醜い内戦を煽り立てていた首脳陣たちは、その強すぎる歪んだ欲望ゆえに完璧に牙を抜かれ、終わることのない永遠の精神的去勢――すなわち「終わらない賢者タイム」へと叩き落されていた。

 

彼らは波動の源であるハメキューレたちへの絶対服従を魂に刻み込まれ、もはや抗う気力など微塵も持ち合わせていない。

とはいえ、新統合政府としての統治体制を電撃的に確立し、五大国内で末端が勝手に動き出して争乱を拡大させないようにするためには、彼らが従順なこの勢いのまま、一気に新政府の形を整える必要があったのだ。

 

その重要な政治交渉が本格化する直前の午前中、オリッシュとカナメの二人は、わずかな護衛だけを伴ってイブコーア郊外の静かな地方都市を訪れていた。

 

そこは、カナメ・バッカニアの生まれ故郷だった。

 

この日、カナメが身に包んでいたのは、公の場での格式高い正装ではなく、マクロス世界で絶大な人気を誇る一流ファッションブランド「モーディッシュ」の「ナルベ」シリーズから選んだ、洗練されたお忍びの私服だった。

 

黒いレザー調のキャスケット帽を小粋に斜めにかぶり、ショートボブの髪からは黄色のジグザグしたイヤリングが覗いている。

胸元を大胆に深く抉った黒いビスチェは、彼女の豊かな乳房の渓谷をこれでもかと強調し、赤茶色の太いコルセットベルトが、その豊満な上半身に対して驚くほど細いウエストをきゅっと引き締めていた。

 

ボトムスには健康的なモスグリーンのショートパンツを合わせ、そこから伸びるしなやかで肉感的な太ももが、黒いロングブーツへと吸い込まれている。

その上から、わざと激しいクラッシュ加工を施した鮮やかなブルーの薄手ロングコートをラフに羽織り、こなれた様子で袖をたくし上げていた。

首元の黒いチョーカーと多連のパールネックレス、そして両手にはめた鮮やかな赤のグローブが、シックなモノトーンのクラッチバッグを持つ手元を鮮烈に彩っている。

 

カジュアルでありながらも大人の色気と王道の流行を完璧に着こなしたカナメの姿は、お忍びとはいえ、隠しきれない極上のオーラを放っていた。

 

「……やっぱり、誰も残っていないのね」

 

シャトルから降り立ったカナメは、物憂げに周囲を見渡した。

かつて彼女の記憶にあった懐かしい街並みは、長年の内戦によって激しく荒廃していた。

親族やかつての隣人たちは、果てしない戦火の中で命を落としたか、あるいは星間移民船団や他の惑星へと命からがら疎開し、とっくにこの星を去っていた。

今や人っ子一人いない静寂の廃墟を、乾いた風だけが通り抜けていく。

 

オリッシュは何も言わず、スタイリッシュなコートに包まれたカナメの肩を、その逞しい腕でそっと抱き寄せた。

正妻としての愛おしい彼女の、柔らかな肉体の温もりを伝えるように。

 

「オリッシュさん、私、あなたに見せたい場所があるの」

 

カナメがオリッシュの大きな手を引き、案内したのは、街外れにある緑豊かななだらかな丘だった。

そこは、幼い日のカナメが、ヴァジュラ戦役をその歌声で終わらせた超時空シンデレラ、ランカ・リーの姿に激しく憧れ、「いつか私も歌で誰かを救えるようになりたい」と希望を抱いて、毎日一人で歌の練習を繰り返していた思い出の丘だった。

 

誰もいない静寂のなか、どこまでも広がるディバイドの空を見つめながら、カナメは懐かしそうに目を細める。

そして、ふと小さく息を吸い込み、唇を開いた。

 

流れてきたのは、伴奏もマイクもない、彼女のありのままの生歌だった。

切なくも力強いその旋律は、大気と同調するように丘全体へと響き渡る。

かつてソロアイドル時代には不遇を囲ったその歌声が、今は銀河一の億万長者であり、自身を狂おしいほどに愛してくれる唯一無二の主へと捧げられていた。

 

丘の上で、カナメの極上の歌声を独占するオリッシュ。

過去の孤独も戦乱のトラウマも、すべてが夫の圧倒的な愛の熱量によって至上の幸福へと上書きされていく。

贅沢な歌の余韻が心地よく響くなか、カナメはそっと歌を終え、はにかむようにオリッシュを見つめた。

 

