※この作品はR-18です。

マクロスΔ オペレーション・スィートプリズナー   作:夜叉五郎

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2068年6月8日(金)
マクロス・オーオク・社長室(閨房の間)


2068年6月8日(エピローグ)
ch.211「永遠のママキューレ」


今日、6月8日は彼女の24歳の誕生日である。

朝の柔らかな光が差し込むプライベートルームの洗面所で、カナメ・バッカニアは鏡の前でそっと自身の身体を見つめていた。

 

ここ数日、細胞の奥が微かに熱を帯びているような、あるいは自身のバイオリズムがこれまでと異なる精緻なテンポを刻んでいるような、奇妙な違和感があった。

 

(何か、いつもと違うような……?)

 

そんな胸の奥から湧き上がるかすかな予感に突き動かされるようにして、彼女は棚から妊娠検査薬を取り出し、静かにチェックを行った。

 

数分後、手元にあるスティックの小窓には、はっきりと鮮やかな陽性反応のラインが浮かび上がっていた。

レハームのルビープリズンでオリッシュと深く結ばれたあの初夜。肉体の最奥で受精した卵子が、無事に彼女の子宮組織へと着床を完了した、生物学的な決定の証であった。

 

「――っ!」

 

ラインを目にした瞬間、カナメは思わず息を呑み、洗面所の狭い床の上で子供のように小さく何度も飛び跳ねて喜んだ。

いつもはワルキューレのリーダーとして冷静沈着に振る舞う自分が、これほど子供っぽく感情を爆発させていることに気づくと、急に気恥ずかしさが込み上げ、自身の喜びようにポッと頬を染めて赤面してしまう。

 

ふと目の前の鏡を見上げると、そこにはこれまでに見たことがないほど赤く上気し、溢れんばかりの幸福感に満ちた自身の顔が映し出されていた。

眩いほどに輝くその表情を見て、初めて「本当にあの人の子供を授かったんだ」という実感が、熱い塊となって胸の奥から突き上げてくる。

 

「ふふ……本当に、私たちの“生命の歓喜”がここに宿っているのね……」

 

カナメはそっと自らの下腹部に手を当て、今度はじんわりと、深く深くその喜びを胸の奥へ染み渡らせるように噛み締めた。

 

思い返せば、三ヶ月前の3月8日、レディMからの極秘指令を受けて彼の元へと赴いたあの日、胸の中にあったのは底知れない緊張と任務への覚悟だった。

しかし、ルビープリズンで幾日も濃密で情熱的な夜を過ごす間に、世界は一変した。

オリッシュの圧倒的なオスとしての質量と、嘘偽りのない真っ直ぐな愛に幾度も貫かれ、獰猛に蹂虙される快感に溺れていくうちに、任務としての義務感はいつしか本物の狂おしいほどの彼のチンポへの愛着へと融けていった。

身体の最奥の子宮へ毎夜のようにたっぷりと極上のスペルマを注ぎ込まれ、心も子宮もあんなに嫌がっていた尻の穴も彼のチンポ色に染め上げられていく中で、彼女は世界で最も満たされた女、サキュバスへと変貌を遂げたのだ。

そして今、彼の妻となり、故郷ディバイドに一滴の血も流さず絶対的な安寧をもたらした偉大な夫の子供を、この身に宿している。

この三ヶ月間のすべての瞬間が、今日という至上の結実へ繋がっていたのだと、カナメは熱い充足感に胸を震わせた。

 

その瞬間、彼女の身体から放たれる生体フォールド波は、これまでにないほど華やかで、生命力に満ちたオーラとなって周囲の空間を優しく染めていく。

 

同時に、彼女の下腹部に刻まれた淫紋が淡く、しかし確かなエネルギーを放って明滅した。

その幸福なサキュバス波は、淫紋の共鳴を介して、同じくサキュバス化している美雲、マキナ、レイナ、クレアの4人、そしてマクロス・オーオクに勤務する百十七名の女性スタッフたちの左手の薬指の社員証へと瞬時に伝播していく。

艦内のいたるところで、スタッフたちがハッとしたように胸を震わせ、至上の多幸感と温かな波動に包まれた。

 

---

 

一方、広々とした社長室(閨房の間)のダイニング部分で、オリッシュ・ハメルマンが新妻であるカナメの登場を待ちわびていた。

彼の周囲では、さまざまなスタイルのメイド服に身を包んだ美雲、マキナ、レイナ、クレアの4人が、手際よく極上の朝食をテーブルにサーブしている。

 