「オリッシュさん……素晴らしい時間をありがとう。でもね……少しだけ、期待させちゃってごめんなさい」

 

カナメは少し申し訳なさそうに、オリッシュの引き締まった胸板に額を預けた。

 

「今朝、ホテルの部屋で試した妊娠検査薬、まだ陰性だったの。あなたを早く本物のパパにしてあげたくて、正妻として毎晩あんなにたっぷりと注いてもらっているのに……まだ確定しなくて、なんだか悔しくて」

 

愛おしそうに唇を尖らせる新妻の言葉を聞き、オリッシュは優しく破顔した。

そして、カナメの細い腰をしっかりと抱き寄せると、彼女のフラットで柔らかな下腹部へと、そっと自身の大きな掌を重ね合わせた。

 

「謝ることなんて何もないさ、カナメ。焦る必要なんてまったくない。こうして君をこの腕に抱きしめられているだけで、俺はすでに世界一幸せな男んだから」

 

オリッシュはカナメの潤んだ瞳をまっすぐに見つめ、一人の男としての、そしてこの星の運命を握る大社長としての固い決意を言葉に乗せた。

 

「それに、俺は君に誓うよ。君がこのディバイドで味わったような、戦火の恐怖に怯えて、孤独に涙を流すような子供時代は、これから生まれてくる俺たちの子供には絶対に送らせない。俺の持つ財力と力のすべてをかけて、世界で一番安全で、温かくて、幸せな家族を君と一緒に作る。だから、これからも俺の隣で、安心して可愛い笑顔を見せておくれ」

 

「オリッシュさん……! はい……はいっ♡ 私、世界一幸せな奥さんです、あなた……!」

 

カナメの目から、溢れるほどの歓喜の涙がこぼれ落ちた。

彼女は蕩けた瞳で夫を見つめ、熱い吐息を漏らしながら、その大きな胸へと身も心も深く委ねるのだった。

二人の間には、何者にも邪魔されることのない、新婚夫婦だけの温かく贅沢な時間がゆったりと流れていた。

 

---

 

午後。

静謐な時間から一転し、カナメはディバイドの最高級正装である気品あふれるピンクのドレスへと着替え、二人はレディMの指示に従って、中央首都イブコーアの臨時政府庁舎へと乗り込んでいた。

 

庁舎の大会議室には、新政府樹立のための交渉を行うべく、五大国の代表たちが一堂に会していた。

昨日まで憎しみ合い、覇権を争っていたザーディッシュ、ブルトコッホ、ケネスリード、マジェス、ツァルスクレブトの全首脳陣が、そこに集められていた。

 

部屋の重厚な扉が開き、オリッシュとカナメが姿を現した瞬間、会議室の空気は一変した。

 

「ひっ……! おおっ大神よ、オリッシュ様……!」

「ああっ、至高の女神、カナメ様……!」

 

代表たちは一斉に椅子から転げ落ちるように床へと頽れ、一瞬の猶予もなくその場に這いつくばった。

 

サキュバス砲から放たれたビームは、カナメたちサキュバスが放つサキュバス波を増幅し、高濃度に圧縮した消滅パルスそのものである。

そのサキュバス波は、男たちを容赦なき絶頂へと導き、ヴァールシンドロームの原因物質である「セイズノール」を、体内の精液もろとも強引に体外へ噴出・デトックスさせる驚異的な力を持っていた。

 

前日、その超高濃度のサキュバス波を広範囲にダイレクトに撃ち込まれた男たちは、ハメキューレたちに強引に絶頂の深淵まで押し上げられるというあまりにも濃密な幻想を見せられ、体内のセイズノールをすべて絞り出された。

だがそれと同時に、彼らはオスとしての野生の牙や、醜い権力欲、闘争本能まで根こそぎ引き抜かれてしまっていたのだ。

 

男たちの脳裏に刻み込まれたのは、自分たちを快感だけで完璧に調教し、ねじ伏せた女神たちへの絶対的な服従。

そのサキュバス波を生み出した張本人であり、元凶たるカナメの美しい肢体を目の前にして、男たちが歯向かえるはずもない。

深層心理のレベルで無意識のうちに完全なる隷属へと導かれ、ただただ床に額を擦り付ける。

 

さらに恐ろしいのは、カナメの隣に立つ夫・オリッシュの存在だった。

男たちは本能で理解していた。

自分たちを支配するあの神々しいサキュバスたちを激しく抱き、そのナカへと絶頂の熱を注ぎ込むことで、すべてのサキュバス波を生み出していた大元の供給源(ジェネレーター)こそが、目の前にいる男なのだと。

このイブコーアの交渉の席につく以前に、顔を合わせるよりも遥か前の段階で、彼らの間で「オスとしての絶対的な格付け」は完全に終わってしまっていたのである。

 

「皆の者、面を上げなさい。我が夫、オリッシュさんは、この星の安寧と復興を確実なものにするために、ここに赴いたのです」

 

正妻として主の極上の愛を一身に受け、充実した雌特有の濃密なフェロモンを漂わせるカナメが、豊艶な胸元を誇らしげに揺らし、余裕に満ちた大人の微笑みを浮かべて告げる。

オリッシュはその圧倒的な存在感をまとった佇まいで、ただ静かに中央の席へと着いた。

 

元より、彼らに反論の意思など微塵も残っていなかった。

レディMが用意した新政府の基本方針、閣僚の選定、 そして全軍の武装解除を維持する条項が並んだ草案に対し、代表たちは一切の異議を唱えることなく、震える手で次々と調印の署名を行っていった。

男たちの妄想や権力欲を一切挟ませない超スピード交渉は、オリッシュの圧倒的な威光とカナメの妖艶なサポートによって、一瞬にして完全な既成事実へと昇華されたのである。

 

---

 

こうして調印式がスムーズに完了した後は、新政府の誕生を前祝いする盛大な晩餐会が催された。

 

オリッシュとカナメが主賓として最上席に迎えられるなか、会場には美雲、マキナ、レイナ、クレアたちハメキューレの面々も、それぞれ華やかに着飾ったパーティドレスに身を包んで参加した。一同が会場に姿を現した瞬間、そのあまりの美しさと神々しさに、誰もが言葉を失って立ち尽くした。

 

カナメは、大人の歌姫にふさわしい豊潤なゴールドオレンジのミディアムドレスを纏っていた。胸元を彩る繊細な刺繍レースと、肩から二の腕へと流れる優美なフリルが、正妻としての気品と豊かなボディラインをいっそう艶やかに引き立て、緋色の髪にあしらわれた可憐な花飾りが、彼女の横顔を華やかに彩っている。

 

美雲は、高貴な大人の色香を放つ、深いパープルのシフォンドレスに身を包んでいた。透け感のある優雅なロングスリーブと、胸元に施された精緻なビーズワークが、彼女のミステリアスな美しさを際立たせ、会場の視線を釘付けにする。

 

クレアが身に纏うのは、胸元からふんわりとしたスカートの裾にかけて、瑞々しい花々が零れ落ちるようにあしられたデザインのドレス。自身のパーソナルカラーである清澄なアクアブルーの特注の一着であり、気品ある広報担当らしい華やかさと可憐さを見事に融合させていた。

 

マキナは、彼女の愛らしさを爆発させるような、鮮やかなローズピンクのボリュームドレスを選んでいた。胸元を埋め尽くす大輪のフリル花が、育ち続けるその圧倒的な双丘を包み込み、何層にも重なったフレアスカートが小悪魔的な魅力を放っている。

 

そしてレイナは、瑞々しいミントグリーンのミニドレスを着用していた。胸元を上品に覆うホワイトレースのハイネックと、愛らしいパフスリーブが、彼女の小柄な体型とミステリアスな透明感を、まるで極上のドールのように完璧に引き立てていた。

 

五人五色の美を競うハメキューレの姿が会場に揃った瞬間、晩餐会はただの宴席から、完全な調教空間へと変貌を遂げた。それぞれのサキュバス波の弾丸がサキュバス砲によって股間に撃ち込まれた各国の大物たちは、この世のものとは思えぬ衣装を纏った彼女たちを目にした瞬間、文字通り「女神」に出会ったかのように取り乱し、狂おしいほどの崇拝の眼差しを向けた。

 

彼女たちが微笑みを浮かべ、それぞれの国から来た参加者たちの間をすりぬけるたび、最高級ブランドのドレスが揺れ、濃厚な香水の匂いと甘く火照った吐息が男たちの鼻腔をくすぐる。

 