そこへ、社長室(閨房の間)のドアが開き、幸福なオーラを纏ったカナメが姿を現した。

美雲たちはカナメの顔を見た瞬間、すべてを察したように互いに満足げな目配せを交わした。

彼女たちはにこやかに微笑むと、新婚夫婦だけの空間を邪魔しないよう、スッと音もなく部屋から退出していった。

 

「おはよう、あなた」

 

カナメはいつもの落ち着いた優しい微笑みを浮かべ、テーブルの席へと歩み寄る。

 

「ああ、カナメ、おはよう。……今日はカナメの24歳の誕生日だよね。おめでとう! ほら、特別なプレゼントを用意してあるんだ」

 

オリッシュは嬉そうに, 用意した花束と共に綺麗にラッピングされた箱を差し出した。

 

「あら、嬉しい。でもね、旦那さま……プレゼントなら、もう貰っちゃったわ♡」

 

「え?」

 

オリッシュが不思議そうに首を傾げたその時、カナメは悪戯っぽく微笑みながら、胸元から一本のスティックを取り出した。

それを自分の顔の横に掲げて、ニッコリと満面の笑みを浮かべる。

 

「最高のプレゼント、ありがとう」

 

その手にある妊娠検査薬の陽性ラインが、オリッシュの目に飛び込んできた。

一瞬、彼の思考回路が停止する。

だが、それが意味する絶対的な事実を理解した瞬間、オリッシュは椅子を大きく弾ませてガタッと立ち上がった。

 

「ほ、ほんとに!?」

 

「ええ、見て。バッチリ陽性よ」

 

「――っ!」

 

オリッシュはバタバタと大きな足音を立ててカナメのもとへと駆け寄り、愛おしいその身体を壊れ物でも扱うかのように、しかし力強く抱きしめた。

 

「きゃっ」

 

「ああ、ありがとうカナメ! う、嬉しいよ……! 俺たちの子供が、本当にできてくれたんだな……!!」

 

カナメの胸に顔を埋め、歓喜の声をあげるオリッシュ。

 

カナメがレディMの極秘指令を受けての慰安任務としてオリッシュの元へと赴いてから、今日でちょうど三ヶ月目。

最愛の妻からのこれ以上ない最高の報告を受け、オリッシュはまさに人生における幸せの絶頂へと至ったのだった。

 

---

 

オリッシュがカナメを愛おしそうに強く抱きしめ、最高の喜びを分かち合った後、二人はソファに並んで腰掛け、これからの幸せな家族計画について話し合いを始めた。

生まれてくる子供の部屋をどうするか、どんな風に育てていくか、未来の光景に胸を躍らせる二人だったが、ふとオリッシュが少し残念そうな、眉を下げた表情を浮かべた。

 

「……ただ、カナメ。子供の命が最優先だから、お腹の状態が安定するまでは、夜の濃密な営みはしばらく避けないとな」

 

カナメの身も心も散々に味わい尽くしてきたにも関わらず、真面目に気遣うオリッシュの言葉に、カナメはふっと妖艶な笑みを浮かべて彼の耳元に顔を寄せた。

 

「あら、心配性ね。でも、後ろの穴なら、まだまだお相手できるわよ?」

 

大人の色香を含んだカナメの大胆な提案に、オリッシュは一瞬クラリと理性を揺さぶられそうになりながらも、慌てて首を振った。

 

「ダメダメ! 授かったばかりの本当にデリケートな時期なんだから、安定期に入るまではどんな刺激も絶対に避けないと! お医者様の本にもちゃんと書いてあるんだから!」

 

変なところで滅法律儀な夫の態度に、カナメは「困ったわね……」と小さく吐息をもらし、美しい眉をひそめてみせた。

 

そこへ、カチッとした足音とともにドアがノックされ、凛々しい軍服姿のミラージュ・ファリーナ・ジーナスが入室してきた。

 

「失礼します。オリッシュ社長、カナメさん」

 

マクロス・オーオクがディバイドでの作戦を終え、これからレハームへと戻るにあたり、その行程を自ら説明するための入室であった。

生真面目にタブレットを抱える彼女の姿を見た瞬間、カナメは「そうだわ!」とパッと顔を輝かせた。

 

「私の代わりは、ミラージュに務めてもらいましょう!」

 

カナメの突然の宣言に、オリッシュは驚いて目を丸くした。

 

「え、いいのか? カナメ」

 

「ええ、もちろんよ。いいわよね? ミラージュ!」

 

突然自分に話を振られたミラージュは、何のことだかさっぱり分からず、持ち前の几帳面さと生真面目さで背筋を伸ばして応えた。

 

「はっ、何のお話でしょうか? 私に務められる任務であれば、甘んじて受けますが……」

 