「ああ……、あああっ……!」

 

ただそれだけのことで、昨日まで一国の軍隊を動かしていたはずの、いい歳をした大人たちが、激しい快感と絶対的な敗北感のあまりにガタガタと全身を震わせた。

彼女たちの放つ生物学的なフェロモンに脳の許容量を完全に超越され、射精管のコントロールすら失った男たちは、高級なスラックスの股間を情けなく腫らし、その場でパンツを漏らして崩れ落ちていく。

 

そんな無様に這いつくばる男たちを、ハメキューレの面々は冷徹に、かつ蠱惑的に見下ろした。

 

「ふん……哀れな殿方たち。あなたたちの金タマ、私たちの歌と波動によって完全に書き換えられたようね」

美雲はパープルのドレスの裾を揺らし、グラスを手に傲然たる笑みを浮かべて首脳たちを見下ろした。

「でも、その無様にひれ伏す姿、嫌いではないわ。もっと私を興奮させてごらんなさい。そうすれば……次のステージで、極上のご褒美を授けてあげなくもないわ」

 

「きゃは♡ みんな、すっごくデレデレで従順になっちゃってきゃわわ〜!」

マキナがピンクの衣装の胸元を強調するように両手を合わせ、小悪魔的な笑みを浮かべる。

「傷でもマキマキたちの前でそんなに精液お漏らししちゃうなんて、ちょっとだらしないぞ? これからマキマキの言うことをちゃーんと聞くいい子にしてたら、もっと気持ちいいこと、してあげるかもねん♡」

 

「脳内データ、完全に初期化済み。抵抗値ゼロ」

レイナはミントグリーンのミニドレスから伸びる生脚をわずかに動かし、冷ややかな視線を男たちに突き刺した。

「マキナ、この大人たち、完全に野生を失ってる。……でも、システムに従って大人しくタスクをこなすなら、パッチを当てて、より私の深い領域へのアクセス権を承認してあげてもいい」

 

「ふふ、かつて一国の軍を率いていた方々が、私たちの吐息一つでここまで形無しになってしまうなんて」

クレアが水色のドレスの裾を優雅に翻し、上品に口元を隠しながら、オーオク社の広報担当らしいエロさを含んだ笑みを見せる。

「大人の形無しですけれど、その素直な従属は嫌いではないわ。私たちのルールをきちんと守れるなら、後ほど優しくしてあ・げ・る♡」

 

絶対的な「飴と鞭」を予感させる女神たちの言葉に、男たちは濡れたパンツの不快感すらも至上の喜びであるかのように、床を這い回り、ハメキューレたちの靴を舐めんばかりに平伏した。

 

デレデレなハネムーンの雰囲気を維持したまま、カナメが甲斐甲斐しくオリッシュに料理を取り分ける最上席の横で、会場はハメキューレという女神たちへの絶対従属を誓う男たちの、歓喜と快楽の呻きで満たされていた。

 

その席上、股間を濡らしたまま平伏する新政府の暫定代表が、二人の前で震える声を絞り出し、熱烈な要請を口にした。

 

「救世主オリッシュ様、そして至高の女神カナメ様……。なにとぞ、明日執り行われます『ディバイド新政府発足・記念式典』へ、ご出席をいただけないでしょうか。そして……この星の民に、真の新生の喜びをもたらすため、かつて銀河を救ったワルキューレとしてのパフォーマンスを、カナメ様に披露していただきたいのです!」

 

懇願するように見上げてくる首脳たちの姿に、カナメは隣のオリッシュと視線を交わした。オリッシュが頼もしげにコクリと頷くのを確認すると、カナメはゴールドオレンジのドレスを誇らしげに揺らし、思い出の扇を優雅に広げて微笑んだ。

 

「ええ、喜んで。私の歌がこのディバイドの新たな夜明けの調和となるのなら、喜んでステージに立たせていただきますわ」

 

かつて孤独に未来を夢見た故郷の空の下で、今度は絶対的な支配者の正妻として、自らの歌声を全土へと響かせる――カナメは確かな充足感とともに、明日迎える大舞台への要請を受け入れるのだった。

 

(続く)




お忍び衣装:2018年「 #激情のオシャレマクロスΔ 」モーディッシュ・ナルベ
パーティドレス: マクロスΔ M魂 会報誌 ワルキューレ やっくでかるちゃあ No.9
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