その融通の利かない返答に、カナメは悪戯っぽく微笑みながら衝撃の事実を告げた。

 

「ミラージュ、私ね、妊娠したの。だから、私の体が安定するまでの間、旦那様の夜の営みの代わりを、是非貴女に務めてほしくて」

 

「はぁ、夜の……え? 営み……っ? え、えええええええ!?!? 妊娠、いえ、夜の代打ですか!?」

 

一瞬にして状況を理解したミラージュの顔は、またたく間に耳の付け根まで真っ赤に染まり、抱えていたタブレットを落としそうになるほど激しく動揺した。

 

「ふふ、善は急げね。レディMに慰安任務の交代をお願いしてみるわね」

 

カナメは手際よく端末を取り出すと、驚くべき速さで上層部への手配を進めてしまう。

 

そこへ、「ふふ、そろそろいいかしら?」と、美雲、マキナ、レイナ、クレアの4人が部屋へと戻ってきた。

 

「ミラージュ。顔が茹で上がったみたいに真っ赤。のぼせた?」

 

レイナが冷徹なドールのような瞳で、魂が抜けかけたように混乱しているミラージュの様子を訝しがる。

マキナはカナメから事の経緯と代打案を聞かされると、途端に目を輝かせてはち切れんばかりにはしゃぎ出した。

 

「えーっ! いいじゃんいいじゃん! ミラミラも一緒に楽しもうよ☆ どんな可愛い声で啼いちゃうか、マキナとっても興味津々だな〜!」

 

さらにクレアが、その豊かな胸元を揺らしながら包容力のある笑みを浮かべる。

 

「あら、それは歓迎するわ。実は次の妊娠は私が予約しているの。ミラージュが居てくれるととても助かるわね」

 

そして美雲は、妖しく、かつ圧倒的な美貌を漂わせながら、艶っぽく舌舐めずりをしてミラージュを見つめた。

 

「ミラージュ……貴女のような生真面目な人が、マスターの獰猛なチンポに貫かれた時、一体どんな素晴らしい喘ぎ声を聞かせてくれるのかしら。今からとても楽しみだわ」

 

四人の美女たちに包囲され、完全に退路を断たれて困惑の極みに達している軍服姿のミラージュ。

その時、彼女が胸元にぎゅっと抱え込んでいたタブレットが、微かな電子音とともに鮮やかに明滅した。

画面に表示されたのは、「差出人:レディM」の文字。

恐る恐る通知を開いたミラージュの目に、『カナメ・バッカニアの懐妊に伴い、オリッシュ・ハメルマン氏に対する夜間慰安任務の代行を命ずる』という、あまりにも直截的で公的な辞令メールの内容が飛び込んできた。

 

「う、嘘……本当に公式な特務として承認されてしまうなんて……っ!?」

レディM直々の絶対的な命令書を下されてしまい、ミラージュは今度こそ脳天まで沸騰したかのように顔を真っ赤に染め上げ、言葉を失う。

 

そんな彼女の初々しい動揺と、軍服に包まれた引き締まった肢体を前に、オリッシュの男性としての本能は激しく刺激され、スラックスの股関部分が隠しきれない熱量で逞しく膨らんでいく。

 

カナメはそんな夫の雄々しい逞しさをうっとりと見つめ、その豊かな双丘を彼の腕にぴったりと押し当てるようにして身体を寄せた。

 

「あまりミラージュや他の娘たちに夢中にならないでくださいね。この子が無事に産まれたらすぐに復帰して、あと十人は産んでみせますから♡」

 

そのままゆっくりとオリッシュにキスするカナメ。

確固たる愛の宣言とともに、閨房の間はこれ以上ない幸福な笑い声と熱い未来への期待に包まれた。

 

三ヶ月前、レディMの極秘指令から始まったあの激動の日々――義務としての慰安から始まり、オリッシュの真っ直ぐな愛に調教され、今や故郷の和平と新たな生命をその身に宿すに至った。

そのすべての営みと選択が、今日という至上の多幸感に満ちた結末へと一本の線で繋がっていたのだと、二人は深い達成感とともに確信していた。

 

マクロス・オーオクがレハームへと向けて動き出すなか、カナメ・バッカニアに課せられた慰安任務『オペレーション・スィートプリズナー』は、ここに大団円を迎えるのだった。

 

(FIN)

 




これにて本編、大団円です。
半年に渡り、お付き合い頂きありがとうございました!

あとは6/8のカナメ・バッカニアの誕生日に向けて、この週末に外伝を執筆して10万字越え目指そうと思います。

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